第117回 ■ バンダイ S.H.フィギュアーツ「ロボライダー」
2014年7月27日 更新
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「仮面ライダーBLACK RX」は、一部ではフォームチェンジライダーの元祖だという人も多く居ます。
実際は、ストロンガーのチャージアップなどもあるんですが、原型を全く留めないほど変わってしまう二段変身としては、むしろいまだに唯一なんじゃないかなとも思ったり。
まぁ細かいことはともかく、そんなRXの別形態「ロボライダー」「バイオライダー」は、本放送当時に少し玩具が出た程度で、これまで商品化の機会が殆どなく、装着変身でも華麗にスルーされていました。
そのせいもあって、フィギュアーツ化の要望は以前(旧RXが出た当時)からあったのですが、一時は殆ど諦めムードでした。
しかし、リニューアルBLACKから始まった流れで、とうとうロボライダーが発売!
しかも、WEB限定ではなく、一般販売!!
その上、劇中一回しか出てないバイクまで(WEB限定だけど)出すという!
いったいどうしちまったんだ、バンダイ!
というわけで、今回はバンダイコレクター事業部大発狂企画(賛辞)の一つ・ロボライダーのレビューをさらりと。
■ S.H.フィギュアーツ ロボライダー
2014年7月19日発売。
2014年7月のラインナップは、以下の通り。
同時販売物は、「セーラージュピター(美少女戦士セーラームーン)」
- 7/12 「仮面ライダーレンゲル(仮面ライダー剣)」「うずまきナルト(NARUTO)」
- 7/25 「山村貞子(リングシリーズ)」
- 7/26(配送開始日)「仮面ライダーグリドン ドングリアームズ(仮面ライダー鎧武)」「仮面ライダーギャレン ジャックフォーム(仮面ライダー剣)」「インペリアルドラモン・ファイターモード(デジモンアドベンチャー02)」(すべて魂ウェブ限定)
全高は約14.3センチ(ツノ含まず)。
合計3種5個の手首付き。
ボルティックシューター付属。
専用台座などはなし。
価格は税込3,888円。
ロボライダー。
「仮面ライダーBLACK RX」15話より登場する、RXの新しい戦闘形態。
敏捷性を失う代わりに、強大な攻撃力と防御力を身に付け、あらゆる攻撃や高熱に耐える「ロボフォーム」という外皮をも手に入れている。
同時に、磁力の影響を受けやすくなってしまうという弱点も発生してしまうため、状況によってはRXやバイオライダーとの力の使い分けが求められる。
専用武器「ボルティックシューター」は、仮面ライダー史上初のライダー専用銃で、RXの攻撃でも壊せない物体でも、たやすく貫通・破壊させてしまう破壊力を秘めている。
必殺技は、ボルティックシューターによる一撃「ハードショット」。
その他、「仮面ライダー世界に駆ける」では、ロボキックという飛び蹴りも披露したことがある。
「ガロニア姫」としてクライシス帝国に誘拐された佐原ひとみを救出するため、マリバロンの後を追いアジトの神殿に潜入した南光太郎だったが、そこでは対RX用に造られた怪魔ロボット・デスガロンが待ち受けていた。
RXに変身して応戦する光太郎だったが、突如、部屋が閉鎖されてしまう。
その神殿は反逆者処刑用に作られた牢獄で、マリバロンはデスガロンごとRXを永久に閉じ込めてしまおうとしていたのだ。
RXやデスガロン単独の力では、牢獄の壁を破壊することが出来ない。
一時休戦しての脱出協力を提案するRXに対し、デスガロンは尚も攻撃を続けようとする。
その時、デスガロンの光線が室内の台座部分に命中、そこから佐原ひとみが姿を現した。
ひとみを庇おうとしたRXは、デスガロンの放ったブーメランに倒れるが、旋回したブーメランは、そのままひとみを切り裂いてしまった。
