第16回 ■ バンダイ 装着変身「仮面ライダー斬鬼」&「仮面ライダー響鬼紅」
2005年11月3日 更新
今回は「リペ組」のこのお二人「仮面ライダー斬鬼」と「仮面ライダー響鬼紅」です。
基本構造は、以前レビューした響鬼や轟鬼とまったく同じなので、今回はさらっと行きましょう。
というわけで、装着変身リペイントチーム。
ただし、この二体を同列に扱ってはいけません。
片や本当にタダのバージョン(微妙)違いにすぎませんが、片やあまりの劇中人気に、急遽商品化が決まったものなのです。
需要に供給が応えたわけですね!
けどさ、ここまで元と変わらないと商品アピールとしては弱すぎる気がするのよね。
●バンダイ 装着変身「仮面ライダー斬鬼」 定価2,100円(税込)
- 斬鬼素体フィギュア
- 斬鬼頭部(マスク)
- 斬鬼胸アーマー(前後各×1)
- 音撃震・雷轟(ベルトのバックル)
- 音撃弦・烈雷(武器)通常形態
- 音枷(変身アイテム)・通常形態
- 音枷・展開状態
- ディスクアニマル(携帯時)×3
- ディスクアニマル用ホルスター
- ディスクアニマル用シール
(3枚分裏表・計6枚) - 取扱説明書
仮面ライダー斬鬼。
仮面ライダー轟鬼の師匠であり、先代の「烈雷」使用者。
響鬼とほぼ同期の鬼で、実力も彼以上と言われていたが、古傷(前期は膝、後期は胸)がたたって肉体に限界を感じ、鬼を引退する。
だが、自分のかつての“先生”だった朱鬼との再会から、再び鬼として戦うことに。
…まあ、実は設定が二転三転してしまっているので、うまく説明しきれないんだけど、要するに「仮面ライダー響鬼内で間違いなく人気ナンバー1」だという事だけ覚えておいていただければ支障ないかと。
だって、本当はチョイ役ですぐ出てこなくなるキャラだった筈なのに、レギュラー化しただけでなく、関連商品まで出まくったんだから。
「烈雷」を持って、正面と背面を。
えー、斬鬼は、弟子の戸田山が独立した際に「烈雷」と「雷轟」を譲り渡していますから、この商品の姿は「ありし日の斬鬼さん」なわけです。
決して、「三十七之巻 甦る雷」以降の復帰した斬鬼ではありません。
つか、そもそも今は雷轟ではないし、武器も烈雷じゃないし。
基本構造・パーツ構成は、本当に轟鬼と変わりません。
違うのは、本当にカラーリングだけです。
そのカラーリングにしても、違和感たっぷりの緑色ボディは共通。
せめて、本編同様黒に近い緑にして欲しかった…全然斬鬼に見えない。
いや、商品化までしてもらっておいて、こんな事言うのは悪いけど。
烈雷を構えて。
ちなみに、復帰後の武器は「音撃真弦・烈斬」という別物で、ボディ全体が黒い上に、先端部の刃がギザギザになっていますね。
これは斬鬼商品化が決まって発表された頃から言われていたのですが、こんな時期(本商品は9月末発売)に売り出すのなら、多少フライングしてでも烈斬を同梱すべきだろう、という意見が多々ありました。
筆者もまったく同感です…が、それよりも、どうして9月なんかに発売されたのかが、まったく理解できません。
復帰は10月末なんだから、それ以降に烈斬入れて出せばもっと良かっただろうに。
まあ、そう出来なかった事情がいろいろあるんでしょうけどね。
だって、他の新規装着変身商品と絡める事もなく、単独で発売しちゃうくらいですから。
完全なリペ商品を単独発売してどうするよ、と。
発売スケジュール調整の合間を縫ったのが見え見えですけどね。
変身音弦・音枷。
弦の色が金色になっています。
まあ、斬鬼の持ち物の弦は、すべて金色バージョンなんですけど。
というわけで、弟子の戸田山と変身。
しつこいようだけど、烈雷は一つしかないのでこんなシチュエーションは絶対ありえないわけですね。
それにしてもこの写真、一部の色以外区別のつけようがない…。
元々レギュラーでなかったため、メインライダーの一人・轟鬼と同一形状のマスクを間に合わせで使用されるハメになった斬鬼。
こうして並ぶと、印象は違うものの、やっぱり別形状であって欲しかったなというデザイン上の問題に対するグチを唱えたくなってくるものです。
いやまあ、嫌いじゃないんだけどね、こんな事書いてはいるけど。
でも、こうしてセッションを組ませると、なかなかピッタリだったり。
こういう場合は、同一形状である事が利点として機能しますね。
装着変身斬鬼は、もちろん装着変身轟鬼の良さをそのまま持っていますから、烈雷を持たせた途端、熱いアイテムに変貌します。
一応、轟鬼付属の烈雷とは違いがあります。
見ての通り、弦の色が違っています。
轟鬼の赤に対して、斬鬼は金色。
どちらもいい色なんで、気に入った方を出してもう一方は片づけて、烈雷引き継ぎのポーズなんかさせて飾るのも楽しいかも?
