週刊北條『仮面ホウジョーV-1』第51話
(最終決戦中編・G3チーム、そして…)
雑木林。
梵字こぞうの元に向かおうとするバーニングV-1(北條)・G3-X(氷川)・G3(尾室)の前に立ちふさがる『火のホウジョー』と『水のホウジョー』。
火のホウジョー「ここは聖地…」
水のホウジョー「これ以上踏み入るようなら、私たちが相手になります」
指の先から高水圧の水の弾丸を連続発射する『水のホウジョー』!
先へ進もうとした3人の足下に、着弾が集中する!
北條「…どうやらあの男(梵字こぞう)、ここで何か企んでいるようですね。
あの男は、以前も司さんたちから『ホウジョー』を奪ったことがある。
もしかしたら、一連の自傷事件も、あの男が原因なのでは…?」
氷川「(向かってくる2体のホウジョーを見ながら)北條さん…」
北條「…ええ。話をしている暇はないようです。
あの男の前に、こちらの2体を相手にしなくてはならないようですね…。
氷川さん、尾室さん、まずは遠距離攻撃でダメージを与えましょう」
尾室「(GG-02を構えて)分かりました!」
氷川「(GX-05を構えて)いきます!」
2体のホウジョーに対してGX-05の集中砲火を浴びせるG3-X!
動きの止まった2体に、GG-02を連続発射するG3!
…が、何度攻撃しても、大したダメージは与えられない。
残弾がゼロになるGG-02とGX-05。
尾室「くっ!」
氷川「(自分の腰のGM-01をG3に渡して)尾室さん、これを!」
G3-XのGM-01を左手で受け取るG3。
両手にGM-01を持ち、2体に向かって連射する!
マガジンを取り替えたGX-05の射撃も加わり、凄まじい量の弾丸が2体に叩き込まれる!
火のホウジョー「(うるさそうに)なかなかやるようですが…無駄ですよ。
そんな武器では、私たちを倒すことなどできはしません」
最後のマガジンをGX-05に叩き込み、射撃を続行するG3-X!
尾室も両手のGM-01を必死に連射する!
…が、
氷川「弾丸切れ!?」
尾室「…こっちも残弾ゼロです!」
北條「仕方ありません。接近戦で勝負をつけましょう!」
飛び出していくV-1。
右腕にGS-03を装着するG3。
右手にGK-06、左手にガードアクセラーを装備するG3-X。
突っ込んでくる3人に向けて、水の弾丸を連続発射する『水のホウジョー』!
尾室「うわ!」
氷川「うっ!!」
北條「ぐっ!」
モロに攻撃を喰らい、吹き飛ばされる3人!
同じく、エンジンに直撃を受けて横倒しになるガードチェイサー!
そして、流れ弾を喰らったG3&G3-Xのスペアバッテリーケースが、中身ごと粉々に破壊される!
尾室「あっ!」
氷川「スペアのバッテリーが…!」
破壊されたバッテリーに気を取られたG3とG3-Xに向け、巨大な水の固まりが襲いかかる!
GS-03、GK-06、ガードアクセラーを包み込む水の固まり。
水分が、まるで意志を持っているかのようにジワジワと内部機構に入り込み、各武器の電磁エネルギー発生機構をショートさせる!
バチバチと火花が上がり、使用不能になる3つの武器!
氷川「しまった!」
武器を失ったG3&G3-Xに向けて、指の先から炎を放射する『火のホウジョー』!
必死に炎から逃れるG3&G3-X。
水のホウジョー「(キョロキョロと見回して)もう一人はどこに行きました?」
北條「…ここです!」
いつの間にか『水のホウジョー』の背後に回っていたV-1が、思いっきり右腕を振り、必殺の炎のパンチを繰り出す!
摩擦熱で炎を上げる右腕のパーツ!
ドカッ!!
水のホウジョー「…フ…」
北條「!?」
身体の一部を液化させてV-1の右腕を包み込み、炎を消す『水のホウジョー』!
北條「なに!?効かない!?」
驚くV-1の胸に指を当て、水の弾丸を発射する『水のホウジョー』!
北條「ぐっ!!」
至近距離からの攻撃を受け、ゴロゴロ転がりながら吹き飛ばされるV-1!!
V-1に駆け寄るG3&G3-X。
氷川「大丈夫ですか、北條さん!?」
北條「ええ、どうにか…あなたたちは?」
氷川「何とか無事です。
でも、僕も尾室さんも、手持ちの武器はほとんど使い果たしました。
(ベルトのバッテリーゲージを確認し)バッテリーも、もうほとんど残っていません」
尾室「僕のバッテリーも、あと少ししかもちません」
北條「…このままでは3人ともやられてしまいます。
なんとか突破口を開かなくては…」
氷川「北條さん」
弾丸の切れたGX-05の銃床から、GXランチャー用の特殊弾を取り出すG3-X。
氷川「これは、小沢さんが、科学警察研究所と共同で密かに開発していた、対アンノウン上位体用の特殊ガス弾です。
小沢さんの話によれば、人には無害で、アンノウンだけに効果を及ぼすとか…。
試作品なので、1発しかありませんが…これを使いましょう!」
尾室「(はるか後方に浮かんでいる梵字こぞうを見ながら)でも氷川さん、ここでそれを使ってしまったら…!」
北條「…やむを得ません。
とにかく今は、あの2体を何とかしなければならない。
その後のことは、あの2体を倒してから考えましょう」
氷川「…はい!」
3人に向かって、ゆっくりと近づいてくる『水のホウジョー』と『火のホウジョー』。
北條「左側の水色の方は、私が何とかくい止めてみましょう。
氷川さん、尾室さん、あなたたちは右側の赤い方をお願いします」
氷川「分かりました!」
尾室「北條さん、気をつけて!
