第123回 ■ バンダイ 仮面ライダードライブ「三段変形 DXトライドロン」
2014年12月31日 更新
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- 仮面ライダードライブ タイプスピード |
- TK02 タイヤセット ファースト |
1988年頃のお話。
特撮マニアの間で、太某の子が「仮面ライダーなのに車に乗る!」というニュースが広まり、各所で大きな波紋を呼びました。
あれから早や26年ちょい、ついに「最初から車に乗っている」という、最高に開き直った仮面ライダー「ドライブ」が登場してしまいました。
まぁ、仮面ライダーの定義自体揺らいで久しい昨今において、今更車だバイクだと騒ぐのも、もはやナンセンスなんですけど。
というわけで、今回はシリーズ初の「車しか持ってねぇ!」な仮面ライダーの愛車、トライドロンをレビューします。
……でも、やっぱ「走る赤いバッタ顔」との関連付けを疑っちゃうよなぁ、このネーミング。
■ 三段変形 DXトライドロン
2014年10月18日発売。
トライドロン本体。
シフトカー・ミッドナイトシャドー1台付属。
ミッドナイトシャドータイヤ1点付属。
LR44電池2個使用(内蔵済)。
取扱説明書。
価格は、税込7344円。
さて、トライドロンです。
先の通り、仮面ライダーシリーズで自動車(明確に四輪車と分かるもの)に乗るライダーはこれで二人目ですが、のっけから車に乗っていてバイクがないというのは、今回のドライブが初となります。
トライドロンは、ご存知の通り「タイプスピード」「タイプワイルド」「タイプテクニック」の三形態に変型可能な上、ドライブ用のタイヤを射出(タイヤコウカン)を行いますが、本商品はそのギミックをほぼ一通り再現できるようになっています。
もっとも、さすがにタイヤは飛ばせませんが。
DXトライドロンは、TKシリーズの仮面ライダードライブを中に搭乗させることが出来るので、必然的にサイズが大型になります。
全長約36.4センチ、最大全幅約18.4センチ(左右後輪間)で、大人の手にも余るほどのビッグサイズです。
LR44電池2個使用で、音声が出るギミックがありますが(点灯や電動はなし)、電池は最初から入っていますので、別途購入する必要はありません。
音声はボタンを押すことで発せられますが、トライドロンの形態によって内容が変わります。
詳しくは、各形態解説の項で。
まずは、トライドロン・タイプスピードから。
トライドロンの基本形態で、設定では一応警察車両ということなんですが、外観にパトカー的な要素が全くありません。
「仮面ライダードライブ」は企画検討時、一時的に「主人公が警察関係者ではない」という設定されていた時期があったそうで、トライドロンはその頃にデザイン・発注されたものだったため、警察的な意匠がないのだそうです。
個人的には、警察的要素がなくて正解だった気がします。
フロントビュー。
リアビュー。
サイドビュー。
撮影用の実車と異なり、後輪部分から後部にかけてのフェンダーが短めになっています。
また、画像で見ると全体的に縦の長さが足りず、寸詰まりな印象を受けてしまいますが、実物はそんなに気にならない感じです。
圧倒的なボリュームで、上手くごまかされてるのかもしれません。
フロントカウル部アップ。
非常に特徴的かつ複雑な面構成を、上手く再現しています。
ライト部は見たまんまで、クリアパーツが嵌っているなどの処置はありません。
左前輪。
ドライブ用のタイヤを射出する部分です。
劇中のように、フロントフェンダーの一部が格納されるといったギミックはなく、剥き出しのままです。
なんでここをこういう形状にする必要があったのかと、以前から不思議だったんですけど、これ変型の都合でスペースを空ける必要があったようですね。
後輪周辺。
本商品は、所謂「インチアップホイール」タイプで、リアウィング部のものを除き、タイヤの肉厚が殆どないものとなっています。
この辺、肉厚タイヤにロマンを感じる方には物足りないものがあるかもしれません。
各タイヤは、ホイール部が固定で、タイヤ部分のみが回転する構造になっています。
そのせいかわかりませんが、こういう商品であるにも拘らず、コロ走行はちょっと苦手だったりします。
DXトライドロンは、TKシリーズのドライブを乗せることが可能です。
劇中では2シーターですが、本商品では、様々な都合で1シーターに変更されています。
コクピット内部。
TK01等を乗せること前提のためか、劇中のコクピット内部再現は完全に放棄されています。
ハンドルは回転しません。
TK01タイプスピードを乗せた状態。
割と普通に乗っている……ように見えますが、実はちょっと乗せ辛いです。
シートとハンドルの間が開き過ぎのためか、背もたれ部分に背を付けた状態でハンドルを握らせようとすると、手がハンドルに届きません。
逆に、ハンドルを握らせると、背もたれに背が付きません。
「あれ? タイヤの厚みがあるから、そりゃあ当然じゃね?」とお思いの方も多いでしょうが。
搭乗姿勢を横から。
上は、ハンドルを握らせた状態で、背中とシートの背もたれの間が空いています。
下は、背もたれに可能な限り背を付けた状態。
こんな感じで、ぴったり背を付けることはタイヤのせいで不可能なんですが、これはそれ以前の問題だったということです。
説明書には、何故か「仮面ライダードライブはタイプスピードタイヤ以外を装着した状態では、搭乗させないでください。」と書いてあるんですが、タイプスピードと似た形状のタイヤであれば、特段問題はありません。
とはいえ、実際はファンキースパイク程度までなら無問題。
このままハッチ? も閉められます。
こういった形状なんで、当然ながらTKシリーズ以外の可動フィギュアも搭乗可能です。
試しに、S.H.フィギュアーツ「仮面ライダー鎧武」を搭乗させてみましたが、問題なくハッチを閉じられました。
さすがにそこまでは試してないのですが、多分ハンドルを握らせることも可能かと(手は充分届いてます)。
アーツ鎧武は問題ありませんでしたが、物によってはツノがハッチに引っかかることもあるかと思いますので、無理矢理やってツノを折ったりしないように気をつける必要があります。
尚、TKシリーズの「仮面ライダードライブ・タイプワイルド」や「同・タイプテクニック」は、そのままだと乗せてもハッチが閉じられないとか。
えー!
