SECRET 第41回 ■ メガハウス HobbyJapan Limited Edition 2007年6月号誌上限定品
幻奏戦記ルリルラ「イズルハ−黄金の歌姫Ver.−」

2007年10月26日 更新

 ここでは、タイトル画像に利用したフィギュアをご紹介。

 久しぶりの更新となります今回は、ホビージャパン誌上限定発売「幻奏戦記ルリルラ イズルハ〜黄金の歌姫Ver.〜」です。
 2007年6月号から告知開始、4月25日〜6月10日の受注期間を置いて10月19日から発送開始されました(商品到着は20日以降)。
 価格は、本体6,800円+送料・手数料1,000円=7,800円(単品時)。
 製作はメガハウスです。
 尚、誌上解説では「エクセレントCORE」シリーズであるかのような表記がありますが、パッケージ上には記載がありません。

 「幻奏戦記ルリルラ」は、月刊ゲームぎゃざ2002年1月号〜2003年3月号まで、隔月で計6回連載された読者参加企画で、後に月刊ホビージャパン2004年2月号〜2007年4月号で、小笠原智史氏作による漫画版が連載されました(単行本も有り)。
 正しいタイトル表記は「幻奏戦記Ru/Li/Lu/Ra」ですが、本ページではあえて「ルリルラ」とカナ表記統一させていただきます。

 本商品は、先述のホビージャパン誌上以外にも、コミックス3巻購入後に申し込めるバージョンがあり、そちらにはポージングの元となった小笠原智史氏作のイラストテレカが付属しました(代金はプラス1,000円)。

 イズルハは、コミックス版に登場するヒロインキャラで、本当はロリロリでつるつるぺったん…なキャラクター“らしい”です。
 はい、筆者は当然ながら原作をまったく知らないで手を出したタチです。
 ホビージャパンによれば、元々は中性的な少女だったが、「歌姫」と呼ばれる作品世界内の特殊階級の中でも頂点に君臨する存在に変身した…んだそうで。
 まあつまりは、ピピルマできゃのでクルクルリンクルなパラポラマジカルなわけですな、多分……

 …てへっ☆

 さて、イズルハ。
 黄金のローブ(誌上表記準拠)をまとった金髪の美少女。
 ローブは別パーツで取り外し可能。
 なんと、左足だけで立っていて右足は常時浮きっぱなしです!
 なんか色々と不安ですが、それについては後述。

 まずは、全体を旋回撮影。

 なんかやばい事になってますが、後述。
 ここではすっトボけます。

 スマートで適度な肉感のあるおみ足が美しいです。
 衣装のおかげで、サイズの割に全体のボリューム感があり、飾り栄えします。
 ただ、ポージングと頭部の向きのせいでやや角度限定っぽい性質があるようです。
 もっとも、角度によって意外に面白い表情が見られるのも事実で。
 それについては、以下で実際に写真を交えて解説します。

 アップ。
 髪形がザンバラな上に、額と前髪がひっつき気味なせいで顔がやや隠れ気味なのが残念。
 サンプル画像(パッケージ写真)では、そこそこ隙間が開いていたのになあ。
 それはともかく、眼が隠れてしまっているため、真正面からだと今ひとつ表情が明確に窺えません。

 逆に言えば、これくらいしか大きく目立つ造形上の問題がないとも言えるわけですが…

 上半身サイド(正面?)ライン。
 細身なのに出るところはきっちり出ているところが嬉しいですね。
 ボディについては、後程別途触れますが、ここでは全体のバランスの良さに触れておきましょう。
 風の流れを感じさせる雰囲気が実に良いです。

 胴体部。
 所謂「前垂れスカート型」でスリットが深いため、左足がほとんど完全に露出。
 この時点でも充分エロいっす。
 ってか、これ、もうスリットじゃないよな…脇腹まで届いてるし。
 現実には着られないよ。

 ローブを取り外した状態。
 四の五の申しません。
 ここで、あらためて旋回撮影をば。

 おーエチィエチィ。

 スカートの横から後ろにかけて、もう容赦なし!
 しかも、よく見ると衣装は透明パーツの上に吹付塗装されたものなので、半分透けています。
 このせいで、ヤバイくらいにエロいです。

 サンプルモデルやパッケージ写真では、衣装はまったく透けていないため、実はこれ、ちょっとしたサプライズでありました(もっとも誌上ではちゃんと触れられているけど)。

 背中からヒップにかけて。
 もうすごい事になっています!

