第17回補足 ■ 装着変身オルタナティブ問題について

2006年8月2日 更新

 2006年8月現在、装着変身リュウガに続いて、装着変身オルタナティブの脚が突然破損するという事故が多数発生しているという情報が、ネット上で報告され始めています。
 こちらについて、当ページでも早速検証…と思ったら。

 はい、筆者のも、しっかりやられました。
  というわけで、今回はより細かな写真を掲載して、装着変身オルタナティブ破損問題を検証します。

 なお、ここで対象にしているのは、2005年10月発売の初版です
 2006年6月上旬に発売された、再販版オルタナティブについては、まだデータが乏しく詳しいことが判明していません。

検証:装着オルタナティブ左脚破損

 (こちらは、2006年8月2日の追記です)

 まずは、証拠写真をご覧下さい。

 

 いきなりこれだけ出してもなんなので、まずは説明を。

 写真の装着変身オルタナティブは、レビューページでも使用した初版。
 購入後から、ずっとショーケース内で飾っておりました。
 8/1、ネット上で破損問題の情報を知り、念のため確認したら、このありさまでした。

 なお、これは筆者だけでなく、スタッフの一人本部長所有のものにも発生しました
 皮肉にも、発見日は筆者と同じ日。
 以下は、本部長に送信していただいた画像です。
 まったく同じ症状であることが、おわかりいただけるかと思います。

 

 画像では今ひとつよくわからないかもしれませんが、これはつまり、左脚太股内側のネジ受け部分が、根本からポッキリと折れてしまっているわけです。    言うまでもなく、こんな所に負担がかかるような扱いはまったくしておりません。

 この破損が発生していると、「左脚の股関節部分が妙に軽くなる」「左脚全体がプラプラになり、以前のような強度が完全に失われる」「太股パーツの接合部分に、僅かな隙間が生じる」という現象が起こります。

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検証2:破損部分の分析

 次は、破損部分をズームで見てみましょう。

 

 矢印部分が、問題の破損箇所です
 上の矢印が指しているのは、左太股裏側から差し込まれているネジの先端と、それを収めているネジ受けが折れてくっついているもの。
 下の矢印が指しているのは、ネジ受けがすっぽり抜けてしまった部分。
 本来なら、こちら側からネジ受けが伸びている筈なのです。

 この状態でも、太股のパーツはカッチリ閉じる事は可能です。
 パーツ側面に点在している凸ジョイントがあるためですね。
 しかし、それでも股関節の強度は復活しません。
 瞬間接着剤による補正も、強度復元には至らないと考えられます(恐らく、破損箇所以外にも補強を行わなければならなくなる筈)。

 これはもう、素直に交換を申し出た方が賢明でしょうね。

 
 

 さらに別アングルで、破損箇所を。

 赤矢印を見て頂ければわかると思いますが、破損部分の断面がボロボロになっています。
 引きちぎったり、ねじ切ったりしたら、このようにはなりません。
 また、青矢印部分を見ると、取れた所は綺麗になっていて、何かを引きちぎったような形状になっておらず、また折った際に生じる破片も見当たりません。
 本当に、綺麗にポッキリ逝ったわけですね。
 普通、プラ製玩具でこんな破損は起こりません。
 折れた場合は、その部分が白くなって「折れたことがはっきりわかる」ようになっている筈です。
 経年劣化というには、あまりにも早すぎる劣化ですね。

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検証3:さらなる悪夢…

 (こちらは、2006年8月5日の追記です)

 どうやら、事態は想像を絶するものだったようです
 もう一枚、写真をご覧下さい。

  

 こちらは、最初に紹介した画像の左右反転ではありません。
 また別の、いわゆる三体目の素体の破損画像です。
 今度は、右脚が破損したというわけですが…

 問題は、これが「一体目の素体交換をバンダイに依頼し、その結果届いた物」であるということです!

