PLAYSTATION2 サクラ大戦〜熱き血潮に〜
 「サクラ大戦」投稿評論 「サクラ大戦3」投稿評論 「サクラ大戦4」投稿評論
メーカー:セガ
流竜馬 様
エンジェル・ハイロゥ 様
Mr.BOO
 サクラ大戦シリーズにてPS2最初の移植作。


>ストーリー

 文明開花から50余年…
 帝都・東京には西洋文化と日本古来の文化が入り混じったモダンな町並みが軒を連ね、高度な文明都市が築き上げられていた。
 しかし、反面…怪物や呪術により帝都の平和は狙われ続けていたのである。
 そのため異形の化け物から帝都を守るべく、陸軍の所属から独立した秘密部隊が結成された。
 その名は「帝国華撃団」、略称「帝撃」である。

 そして太正12年4月…
 この「帝国華撃団」に海軍の青年将校「大神一郎」(変更不可)が転属してきたところから物語は幕を開ける……


>キャラ紹介

大神一郎(おおがみ・いちろう)
 物語の主人公で、この時点では士官学校を卒業したての海軍少尉。
 生真面目で実直な熱血正義漢であるため、次第に帝撃メンバーに慕われてゆくことになる。


真宮寺さくら(しんぐうじ・さくら)
 仙台から上京してきたばかりの帝国華撃団の新入隊員で、戦闘力も舞台の腕も発展途上。
 しかし、どんな状況でも挫けたりしない気丈な性格と努力で次第に成長していく。
 大神を慕ってはいるもののヤキモチ焼きなため、他の女の子にデレデレしようものなら後が恐い (笑)。


神崎すみれ(かんざき・すみれ)
 日本有数の富豪・神崎財閥の一人娘で、自他共に認める帝劇の「トップスタァ」。
 しかしワガママで、他人との衝突が絶えないのが難点である。
 ちなみに後述の桐島カンナとは犬猿の仲でもあり名コンビでもある。


マリア・タチバナ
 帝国華撃団・花組のリーダー的存在で、ロシア人の父と日本人の母との間に生まれたハーフ。
 戦場では沈着冷静な判断力と優れた銃の腕前で敵を圧倒する。
 メンバーのドタバタをまとめる役は殆ど彼女がこなしているため苦労が絶えない (笑)。


アイリス(本名:イリス・シャトーブリアン)
 フランスの大富豪・シャトーブリアン家の一人娘。
 おしゃまな帝撃最年少メンバーだが、子供扱いされることを嫌っている。
 また帝撃メンバーでは一番ストレートに大神を慕っている。
 ちなみにアニメ版の序盤はまさに引き篭り状態であり、ファンからは凄まじく不評でした


李紅蘭(り・こうらん)
 中国出身の天才科学者(ただし失敗多し)にして帝撃一のギャグメーカー。
 いつも非常に明るくマイペースだが、内面は繊細である。
 今作品ではそんな彼女の過去が拝める新シナリオが追加されています。


桐島カンナ(きりしま・かんな)
 沖縄出身の武道家で、琉球空手桐島流28代目継承者。
 面倒見のいい姉御肌の楽天家で、実は帝撃一のナイスバディである。
 神崎すみれとは犬猿の仲ではあるが、いざとなればいいコンビである。


米田一基(よねだ・いっき)
 普段は酒好きの大帝国劇場支配人だが、陸軍中将にして帝国華撃団総司令。
 人情家で、帝撃メンバーを我が子のように愛している。
 また、「仮面ライダークウガ」の一条刑事もビックリなほどタフなことでも有名である (笑)。


藤枝あやめ(ふじえだ・あやめ)
 帝国華撃団の副司令兼司令長官秘書で、花組隊員皆の憧れの的。
 「作戦は慎重に、行動は大胆に」の精神で帝撃各組の指揮や支援を行っている。