ひとみはRXの腕の中で事切れ、室内にはマリバロンの嘲笑が響き渡る。
「RX、恨むならおのれを恨め!ひとみは今まで生きていたのだ。貴様が抵抗さえしなければ、ひとみは死ななかった。ひとみを殺したのは、貴様だ!」
尚も呼びかけるRXの祈りも空しく、ひとみが目祖開けることはなかった。
怒りの咆哮を上げ、デスガロンと再び対峙するRXは、デスガロンのパンチをその身に受けた。
その時、不思議なことが起こった。
デスガロンの攻撃を受け、死を覚悟したRXの悲しみの涙が、RXに秘められた再生能力を活き活きと発動させたのである。
RXは、ロボライダーに姿を変えた。
ロボライダーの攻撃は、対RX用に調整されたデスガロンをいともたやすく翻弄し、手に持つボルティックシューターは、牢獄の壁にあっさりと大穴を開けてしまうほどの破壊力を発揮した。
ロボライダーとの戦闘で己の負けを悟ったデスガロンは、先ほど殺したひとみが偽者であることと、本物のひとみは6人の少女と共に、マリバロンに連れられて奇跡の谷へ向かっていることを伝え、爆死する。
ロボライダーは、RXを経て光太郎に戻ると、奇跡の谷を目指して走り出す。
そして、その様子を物陰から窺う、青いマスクの謎の男(霞のジョー)の姿があった。
さて、ロボライダーです。
いつかは手にする日が来るといいなぁと思っていましたが、ついにその願いが叶った気分です。
いやあ、長生きはするもんですばい。
てなわけで、一般販売の時点でもはや奇跡ともいえるロボライダーですが、9月にはバイオライダーの発売も決定していて、もうすぐ「仮面ライダー世界に駆ける」も再現出来てしまうという幸福状態。
2014年の夏から秋にかけては、BLACKやRXファンにとって、かけがえのない時期となることでしょう。
それでは、いつもの前後比較。
劇中に比べると、かなり細身になった印象を受けますが、主に首の太さや胸板の厚みによるイメージではないかと思われます。
それでも、フィギュアーツとしてはかなりマッシブな方で、ロボライダーらしさは決して損なわれてはいません。
顔アップ。
今回は、なんか劇中のイメージとかなり異なった印象があります。
理由は、劇中マスクよりやや縦長の対比になっていることと、目が小さめに見えてしまうことにあるのではないかと。
その他、クリア目がやや小さめに見えてしまうという、いつものパターンも災いしているようで、些か損してるような気もします。
角度を変えて。
しかし、斜めから見ると、割と劇中マスクに近いイメージに感じられます。
相変わらずツノの太さは致し方なしといったところですが、それを除けば、充分及第点の出来ではないかと思われます。
今回、何故か異常に首が伸ばせる仕様になっています。
そのため、こんな状態にも……
左が通常時、右が最大まで引き伸ばした状態。
結構大きな差が生じます。
その理由は、このように二重関節になっているからです。
デフォで首が長いと感じる場合は、これを調整すればいい感じになるかもしれません。
この構造は、恐らく後発のロボイザー搭乗時に前を向けるようにと組み込まれたものではないかと推察できますが、個人的には「それ以前にもっと工夫することがあるだろう」と感じます。
詳しくは、ライディングポーズの説明の辺りで。
両肩・腕の可動は、最近のスタンダード的なものです。
肩アーマーは、BLACKやRXの構造と同じなので、位置調整が利きます。
当然、肩のスイングも可能です。
RXとの唯一の共通部位・リストビットは、今回も回転はなし。
まあ回らなくても、支障は全然ないんだけど。
奇妙なことに、肘当てのパーツの接続が左右で異なっています。
これは、どうやら個体差ではなく全ての商品に当てはまるもののようです。
これによる可動への支障はありませんが、気になる人には気になるでしょうね。
その他、上腕のロール軸が癒着して回転させ辛いという症例もあるようで、ウチの物も右上腕がガッチリ固定されていました。