 そう、交換品も、すでに破損していたのです。
 どうやら、メーカー交換でもまったく安心できなさそうな雰囲気が、色濃くなってきました。

 

 次に、この画像をご覧下さい。
 せっかくなので、健常状態の脚も分解し、破損したものと比較してみました。

 画面右側・左脚が、今回の交換で届いた素体の「まともな状態」。
 画面左側・右脚が、今回破損していた部分です。
 内側に寄っているパーツが、太股の裏側にあたります。
 太股は、前後から股関節軸と膝下パーツを挟み込む形になっていて、太股裏側からネジを差して固定する構造です。
 太股内部・ネジを受け止める軸は前面部パーツ側にあります。
 健常状態なら、画面右のように、前面部パーツ中心が盛り上がっています。
 ところが、破損した側はこの軸が取れてしまい、ネジの方にくっついていますから、逆にへこんでます。

 この部分を、もっとアップで見てみましょう。

 

 上の画面は、一つ前の画像を拡大したものです。
 右側・青い矢印が差しているのが、健常状態の左太股前面部パーツ中心。
 ネジ受け軸が綺麗に整ってます。

 左側・赤い矢印が差している部分をよく見ると、穴の奥でパーツが割れているのがわかります。
 その一つ右側のパーツ(右太股裏側パーツ)にくっついているネジ軸部分を見ると、折れた断面がギザギザになっています。
 これは、力がかかって折れたものではなく、「割れた」状態。
 もし、力がかかって折れた場合は、力が加わった反対側の向きに、断面パーツが白く変色したり、割れ方が均一にならず、一部盛り上がったりします。

 これが、オルタナティブ太股破損状態の詳細です。

 結果的に、筆者は二体も連続破損の被害に遭ってしまったわけですが、おかげで、面白い事に気づきました。
 以下に、太股破損の有無を的確に判断する方法を記します。

  • 両方の太股のネジを、ドライバーで外そうとしてみる。
  • 本当に外す必要はないが、作業中の手応えをよく確認する。
  • パーツが健常なら、ネジはスムーズに回転して、そのまま外れて行きそうになる。
  • パーツが破損していると、どんなにネジを回しても外れる兆しが感じられない
    (↑すでに軸が折れているため、ネジと一緒にネジ受け軸自体も回転してしまっている)

 この作業によって、健常だったパーツが破損することはありません。
 仮に破損した場合は、それは自然劣化にリーチがかかっていたと判断すべきでしょう。
 自分の手持ちの素体が、破損しているかどうか不安でたまらないという人は、是非試してみてください。
 ただし、くれぐれもサイズの合わないドライバーを空回しして、ネジ頭をバカにしないようにお気を付けください…。
 この方法を試された結果、想定外の破損が発見・発生した場合、当方では責任を持ちかねますので、くれぐれもご注意&自己責任で!

 ちなみにこの素体も、すぐに交換依頼しました。
 三体目は、はたしてどうなるのか。

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検証4:全滅の可能性大

 (こちらは、2006年8月19日の追記です)

 その後、バンダイから二体目のオルタナティブ素体が届きましたが、予想通り、こちらも右脚が破損していました。
 これで、もはや交換品も信用に足らないという事がはっきりしてしまいました。

 ただ、今回は問題に気付くのにタイムラグがありました。
 先では「パーツが破損していると、どんなにネジを回しても外れる兆しが感じられない」と記しましたが、なんと、破損した脚のネジも外れるケースがあるようです
 二体目到着後、耐久性確認のためドライバーで脚のネジを緩めてみましたが、両脚とも抜けそうな気配がありました。
 にも関わらず、右脚太腿に隙間が…
 嫌な予感がして、再度確認してみたところ、やっぱりネジ受けが…

 この事態からわかった点。
 ひょっとしたら、ネジを回した時の衝撃で、ネジ受けが破損することなどもありうるかもしれません。
 だとすると、ユーザーの不注意で破損させてしまったという事にもなりかねませんが、これはちょっと違うようです。
 もしそうだとすると、破損のために必要な衝撃は、せいぜいネジを数回回した程度という微弱なもの。
 こんな程度で破損するなんて、ましてこんなに太いパーツが音もなくポッキリ折れるなんて、ありえません。
 まして、どの個体も同じように折れるなど、考えられないことです。

