第163回 ■ BANDAINAMCO 「ウルトライドクロニクル ハイパーストライクチェスター」01

2024年12月31日 更新

 

 もうすぐ暮れようとしている2024年は、「ウルトラマンネクサス」ニ十周年にあたります。
 2004年9月26日、ウルトラマンネクサスマシンシリーズ「クロムチェスターα・β・γ」が個別発売。
 そして2005年2月19日に「クロムチェスターδ」が発売されました。
 この「人生に玩具あり二式」でも、2005年3月に各商品のレビューを行いましたが、なんと今年になってそれが新たな姿で再登場! となりました。

 それが今回レビューする「ウルトライドクロニクル ハイパーストライクチェスター」。

 普通ならリメイクして全く新しい姿になるだろうところを、なんと今回は当時品と殆ど同じ形状とスタイル!
 そこにサウンドギミックを追加ということで、当時品のようにガシガシ遊べる仕様とのこと。

 当時品のレビューは今読み返すと色々情報が不足&内容がアレなもので、それならこの機会に改めてレビューするつもりで行こうか! ということで。

 ――いや、ちょっと待って。

 なんだぁ、このデカさはぁ?!

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●ウルトライドクロニクル ハイパーストライクチェスター

 

 発売日:2024年12月25日(出荷日:12月24日 ※一次・二次共に)
 受注期間:2024年6月21日〜2024年8月7日(一次)
        〜2024年11月25日(二次)
 価格:22,000円 (税込)
※プレミアムバンダイ(BANDAI OFFICIAL TOY SHOP)・ツブラヤストアONLINE SHOP限定販売

 

 「ウルトライドクロニクル」とは、ウルトラマンシリーズの当時品玩具をサイズアップ&新規造形でリメイクした商品シリーズです。
 当時品のイメージをそのままに、一部新規造形やサウンドギミックの導入を行い、さらに全体のスケールアップを図るというものです。
 第一弾が今回紹介する「ハイパーストライクチェスター」で、第二弾は「ガッツイーグル(ウルトラマンダイナ。2025年3月配送)」。
 ハイエイジトイでありながら、当時品の感覚で弄り倒せるというのが非常に魅力的な商品になっています。

 先の通り、「クロムチェスター」各機は以前に一度レビュ―していたので、今回は趣旨を変えて出来るだけさらりと触れて行きたいと思います。

 んで、ここでお断りなのですが。
 本来であれば当時品も比較対象に出すべきなのですが、前レビューで使用した当時品が諸事情により“焼失”してしまった都合、既に筆者の手元にない状況です。
 なので、今回のレビューで「当時品との比較」として述べられる情報は、全て前レビューの内容及び当時の記憶に基づいています。
 もし、細かな点で誤りがありましたら、何卒ご容赦ください。

 ……いやぁね、実は当時品もっかい入手し直そうかなと思ったんですが、本商品よりも高いお金払わないと無理そうだったんで、素直に諦めたんですよねw

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■概要:

 

 実写版「美少女戦士セーラームーン」の後番組としてスタートしたTBS系列「ウルトラマンネクサス」は、これまでのウルトラシリーズと大きく異なる設定を内包した意欲作で、既存のウルトラ的世界観を期待して観た人の夢も希望も粉々に打ち砕くダークな作品。

 主人公がウルトラマンに変身しない、ウルトラマンの正体が防衛軍側にすでにバレている、防衛軍の行動目的が「怪獣の極秘殲滅・被害拡大の抑制」であり、人々の平和や命を守る事が最優先とは限らない(状況判断によっては人でも撃つ!)、本当に邪悪な意思を持っている敵のウルトラマンが居る等、色々な意味で目を見張る設定のオンパレード。

 そんな作品世界のダーク面のほとんどを取り仕切っているのが、本作での防衛軍組織にあたるTLT(Terrestrial Liberation Trust……地球解放機構)内の特殊任務班「ナイトレイダー」。

 主人公・弧門一輝をはじめとする、ナイトレイダーAユニットのメンバーが搭乗するメカが「クロムチェスター」。

 クロムチェスターは「三機のタイプ別戦闘機が様々なフォーメーションを組む事によって、まったく用途の異なる複数種のメカになる」というコンセプトを持っている。
 つまり、今までならば「戦闘機」「地底戦車」「陸上兵器」などと分類され、それぞれが個別のメカとして登場していたのだが、それをたった一組の戦闘機ですべてまかなっている。
 さらに、「オプチカムフラージュ」システムという機能で姿を消し、目的地まで秘密裏に行動する事が可能。

