第7回 ■ バンダイ 「DX魔神合体マジキング」 3.魔竜合体マジドラゴン
2005年3月7日 更新
●「魔竜合体!!」
次は、マジドラゴンについて。
劇中のマジドラゴンは、全高39メートル、全幅87.6メートル、重量4000トンの超巨大竜で、マジフェニックスを除く四体のマジマジンが合体する事で誕生する。
なんと恐ろしい事に、元々は人間なのに合体後はまともに会話する事ができなくなってしまう!
恐るべし、魔法の力!
その巨大さは玩具でも充分すぎるくらい再現されており、とにかく壮観だが、今のところ単体の必殺技などは見せておらず、せいぜい口から炎球を吐く程度。
ただし、背中にマジフェニックスを乗せて飛翔する事で、必殺技を使う事が出来るようになる。
マジドラゴンは、「頭部=マジフェアリー」「胴体・四肢=マジタウロス」「首・背中・翼=マジガルーダ」「尻尾(の一部)=マジマーメイド」という構成になっている。
正確には、ここに加えてタウロスアックスとマーメイドシールドを合体させた尾が入って完全体となる。
まず、マジフェアリーを背中側に折りたたむ。
すると、背面部の白いギザギサがかみ合い、竜の頭部と顎部が形成される。
背中のリボン?は、竜の角になる。
続けて、マジタウロスの両腕を、背中側に90度ほど回す。
次に、両脚を根元から後方に曲げ、かかとの大きな爪パーツを引き伸ばす。
その際、タウロスのスネ部分にある二重関節(注:膝の可動とはまったくの無縁)を調整して、かかとを竜のつま先、タウロスのつま先を竜のかかとになるように調整する。
この時、タウロスにとって逆方向に曲がる膝を調整して、竜の脚の表情付けを行っておく。
あとは、ボディ全体を斜め後ろに倒したような姿勢で、待機。
マジマーメイドを二枚におろし、両脚を外側に向けておく。
頭部を収納し、マーメイドの背中側にある大きなグレーのジョイントパーツを、タウロスの股間部分の凹ジョイントに接続する。
よく考えると、この辺ものすごい合体状況なんだけど、大人の貴方は気付かなかった振りをするべきだ。
これを左右行ってからボディを閉じるのだが、その際、つま先部分に「竜の尾(シールドとアックスの合体)」を挟み込む。
マジガルーダは、ガルーダの胸全体を前方に引き出し、頭部を後ろに倒して一回転させる。
次に、翼を両側に大きく広げ、両脚を真横に回して、つま先が外側を向くように整える。
そして脚をそのまま上に移動させ、翼下部の凸ジョイントと、足首部分にある凹ジョイントを接続する。
そのまま胸をさらに前方に引っ張ると、ずるりと伸びて竜の首になる。
ガルーダの首の裏側にある凸部分は、マジフェアリー(ドラゴン頭部)を接続するジョイントになる。
頭部を接続する時はかなり力が要るので、注意が必要だ。
この状態で、ガルーダの背中側にあるジョイントをタウロスの首元にあるジョイントに接続し、左右の翼をさらに展開すると、マジドラゴンが完成する。
DX版のマジドラゴンは、全長約48センチ、翼の幅約48センチ強、高さ約20センチにも及び、飾る場合はかなりの大面積を必要とする。
(注:上記サイズはかなりアバウトな測定なので、オフィシャルと思わない事。特に身長は姿勢で変わるので、あくまで目安で)
以前ガオケンタウロスを組み立てた時も驚かされたが、横幅と高さのインパクトで迫るケンタウロスに対して、マジドラゴンは前後左右四方向にインパクト放ちまくりだ。
どちらの方が大きくて迫力があるかはともかく、「合体バリエーションの一つ」として見た場合、マジドラゴンは「よくぞここまで!」と思わされてしまう。
個人的には、これまでハイパーハーケンが最もインパクトのあるバリエーション合体だったのだが、今回はそれを乗り越えた。
ここから、さらにロボットに合体する楽しみがあるというだけで、ワクワクしてくる。
