第116回 ■ バンダイ 超合金魂GX-66「無敵ロボ トライダーG7」 01
2014年7月12日 更新
久々に、超合金魂のレビューを行ってみたいと思います。
今回は、1980年に放送された「無敵ロボ・トライダーG7」の主役ロボ、トライダーG7です。
この番組は、かの「機動戦士ガンダム」の後番組であると共に、ガンダムとは違う方向性でのリアリティ追求に努めた作品として、今なお独特の評価を得ています。
当時は(今は亡き)クローバーというメーカーから合体玩具が発売されていましたが、34年経ってついにバンダイが超合金魂化してくれました。
豊富な武装やオプションに加え、7種類もの変型パターンがあるので、今回はかなりのボリュームになってしまいますが、お付き合いの程よろしくお願いします。
■超合金魂GX-66 無敵ロボ トライダーG7
2014年6月28日発売。
定価は27,000円(税込)。
※内容物は非常に多岐に渡るため、内訳は以下レビュー内容をご確認ください。
「無敵ロボ トライダーG7」。
1980年2月2日から1981年1月24日まで、テレビ朝日系列で全50話放送された、サンライズ製作のロボットアニメ作品で、所謂、「超電磁ロボ・コンバトラーV」から続く土曜日午後5時半台のロボットシリーズの一つ。
前番組「機動戦士ガンダム」は、シリアス&リアル路線という、それまでのロボットアニメの枠から大きくはみ出す方向性で人気を獲得したが、当時の同放送枠の視聴層には受容れられなかったのか、(紆余曲折を経たとはいえ)打ち切りで終了してしまった※。
そのため、次作はより子供向けにということで、本来の路線に沿った作品を制作することになったが、「無敵ロボ トライダーG7」は、ガンダムとは異なったリアリティ(ロボットが零細企業の所有物で、稼動の度に経費がかかる等)を描き、別な意味で生々しい作品観(しかしあくまでコメディタッチで)を作り上げた。
※現在まで続くガンダム人気は、80年代以降の再放送から派生したもので、本放送当時は、まだ一部のマニアが注目する程度の人気だった。
トライダーG7は、竹尾ゼネラルカンパニーが所有する巨大ロボットで、全長57メートル、重量777トン。
頭部のみで3形態、本体全体で2形態、他メカ(シャトル、キャタピラ等)との合体が2形態の、合計7形態への可変が可能で、状況に応じて臨機応変に能力を使い分ける。
パイロットは、竹尾ゼネラルカンパニーの社長にして小学生の、竹尾ワッ太。
地上だけでなく、海中、空中、宇宙空間まで自在に活動が可能。
様々な武器・装備を持つが、最大の必殺技は、鳥型の光のエネルギーに全身を包み、高速で敵に特攻する「バードアタック」。
地球の科学力で建造されたものではなく、ガバール星・ロボット帝国(本作における敵組織)の亡命者ナバロンによって製作されたもの。
竹尾ゼネラルカンパニー先代社長・竹尾道太郎に命を救われたことから、ナバロンの意志で彼に譲られたという経緯がある。
その後、事故死した道太郎の子供であり、新社長であるワッ太がメインパイロットとなり、トライダーG7を駆って様々な仕事をこなして行く。
敵であるロボット帝国は、地球侵略という目的を掲げ侵略ロボットを派遣するが、トライダーG7(ワッ太)にとってはこれを撃退することも仕事のうちなので、敵組織との直接の関わり(ドラマ)を一切持たないまま、戦闘を繰り広げ続けた。
ロボット帝国の刺客に対抗できる、地球上唯一のロボットだが、最終的にはロボット帝国を退けることに成功している。
さて、トライダーG7です。
超合金魂は、本放送当時スポンサーがバンダイ(ポピー)ではなかったロボット物まで扱うようになって久しいですが、今回は1983年8月に倒産した「クローバー」社がメインスポンサーだったトライダーで来ました。
当時、トライダーG7は「変型合体セット」「完全7変型合体」「変型シャトル合体」「G7バードアタック」など、所謂DX超合金的な位置付けの商品が多数発売され、大変勢い付いておりました(一部廉価版も含まれてますが…)。
それもあり、当時子供だった方は、たとえ本編を見ていなくてもなんとなく商品を見かけた記憶があるかもしれません。
とにかく、当時それだけの需要(人気)があったと云っても良いのでしょう。
超合金魂トライダーG7は、2013年11月開催の「魂ネイション2013」にて公開されました。
その後、大阪のヨドバシカメラ梅田店などをはじめ、各有名量販店にてサンプル品が公開されていました。