※「第6回 ■ バンダイ ウルトラマンネクサスマシンシリーズ「クロムチェスター」より引用。

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■クロムチェスターα:

 

 クロムチェスターαは、多目的小型高速戦闘機。
 弧門と西条凪副隊長が搭乗する。
 マッハ2で飛行。

 

 全長約17センチ、最大幅約15.3センチ、最大全高約6.4センチ。
 重量約191グラム。

 

 今回の「ウルトライドクロニクル」は、当時品の120%サイズアップ。
 なので、このαをはじめ全体的にボリュームがとんでもないことになっています。
 当時品は、割とちんまりした印象があったのですが、今回はαだけでも大人の掌に乗り切らないくらいすんごいことになっていますので、非常に迫力と弄りがいがあります。

 

 改めて、今回の再商品化で追加された要素について。

  • 120%のサイズアップ
  • サウンドギミックの搭載
  • 一部造形の変更
  • 各部マーキングの変更及び追加

 三番目は主にサウンドギミック搭載における変更箇所と、各部ジョイントを指します。
 詳細は後述。

 

 サウンドギミックは全機ではなく、αとδのみに搭載されています。
 αのスイッチは、本体下部のこの位置。
 スイッチは上・中間・下の三か所のスライド式で、中間がOFF状態。
 機首側に切り替えると「クロムチェスターモード(※取扱説明書の記述)」に、後部側に切り替えると「ストライクチェスターモード」となり、それぞれでサウンドの構成が変わります。

  

 αのサウンドスイッチはキャノピー部です。
 ここを押すとキャノピー全体が点滅→発光し、効果音が鳴ります。
 長押しをするとBGMが鳴る仕様で、BGMと効果音を同時に鳴らすことも可能です。
 キャノピーの発光は、無入力状態で実測約24.5秒。
 追加入力で発光時間が延長されます。

 αのサウンド内訳は以下の通り(取扱説明書の表記ママ)。

・クロムチェスターモード:
 飛行音
 サーチ音
 オプチカルフラージュシステム起動音
 パニッシャーレーザーキャノン発射音(1)
 スパイダー発射音
※上記ランダム。

・ストライクチェスターモード:
 合体音(一回目)
 パニッシャーレーザーキャノン発射音(2)(※以降は二回目)
 パニッシャーレーザーキャノン連射音
 一斉射撃音
※二回目以降はランダム。

・長押し時
 BGM「ナイトレイダー〜scramble〜」
※再度長押しすることで停止。

 

 αの下部ジョイントは画像の通り。
 クロムチェスターの凸ジョイントは多くが一体式ではなく、別構成になっています。
 左のレーザーキャノンパーツのジョイントが青色になっているので、良くわかると思われます。

 

 αの本体は手動で開閉することが可能です。
 基本的に、この形態にしてから合体を行っていきます。
 詳細は合体プロセスの項で。

 

 αフロントビュ―。

 

 バックビュー。
 中央部の銀色パーツは電池蓋になっています。
 ねじを外してLR44電池を横向きに重ねて設置します。

 

 サイドビュー。
 ミサイルランチャーの白い部分のマーキングは新規追加です。

 

 以上、クロムチェスターαでした。

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■クロムチェスターβ:

 

 クロムチェスターβは、隊長の乗る指揮官機。
 マッハ1.5で飛行。

 

 全長約12.3センチ、最大幅約16.7センチ、最大全高約8.4センチ。
 重量約159グラム。

 先の通り、こちらはサウンドギミックはありません。

 

 尾翼、本体前方上部の銀色部分のマーキングは新規です。
 βは当時品をそのまま大きくしただけという感じですが、これはそのまま問題点も継承されている事も意味します。

 

 βの問題点は、
・尾翼(上部の蓋状パーツ)が非常に外れやすい。
・メガレーザーが主翼の中で揺れる(安定しない)。

 このうち、尾翼が外れやすいというのは破損防止処置の為かと思いますが、それにしても外れ易いにも程があるというレベルでしょっちゅう外れてしまうので、特に合体解除時には注意が必要です。