藤井かすみ(ふじい・かすみ)
 帝劇三人娘の一人で、事務や料理を一手に引き受けている才女。
 落ち着いた性格のおっとり美人であるため、男性陣の人気が高い。

榊原由里(さかきばら・ゆり)
 帝劇三人娘の一人で、来賓用玄関で受け付けをしているモダンガール。
 好奇心が強く、ウワサ話も非常に大好きである。


高村椿(たかむら・つばき)
 帝撃三人娘の一人で、売店でブロマイド等の販売をしている。
 誰とでも仲良くなれるタイプで、意外にしっかり者。


>内容評価


 基本的にはSS&DC版と同じく「アドベンチャーパート」と「戦闘パート」を交互にこなすシステムですが、SS&DC版のベタ移植ではなく、様々な変更&追加点が見られました。

1.戦闘システム変更

 システムが「3」および「4」のARMSゲージシステムとなっており、「『3』や『4』をやってたものの、『1』や『2』にはブランクがある」方々でもすぐに馴染めるようになってます。
 また、今回は「特殊攻撃」なるものが追加され、戦闘の幅も広がりました。

2.帝劇三人娘との恋愛要素

 人気が高かったものの、攻略不能だった彼女達とのイベントが多数追加され、個別EDこそ作られなかったものの、ラストで「3」のメル&シー同様のラストイベントCGが拝めます。
 個別エンドまで作ってしまうと、「4」までの流れにも影響しますから。
 「4」では最後に選んだパートナーと共に最強機体「双武」に搭乗することになるのですが、戦えるほどの霊力を持ち合わせていない彼女たちやメル&シーでは無理ですし…

3.新シナリオ追加

 DC版でも個別エピソードの作られることのなかった「李紅蘭」にスポットを当てたシナリオ「物言わぬ友よ」が追加され、このシナリオでは欧州大戦の頃の、まだ幼いレニや織姫やラチェット(映画版キャラ)達星組の勇姿が拝めます。
 また、帝劇三人娘とのデートイベントがあるシナリオ「神は舞い降りた」も追加されており、彼女達の新たな魅力に萌えまくれることは確実です(笑)

4.新CG追加

 どんな作品でも移植の際にはファンに真っ先に希望されるこの点は、抜かり無くきっちり押さえられております。
 追加要素アリなのは年下キャラばかりでしたね (汗)。


 これらの点のおかげでこの「熱き血潮に」は経験者でも充分楽しめる出来に仕上がりましたが、完璧とは言えない点もありました。

1.選択肢が見にくい

 選択肢が会話ウインドウに表示されるため、画面中央に表示されていたSS&DC版に比べて見にくくなってます。
 画面の小さいTVでやってる方には辛いと思いますよ。

2.戦闘がヌルい。

 このシリーズの戦闘難易度が易しいのは相変わらずですが、この作品の易しさは群を抜いています。
 降魔との戦いで光武が大破するシナリオ以外では「まず苦戦しません」
 「敵に多少の手応えは欲しい」方々なら確実にダレるでしょう
 2周目以降は難易度UPも可能ですが、無茶さえしなければやはり簡単です。

3.最終決戦

 ファンの間では有名な「仲間が次々と死亡→仲間の死を乗り越え葵叉丹を倒す→ラスボス・サタン登場。
 そこへ現れたミカエル(あやめさん)の力で復活した仲間達と共に最後の戦いへ」なラストバトルですが、このシナリオは相変わらず好きになれませんでした。
 まず「ここは任せて先に行け!」な展開で次々と散っていく花組メンバーの散り様の中には「力を合わせず一人残ったせいでむざむざ死亡してしまった」ものもありましたし、葵叉丹(山崎真之介)の掘り下げがあまりされていないため、ラスボスであるサタンの登場以降の展開は「唐突」としか思えませんでしたからねえ…
 「かっては降魔と戦った善玉」だった彼が何故闇に染まってしまったのか…
 これ以降の作品で明らかにして欲しいです。

 一連のストーリーに一応の決着をつけた「4」でも、ラストであやめさんがミカエルとして出てくることを期待したのですが、結局出てきてくれませんでした(残念)。


>最終評価

 「こだわり」を求める方々(経験者)にとっての多少の難点はありましたが、それでも充分に楽しめる作品です!
 サクラシリーズ経験者だけでなく未経験者にもお勧めできます。
 「『燃え』と『萌え』を求める方なら絶対買い!」ですよ!!
 漫画版の出来は良いのでこれからも頑張ってほしいです。
 何故か「(前半の)暗さ」や「(敵の)グロさ」を前面に出して、不評の嵐を招いたアニメでの失敗はこれで払拭できればいいですねえ…

