第122回 ■ バンダイ TK01「仮面ライダードライブ タイプスピード」&TK02「タイヤセット」
2014年12月31日 更新
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発売後2ヶ月以上経過、しかもフィギュアーツ版の発売決定&予約終了したというのに、今更ながら「タイヤ交換シリーズ」のレビューなんかをやってみたいと思います。
ドライブは、果たしてタイヤフェチの魂をくすぐれるのか?(その予定はありません)
■ TK(タイヤ交換)01 仮面ライダードライブ タイプスピード
2014年10月4日発売。
全高は、約14.9センチ。
タイヤ(タイプスピード)付属。
タイヤ(マックスフレア)付属。
価格は、3456円(税込)。
「仮面ライダードライブ」。
2014年10月5日から、テレビ朝日系列で放送中の、2014年12月現在最新の仮面ライダーシリーズ。
主人公が警察官、バイクではなく自動車がメインのマシン、変身ベルトが自我を持っており会話可能など、それまでのライダーシリーズとは大きくかけ離れた設定がポイントで、その他にも数多くの独自性を持った作品となっている。
また、上半身を斜めに横切るタイヤがパワーアップパーツで、これを交換することで新たな能力を得るなど、「仮面ライダーフォーゼ」や「仮面ライダー鎧武」を思わせる特徴的かつ個性的なギミックを持っている。
ある日突然、世界各地に現れた人工生命体「ロイミュード」は、周辺のあらゆる物体の動きを鈍化させる能力を用い、人類殲滅(?)に乗り出した。
後に「重加速(俗称:どんより)」と名付けられた鈍化の影響により、人類はなす術もなく一方的にロイミュードに蹂躙されるしかなかった。
主人公の泊進ノ介(警視庁巡査)は、爆破テロ犯人追跡中に重加速に巻き込まれ、拳銃の誤射で同僚の早瀬明を負傷させてしまう。
それから半年後、怪奇事件専門担当部署「特状課」に配属(左遷)された進ノ介は、被害者の全身が赤くなるという怪事件の調査に乗り出し、その過程で再びロイミュードと出会ってしまう。
だがその時、突然現れたミニカー「シフトカー」によって進ノ介は救われ、更に“会話できるベルト”「ドライブドライバー」とも知り合った。
「ドライブドライバー」の助力で、赤い戦士「ドライブ」に変身した進ノ介は、ロイミュード撃退に成功。
「特状課」の中で、唯一事情に通じている同僚・詩島霧子と共に、進ノ介は戦士ドライブとして、ロイミュードとの闘いを続けていくことになる。
やがて進ノ介は、ロイミュードにとっての忌み名である“仮面ライダー”という呼称を知り、自らを「仮面ライダードライブ」と名乗るようになっていく。
さて、まずは前後比較です。
所謂メイン商品、すなわち「低年齢層向け玩具」ですので、関節構造などはかなり簡略化されてはいますが、プロポーションやディテールなどはかなりレベルが高めで、安っぽさはあまり感じません。
この可動フィギュア系商品は、「仮面ライダーフォーゼ」のFMCS以降、かなりのリアリティさ追求が図られている気がするのですが、今回もなかなかのものです。
特に、背面の細かいモールドがイカします。
顔アップ。
もはやすっかり定番となった、ゴーグル部のクリアパーツ化は今回も健在。
車のヘッドライトを模した複眼のモールドもばっちり再現されていて、なかなか良い雰囲気が出ています。
クラッシャー相当の部分は、銀色の成型色そのまま。
この辺りは、玩具の仕様上仕方ない部分でしょうか。
斜めから。
リアウィングを模した頭頂部や、赤地に走る二本の白いラインなどもしっかり再現。
光沢のある赤のボディとのコントラストが、見事に映えています。
それにしても、特徴良く掴んでる造形だよなあ。
いかにも首可動の妨げになりそうなタイヤですが、顎さえ上げれば首は360度グルリと回せます。
反面、顎を上げないとタイヤに顎がぶつかってしまいます。
その他、顎引きが殆ど出来ないという難点もあります。
上半身を横切るタイヤは、手動で回転可能。
嵌め方がばっちりだと、指で弾いた際に軽快に回転します(物によるかもですが)。
タイヤの交換は、上半身右側を取り外して行います。
パッケージ内でも、これが外された状態で梱包されていますので、外から見ると身体がずれた状態で箱に入っているのが解ります。
タイヤ用ジョイントは、上部と下部に分かれている構造です。
下部ジョイントは八角形で、ここだけ回転可能。
ここがホイールの穴と合致することで、ドライブに装着したタイヤが回る仕組みになっています。
ジョイント上部は、右半身を固定するためのジョイントです。
スタンダードなタイプスピード・タイヤ。
良く見ると、ホイールの穴は左右対称ではなく、ドライブ本体に嵌める向きが決まっています(全タイヤ同様)。