更にここに加えて本商品独自の問題として、

・メガレーザーの固定が不可能な為、傾くとすぐに飛び出てしまう。

 というものがあります。
 当時品は、メガレーザーパーツを奥に押し込むとカチッと音がして(完全ではないにせよ)一応ロックがかかったのですが、今回これがオミットされている為、ちょっとでも傾けるとレーザーの砲塔がぬるっと出て来てしまいます。
 これが結構始末が悪いです。

 

 底部ジョイントは一か所のみです。
 こちらもジョイントが別パーツ。

 

 βの変型ギミック。
 まずはメガレーザーの伸縮。
 これは後述する「メガキャノンチェスター」にて活用します。
 なお、こちらの状態でも根元部分にロックはかかりません。

 

 主翼は、左右別々に上下可動します。

 

 更に主翼は後方に回せます。
 これでローラーのコロ走行が可能になります(ちゃんと側面の紺色パーツも回転します)。
 またコクピットブロックの収納及び、尾翼を本体に被せて一体化させる事が出来ます。

 

 βフロントビュ―。

 

 バックビュー。

 

 サイドビュー。

 

 以上、クロムチェスターβでした。

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■クロムチェスターγ:

 

 設定では爆撃機。
 主に、石堀隊員・平木隊員が搭乗。
 妙に横長のボディと、横向きの巨大キャタピラが最大の特徴。

 

 全長約11センチ、最大幅約30.1センチ、最大全高約8センチ。
 重量約295グラム。
 航空力学とかとことん無視しているようなシルエットが特徴にして魅力。

 

 今回の再商品化で目立つ大きな変更点の一つとして、ランディングギアの材質変更があります。
 当時品は金属製だったのですが、今回はプラ製になっています(画像下部、銀色の部分からちょこっと飛び出ているパーツ)。
 これは他の機体のものも同様で、αの隠しランディングギアやδのも該当します。

 

 γは基本的に当時品と(大きさ以外)特に目立った変化はないのですが、気になる点として「左右パーツの回転時に軋み音がする」というものがあります。
 シリコンスプレー等で保護が必要になるかもしれません。

 

 次にギミック。
 底部左右には、それぞれ二つずつ車輪が内蔵されています。
 こちらは「メガキャノンチェスター」「ディグチェスター」時に使用しますが、どんでん返し式に展開させます。
 こちらは、γの本来のランディングギアを畳んだ上で使用します。

 

 コクピットは取り外し可能で、更に本体を前後方向に折り畳むことが出来ます。
 そのため、単独で戦車のような形状に変型させられます。

 

 非常に目立つエアインテーク(取扱説明書表記:吸気パーツ)は、ドリルが内蔵されています。
 これは一旦取り外し、下部にあるつまみをスライドさせてドリルを露出させます。
 こちらの固定は非常にしっかりしている反面、元に戻すのが少々困難です。
 つまみが結構固いので、γ本体に着けたままドリルを出すのは止めた方がいいかと思います(塗装が損傷するかも)。
 
 なお、このギミックの解説は後述の理由により、取扱説明書上では全く触れられていません。

 

 γフロントビュー。

 

 バックビュー。
 パッと見、フロントビューとの区別がつきにくいですね。

 

 サイドビュー。
 横に長く縦に短いデザインのため、凄く奇妙な印象です。

 

 以上、クロムチェスターγでした。

 以前のレビュ―でもこの形状について色々触れましたが、個人的には戦車形態を通常モードにして合体時にこのスタイルになるようにした方が良かったのでは? と、二十年経った今でも思っていたりします。

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■クロムチェスターδ:

 

  時空間移動能力を持つゴルゴレム追撃のために開発された機体で、フェイズシンクロナイザー搭載による単独での位相空間突入能力を持っている。
 メイン武装は、主砲のクアドラブラスター。
 クロムチェスターα・β・γの三機と合体する機能を持ち、最強形態「ハイパーストライクチェスター」になる事が出来る。
 搭乗者は孤門隊員で、いわゆる主人公専用マシン。

 尚、当時品の発売日2005年2月19日は、TVでδが初登場した当日だった。

 

 全長約22センチ、最大幅約17.9センチ、最大全高約9センチ。
 重量約276グラム。

 当時品の大きさは全長約17センチ、全幅最大約14センチなので、どれだけ大きくなっているのかがわかると思います。
 具体的には一回り大きく、当時品でもかなりの大きさがあったので、今回はそれ以上のボリュームです。

 