 どちらにしろ、メーカー側の問題であるという事は、間違いありません。

 さて、二回目の交換ですが。
 再度バンダイに連絡したところ、以下のような回答をいただきました。

 このたびはご迷惑をおかけ致しまして申し訳ございませんでした。
 本来でしたら再度交換をさせていただくところでございますが、当品は在庫がな終了してしまいました

 大変申し訳ございませんが、今回ご返金をさせていただけませんでしょうか。
 何とぞお願い申しあげます。

 ご了承いただけましたら、お手数をおかけいたしますが、下記の住所宛に料金受取人払い(着払)にてお送りくださいますようお願い申し上げます。

 なお、お送りいただく際には、お名前・ご住所・お電話番号をご明記のうえ、このメールのプリントアウトしたものを同封いただけますようお願い申しあげます。
 このようなご案内となり、本当に申し訳ございません。

 お手数をおかけ致しますが、よろしくお願い致します。

 ―以下、送り先詳細―

(以上原文ママ)

 というわけで、交換は止まってしまいました。
 一見まともな対応のようですが、世の中にはプリンタを設置していない環境や、プリンタが使えない状況の人も居るわけで、その場合はどうすればいいのか、まったく考慮されていません。
 これは、クレーマーとして処理されてしまったのか、判断が微妙なところですが…

 そこで、今後の参考のため、ちょっと意地が悪い方法を試してみました。

 知人に一人、同様のパターンでオルタナティブの交換を希望する人が居るので、その人に交換申請を出していただくことにしました。
 その回答内容によっては、「在庫がない」という言い訳は嘘であり、二度目の交換は無条件で拒否するという姿勢がバンダイ側にあるという証明になります。
 ちょっと粘着気味で、自分でもあまりいい気はしないのですが、今後このような破損を経験した人にとって、重要な参考資料となる可能性もあるため、あえて決行します。

 さて、バンダイの回答は……?

 ところが、返ってきた返答も、同様の「返金のお願い」でした
 どうやら本当だったみたいです、バンダイさん疑ってごめんちゃい。
 他のサイトや掲示板でも、同様の報告を見る事ができましたので、どうやら8月初旬前後の交換依頼はしばらく受け付けられなくなったのは、事実のようです。

 やむなく、筆者は破損した脚を接着剤で修復し、なんとか保持力を維持した状態で回復させる事に成功しました。

 ――が。
 事態は、さらに恐るべきことになっていました。

 健常だと思われた左脚にも、隙間が見えました
 しかも、だんだん股関節の保持力が落ちている。
 慌てて分解してみましたが、ネジも外れるし、ネジ受軸も折れていません。
 しかし、太股の隙間は埋まらず、股関節保持力も戻りません。
 イヤ〜な予感に駆られ、もう一度左脚を分解してよく見てみたら…

 

 

 

 ――新パターンの破損でした。

 この状態になると、一見健常に思えるのに軸折れとよく似た症状が出るという、やっかいなことになります。
 これでは、ネジがはめられても抜けても、保持力維持に繋がりません。
 放置しておくと、どんどんゆるゆるになっていくようです。
 どうやら、これは気づいていない人が多そうなパターンみたいですね。
 今のところ、このような報告は(個人的には)目にしていません。

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最終報告:決着の時?

(こちらは、2006年10月15日の追記です)

 これが、本当の意味での決着になるかもしれません。

 9月末(バンダイのアナウンスでは、9/28以降)から、バンダイより新しい素体及び商品の交換配送が始まりました。
 その結果、筆者の所にもあらためて装着変身オルタナティブが届きました。
 幸い、こちらの物はまったく問題がなく、念の為に行った「脚部分解チェック」にも、余裕で耐えました。
 もちろん、隙間が開くなんて事もなく、関節保持力もしっかりしています。
 同様に、「装着変身マニアックス誌上限定販売/装着変身オルタナティブ・ゼロ」の耐久性も充分で、ここに至ってようやく安心できる状況となったようです。