 左肩から、顔が覗くような角度に。
 なんとなく傾けてみたら、いい表情が出たので撮ってみました。
 まるでカメラ目線のように見えるけど、実際は違う方向を向いてます。
 こういう意外な面白さが見つかると、嬉しいものがあります。

 ややあおり気味で、前面部を撮影。
 こうして見ると、健康的な色気も感じられます。
 本当は実に良い表情をしている事が、おわかりになるかと。

 ――で、さて。
 ここまでの画像で「衣装が妙に浮いてるな」と感じられた方も多いかと思います。
 実はこの衣装、青丸部分の凹凸ジョイントで取り外す事が可能です。
 衣装が浮いているのも、当然なわけです。

 ここからはキャストオフ!

 クロスアウッ! 状態。
 タイトル画像で既にバレバレだったんですが。
 このように、イズルハは完全裸状態にする事が出来ます。

 衣装パーツを取り除くために、一旦首を引っこ抜かなければならないのですが。

 では、三度目の旋回撮影に行ってみましょう。

 これだけ見ると、単なるキャストオフギミック付きのありがちフィギュアなんですが、実は本商品最大の売りが、この全裸状態にあったりします。
 「え、裸が最大の売りなのはそりゃ当然だろ?」と言うなかれ。
 決してエロな意味ばかりではないので。

 なんとイズルハのボディは、完全一体成形なんです!

 首以外は、指先からつま先まで一個のパーツ構成になっています。
 要するに、分割線が皆無なんですね!
 今までも、首・胴体・両脚まで一体化というのはよくありましたが、腕などは別パーツでどうしても分割線が残ってしまいました。
 本商品は、そういう問題点を見事克服した、画期的な商品なわけですね。
 (注:実際はイズルハ以前にも完全一体成形ボディの商品はありました)

 この一体成形はホビージャパン誌上でも大きくアピールされていて、多くの注目を集めました。
 筆者も、これがどれほど凄いものなのかを知りたくて購入した次第です。
 結果は、「さすがはメガハウス!」と唸らされるものでした。

 白い肌に金髪、適度に膨らみを帯びた細い身体。
 ここまで見事に揃うと、もはやあまりエロティシズムは感じない気がします。
 むしろアートですね、アート。
 分割線がないというのも手伝ってます。

 いや冗談抜きで、純粋に綺麗だなーと見惚れてしまいます。

 全裸状態で正面から。
 どんどん危険な雰囲気が…

 まあ、ここまで来たらあえて多くは語りますまい。
 見たまんまです。

 あらためてボディを見ると、実にメリハリのある良い身体をしている事がわかります。
 マニアックさのあまり感じられない、スタンダードなお色気と申しましょうか。
 しかしまあ、本当に良いバランスです。
 原型師の魂を感じます。

 で、多くの人が気になるだろう部分は、どうなっているのかというと…

 ……具体的な発言は差し控えさせていただきます。
 とりあえず言える事は「それなりに期待通り」だと。

 胸アップ。
 一部では造形的につまらないという見解もあるようですが、充分ではないかと。

 ヒップ部分。
 ここで、ちょっと別な見方をしてみましょう。

 筆者が一番気にしていたのが実はここで、一体成形である以上お尻の谷間(生々しい表現だけど勘弁ね…)がどこまでしっかり再現されるかに注目していました。
 なぜかって?
 一体成形って事は、パーツ分割を利用した切れ込みの深さ再現(…)は出来ないわけで、ぶっちゃけるとかなり甘いモールドになってしまうのではないかと。
 実際、下半身部分が一体成形の他商品だと、ここが巧く処理し切れておらず、結果的に大変不恰好なヒップになってしまう例が多々ありました。
 こうなると、本来ありえないような「肉の塊」や「肉襦袢」にしか見えず、興醒めなんですよね。
 せっかくのよさを殺してしまいかねないわけです。

 で、イズルハはどうだったかというと…何の問題もなくクリアしていました。
 切れ込みも深く、実に自然なライン成形に成功しています。
 結果的に、どの角度から見ても違和感のない素晴らしい造形に落ち着きました。

 全裸状態でローブだけまとわせてみました。<br>
 あんまり変わらないかな、と最初は思ったんだけど…これはこれでなんか妙なエロさが出てくるから不思議。<br>
 やっぱり、中途半端に衣装を身にまとった方が全裸よりエロいという事の証明なのでありましょうか。

 さて、肝心の自立についてですが。
 写真のように、イズルハの左足内部には鉄芯が入れられてまして、かかと部分の穴から末端部が覗いています。
 これと、つま先部分の穴の二箇所を台座にはめ込む事で、片足立ちを成立させる仕組みです。
 もっとも心配される本体の歪みですが、一応この鉄芯と、身体全体をABS(PVCではない!)にする事で問題のクリアを計っています。