なんか劇中でも弦の色とかさりげに変わってたらしいんだけど、さすがにそこまで細かくチェックはしてなかったなあ。
「音撃斬・雷電斬震激震!!」
今年の最初頃に魔化魍入りした人類の裏切り者に、怒りの音撃ばぁ叩きこむっぺ!
――あんまりだ、いくら近くにあった奴で間に合わせ撮影したからって、あんまりだ!
斬鬼付属のディスクアニマルシール。
文字以外、轟鬼とまったく同じ。
左からキアカシシ・アサギワシ・セイジガエルですね。
●バンダイ 装着変身「仮面ライダー響鬼紅」 定価2,100円(税込)
- 響鬼素体フィギュア
- 響鬼頭部(マスク)
- 響鬼胸アーマー(前後各×1)
- 響鬼脇腹アーマー(左右各×1)
- 火炎鼓(ベルトのバックル)
- 音撃棒・烈火“阿”
- 音撃棒・烈火“吽”
- 音角(変身アイテム)・通常形態
- 音角・収納形態
- ディスクアニマル(携帯時)×3
- ディスクアニマル用ホルスター
- ディスクアニマル用シール
(3枚分裏表・計6枚) - 取扱説明書
「仮面ライダー響鬼紅」。
夏になると発生する等身大の魔化魍は、音撃鼓しか効果がない。
しかも、ヘタな音撃武器で攻撃すると、分裂してしまうのだ。
そのため夏の間は、各鬼は音撃鼓を装備して魔化魍退治に向かうのだ。
しかし、元々音撃鼓を使用する鬼は、さらに鍛えに入り自身を強化する。
響鬼が、そのパターンで再特訓した結果、転じたのがこの「響鬼紅」。
なんと、音撃鼓を使用しなくても等身大魔化魍を粉砕できるし、巨大魔化魍には音撃鼓で、さらに強い音撃をたたき込めるようになるのだ!
――じゃあ最初から紅になれよ、という怒濤のツッコミを受けた一発芸的形態。
ヘタしたら、555のブラスターフォーム以上に悲しい扱いを受けてしまう紅も、リペイントで装着変身化しましたとさ。
実は、第一話からとっくに画面に出ていたのね、コレ。
ここで「はぁ?!」と思った方は、そのままスルーしてください。
意味がわかった人だけ笑っていただければ幸い(ぉ
というわけで、装着変身・響鬼紅。
発売は、8月下旬。
こちらも、斬鬼同様完全なリペ商品で、大元の装着変身・響鬼とパーツ的な差異はまったくありません。
だけど、頭部・胴体・両肩・手首・脚部(つま先除く)の成形色がクリアレッド(メタルレッドではない!)になり、また顔に部分塗装が施されて目の位置が明確になったため、轟鬼→斬鬼以上に印象が大きく変化!
クリアレッドなので、当然光を当てると透けるわけですが、なんとなくミクロマンを彷彿とさせますな。
いや真面目な話、リペでもここまでやってくれるなら悪くないかと。
プレイバリューはともかくとして、ね…。
ゴーグル状の目になったため、ずいぶんと睨みの効いた、引き締まったいい顔つきになりました。
鼻部分の隈取りは相変わらずつながっていたり。
でもまあ、紅についてはつながっていても違和感ないかなって。
なお、写真では結局うまく撮影しきれなかったのですが、頭部パーツもクリアパーツで構成されていて、強い光を当てると透けます。
しかし、中の素体ヘッドが覗けるほどではないです。
なんとなく透けてるかなーという程度。
理屈的に、絶対ありえない紅フェイスオープン状態。
中の顔も、当然前と同じ…って、今回は眉毛があるじゃないか!
