第103回 ■ アートストーム フューチャーモデルズ EX合金「ガッチャスパルタン」2

2013年8月3日 更新

 

 ここからは、ガッチャスパルタンへの合体プロセスについて触れて行きます。
 合体には、別なパーツ利用とか差し替えなどは一切ありません。
 また、昨今のハイエイジトイにありがちな繊細な取り扱いを要する変型なども殆どないので、気軽に弄れます。
 あえて障害があるとすれば、重さくらいのもんです……

 尚、以下の合体プロセスは本編の手順とか全く無視してますので、予めご了承ください。

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■ ユーナイト・ガッチャスパルタン!

 

 合体用の変型は、ガッチャ3から始めます。
 この段階では、まだガッチャ1は未着手で構いません。
 
 まず定風翼を畳みます。

 

 続いて、主翼を前方に回転させ、機首を押し込みます。
 出来れば、この辺りまでにランディングギアも収納しておきたいところです。

 

 機首を引っ込めると、代わりにガッチャ1との接続ジョイントが飛び出る仕掛けになっています。

 

 更に、後部からはガッチャ4との接合ジョイントも飛び出します。

 

 合体解除後、元の形態に戻す際は、こちらのボタンを押す必要があります。

 

 ガッチャ4の変型。
 本体後部を、左右それぞれ前方に回します。
 この時稼動するジョイントはクリック関節なので、カチカチと小気味良い手応えが感じられます。

 

 末端部のウィングを、左右それぞれ持ち上げます。

 

 次は、ガッチャ2。
 前輪を左右共に引き下ろし、本体後部まで移動させます。
 それと入れ替えるように、フェンダー部(前輪の真上にあるブロック)を、ホイールスペースに折り込みます。

 

 前輪を180度回転させ、後輪サスペンションを一番奥まで押し込み、ロックをかけます。

 

 押し込んだ後輪を戻す場合は、コクピットの後ろにあるスイッチを左右同時に押します。

 

 本体先端部のロック用ジョイントを露出させます。
 本体裏側にスライドスイッチがあるので、それを動かすとニョキッと出ます。
 このロックジョイントは、合体時に必ず使う必要があります。
 さもないと、合体完了時にガッチャ3とガッチャ4の境部分に負荷がかかり、折れやすくなってしまいます。

 

 ガッチャ5。
 側面部の窓のような部分がスイッチになっていますので、これを左右同時に押します。

 

 すると、シャーシ部分がポップアップして車高が高くなります。
 「ガシャッ!」と行きます。

 

 アーム全体を上の画像のように畳み、車高アップでタイヤの上に生じた隙間に、マジックハンドを差し込むように収納します。
 この後、ショベル部分を後方に回転させてアーム部分と一体化させることで、先に紹介した「飛行形態」になります。

 

 天板部のハッチを、手動で開きます。
 これで、ガッチャ2の接合ジョイントが露出します。

 

 変型を終え、合体直前の状態にした各機。

 

 ガッチャ1の後部底面に、ガッチャ3との接合ジョイントが仕込まれています。
 ガッチャ3と合体させた後、矢印のスイッチを後方にスライドさせます。
 ちょっとコツが要りますが、ガッチャ1本体を少しだけ持ち上げるようにしてやれば大丈夫です。
 逆に、最初から露出させた状態で合体させようとすると、上手く行きません。

 

 ガッチャ1とガッチャ3が合体した状態。
 特に意味はありませんが、この状態でランディングギアを出したままにしておくと、ガッチャ1の後輪とガッチャ3の前輪が浮いた状態になります。

 

 ガッチャ4底部の、矢印の示している部分を指で押しながら、ガッチャ3と合体させます。

 

 ガッチャ4合体後、さっき指で押さえてた部分を引き上げて、ガッチャ3の底面部に接続させます。
 これで、ガッチャ1、3、4の安定性が確保されます。

 

 3体まで合体完了。
 ちなみに、この時かなり良い感じのラチェット感があります。
 昨今のハイエイジトイで忘れられつつある感覚なので、これは素直に嬉しいものがあります。

 

 本編準拠の合体方法も、ちゃんと再現可能です。
 先にガッチャ4の合体を済ませ、それから本体後部を動かします。

 

 次はガッチャ5の合体なんですが……
 実は、ガッチャ5の前面部の一部には、磁石が仕込まれています。

 