 ただし、この接続ジョイントは思ったより安定度が悪く、本体の歪みを気にするより前に転倒の恐れがあるかもしれません。

 イズルハは、ローブパーツという「後方に過剰な負担をかけるパーツ」があるため、どうしても常時背中側に引っ張られる形になります。
 そのため、いくら鉄芯を入れたとしても、これだけだと台座への安定度は充分にならないのです。
 この撮影中も、左足と台座がしょっちゅう外れたり、隙間が生じておかしな角度になってしまったりと散々でした。
 長期間飾るつもりなら、浮いている右足の下に何かを挟み、安定させるのが一番安心かなと個人的には思います。

 尚、筆者が試した限りでは、市販のフリーサイズ型フィギュア用スタンドだとローブが干渉してまったく使えませんでした。
 現在は、右足の下に余った「型取りくん(お湯で温めて使う粘土状の型取り用製品)」を挟んでいます。
 足の形に合わせているので、安定度はかなり向上しました。
 そんなに大量に使わなくてもイケるので、もし余らせている人がいたら試す価値ありかも。
 他にも、冷えると固まる粘土状の製品を使用するといいかも(ただし癒着に注意ね)。

 たまたま傍にあった「HDM ウルトラ超兵器-ウルトラ警備隊編- ウルトラホーク1号」と比較。
 ウルトラホークの全長が約18センチ、イズルハの身長が約18.5センチ(台座含まず)。
 イズルハの方がごく僅かに大きいです。

 関係ないけど、このHDM版ウルトラホーク1号はいいですよー。
 もう入手困難かもしれないけど、食玩なのにマグネットによる合体分離が出来るのはナイス。
 合計1,050円もするけどね。

 諸事情で写真がありませんが、パッケージサイズは高さ約25センチ×横約18センチ、奥行約16センチ。
 結構なボリュームがあります。
 発送時はこの箱がちょうどぴったり入るダンボールに包まれて送られてきます。
 ダンボールには特に商品名の印刷はないし、発送伝票にも「お買い上げ品」としか記述されていないため、家族がいる人でも安心して購入する事が出来ました。

 ――ですが、どうもこの受け取り時のトラブルを懸念して、購入を見送ってしまった人も結構居たようで。
 ふっ、哀れな…

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【買ってみて一言】

 注文から到着まで四ヶ月もの間が空いてたため、途中色々と戸惑いはありましたが、結果的には大満足できる良品でした。
 一部不満はあれど、それを補って余りある魅力のある本商品。
 発送前の、どことなくお通夜ムードにも似た暗い雰囲気もなんのその、発送後の祭状態は凄まじいものがありました。
 同時に、6月当時注文を見送った人達の多くが、涙を呑む結果に…
 一時は定価よりちょっと上程度の相場だったものの、発送完了後は突然万を超える平均価格に跳ね上がったという現実も、その評価の高さを物語っています。
 あえていうなら、今回はメガハウス初の試みを信じて、最後まで疑いを抱かなかった者勝ちだったのではないかな、と個人的にに思います。

 先述の通り、メガハウスとしては初の試みとなる「一体成形ボディ」は、かなり理想的な完成度に至りました。
 これは、今後の商品にどれだけ活かされるものか注目したいところではありますが、少なくとも複雑な構造の衣装が多い「クイーンズブレイド」シリーズには、フィードバックが難しいかな? なんて勝手に思ったり。
 …と思ってたら、なんか本当にやってしまいそうなものも発表されましたな、実際はどうなるかわかりませんが。

 本商品は、WEB上の意見を拾って見る限りでは、原作に思い入れがあるから購入したという人はあまり居なかったような印象を受けます。
 ですから、「原作を知らない物には一切手を出さない主義」の人には、理解が及ばないかもしれません。
 所謂「身体に惹かれた」という購買意欲を持っている人が多かったのかも。
 しかし、今回ばかりはそれで正解だったと言い切って良いでしょう。
 これは、原作を知らないから云々で見送るには、あまりにも惜しい商品だったと思います。
 願わくば、これほどのグレードの製品を今後も是非一般販売で続けて欲しいところでありますが。
 そんなささやかな?! 希望に、メガハウスは応えてくれるのでしょうか?
 今後の動向に期待&注目です。

 ついでに。
 こういう性質のフィギュアですから、当然ながら「他にもコスチュームを着せられるのでは?」と考え、色々と試行錯誤した方々がおられたようですが、結論として「着せ替えは難しい」のだそうです。
 というのも、一体成形の上に腕や肩、脚の位置や向きが完全固定のため、ものすごく着せ辛いらしいのです。
 その代わりに発展したのが、「首の差し替え」。
 今のところ、「メガハウス RAH.DXミーア・キャンベル2」の首が一番しっくり来る上に、同シリーズ「RAH.DXミーア1」と丁度鏡写しのようなポージングになるため、受けが良いそうです。

 尚、この商品は2010年2月12日に「アナザーカラーVer. 」が一般販売されたことを補足しておきます。

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