穴の小さい方が、ドライブ右半身側になります。
このタイヤ自体には、特にギミックはありません。
尚、タイヤ部分の文字はモールドがあるだけで塗装は施されていません(他も同)。
タイヤなしでも、右半身を固定することは可能。
その場合、タイヤがはまる部分に大きな溝が出来ます。
プレミアムバンダイ限定の「プロトドライブ(2015年5月発送)」では、ここを専用パーツで塞ぐ仕様のようです。
目の錯覚でしょうけど、何となく右半身の位置がずれているように見えてしまうのが、面白いところです。
肩・腕部の可動範囲は、ざっとこんな感じ。
肩が真横まで上がらないのが、ちょっと痛いです。
当然ですが、肩のスイング機構やら肩アーマーの独立可動などの凝った仕組みはありません。
上腕は、やや下寄りの位置に回転ロールあり。
腰は横方向に回転可能。
前後スイングなどは、さすがに不可です。
「ドライブドライバー」と「シフトカーホルダー」は、成型色まんまの構成。
ホルダーは根元で若干回転可能なので、脚の動きに合わせてずらせます。
脚部は、横方向の可動に強く、前後方向に弱いという感じです。
股関節の前後可動および、膝可動は画像の状態が限度です。
脚は、尻部分のパーツが干渉する都合で、これ以上後ろに動かせません。
膝は二重関節ではないため、目測約90度くらいまでしか行けません。
このように、脚部可動はあまりよろしくないのですが、何故か足首関節は非常に優秀です。
ボールジョイントなのですが、画像くらい脚を開いても余裕で接地&自立可能。
これは、ボーイズトイとしてはかなり良い部類に入る仕様ではないかと思われます。
本商品には、交換用タイヤ「マックスフレア」が付属します。
基本仕様は、タイプスピードとほぼ同じなのですが、ゴム部分がクリアオレンジ成型になっていて、とても綺麗です。
マックスフレアタイヤは、「DXトライドロン」の各ホイールに装着可能。
左前輪に装着して、「タイヤコウカーン!」の雰囲気再現出来ます。
タイプスピード・マックスフレア。
シフトカー・マックスフレアの力で、タイヤコウカンした状態。
高熱攻撃「フレアストリーム」が使用可能。
マックスフレアタイヤ装着状態をアップで。
赤のボディにクリアオレンジの組み合わせは、個人的に凄く好きです。
もう一個くらいタイヤが付属しても良かった気もするんですが、とにかくこれが同梱されてて嬉しいものです。
マックスフレアタイヤは、炎を模した突起を立てることが出来ます。
突起の根元に滑り止めがあるので、指先で簡単に立たせられます。
ただし、起立後の保持力は弱いので、全部きっちり立てた状態にするのは、ちょっとだけ面倒です。
炎エフェクトが欲しくなってしまいますね。
フィギュアーツ版では、タイプスピードの初回特典として、マックスフレアと炎エフェクトが付くそうなんですが、エフェクトはこっちにも使えるかな?
ACシリーズ「仮面ライダー鎧武 カチドキアームズ」と比較。
ACはこれしか持ってないんですけど。
フィギュアーツ版「仮面ライダー鎧武」と比較。
身長はだいたい同じくらいなので、割といい対比になります。
フィギュアーツ版ドライブが出る2015年5月までは、これで凌げる?
以上、TK01 仮面ライダードライブ タイプスピードでした。
続けて、タイヤセットのレビューに移ります。
■ TK(タイヤ交換)02 タイヤセット ファースト
2014年10月18日発売。
タイヤ「ファンキースパイク」「ジャスティスハンター」「マッシブモンスター」のセット。
価格は、1944円(税込)。
本セットは、所謂ドライブ用「武器セット」のようなもので、フィギュアーツでいうところの「仮面ライダーフォーゼ・モジュールセット」的な位置付けの商品です。
しかし、これまでボーイズトイ系でライダーの武器セット的なものが個別で販売されたケースはなく、今回が初の試みとなります。
40種類ものモジュールがあったフォーゼですら、何かしらのライダーフィギュアとのセットのみだった(「仮面ライダーディケイド」FFRシリーズを例外として)事を踏まえても、この展開は非常に珍しいと云えます。
それでは、まず「ファンキースパイクタイヤ」から。
劇中では、ミドルスパイクニードルが生えるファンキースパイクタイヤですが、本商品では棘というより「コブ」になっています。
これは、対象年齢3歳以上という安全基準上、やむを得ない処置だとはわかりますが、やっぱり雰囲気がイマイチですかね。
ファンキースパイクタイヤも、「DXトライドロン」の各ホイールに装着可能です。
ファンキースパイクタイヤは、本商品中唯一、ギミック皆無となります。
そのため、殆ど見たまんまですね。
タイヤは相変わらず軽快に回転するので、「スパイクトルネード」よろしく、ちょっとしたグラインダー気分でガリガリ回して遊ぶには楽しいかも?