 そして、ガッチャ4のこの部分にも、磁石が内蔵されてます。
 両方とも磁力はかなり高い方で、これを結合させるわけです。
 恐らくはデザインの都合上、ガッチャ4後部とガッチャ5前面部を繋ぐ大きなジョイントを持って来れなかったための処置ではないかと思われます。

 

 ガッチャ4とガッチャ5の合体は、このように一旦ロケット砲を上げてから行う必要があります。
 これは、合体解除時にも行う必要があり、別添の説明書きにも記されています。

 

 ロケット砲を上げずに合体させると、ガッチャ5の塗装が剥げます(左右両方とも)。
 手持ちのものは、この件に触れてる別添の説明書を一旦失くしてしまったため気付かず、普通にそのまま合体させていてこうなりました。
 幸い、この程度の小さい傷で済んでいますが、このまま無理に敢行してたらもっと広がった危険もあったかもしれません。
 とりあえず、ここは合体時には最も注意を払うポイントなのは間違いありません。

 

 ガッチャ2を、ガッチャ4と5の上に乗せます。
 この時、ノーズ部分に露出させたジョイントを、ガッチャ3の後部にかませます。

 これで、合体は全て完了です。

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■ ガッチャスパルタン:

 

 完成・ガッチャスパルタン。
 全長約32センチ、最大幅約19.7センチ。
 最大全高約9センチ、側面一辺の長さ約31.5センチ。
 4機の翼のラインが見事に揃った、美しい三角形。
 実に素晴らしいものです。

 

 フロントビュー。
 あらゆる情報が、先端に向かって伸びているデザインが、あまりにも素敵過ぎます。

 

 リアビュー。
 なんだか物凄いパースが付いてます。

 

 サイドビュー。
 ご覧の通り、接地はガッチャ4のキャタピラとガッチャ5のタイヤのみで、ガッチャ1と3は完全に浮いています。
 このスタイルは本編準拠で、機首側のランディングギアはありません。
 この、一見とてもアンバランスな形状が魅力なんですが、当然負荷はガッチャ3と4の間に集中することになります。
 なので、あれだけガッシリとロックをかける必要があったわけです。

 

 俯瞰で。
 ガッチャスパルタンは、ゴッドフェニックスシリーズに比べるとかなり小型な機体なんですが、本商品はかなりのボリュームがあるため、実際どれくらいの劇中サイズなのか咄嗟にわからなくなりがちです。

 

 裏側。
 大型戦闘機なのにキャタピラとタイヤが、しかも後ろ寄りに付いてるというところがなかなかにそそります。
 なんというか、子供の求める無茶苦茶感が良く判ってるデザインというべきか。
 こういう荒唐無稽さがいいんですよ。

 

 ガッチャ1を切り離せば、初期の必殺技が再現可能。
 って、大鷲の健フィギュアとかないけど!

 

 個人的にはなくてもいいかなと思う健フィギュアですが、やっぱりあったらあったで活用のさせ方は色々あったでしょうに、本当に惜しい。
 といっても、この機体に穴開けてフィギュア立たせるのもアレだと思うし。
 ここまで色々と手を加えた商品なんだから、結構悩んだ末にオミットしたんじゃないでしょうかね?

 

 今回、ガッチャスパルタンを飾るための専用台座が付属します。
 奥行約20.2センチ、最大幅約13.6センチ、高さ最大約7センチとかなり大型で、更に支柱部分はダイキャスト製。
 ガッチャスパルタンの重量に負けることはありません。

 

 横向き。
 ガッチャマン基地の、Gマシン専用の段差がある滑走路をイメージしているのでしょうか?

 

 ダイキャスト製の支柱は、このように裏側から太いネジで止めます(組み立て作業必要)。
 奥のネジは手前より長く、支柱を貫通して後方のストッパーまで止めています。
 かなりガッシリした造りなので、重さで折れたりする心配はありません。

 

 ガッチャスパルタンを飾った状態。
 本体後ろでしっかり固定されているので、ずれて落下とかはまず起きません。

 

 安定感はかなり高く、それどころか、取り外す時にちょっと力を要するくらいです。
 これだけしっかり固定されているなら、安心して飾っておけるというものです。

 

 煽りのアングルで。
 この角度だと、鋭い先端部が更に際立って、益々かっこよく見えます。
 支柱は、ガッチャ4と5の中心部分をホールドするような形状で、ただの平たい板に乗せてるわけではありません。

 

 参考に、台座だけで重さは247グラムもありました。
 おおまかに言うと、ダイキャストを使ってないフィギュアーツの仮面ライダー系約5体分の重さ。

 