トライダーG7は、ギミックが多くシャトルとの合体もあることから、小振りになるのではないかと予想されたファンもいましたが、実際は20センチ超えの割と大きめなサイズで、実物を見て驚いた人もいたようです。
それでは、そろそろ商品を見ていきましょう。
今回は、本体仕様→装備→変型の流れとなります。
まずは、前面と背面。
直立不動にすると、急に昭和のDX超合金っぽくなるのが素敵。
側面。
画像では意外に薄めな印象ですが、実物はそれなりの厚みがあります。
全高は、約23センチ(頭頂部まで。ツノ除く)。
昨今の大型の超合金魂と比べると、若干小柄です。
ダイキャスト使用箇所は、胸・背筋(胴体〜腰部中心)・脛・足首。
パッと見、プラ比率が多く軽めに感じられそうですが、実際は相当な重量になります。
超合金魂「未来ロボ ダルタニアス」との比較。
トライダーG7は、ダルタニアスの肩くらいの高さになります。
超合金魂「宇宙大帝 ゴッドシグマ」との比較。
こちらは、胸下辺りの高さになります。
結構な身長差ですね。
超合金魂「最強ロボ ダイオージャ」との比較。
そういえば、ダイオージャはトライダーG7の後番組でしたね。
頭部は、二種類付属。
左は無変型タイプで、オプション。
右は変型タイプ(デフォルト)で、後述するトライダーホーク等に可変します。
正面から見る分には、さほど大きな違いはなく、無変型タイプは、別にスタイル重視というわけではないようです(後頭部のキャノピーがオミットされてたりもするし)。
それぞれ表情が異なっていますが、これについては後述します。
表情は、口閉じと口開け(叫び)の二種類があります。
目以外の顔部分は取り外しが利くので、差し替えることで変型タイプで叫び顔とか、その逆も表現可能です。
画像は変型タイプに叫び顔を付けたもの。
可動は、腰関節の回転がないくらいで、それ以外の部位は(超合金魂としては)、結構良く動きます。
肩も水平まで上がりますし、太股付け根も引き出し関節になっています。
股関節は引き出し式で、最大でこれだけ引っ張り出せます。
これは、変型ギミックの副次的なものではなく、完全に可動範囲確保のために設定されたものです。
自立させる都合、前のめりになっていますが、腰部分を見てもらえればと思います。
このデザインで、こんなに曲げられるのは凄いものです。
しかも、関節の硬さも適度よりちょっぴり硬いレベルで、いい感じです。
押し縮めることで、この関節をしまうこともできます(というかそれがデフォですが)。
更に、変型の都合上腰部分が左右別々に前後回転するので、これを足の付け根の関節に見立てることで、更なる可動範囲を確保出来ます。
その気になれば、ここまでやれます。
足首は、やや固めではありますが、横方向にも可動するので高い接地性を誇ります。
これのおかげで、相当安定性が確保出来るので、ありがたいものです。
って、実は最初の撮影の時点では、横方向の可動はないものだとばかり思っていた筆者です。
そのため、一部やや接地が甘い画像が混じってしまっています。
ご了承ください。
■ 各種装備:
次に、装備についてです。
まずは、後半から登場する武器・トライダーセイバー。
トライダーセイバーは、二本付属。
当然、刃部分はメッキ仕様です。
劇中で披露した二刀流も再現可能。
左手側は逆手持ちだったっけ? 覚えてない……
トライダーセイバーは、それぞれ刃部分が取り外し可能になっています。
なぜかというと……
鍔部分を折りたたんで、引き出した脛部分に差し込むことで、武器を取り出すシチュエーションが再現出来るからです。
後述のトライダージャベリンも同様に行えますが、完全収納はいずれも不可。 あくまで、シチュ再現のみです。
トライダージャベリン。
経費問題でミサイルが使えない時の代用(嘘)武器。
まずは、先端部と末端部を接続して、収納形態を再現。
先の脛部分収納は、この状態で行えます。
刃部分は、左右連動で展開します。
先端と末端パーツの間に、長軸を挟んで、通常形態を再現。
トライダージャベリン。
全長約28.5センチと、結構長めです。
今回、デフォルトの手首は可動指になりまして、セイバーやジャベリンはこれで保持することになります(武器持ち用手首はナシ)。
セイバーは問題ないんですが、ジャベリンの軸が些か細すぎるようで、保持力はちょっと難ありに思えます。
デフォの指可動手首は、五指全てが独立可動します。
また、手首全体を手の甲側に反らせる動きもできます。