 無論、今後もまったく問題なしのままでイケるか、と言われると、断言は決して出来ないわけですが。

 ただ、今回の交換について少し奇妙な経緯がありましたので、そちらについて報告をさせていただきます。
 以下は、今回のオルタナティブ交換プロセス全体の経緯です。

  1. 筆者のオルタナティブの破損確認→メールフォームでバンダイに報告&交換依頼
  2. バンダイからの返信&後日交換品到着→こちらにも破損確認
  3. さらにバンダイに交換依頼→同パターンで返信あり&二体目の交換品到着
  4. 交換二体目にも破損確認→さらに交換依頼するが、「在庫なしのため返金処理をしたい」との返事をもらう。
    (↑ ここまでは、当ページ内でレポート済)
  5. 筆者、(少し間を空けて)バンダイにメール送信。
    「これだけ商品のエラーが連発するという事は、製品そのものに問題があるのではないか?
    ネット上でもその話題は多く出ており、ファンの間には装着変身シリーズへの不信感も生まれているような印象を与えられる。
    これについて、御社はどのようなお考えをお持ちなのか。
    メーカー側からのアナウンスや商品回収などの処置はないのか。
    CORシリーズの仮面ライダードレイクでは回収と無償交換が行なわれたが、今回もそれと同様の処置をするのか。
    或いはそれ以外の方法で、この商品及び同様の報告がなされている“装着変身リュウガ”の対策が講じられるのか。
    もし講じられるとしても、破損問題の情報を知らず、泣き寝入りしてしまっている人達へのアナウンスはどうするのか。
    以上についてご回答をいただきたい」
    ――このような内容を、(きちんとした文体表現にまとめて)送信。
    ついでに、八月末に購入した「装着変身EXミラーモンスターズ04」の不良パーツの交換も別途依頼。
    この時点で、筆者は返金処理を辞退。
    最後に届けられた素体を接着剤で補修して、今後も持ち続けるという意思をはっきりと伝達した。
    (↑これを覚えておいてください)
  6. 後日、バンダイ側から返信あり(9/7)
    先般お問合せいただきました装着変身シリーズの今後の対応につきまして、ご報告申しあげます。

    お時間をいただき調査・分析いたしましたところ、成型時に使用するシリコンオイルの影響により時間が経つにつれていわゆる経時変化が発生し破損につながった商品が、一部に混入してしまったものと判明いたしました
    ご心配をおかけいたしまして、大変申し訳ございませんでした。

    そのため、後藤夕貴様のお手元の商品が必ず破損するとは考えられないものです
    大変恐れ入りますが、以下の窓口まで現品をお送り願えませんでしょうか。
    順次に交換のご手配をさせていただきたいと考えております。

    ※原文ママ 以下は通常案内文
    (この後も、同件についてのアナウンス及び回収などの対応処置は行われていない)
    こちらについては、筆者からは特に返信は行っていない。
  7. 後日、バンダイよりメール到着(9/20)。
    ただしこの時の内容は、同時に依頼していた「ミラーモンスターズ04」の不良品交換の案内だった(オルタナティブとリュウガについては一切触れていない)。
  8. バンダイから、続けてさらに連絡あり(9/27)。
    お問合せいただきました装着変身シリーズにつきまして、前回のメールにもご案内させていただきましたが、経時変化により破損につながった商品が生産の一部に混入したものと判断しております。
    従いまして、全ての商品に破損の症状がでるとは考えられないため、お客様への影響等についても検討した結果、今回はお申し出のお客様に交換品を準備させていただくことになりました

    オルタナティブについては交換品が入荷しましたので、お送りさせていただきます。
    また、仮面ライダーファム&リュウガにつきましては、9月28日に入荷を予定しておりますので、入荷次第発送させていただきます。
    交換品が到着しましたら、同梱の伝票をお使いのうえ、お手元の商品のご返却をお願いいたします。

    ※原文ママ 以下は通常案内文

    なんとなく会話が成立してない気がしたが、これについては、特に返信をせず。
    筆者は接着剤補修をすでに行ってしまった事を伝えているため、この案内は、便宜上の定型文(クレーム客に対する一応の返答テンプレート)だとばかり考えていた。
  9. 後日、装着変身オルタナティブの未開封品(商品全体)が宅配便で到着
    慌てて手持ちの同商品(接着剤補修済みのもの)を箱に詰めて返送。
    (この時送られてきた商品の状態については、「装着変身マニアックス誌上限定販売/装着変身オルタナティブ・ゼロ スペシャルパック」のレビューページ参照)
  10. さらに後日、別件の交換品として、「装着変身EXミラーモンスターズ04」の新品未開封品が到着。
    またまた慌てて手持ちの商品を詰め直して返送処理。
  11. さらにさらに後日、今度は「装着変身ファム&リュウガセット」の未開封品が宅配便でいきなり到着。
    結局、手持ちの商品を整えて返送処理。
    ハンカチがいきなり三枚も増加。
  12. 以降新展開なし。
    当方の返送した商品についての問題指摘等も特になしのまま、現在に至る。
    (10月初旬現在、破損問題についてのアナウンスの類は一切なし)