たまたま手近にあった、心の中が限りなく魔化魍な人に音撃を決めろ!!
合成ヘタでごめんね。
「いよっ」シュッ。
装着変身響鬼との比較。
ノーマルの目にライト入っちゃったのでちょっとわかりづらいかもしれませんが、同形状なのにずいぶん顔の印象が違います。
なお、紅は腕部はクリア素材ではなく別材質。
なので色の差がすごく目立ってしまいます。
足首は、メタルレッドの合金製。
実は、それぞれの音角は微妙に別物。
見ての通り、成形色が違うんですね。
まあ、まったく同一部品と言っても嘘ではありませんが、成形色がわかるこの凸ジョイント部分で、どちらの音角かすぐに区別が付くわけです。
もちろん、折りたたんだ音角も同様。
写真…ちょっと判断しづらいかな。
CRTモニタで見ている人には、差がわからないかもしれません。
音撃棒は、先端の鬼石の色が微妙に異なります。
ノーマルの方は塗装皮膜が厚く、全体的に淡い印象があります。
てか、紅の鬼石は成形色そのままみたいですね。
響鬼三形態揃い踏み。
世界に駆けでもしない限り、絶対にありえないシチュエーションですね、これも。
カッコイイから全然かまわないけど♪
さりげにノーマルと違う構成の、紅付属ディスクアニマルシール。
左からアカネタカ・キハダガニ・ルリオオカミ。
ありらん、青のシール部分剥げ?!
「響鬼、装甲!!」
響鬼、装甲装着時の瞬間。
そう、ディスクアニマルが鎧化している最中、さりげに響鬼は紅化しているんですよね。
夏限定という話はどこへ行ったのか…は、まあいいでしょう忘れましょう。
でも、プロセスとしては響鬼ノーマル→装甲響鬼の流れとはいえ、やっぱり紅も挟みたいものですよね。
いやいや、単純に豪華さはある商品なので、並べるだけでも迫力が変わるのですよ。
【買ってみて一言】
色々ボロクソに書いているので誤解を与えてしまいそうだけど、今回の2商品、出来は決して悪くありません。
それどころか、それぞれなかなかにいい感じで、プレイバリューだってあります。
遊ぶ派・飾る派、どちらにも満足度の高い逸品であるという事は、ここで強調しておきたいと思います・
――が。
それは、この商品独自の魅力ではないわけです。
やはり、これらは「装着変身・響鬼&轟鬼」のリペイントであるため、すでにその二体を持っている人にとっては、やっぱりどうしても商品的価値観が劣化してしまうのです。
紅があれば響鬼はいらない、という事にはならなさそうですが、斬鬼を買ったら轟鬼はいらないとか、もしくはその逆は結構ありそうに思えます、ハイ。
無論、紅や斬鬼に強い思い入れがある人は、別ですよ。
ただ、筆者のように「たとえリペでも全部集めよう」と誓ってはいるものの、いざ実物を手にしたら、なんとなく買う気が減少してしまう、という人もいるのではないかと思うわけです。
筆者は、紅はストレートに買いましたが、斬鬼はさすがに購入をためらってしまい、たまたまヨドバシカメラのポイントがたまっていたので、それで購入した次第です。
斬鬼燃え萌えファンからは怒られそうな話ですが、やっぱり装着轟鬼をいじり倒した身としては、わかっていてもためらってしまうのですよ。
先にも触れた通り、せめて烈斬をフライングで加えたりしてくれていれば、また違う商品として見られたかもしれませんが…
ちなみに、紅は発売直後から各所で早速たたき売りが始まったそうで、「元々三割引のヨドバシ」以外でも同率割引を敢行している店をいくつか見ましたし、すごい所になると、一体500円とか、400円なんてのも…しかもこれ、9月までの話ですよ?
あの〜、現行番組どころか、その時期はまだようやく新体制に切り替わったばかりの頃なんですけど…ちょっとすごすぎませんか?
筆者的結論としましては、「品物はイイ。とても素晴らしいのだけど、思い入れだけで買うにはあと少し“何か”が欲しかった気のする商品」でありました。