第144回 ■ バンダイ S.H.フィギュアーツ「キュアビート」

2016年5月29日 更新

 

 「スイートプリキュア♪」第三弾・キュアビート発売!
 かつては商品化すら危ぶまれたものですが、ようやく+トンでもない完成度で登場です。
 真面目な話、これは現状最高完成度のプリキュアーツ及び女性キャラアーツなのではないでしょうか?
 というわけで、今回はこちらをレビューしてみたいと思います。
 
 尚、SECRETではfigma「アンジェラ・バルザック」という女性キャラの可動フィギュアのレビューをアップ済みなのに、どうしてこれだけ掲載コーナーが違うのかと、もしお気にされる方がいらしたら、ごめんなさい。
 単に「マニア向け作品出典(→SECRET行)」「それ以外出典(→男頑行)」と大雑把に分けているだけです。

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■ S.H.フィギュアーツ キュアビート

 

 2015年9月25日〜10月27日まで、プレミアムバンダイ魂WEB商店にて予約受付。
 2016年4月18日配送開始(19日頃到着)。
 2016年4月のラインナップは、以下の通り。

  • 4/16 「ピカチュウ(ポケットモンスターシリーズ)」
  • 4/23 「ボディくん(Pale orange Color Ver.)」「ボディちゃん(Pale orange Color Ver.)」「ボディくん DX SET(Gray Color Ver.)」「ボディちゃん DX SET(Gray Color Ver.)」
  • 4/28「仮面ライダーゴースト オレ魂」「カブトエクステンダー(仮面ライダーカブト)」「ルパン三世」「峰不二子(ルパン三世)」
  • 4/18(配送開始日)「ザ・ニンジャ(キン肉マン)」「高坂穂乃果〜僕らは今のなかで(ラブライブ!)」(すべて魂ウェブ限定)
  • 4/25(配送開始日)「仮面ライダー龍騎サバイブ&ドラグランザーセット」「ドラグランザー(単品版)」「スカウト・トルーパー&スピーダー・バイク(スターウォーズ ジェダイの復讐)」「シャドウトルーパー(スターウォーズ)」「超サイヤ人ゴッドSS(超サイヤ人)ベジータ(ドラゴンボール超)」「クッパ(スーパーマリオブラザーズ)」「スーパーマリオ あそべる!プレイセットE 敵ぞろぞろ初級編(スーパーマリオブラザーズ)」(すべて魂ウェブ限定)

 全高約13.8センチ(頭頂部まで)。
 表情パーツ三種付属。
 非可動首ジョイントパーツ一点付属。
 全6種10個手首パーツ付属。
 ラブギターロッド付属。
 ソウルロッド付属。
 魂STAGE用支柱二本付属。
 魂STAGE用クリップ一点付属。
 ラブギターロッド用クリップ一点付属。
 専用台座付属。 
 価格は4.860円(税込)

 

 キュアビート。
 2011年度作品「スイートプリキュア♪」に登場する、作中四人目(実質的には三人目のメンバー)のプリキュア。
 同時に、「フレッシュプリキュア!」のキュアパッションに続く、元・敵幹部のプリキュアでもある。

 普段は黒川エレンを名乗り、人間世界では「調べの館」に住んでいる少女を装っているが、その正体はメイジャーランドの住人「セイレーン」で、人間ではなく猫の姿をした妖精。
 かつては敵であり、マイナーランドの歌姫かつ刺客グループ「トリオ・ザ・マイナー」のリーダーとして登場し、キュアメロディやリズムらと対立していた。
 メイジャーランド在住時はハミィの親友であり、21話ではセイレーンに裏切られながらなお(セイレーン自身を)信じ続けるハミィの心に呼応し、キュアビートに覚醒。
 しかし、突然の自身の変貌(猫の姿に戻れなくなる他)の影響で、その後は精神的動揺が続き、本格的なプリキュアとしての活躍は23話からとなる。

 22話で入手したキュアモジューレで変身し、変身時の名乗りは「爪弾くは魂の調べ! キュアビート!」。
 必殺技は、ラブギターロッドを用いた防御技「ビートバリア」や攻撃兼高速移動技「ビートソニック」。
 決め技は、ソウルロッドを用いた「プリキュア・ハートフルビートロック」。

 

 さて、キュアビートです。
 2015年7月26日開催「ワンダーフェスティバル2015夏」のバンダイブース上で、キュアビートtのデコマスが初めて公開されました。
 この時点で公開されたキュアビートは、既に彩色済みの状態でしたが、製品版に比べると顔の印象などが全く異なり、それでいて非常に高い完成度で、期待するなと云う方が無茶だというくらいのインパクトでした。
 ただ、同時に展示されていた(既発売済みの)キュアメロディやキュアリズムと比較すると明らかに出来の差が激しく、もしかしたら並べて飾ると浮いてしまうのでは? といった懸念の意見も当時見受けられました。

 プレミアムバンダイの案内開始は、2015年9月24日から。
 当初は2016年3月配送予定だったのですが、何かしらの事情で遅延が発生し、その後4月配送に変更されています。

 