 これで筆者の所には耐久性充分の商品が届いたので一応満足&文句なし状態になったわけですが、少しうがった見方をすれば、今回の処置は「うるさいユーザーの口を封じた」ようにも感じられてしまいます。
 無論、個人的にはあまりこういう歪んだ見方はしたくはないのですが、こちらが「破損の例」として挙げただけのリュウガまで(ほとんど問答無用で)送ってきたという所に、どうしても違和感を覚えてしまうのです。
 ま、うちのリュウガには胸アーマー部分にかなり大きな塗装ミスがあったので、どちらにしろ助かったのですが。

 しかし。
 今回の件について、筆者はバンダイの対応について文句を付ける気はありません。
 それどころか、こちらからの質問に対してきちんとその都度返答を送り、材質についての調査報告も簡易とはいえ伝えてくれたので、問合せについての対応としては、まったく問題ないと思います。
 結果的に「返金」という、一部のユーザーは納得しない処置を唱えはしましたが、その後にわざわざ交換用商品を準備したという点は、むしろ「大したものだ」と言わざるをえないでしょう。

 ただ、一度「返金処理のお願い」の連絡をもらったユーザーさんの所にあらためて「交換可能」の連絡が届いたという話は、残念ながら筆者自身はまったく耳にしておりません。
 バンダイ側の「お申し出のお客様に交換品を準備」というところの「申し出」とは、どの時点までの事を指すのかは、不明瞭です。
 ユーザーの立場から考えれば、普通は「一度交換依頼を申し出て来たのに返金処理扱いになった客」という事になる(と捉えられる)のですが、どうも筆者の経過から推察すると「交換用在庫入荷後に、もう一度交換依頼をしてきた人達のみに対応」という風にしか感じられません。
 だとしたら、また別な評価をしなければならないかもしれませんが…。


 言うまでもない事ですが、バンダイという会社の、しかも一部門が100%完璧な対応を確実に毎回行えるとは、筆者も考えてはおりません。
 ただ、現実に問題のある商品を世に送り出してしまった訳ですから、それなりの姿勢は見せるべきなのではないかという気持ちは、現在も変わりません。
 今なお、9月末からの交換対応について知らないユーザーだって居るかもしれません。
 このページを読まれて「えっ、こんな対応をしてくれたのか!」と驚かれた方がもし居たら、それが証拠になるでしょう。

 今回の一見は、どうにもムラのある、微妙な対応だったのかなぁという気がしてなりません。
 この一連の騒動は、筆者にそんな感想を抱かせました。

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★最終まとめ

 今回の一連の破損問題は、装着変身シリーズにかなりの悪影響を与えたように感じられます。
 「黒い素体は耐久性が低い」という、それだけだと大きな間違いである情報が流布し、誤った刷り込みをされたファンが、問題のない他商品にまで疑いの気持ちを抱く。
 これにより、少なからずファンに「警戒心」が生まれてしまいました。
 もちろん、それによって売り上げにどれほどの影響が出たのかはわかりませんし、果たしてそんな所まで言及すべきなのかどうか疑問でありますが。

 ともあれ、大きなマイナスイメージが発生したのは事実です

 ファンの中には、これら一連の過程を「単なる不運」「たまたま起こった事故」「個体差問題で騒ぎ過ぎ」などと一蹴する人も居ますが、話はそんなに単純ではありません。
 結果的には(一応)杞憂に終わりましたが、今回の件は「限定商品オルタナティブ・ゼロ」に対する不信感も生まれました。
 これは一般流通品ではないとはいえ、商品イメージ発売前に著しく傷付けられたわけです。
 結構大きいんですよ、イメージ損失ってのは。
 現に、今後発売予定の「装着変身・仮面ライダーBlack」に対しても(素体が黒系統だというだけで)同様の不安を抱えている人は居ますし、Black以降の商品発売日が一ヶ月延期した事を、この件に絡めて疑っている人も多いです。