 当時のレビューでも触れているように、特定の決まったパターン以外の合体をしようとすると、ジョイント位置が微妙にずれてしまい合体出来ない、という特徴は今回もそのまま健在です。
 まあ、その点についてはあの時にかなり深く掘り下げたので、今回は触れずに行きます。

 

 本機後部に配置されている四つの砲門・クアドラブラスターですが、この中心部の突起が非っっ常に固く、素手で引っ張り出すのがとても厳しいです。
 一応、奥まで押し込まなければ問題はないので、変型時に収納する場合は浅く差し込む程度にしておくことをオススメしておきます。

  

 ランディングギアは三点あり、本体底部に収納されています。
 位置は画像の通りで、実は通常形態以外でも結構使い道があります。

 

 先述の通り、δにもサウンドギミックが搭載されています。
 δのスイッチは、本体下部のこの位置。
 スイッチは上・中間・下の三か所のスライド式で、中間がOFF状態。
 機首側に切り替えると「クロムチェスターモード(※取扱説明書の記述)」に、後部側に切り替えると「ハイパーストライクチェスターモード」となり、それぞれでサウンドの構成が変わります。

  

 δのサウンドスイッチも、αと同じくキャノピー部になります。
 押すとキャノピー全体が点滅→発光、効果音が鳴り、長押しでBGMが鳴ります。
 BGMと効果音を同時に鳴らすことも当然可能。
 キャノピーの発光は、無入力状態で実測約26秒。
 追加入力で発光時間が延長されます。

 δのサウンド内訳は以下の通り(取扱説明書の表記ママ)。

・クロムチェスターモード:
 飛行音
 サーチ音
 オプチカルフラージュシステム起動音
 クアドラブラスター発射音
 アビロック発射音
※上記ランダム。

・ハイパーストライクチェスターモード:
 合体音(一回目)
 ウルティメイトパニッシャー発射音(※以降は二回目)
 一斉射撃音
※二回目以降はランダム。

・長押し時
 BGM「ネクサス〜Heroic〜」
※再度長押しすることで停止。

 

 δの電源は、後部ブースターパーツを取り外した本体後部にあります。
 この画像の丸い銀色部分が蓋になっていて、ねじを外すと電池を縦向きに収納出来るようになっています。

 

 δフロントビュ―。

 

 バックビュー。

 

 サイドビュー。

 

 ここからは、取扱説明書に記載されていないモードについてです。

 まずδを四つに分解します。

 

 クアドラブラスターの突起を押し込んで収納します。
 先述の通り、引き出す時のことを考えて押し込み過ぎないように注意しましょう。

 

 クアドラブラスターを本体横に接続します。

 ……が、ちょっと本体が下がっていて全体が湾曲しているように見えてしまいます。

 

 そこで、本体のランディングギアを引き出した状態にすると、この通り綺麗に整います。
 以降は、この状態で撮影しています。

 

 機首パーツの砲門を前向きにして、上部ジョイントに接続します。

 

 完成、クロムチェスターδビークルモード。

 これは当時品にあった玩具オリジナルの形態で、本編には未登場。
 そのせいか、今回の再商品化では存在自体がなかったかのように扱われています。
 WEB上の宣伝ページにも、取扱説明書でも一切触れてなかったので、予約期間中は「もしかして再現出来ないのでは?!」といった不安を抱くファンも多かったようです(筆者もその一人)。

 

 全長約17.4センチ、最大幅約17.7センチ、最大全高約9センチ。
 かなり形状が変化しているのに、全長以外はオリジナル形態と大差ないのは意外です。

 

 ビークル、というのは乗り物全般を指す「Vehicle」という言葉なので、このビークルモードは本来矛盾しているのですが、いいんだよ細けぇ事はの精神でぶっちぎります。

 

 ビークルモード・フロントビュー。

 

 バックビュー。

 

 サイドビュー。
 なんかこの角度で見ると、すっごく車っぽい。

 

 後にまた触れますが、本商品は実際には普通に出来るのに存在自体が抹消されているものがいくつか存在しています。
 しかも、それらは一部のファンの購買意欲を左右する程のものなので、下手に抹消せずにちゃんと触れて欲しかったと思います。
 もしかしたら、抹消要素のせいで購入を断念した人もいたかも知れませんし……
 実際、筆者もそれで一時購入を止めようかと考えました。

 

 以上、クロムチェスターδでした。

 これ以降は、合体について詳しく触れて参ります。

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