でも、ハイエイジトイに慣れた人には、さすがに厳しいと思いますね。
以上、ファンキースパイクタイヤでした。
紹介短っ!
続いて、「ジャスティスハンター」。
ここからは、「タイヤ」+「武器」の組み合わせになります。
オレンジ色のゴム(※材質はプラですが)に、格子を思わせるドレッドパターンが施されています。
装着時、ドライブの右半身側になる位置に、鉄格子「ジャスティスケージ」を接続。
ジャスティスハンタータイヤも、「DXトライドロン」の各ホイールに装着可能です。
「ジャスティスケージ」なしでも、装着出来ます。
装着状態。
タイヤの形状自体は、タイプスピードとあまり変わりません。
「ジャスティスケージ」を手に持たせた場合、ポロリすることはまずない程度の保持力を維持できますが、画像のようにまっすぐ持たせて維持するためには、ちょっとしたコツが要ります(そんなに難しくはないです)。
ジャスティスケージは、見たまんまの一体成型で、ギミックは一切ないです。
地を這ってロイミュードを閉じ込める「檻」になる「ジャスティスケージ」ですが、さすがにあの変型は出来ないので、どちらかというと打撃武器「ジャスティスマッシュ」として遊ぶのがメインでしょうね。
最後は、マッシブモンスタータイヤ。
本商品の中では、一番凝った構成です。
マッシブモンスタータイヤ外観。
他と異なり、モンスター型のケースに収まっている構成となります。
画像は、基本形態。
上蓋を開けると、このように紫色のタイヤが収まっています。
ケース上下の内側にはガイドがあるので、それぞれのパーツの向きは決定されています。
ケース内でタイヤがカタカタいうことはなく、また噛み合わせの都合、上蓋もずらして閉じることは出来ません。
タイヤ及びケースの正面・左右。
タイヤの接地面には、一箇所だけモンスターの顔が描かれています。
これと、ケース上蓋にあるモンスターの目は、塗装皮膜が薄めなので、削れに注意です。
ケース上下には、ドライブに持たせるための穴が開いているので、「モンスクランチ」の再現が可能です。
ただし、物がデカいので保持力はいささか難。
手から落ちたりはしなくても、手の中で回ってしまうので、綺麗に構えるにはまたまたコツを要します。
尚、タイヤそのものにはギミックがないため、舌伸ばし攻撃などは再現出来ません。
出来たら怖いけど。
マッシブモンスタータイヤも、「DXトライドロン」の各ホイールに装着可能です。
ケース付きのままで行けますが、ケースなしでも当然OK。
以上、TK02タイヤセットでした。
正直な話、タイヤだけの詰め合わせは果たして正しい選択だったのかと、思わず疑ってしまうような「つまらない」構成と言わざるを得ません。
この商品単独で遊べる要素は皆無なわけで、必ず別商品が必要になるというのは、いくら大前提でもいかがなものかと。
また、TK01などのオプションとして見るにしても、内容物に大きな差異がないというのも、(ドライブという作品の性質上仕方ないとはいえ)どうかと云わざるを得ません。
タイプスピードやワイルド、テクニックに分けて入れることは出来なかったのかなーと、大きな疑問が付きまといます。
まあ、フィギュア単体の価格を下げるためにあえて別売りにしたのかもしれませんが、だったらそちらにシフトカーを付ける(セット売りにする)ようにした方が良かったのでは? と個人的に思えてなりません。
何と言うか、「天装戦隊ゴセイジャー」のゴセイヘッダーシリーズに匹敵するような、ちょっと扱いに困る商品な気もします。
【買ってみて一言】
相変わらず、最近のボーイズトイ事業部はそつなく仕事をこなしてるなーと思わされます。
低年齢層向け玩具としては、プロポーションも良く可動もそこそこ良さげで、何より安心して気軽に弄れるという点が、ポイント高いです。
身体に嵌るタイヤも、何となくカラカラ回してると楽しいものがあって、個人的にはお気に入りです。
聞くところによると、ガシャポンのタイヤキーホルダーが、簡単な改造? でTKシリーズに装着出来、その方が劇中のスタイルに近づくんだそうです。
筆者はやったことはないですけど、お気が向いたら試してみるのも良いかもしれませんね。
一方、「タイヤセット」は、正直この構成では高すぎるとしか言いようがありません。
不要な物とは決して思いませんが、タイヤそのものに仕込めるプレイバリューに限度がある以上、もう少し販売形態を考えて欲しかった気がします。
尚、TKシリーズは12月末現在、「ドライブ・タイプワイルド」「同・タイプテクニック」「魔進チェイサー」「タイヤセット セカンド」「仮面ライダードライブ・タイプフルーツ」が発売済みで、2014年12月12日より、プレミアムバンダイにて「仮面ライダープロトドライブ」を受注受付中です。
さて、ここで取り扱った商品は、いずれも次ページでレビューする「DXトライドロン」と組ませることで、更にプレイバリューが広がります。
詳しくは、次ページにて。
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