トライドロンの各タイヤには、同梱または別売のタイヤが接続出来ます。
DXトライドロンは、音声ギミックが内蔵されています。
電源スイッチと電池ボックスの位置はここです。
スイッチを入れると、
- 起動音&「ライドオン・トライドロン!」
という感じで音と音声が出ます。
声は勿論、ベルトさんことクリス・ペプラー氏(以下全て同)。
コクピットのこの部分にあるスイッチが、音声スイッチです。
ここを押すと、トライドロンの状態により様々な音声が出るようになっています。
コクピット単独(非合体)時は、
- スイッチ1回押し…離陸音
- スイッチ2回押し…着陸音
- スイッチ長押し…「ドロン・トライドロン!」
タイプスピード時は、
- 合体時…合体音&「タイプ・スピード!」
- スイッチ1回押し…走行音
- スイッチ2回押し…走行音(ややドップラー効果あり?)
- スイッチ2回押し…急ブレーキ音
- スイッチ長押し…「トライドロン・シュート!」&射撃音
- コクピット分離時…分離音
という内容です。
「離陸音」と「着陸音」というのは、説明書の表記ママですが、正直そういう音にはあまり感じられないです。
「走行音」も、説明書では「加速音1・2」とありますが、まあ普通に車が走ってる効果音です。
本商品には、シフトカー「ミッドナイトシャドー」と「ミッドナイトシャドータイヤ」が付属します。
シフトカー「ミッドナイトシャドー」。
仕様は、他のDX版シフトカーと同じです。
シフトブレス接続用のシフトレバー型変形。
まるでツインテールのごつある。
他のシフトカーとの対比。
つうかただ持ってるのを並べただけ。
DXトライドロンの後部には、シフトカーを接続するためのガイドが設けられています。
劇中の車には、リアウィンドウにこんなくぼみはありませんが。
シフトカー・ミッドナイトシャドーを接続した状態。
他のシフトカーでも、勿論問題なく接続可能です。
ただし、固定はされずただ乗っているだけなので、脱落にはご注意。
この状態になると、
- 効果音&「タイヤフエール!」&効果音
こんな感じで、3回連続で音声が鳴ります。
ここで鳴るクリス氏の声は、「タイヤフエェェルルウ」と、妙に舌を震わす発音をしています。
尚、発音はシフトカーを差し込んだ(置いた)時のみで、外した時には鳴りません。
ミッドナイトシャドータイヤ。
基本仕様は、TKシリーズ仮面ライダードライブ付属のタイヤと同じです。
左前輪に接続することで、「タイヤコウカーン!」を雰囲気再現可能です。
TK01仮面ライダードライブ・タイプスピードに装着した状態。
なんとなく、(このサイトで紹介した)他のタイヤよりごつい感じがします。
タイヤの各ブレードを立てることが出来ます。
当然、このまま回転も可能です。
それでは、いよいよ他タイプへの変型についてです。
まずは、タイプスピード→タイプワイルドへ。
まず最初に、リアウィング部のパーツを左右共に引き上げます。
これは、コクピットブロックを押さえているものなので、必ず最初に行う必要があります。
コクピットブロックを取り外します。
シャーシ側から押し上げるようにすると、簡単です。
ただし、コクピット側面部にも左右一箇所ずつ固定用ジョイントがあるので、一応そこもご注意です。
前輪を、矢印の方向で180度回転させます。
反対向きには、回らない構造になっています。
これをやる必要があったから、左フェンダーを開ける必要があったのね(多分)。
本体をひっくり返し、シャーシ側が上を向くようにします。
一見無意味に思えた、リアウィングのタイヤが活きる時が来た!