ただ、これはドライヤー過熱やお湯ポチャで一旦取り外すのは、止めた方がいいようです。
腕は、一旦外すと何故か再接続が困難になるという症例も、多く上がっていました。
ここは、地道にシリコンスプレー吹き→少しだけ動かし→足りなければまたスプレー…を、繰り返した方が賢明のようです。
サンライザー・ロボタイプ。
ベルトの形状も変化していて、バックルは約1.1センチの幅の中で、きっちり歯車の色分けが行われています。
胸部のマークも、RXのものとは変わったものに。
この辺りの再現度は、かなりのものです。
今回も、腰関節が引き伸ばし可能です。
これくらい行けます。
ただ、こんなに伸びるのに、実際の可動範囲はさほど拡大されないのは悲しい点です。
ベルトのバックルが、内部に潜りこまない構造のせいか、前屈みはかなり苦手っぽいです。
勿論、動きが全体的に固いロボライダーなら、この可動範囲でも殆ど問題はないんです。
問題は、バイクに乗った時なんですよね。
脚部可動について。
横方向は、最大でこれくらい開きます。
足首の接地を考慮しなければ、もうちょっとだけ広げられます。
脚の前後可動幅はこんな感じ。
勿論、今回も引き出し式ですが、それでもこれくらいが限界です。
足首は、結構可動範囲が広いと思いきや、前方向のみあまり曲がりません。
見た目の印象に反して、意外と広い可動範囲を誇りはするんですが、そこだけ残念だったりします。
足首の可動はそこそこ良さげで、股関節もいい可動具合な筈なんですが、膝立ちさせようとするとなんかちょっと癖があったり、意外に自由度を感じない気がします。
どうもこれ、所謂パンツパーツの形状のせいのようですね。
これのせいで、地味に制約が発生しています。
海外のトイイベントにて、(魂WEBで告知されるより早く)ロボイザーが展示されていましたが、その搭乗姿勢があまりに奇妙だったので、筆者を含む一部のファンは「ロボライダーはもしやまともにバイクに乗れないのでは?」という疑問を抱いたようです。
そこで、恐らく素体バイクが共通だろうと推測される「S.H.フィギュアーツ バトルホッパー(リニューアルVer.)」に乗せてみました。
現時点では握り手がないので、ちょっとおかしな感じですが。
横から見た状態。
ライダーとバイクの対比問題は、もう何度も語ったのでこの際無視しますが。
ロボライダーの腰周辺の可動が妙にぎこちない感じになっているのが、お分かりかと思います。
実は、脚部付け根辺りの可動範囲が災いして、足をうまくステップに乗せられない上に、太股の太さがバトルホッパー本体に干渉しまくって、脚の置き場に非常に難儀するのです。
一見簡単そうなこの姿勢でも、乗せるのにはえらい手間がかかってしまいました。
とてもじゃないですが、自然に手軽には乗せられません。
ライディング位置に関して、かなり融通が利きそうなバトルホッパーですら、この有様です。
同じように、今度は「S.H.フィギュアーツ アクロバッター(リニューアルVer.)」にも乗せてみます。
こちらも、同様に脚の辺りにかなり無理がかかります。
あと、脚の干渉やら可動範囲が全体に影響を及ぼし、場合によっては手がハンドルに届かなくなることもあります。
ロボライダーの前屈範囲が狭すぎるので、腕が充分に前に伸びないのに、腰や脚の関節が更に悪影響を及ぼしてる印象です。
画像では一応腕がちゃんとハンドルに届いてはいますが、自然なライディングポーズは(アクロバッターの難点を踏まえても)まず無理です。
肘の曲げ方や位置、肩のスイングなど可能な限りの関節をフル動員しても、とてもまともにバイクに乗れるとは云い難い気がしてなりません。
アクロバッターに乗った状態を、真正面から見るとこんな感じです。