(流竜馬 様)

 実は私はサクラ1はこのPS2版が初めてだったのですが、とても楽しめました。
 「3」では敵がかなりバカバカしい理由で攻めてきていたのですが、この「1」では一応の戦略目的を持って行動していたので良かったです。
 ただ、噂の終盤部分は少々? です。
 霊子砲発射が迫っているという事で、1人が敵の足止めをして残りの仲間を先に進ませると言うのは解りますし、「セーラームーン」「聖闘士星矢」などでも良くある展開なのですが、余りにも短期間で連続して起こる上、紅蘭なんかは無駄死にっぽいです。

 また葵叉丹の正体が山崎真之介であるというのはバレバレなのですが、作中においては明言されず、降魔戦争の英雄である彼が何故身を闇に染めたのかも明かされず、逆に伏線など何も無かったはずの魔王サタンであるという事が明かされるなど無理のある展開です。
 そうは言っても非常に楽しめたのは間違いないので、今後の展開にも期待です。

(エンジェル・ハイロゥ 様)
 リニューアルされたわけですから進化したシステムを用いるのは当然でしょう。
 一ターン毎にじっくり時間をかけてプレイするスタイルが好きな人は、慣れるのに時間がかかるかもしれません。
 サブキャラは個人的に椿のイベントが追加されているだけで満足なんですが、個別エンドを設けるとゲームのバランスを崩ししまいそうですし、やはりここまでがサービスの限度なのでしょう。

 とうとう紅蘭も日の目を浴びるときが来ました。
 相変わらずメカ相手ですが、それもまた紅蘭らしい。
 ただ、追加した部分に細かいキャラを積め込みすぎているような気がしないでもないですが…
 「1」の当時、出てこなかったキャラが何をしていたかは興味を引くものではありますけど、こうしたサブ的なものほど、例えば隠しシナリオにしてみたり、おまけディスクをつけてみたりでフォローした方が良いような気がします。
 
 また「あかほり」テイスト爆発で「お約束」の展開ですから、立て続けに犠牲になるスピードの速いこと速いこと(笑)。
 それならいっそ、残ってから一人であれこれ動かすのではなく、特攻した所で場面を切り替えてくれた方が生死不明に出来る分、面白いと思ってしまいます。
 紅蘭なんて「宇宙戦艦ヤマト」の真田さんよろしく、霊子砲の脇で細工をして爆発に巻き込まれるようなシーンの方が面白いと思うのですが
 この極端な展開のおかげで「サクラ大戦」を敬遠する人は少なからずいるでしょう。
 相変わらずあやめさんも謎のまま消えちゃうみたいですし。
 そりゃあ、あやめさんも叉丹も降魔戦争の時点からいたわけだし、その間に何かあってもおかしくないとは思うけど、あかほり作品の場合大概にしてそうした部分は「そんな感じで想像してくれ」で済まされてしまう。
 3回目にして細かいフォローをし始めているのに、あやめさんには手付かず…
 年下のキャラばかりが手を加えられているのは気のせいか?
 全てにつじつまを合わせて欲しいとまではいかなくとも、「実は〜でした」の決まり事っぽい形を取れば説明不要みたいなスタイルは、ノリで楽しめる人以外は微妙にひっかかる。
 キャラのシナリオだけでなく、こうした部分も手直ししてくれれば正に完璧かも。

 「買い」なのは間違いありませんが、出すたびに限定版が何種類もあるのが「またかっ」って感じでなんともいえない
 ゲーム以前に「得した」「損した」などの先入観を与える要素があるのはどうにも疑問が残ります。
 限定版を出すことが、サクラ大戦の伝統などと考えられていなければ良いのですが…
 それまでの限定版を全て持ってる人っているのだろうか?
 それに、だいぶ藤島キャラと離れてきた気がしますから、その辺りで買い手がどう反応するかが鍵となるのではないでしょうか。
 漫画版はなかなかがんばっていると思いますけどね。

 しかし、未だに全てのキーポイントが一作目の「サクラ」なんだなぁ…
 「2」をどうするか気になりますが、「3」と「4」は展開からして、いっしょに出されてもおかしくないような気がします。

(Mr.BOO)
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