 EX合金は、とにかくダイキャストをこれでもかというくらい使うので、台座に限らず、全体的にかなりの重さになりがちです。
 せっかくなんで、全部のGマシンの重さも見てみましょう。
 ガッチャ1は、83グラム。
 本商品中、最軽量。

 

 ガッチャ2は、128グラム。

 

 結構重かったガッチャ3は、実測すると248グラム。
 一気に倍近くまで跳ね上がりました。

 

 ガッチャ4は、299グラム。
 定形外郵便で送ったら、これだけで390円確定です。
 これも玩具としては相当な重量ですが……

 

 最重量・ガッチャ5はなんと343グラム!
 ガッチャ4よりも、フィギュアーツ1体分弱ほども重い!
 ガッチャ1の約4台分にも及ぶわけですから、そりゃあ合体後の安定性も高まるってもんです。

 

 そして、ガッチャスパルタンの重量は……なんと、1.1キロ!!
 もはや鈍器の一歩手前です。
 いや、形状的に充分殺傷凶器か。
 台座も合わせると約1.35キロにも及ぶので、「DX星獣合体ギンガイオー」に迫る重量感ということになります。

 

 以上、EX合金ガッチャスパルタンでした。
 非常に長いレビューでしたが、お付き合いありがとうございました。

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【買ってみて一言】

 超オススメの逸品です!
 と、もはやこの一言しか出てこないくらいに、素晴らしい商品でした。
 「科学忍者隊ガッチャマンF」が好きで、ガッチャスパルタンに思い入れの深い人、更に「DX五連合体作戦」に手が出せなかったという方は、もう無条件で買っていいでしょうと背中をドン突きしたくなるほどです。
 逆に言うと、ガッチャスパルタンはガッチャマンのメカとして認めない! という否定派の方には、全く薦められません。
 EX合金は、個人的にこれが初めての購入のため、いささか不安はありましたが、合体ギミックも安定感も、そして「玩具としての手応え」も充実しており、よくぞここまでやってくれたとしか言いようがないです。

 もっとも、問題が全くないわけではありません。
 例えば、EX合金特有の問題と云われる「接着剤による白化」が各所に発生していることがあるようです。
 事実このレビューに使った物も、ガッチャ1のランディングギア後輪の一部と、ガッチャ2の右前輪基部が白化しており、特に後者はジャッキが全く稼動しないというほど深刻でした(シリコンスプレーのおかげでなんとか対処出来ましたが)。
 また、この白化は何かで拭き取ることが出来ず、ずっと付いたままです。
 もし、どうしても気になって仕方ないという部分にこの症状が見られた場合は、早めに交換申請を出してみてはいかがでしょう?
 もっとも、アートストームの対応がどのくらいなのかは、全く判らないのですけど。

 あとは、やはり大鷲の健フィギュアなどが付かなかった点に尽きるでしょう。
 ここまでやっておいて、科学忍法ハイパーシュートが再現不可能というのは、悲しすぎると思います。
 先の通り、やったらやったで無理が出そうなのは判りますが、そこはなんとしても行うべきだったんでは? なんて思ってしまいます。
 何か別なもので代用するにしても、代わりになるものがそもそもないですからね……

 

 まぁ、色々書きはしましたが、とどのつまり。
 「高年齢層向け玩具なんだから、どうせ慎重に扱わなきゃダメなんだろ?」とか「もっと気軽に弄りたいんだよなぁ」と考える人にこそ、全力で勧めたいです。
 本商品は、本当の意味で玩具してますから、きっと驚くことでしょう。
 それだけの期待値を込める価値は、充分すぎるほどあります。

 これはDXポピニカ版の代用品などでは決してなく、立派なリメイク商品です。
 しかも、その視点は確実に当時からのファンに向けられています。
 DXポピニカに求められがちな様々な要素のほぼ全てが、これで満たされるのではないかと。
 そんな風に感じさせる、非常に骨太な「楽しい商品」が、このガッチャスパルタンです。

 ところで、アートストームは「ゴッドフェニックス」「ニューゴッドフェニックス」の両方で“火の鳥バージョン”を出すそうです。
 既に予約も始まっていますが、こんな調子で、ガッチャスパルタンの全体赤色バージョンなんかも出るんでしょうか?
 個人的に、あまり欲しくない気もしますが……意外と、そっちの方に大鷲の健が付いてきたりして?!

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