コクピットブロックを、リアウィング側に向けて再接続します。
この時、
- 合体音&「タイプ・ワイルド!」
と鳴ります。
ちなみにこの音声は、クリス・ケプラー氏本来の綺麗な英語の発音ではなく、どちらかというと「和製英語」的な発音になっています。
例えば「WILD」の「ド」は「du」という感じの発音になるのですが、ここでは明確な「do」という発音になっています。
要するに、(正しくはハーフだけど)ガイジンさんに、和製英語を英語っぽく発音してもらったような……
――自分でも、何を書いてるのか訳わかんなくなってきた。
トライドロン・タイプワイルド完成。
ひっくり返して、コクピットを前寄りにしただけなのに、随分と印象が変化しました。
妙に垂れ目だったテールランプは、このためだったんだと思わされる個性的なフェイスがステキ。
フロントビューおよび、リアビュー。
サイドビュー。
念の為、画像左が前方向です。
タイプワイルドに変型すると、(先述の通り)音声ボタンを押した際の音が変化します。
- スイッチ1回押し…破壊音(押し潰すような音)
- スイッチ長押し…「トライドロン・ボンバー!」&爆発音
その他、コクピット分離音もしますが、これは他と同じです。
以上、タイプワイルドでした。
次は、タイプテクニックへの変型です。
分かりやすくするため、再度タイプスピードから変型開始します。
コクピットブロックを外して、本体を前後に分割します。
分割した本体は、(タイプスピードの)前部に後部が覆い被さるように組み直します。
以降は、この画像で左を向いてる方が、前部になります。
コクピットブロックの後部下の、矢印部分を爪で軽く引っ掛け、収納されていたアームを引き出します。
引き出したアームは、このくらい伸ばします。
組み直したトライドロン本体に、コクピットブロックを上からはめ込めば、タイプテクニック完成です。
この時点で、
- 合体音&「タイプ・テクニック!」
と鳴ります。
実際は「テクニック」というより、「テ・ク・ニック」という風に、区切るような発音をしています。
トライドロン・タイプテクニック。
いきなり重機メカのように変貌してしまうのが、個人的に大好きです。
収納ギミックの関係上、アームは前後方向への可動のみ、ハンド部分は内側に曲がる程度と複雑な動きは出来ませんが、その辺はやむを得ないかと。
フロントビューと、リアビュー。
後ろから見ると、もう何がなんだか。
サイドビュー。
六輪全部が一度に設置する、唯一の形態ですね。
これも、特殊車両っぽさを強調する要因な訳ですが。
タイプテクニックになると、全高がTK01ドライブの身長を上回ります。
こりゃあもう、降りたら最後二度と乗れなさそう(玩具でなければ)。
タイプテクニックに変型すると、音声ボタンを押した際の音が変化します。
- スイッチ1回押し…機械作動音(アーム動作音)
- スイッチ長押し…「トライドロン・スマッシュ!」&アーム動作音&爆発音
その他、コクピット分離音もしますが、これは他と同じです。
形態ごとに発せられる音声が変化する仕組みは、ここにあります。
コクピットブロック後部に音声スイッチがあり、どこが押されたかで切り替わるのです。
この状態でそれぞれのスイッチを押すと、変型完了時の音が鳴ります。
詳細は、画像の説明をご覧ください。
尚、先に挙げた後部スイッチと、この底面部のスイッチは同じ部品で、どちらかが押されるともう一方も連動する仕組みです。
タイプスピード形態時は、この部分でスイッチを押して切り替えます。
タイプワイルド形態時は、この部分でスイッチを押して切り替えます。
タイプテクニック形態時は、この部分で底面部のスイッチを押します。
ジョイント横の平たい部分ですね。
以上、三段変形DXトライドロンでした。
【買ってみて一言】
とにかく、デカい! ド派手!! というのが魅力の遊べる玩具です。
もうホント、身体の小さな子供はこれをどうやって持ってブンドドするのか、ちょっと想像し難いものがあるくらいです。
音声ギミックもさることながら、単純明快かつガラリとデザインが変化する変型っぷりは実に見事で、とても弄り甲斐があります。
反面、各タイヤやホイールの形状、リアフェンダーの短縮化など、オリジナル車両とは大きく異なる部分も目立ちますが、そもそもリアルモデルではないので、その辺は仕方ないかと。
それでも、全体のおおまかなフォルムはオリジナル車両のイメージにかなり近く、よくまあここまでと思わされることもしばしば。
リアルなスタイルを求めるなら、(恐らく今後発売されるだろう)S.H.フィギュアーツ版を、ギミックを楽しみたいならDX版を、という風に頭を切り替えれば、充分楽しめる出来だと筆者は考えます。
ただ、肝心のTKシリーズの搭乗に些か問題があったり、またコクピットブロックの固定力が少し甘めだったりと、問題点・疑問点もないわけではありません。
特に、後者は本来のユーザー層である子供にとっては危険に繋がりかねないことなので、もう少しロック機構の構造に注力して欲しかった気がします。
何はともあれ、こんなに大迫力&遊びやすく面白いライダー玩具が出たことは、とても嬉しいことですね。
興味がある人は、(たとえフィギュアーツ版の方に注目してる人でも)気が向いたら是非一度弄ってみて欲しいですね。
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