スタイル重視用の手首を使う時は、魂ボルテスVやコンV(リニュ)のようにデフォの手首を収納して、そこに土台ごと接続します。
手首と土台は別パーツなので、他のスタイル重視用手首と差し替えることも可能です。
これにより、トライダーバルカンミサイルも再現可能になります。
この手首は、後にトライダービーグルでも使います。
魂コンVなどでは、交換手首を外して元に戻す時、デフォ手首を上手く取り出せなくてイライラすることもありましたが、今回は前腕の内側にハッチを設けて、ここから手首の土台部分を押し上げて手首を戻せるようになっています。
ただ、ちょっとでも指の閉じ方が悪いと中で引っかかり、押し上げようとしても上手く行かないことが多々発生します。
トライダー・ビームキャノン。
こちらも、後半から登場のパワーアップ装備の一つ。
こちらは、特にギミックらしきものはなく、収納形態への可変などは出来ません。
ただ手に持たせたりするだけです。
トライダールアー。
劇中使用頻度かなり低めの、マイナー武器もしっかりフォローしています。
トライダールアーは、先端・竿・本体の三分割式で、組合せによって長さや装備を変えられます。
リール部分は回転可能で、回すとわざわざ「キリキリキリ」とリールを巻く音がするようになっています。
残念ながら、トライダーG7自身がこれを掴んで回すポーズをさせることは出来ません。
上は、先端+竿パーツ+ルアー本体の組み合わせで構成した、スタンダードな形態。
下は、(撮影の都合本体がひっくり返ってますが)先端+ワイヤーパーツ+竿パーツ+ルアー本体と最大まで伸ばした状態。
ワイヤー部分はベンダブル式で、自在に曲げられます。
先端部分を差し替えることで、22話で使用されたトライダーカッター併用版にすることが出来ます。
画像では、竿パーツの先端にカッターをつけていますが、当然ワイヤーパーツの先につけて、もっと伸ばすことも可能です。
人によっては、ものすごく既視感のある形状の、トライダーカッター。
平手首の掌の穴に、専用ジョイントを差し込んで保持します。
ビームキャノンとカッターは、専用のマウントパーツで腰に装着可能です。
マウントパーツは共通なので、両腰にカッターを固定する事も可能。
意味はないでしょうが、ビームキャノンを左腰に下げるのも出来ます(グリップが前を向きますけど)。
トライダーチェーン。
金属の鎖とプラ製の分銅で、軽いです。
先端部のツメは展開可能です。
思ったより長くはないので、何かに巻きつけてみたりするのは辛いかもしれません。
今回の、武器ラック。
頭半分露出している収納は、本編を観た人ならニヤリ。
ラック、前面と後面。
棒物、ジャベリンはしっかり固定されています。
ワイヤーはただ置いてるだけ。
左側、右側。
「ただいまより、トライダー発進いたします」後のハッチの中身。
拳の蓋や、変型時に手首に使うスラスター、トライダーカッターの接続ジョイントや腰マウント用のパーツが収納できます。
蓋はかなりきつめにしまりますが、それでも中身をこぼさないように注意するべきかと。
頭がない時、真ん中に嵌める噴水があったら面白かったかも。
■ シャトル(初代):
もう一つの本体ともいえる、シャトル(初代)。
めっさデカイです。
フロントビュー。
どことなく、タイムボカンシリーズの悪玉トリオのメカを彷彿とさせる面構え。
……のような。
リアビュー。
この笑顔、守りたい。
サイドビュー。
シャトルには合金は使われていません。
全部プラ製です。
それでもどっしり来るのですが。
やや煽りで。
8点支持ランディングギアを装備しています。
「ニコッ♪」
底部には、上昇用のブースターも配備されています。
底面中央にあるのは、昇降用タラップ。
このように引き出すことが出来ます。
左右側面には、本作で非常に重要な意義を持つ「ミサイル」の発射口が設置されています。
ハッチは上下展開式ですが、ちょっと開き辛いので、付属の補助棒か竹串などを使うといいと思います。
ハッチを閉じる際は、蓋を閉じる→蓋を押し込むという動作が必要です。
キャタピラ(クローラー)パーツ。
ゴムキャタピラ! ゴムキャタピラですぞー!!
シャトルのリアハッチを展開して、キャタピラを収納可能です。
更に、内部のラダーを引き下ろすことで、昇降シーンを再現可能です。
トライダーG7との対比。
シャトルの全長は約20.5センチ、最大幅約15センチ、高さ約10.5センチと、かなりの体積があります。
以降は、いよいよ各種変型合体について触れて行きます。