 このように、装着変身シリーズ全体が(たとえごく一部の人からでも)品質を疑われてしまったというのは、まずいんです。

 日本とは、イメージの良し悪しだけで商品が売れたり売れなかったりするという、他の国にとってはとても異常な習慣がまかり通っている国なんだそうです。
 言い換えれば、粗悪品でもイメージが良ければベストセラーになり、良品でもイメージ悪化によって全然売れなくなるという事です(アヤシイ商品がバンバン売れるのも、こういう背景があるからなのです)。
 そのため、各企業はイメージ戦略を(他の国の企業以上に)意識します。
 そしてその意識差は、ユーザーが考えている以上のものなのです。

 こんな環境下で、品質に対するイメージ悪化がどれほどの悪影響を及ぼすか。
 また、メーカーはそれをどれほど危惧するか。

 そう考えれば、(理屈の上では)バンダイが今回のエラーについての告知をしたがらないというのも理解出来ます。
 たとえ問題ない商品でも、何がきっかけで突然売れなくなるかわからない現代。
 まして現在の装着変身は、ハイエイジトイとしての一面を強く持っていて…もっとぶっちゃければ「マニア向け」の側面が強い玩具商品です。
 そんな、ただでさえユーザー層を絞っている商品に対して悪いイメージが流布されてしまったら…シャレにならないでしょうね。
 インターネットという巨大情報網により、些細なレポートが大きな情報に化ける可能性もあるわけで。
 一度ユーザーに与えてしまった悪いイメージは、なかなか払拭できるわけではありませんが、バンダイは相当頑張って今回の穴埋めをしなければならなくなったかもしれませんね。

 正式なアナウンスはありませんが、先に記した通り、バンダイ側も一応今回の破損問題を認めました。
 全部に当てはまるものではないという話ではありますが、著しく発生率の高いものだという事は、疑いようがありません。
 
 これを機会に、同時期の製品を総チェックしてみるのはいかがでしょうか。

 とにかく、装着変身オルタナティブやリュウガをお持ちで、このページ等で挙げられたものと同様の破損が起こった方は。
 自分で直そうとはせず、すぐに「バンダイお客様相談センター」に連絡し、交換してもらいましょう。
 その際、必ず初期不良であることを強調しましょう。
 装着変身リュウガ破損問題発生の時、初期不良にもかかわらず有料修理にされた方が居たそうですが、どうもこれは、伝え方が悪かったために起こった不幸な事故のようです。
 この破損は、明らかにメーカー側の失態ですので、そこを強調して伝えましょう。
 相談センターの電話はとてもつながりにくいですが、リダイヤルしまくるか、或いはメールフォーム(上記リンクから移動可)で申し込むのがいいでしょう。

 連絡が付くと、無償交換という形になります。
 バンダイ側から素体をゆうパックまたは宅配便で郵送してきますので、それを受け取り、代わりに自分の持つ破損した素体を備え付けの封筒に入れて、配達員に手渡せばOKです。
 素体以外の部品や箱、ブリスターまで丸ごと渡す必要はありませんが、くれぐれも素体を捨てたりはしないでください。
 ゆうパック配送の場合、事前に到着時間の確認を行う場合があります。
 これだけ知っていれば、何の心配もなく交換に応じられる筈です。

 ですが、もし、「有料修理対象」とか「こっちに送ってこい」と言われた場合は、要注意。
 たまに、担当受付によって処理方法が変えられるケースが確認されています
 先に説明した交換プロセスは、バンダイの正当なやり方ですので、これとは異なる方法を指示された場合は、従わないようにするべきでしょう。
 その場合は、担当を変わってもらうか、日を改めて再度連絡をするのも手段です。

 長くなってしまいましたが、以上で、「装着変身オルタナティブ破損問題レポート」を正式に締めさせていただきたいと思います。
 長い期間お付き合いいただきまして、ありがとうございました。
 このページが、皆さんのお役に立てれば幸いです。

※閲覧者の方から問合せをいただきましたが、こちらのページに限っては完全リンクフリーとさせていただきます。
報告なしで、ご自由にリンクを張っていただいて構いません。
ただし、その際はサイト名「九拾八式工房」の記述をお願いいたします(「人生に玩具あり2式」はサイト名ではありませんので、ご注意ください)。
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