はっきり言って、どんなに言葉や文字で表現しても、直接マジドラゴンを手に取った時の衝撃は表現できないと思う。
また、組み上げていく最中のワクワク感もかなりのもので、うまい表現が見つからない。
まあ、これは個人的感覚に寄る部分が大きいと思うが。
で、この上にマジフェニックスを乗せるわけだが、なんとこれ、今までよくあったような「乗っている様に見せかける」ものではなく、本当に両脚で、ドラゴンの胴体にまたがる。
しかも、フェニックスの太股の裏側には凸ジョイントがあり、これをドラゴンの腰部(マジタウロスの前垂れ部分にある凹ジョイント)に接続させて固定するので、どんなに振っても振り落とされる事はまずない。
むしろ、その前に別なパーツが外れそうだが。
しかし、このジョイント接続には、色々考えさせられるものがある。
なんとなくだが、これなら別なロボットも乗せられそうだな、と。
さて、大迫力&凝った合体でユーザーを楽しませてくれるマジドラゴンだが、さすがに問題点もかなりある。
基本的なデザインについての問題は置いといて、あくまで玩具だけを見て行くと、
- 「口の中にフェアリーの足」
- 「顎がまともに開かない」
- 「前足の爪(マジタウロスの手)が内側向きで、らしくない」
- 「翼が真横向いたまま固定(羽ばたけない)」
- 「尻尾の中心部分が可動しないから、躍動感が出ない」
といった難点に気付かされるだろう。
まず頭部だが、ドラゴンの口を開かせようとするとマジフェアリーの体全体が起き上がり、いまいち自然な開き方にならないばかりか、頭部全体のラインが崩れてします。
というか、口が裂けすぎているような開き方になってしまう。
また、変形の都合でドラゴンの下顎部分にはフェアリーの足首が来るのだが、これがかなり珍妙で、お世辞にも必要な感じがしない。
かといって取り外す訳にもいかず、「竜の舌」に見立てるのも無理がある。
このままでは口の中に異物を挟んだドラゴンのようなので、できればもう少しなんとかして欲しかった。
マジタウロスの手首が無可動なせいか、あるいは腕に回転機構がないせいか、ドラゴンの手を「手の平を地に向ける」ような姿勢にできないのも痛い。
やはり、竜なら爪は内側ではなく、下向きの外側に向いて欲しいのだ。
「翼」については、マジガルーダの脚部がストッパーになっているため向きの変更ができないだけなので、要はこれを外せば自由度を高められる。
しかし、その結果マジフェニックスの搭乗位置の真正面に、無意味な棒が二本またがる事になり、これもまたキツイ。
この「翼の可動制約」については、マジキング時にもつきまとう問題となる。
せっかくの長い尻尾も付け根と末端部分だけしか可動しないため、うまくうねらせる事が出来ないのも残念。
これは、途中にマジマーメイドのボディがまたがっているための制約なのだが、せめてもう少しなんとか工夫して欲しかった気はする。
その他、せっかくマジフェニックスを乗せられるのに、ガルーダの翼と足が邪魔になって、腕がうまく回せないという問題もある。
せっかく、この形態独自の武器「ドラゴンランサー」を持たせられるというのに、ちょっともったいない。
以上、よきにしろ悪きにしろ、色々な注目点があるマジドラゴン。
恐らく、上記問題点は人によってあまり気にならないのではないかとも思われる。
元々リアルモデルではない訳だし、悪い言い方をすれば「メインの合体形態ではない“オマケ的存在”」でもあるわけなのだから、多くの注文を付けるのはどうかとも思うわけで。
むしろ、サブ合体なのにここまでやってくれた事について、素直に感動しておきたいところだ。
この後、マジキングに組み替えた時、またまた完全に変化するシルエットの妙に、思わずため息が漏れるだろう。
ホント、単体の合体ロボット玩具としては、信じられないほどプレイバリューに溢れている。