海外のトイイベントで、ロボイザーに乗っているロボライダーは、ありえないくらいの大股開き&膝が外側を向いている状態で、とてもじゃないですがかっこよさなど微塵も感じられませんでした。
この画像の状態では、まだ比較的まともに感じますが……既に膝が外側を向いているので、嫌な予感バリバリです。
ロボイザーは、バトルホッパーやアクロバッター以上にボディが直線的&脚部の干渉必須な形状なので、今から心配でなりません。
今回唯一のオプション「ボルティックシューター」。
子供にも気軽に撃てる、汎用性の高い逸品。
小さいながらも、かなり特徴を掴んでいる、良い造型です。
対比はこんな感じ。
こうして見ると「なんか小さすぎ」と思えますけど、実はこれで正解。
ボルティックシューターは、実物も意外に小さめなんですよね。
むしろ、これでもまだ大振りに思えるくらいです。
ともあれ、玩具的には丁度いい具合じゃないかと。
ボルティックシューターといえば、必殺の「ハードショット」。
撃つ瞬間に、ぐいっと腕を突き出すのがポイント。
商品仕様については、以上です。
後は、適当なポージングなど。
ロボパンチ!
両手パンチは、意外にポージングが難儀です。
「俺は、悲しみの王子!!」
「アール、エックス!」
「ロボライダッ!!」
ロボライダーの名乗りは、RXほど思い切り振りかぶらないで、最小限の動きで行うのがコツ。
この自然な開き手が、名乗りにベストマッチなのもポイント高いです。
「ロボライダー?!」
「お前達が消滅すれば、俺まで消滅するからな! 後は俺に任せろ!!」
世界に駆ける再現まで、あと一人……
「仮面ライダーBLACK」と「仮面ライダーBLACK RX」と共に。
ファンにとっては夢のような光景ですが、9月には更なる感動が。
同じ2014年7月発売組と。
「仮面ライダーレンゲル」は、目の色が落ち着いてまぁ良かったよかった。
3mは、さすがの安心出来。
自立めんどいけど。
以上、ロボライダーでした。
【買ってみて一言】
正直なところ、今回は非常に微妙な評価です。
個人的には大変お気に入りではあるんですが、では妥協点はないのか? と聞かれると素直に頷けません。
出来るだけ客観的に評価すると、何だか色々といいたくなるという、不思議な出来に思えます。
関節可動範囲は充分確保出来そうな構造で、実際に部位的には充分動かせるのに、全体の動きは何故か制約が多いとか。
かと思うと、首の二重関節みたいに「何故ここだけ?」的な異常に広い可動範囲があったり。
あと、RX以上に固い上腕ロール軸なんかも、ちょっと問題でしょうか。
とにかく、動かせるようで動かせない、なんとも歯がゆい出来となってしまいました。
とはいえ、ご存知のようにロボライダーはあまり派手な動きをしないキャラなので、この可動でも充分です。
手首が少ないという難点もありますが、こちらも基本的にグー手ばかりのロボライダーには大きな問題にはならない気がします。
首が細いとか、胸板がやや薄めとか、プロポーション的にも気になる点はありますが、これ単独では充分過ぎるほどの充実感と完成度があると思います。
不安なのは、やはりロボイザー発売時にどれだけまともに乗せられるのかという点。
こればかりは、現時点ではなんともいえませんが、なんとかまともな姿勢で搭乗できることを祈りたいものです。
何はともあれ、ロボライダーがこれだけの完成度の可動フィギュアで発売されること自体が、一種の奇跡みたいなものなので、これはこれで愛でるべき価値があると思います。
バイオライダーは9月発売で、なんとマックジャバーのWEB通販も決定しました。
ここに至って、いきなり充実し始めたBLACK系アーツですが、是非とも最後まで完走して欲しいものです。
もっとも、最後のアレはえらくハードルが高そうですが……
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