 前後比較。
 これまで発売されたプリキュアーツの中でも、突出したバランスの良さです。
 基本構造は、キュアメロディやリズムに準拠しているため、その辺りの可動の癖などはそのまま継承されているのですが、各部位のバランスの見直しが徹底しているのか、腕が長すぎたり、身体が華奢過ぎたりすることがありません。
 また、サイドテールのモールドなど各部の細かい造りも秀逸で、バンダイもとうとうここまで来たのか! と素直に驚かざるを得ません。

 

 たまにはサイドビュー。
 キュアメロディのような安定感はありませんが、一応自立はそこそこやりやすく感じます(※プリキュアーツとしては、ですが)。
 ただ、足首関節の保持力がイマイチなので、ここが難点かと。
 腰から伸びているリボンは軟質樹脂製ですが、結構固めなのか癖がなかなか取れず、この画像の位置で定まりがちです。

 

 表情はデフォルト含めて計四種。
 左上:真面目顔(睨み顔?)
 左下:叫び顔or怒り顔
 右上:口開け笑顔
 右下:微かな微笑み(デフォ顔)
 交換方式は、昨今のプリキュアーツに準じます。

 

 斜めから。
 サイドテールは、根元がボールジョイントになっているので、可動します。
 尚、今回は前髪パーツが形状の都合で非常に外れやすく、また接続時も、隙間が空きやすいように思えます。
 勝手に脱落するほど緩いというわけではないのですが、人によっては気になるかもしれません。

 

 そして、物凄く残念なお知らせ。
 
 ――非可動です。

 

 付属手首。
 上から二段目は、左がラブギターロッドのネック持ち用で、右がピック持ち?用。
 ただし、ネック持ちは最下段左の手首でも代用可能(説明書にも表記あり)。

 

 ラブギターロッド&ソウルロッド。
 非変型で、それぞれ個別で付属します。
 形状・配色はさすがの一言。

 

 それぞれ、先端部のソリーとラリーが取り外し可能です。
 ジョイント部の形状の都合、向きの変更は出来ません。
 (フェアリートーンの入れ替えは可能)

 

 撲殺兵器(ではない)ソウルロッド。
 大きさはそれなりに大きめで、おおよそ本編の対比ママかと思われます。
 保持力がやや足りないのか、専用手首でも結構脱落が発生しがちです。

 

 プリキュアーツ定番の台座も付属。
 各関節部とクリップパーツは、保持力かなり高めです。
 今回はアームがもう一本付属で、しかもソウルロッド(ラブギターロッド)を 支えるための専用クリップが付きます。
 クリップとありますが、実際は上向き「コ」の字型のもので、形状変化はしません。
 ただ乗せるだけです。

 

 ネガトーン(代理)を引っ張り出して、三拍子、いち、にぃ、さん……「フィナーレ!」。

 脚に回転ロールがなく、股関節で向きを変えなきゃならない構造なので、厳密な再現はちと無理があるようです。

 

 ポージングに関してですが、先の通り、これまでのスイートプリキュアーツに 準じた構造ですので、キュアメロディやリズムとだいたい似たような感じで考えて支障はないかと思います。
 ただ、腰部分の可動範囲が狭い上に、脚が後方にあまり倒れないので、ビート特有の身体の捻りが多いポーズ(極端なS字立ち?)は些かやりづらい印象です。
 しかし、それでも頑張ればちょっとした固定フィギュア並に映えるポージングが可能になるため、グレード自体は相当高いことは間違いありません。

 あと補足ですが、股関節は引き出し式になっています。

 

 キュアメロディ&キュアリズムとの比較。
 身長差問題もあるのですが、腰の位置や四肢の長さ等の関係で、ボディサイズ自体は大差ないにも関わらず、ここまで差が生じています。
 まあ身長については、若干ヒールで稼いでるのもありますが。
 メロディとリズムは、古い原型から起こされた商品のためか、比較的最近になって作られたビートと解釈が色々異なっているのかもしれません。

 それにしても、リズムの顔、何故改悪したんだ……

 

 比較的最近に出た、他のプリキュアーツとも比較。
 「キュアソード」「キュアロゼッタ」「キュアエコー」です。
 いずれも非常に出来が良く、進歩を感じさせます。
 「では何故レビューしない?」というツッコミは、ご容赦の方向で。

 それにしても、こんなに身長差あったっけ? この四人……?

 

 以上、今回はいつもより短めですが、S.H.フィギュアーツ・キュアビートでした。

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【買ってみて一言】

 一部難点はあるものの、総合的には予想を遥かに超える高完成度で、大変満足しました。
 あともうちょっと可動範囲があれば……とは思いますが、それを補って余りある出来かと。
 各表情、装備、髪の形状、ボディバランスなど今までのプリキュアーツの中でも革新的だと思います。
 これの前に出たもので、個人的に評価が高かったもので「キュアマーチ」「キュアソード」「キュアロゼッタ」「キュアエコー」がありましたが、今回はそれらを更にぶっちぎったような印象でした。

 

 蛇足ですが、本商品はパッケージがやたら分厚いという特徴があります。
 サイズは縦18×横15×奥行11センチと、通常のフィギュアーツの約二倍くらいの厚みです。
 キュアビートのサイドテールの影響なのは明白なんですが、ブリスター内にはデッドスペースも結構多く、かなり余裕を持った構成になっているようです。
 キュアマリンと、どっちが分厚いのかな……?

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