…僕が立て替えた食事代を払ってもらわなきゃならないんですから!」
北條「…ふ、そうでしたね。
ここから無事に戻れたら、利子を付けてお返ししますよ。
…さあ、いきますよ!」
二手に分かれる3人。
尾室「氷川さん、僕がオトリになって、あいつを引きつけます。
そこを狙ってGXランチャーを撃ってください」
氷川「いえ、尾室さんを危険な目に遭わせるわけにはいきません。
ここは僕がオトリに…」
尾室「氷川さん! 僕だってG3チームの一員です! 危険は覚悟の上です!
…それに、僕には、一発しかないGXランチャーの弾丸を確実に命中させる自信はありません。
あいつを撃つのは、氷川さんの役目です!」
氷川「尾室さん…」
尾室「さあ、早いとこあいつをやっつけて、焼肉を食べに行きましょう!
小沢さんと一緒に!」
氷川「…分かりました。(ランチャーを構えて)尾室さん、お願いします!」
尾室「はい!!」
走り出すG3!
『水のホウジョー』の水の弾丸を必死に避けているV-1。
弾丸を避けるのが精一杯で、なかなか近寄ることができない。
北條「…何とかして、懐に潜り込まなくては…」
『火のホウジョー』の向こう側に回り、注意を引くG3。
G3の方を振り向いた『火のホウジョー』が、G3-Xに対して背中をさらしている。
慎重にGXランチャーの狙いをつけるG3-X…。
が、その時、
水のホウジョー「危ない!」
『火のホウジョー』の背後にいるG3-Xの不穏な動きを見た『水のホウジョー』が、G3-Xに向けて水の弾丸を発射する!
氷川「うわっ!!」
弾丸の直撃を受け、吹き飛ばされるG3-X!
持っていたGXランチャーもはるか遠くに飛ばされる。
GXランチャーを取りに行こうと、走り出すG3-X。
が!
ピーッ!
その時、G3-Xのバッテリーが底をつく!
動力が停止し、途端に全身が鉛のように重くなるG3-X!
重さに耐えきれず、ドッとうつ伏せに倒れ込む氷川!
氷川「ぐっ…こんな時に…!」
ジリジリと必死に手を伸ばすが、はるか遠くのGX-05にはとても届かない!
火のホウジョー「こざかしい真似を…!」
動けなくなったG3-Xの背中を狙い、『火のホウジョー』が襲いかかる!
尾室「氷川さん!」
とっさにG3-Xと『火のホウジョー』の間に割って入るG3!
氷川「(背中越しに振り返って)尾室さん!」
『火のホウジョー』の攻撃を受け続けながら、自分の背中のバッテリーを取り外し、G3-Xの背中に接続するG3。
氷川「尾室さん!何を…!?」
尾室「僕のバッテリーはまだほんの少し残っています!
それを使って、早くGXランチャーを!
それまで、こいつは僕がくい止めます!
…おおおおおお!!!」
動力が停止し、鉛のように重くなったG3を無理矢理体力で動かし、『火のホウジョー』を押し戻す尾室!
そのまま『火のホウジョー』に覆い被さって、その動きを封じる!
火のホウジョー「ぐ…この男…やたらに重い…
…ええい、離しなさい!」
下敷きになった『火のホウジョー』が、身体から炎を吹き出し、G3を引き離そうとする、!
G3の身体のあちこちから炎が上がり始める!
だが、それでも尾室は力をゆるめない!
氷川「尾室さん!」
わずかに残された尾室のバッテリーの力で、GXランチャーに向かって走るG3-X!
『火のホウジョー』に向かって狙いをつけるが、覆い被さって動きを封じている尾室が邪魔になり、発射できない!
尾室「(氷川の方を振り向いて)氷川さん!早く!」
氷川「でも! このままでは尾室さんに当たってしまいます!」
尾室「構いません! 僕ごと撃ってください!」
氷川「そんな! 危険過ぎます! いくら人には無害だと言っても…」
尾室「大丈夫です! 僕は小沢さんの言葉を信じています!」
尾室の脳裏に浮かぶ、G3チームでの楽しかった日々の回想。
尾室「自分に責任が及ぶのを覚悟の上で、僕たちを送り出してくれた小沢さんの気持ちに報いるために…
今までG3チームのやってきたことが無駄じゃなかったということを証明するために…
こいつは僕たちG3チームの力で倒しましょう!
いや、倒したいんです!
僕と、氷川さんと、小沢さんの3人の力で!!」
氷川「…尾室さん…
はい! 一緒に倒しましょう!3人の力を合わせて!
…発射!!!」
尾室が『火のホウジョー』を必死に押さえ込んでいる!
氷川がGXランチャーの狙いをつけ、トリガーを引く!
小沢の特殊ガス弾が、GXランチャーから発射される!
ボンッ!!
特殊ガス弾が、G3の背中に命中!
破裂した弾丸の中から、ガスが吹き出す!
火のホウジョー「…な、何ですかこれは…?
ま、まさか…焼肉の臭い!?」
秘密兵器・焼肉ガス弾を喰らい、身体中焼肉の臭いでまみれるG3。
苦手な焼肉の臭いにもだえ苦しむ『火のホウジョー』!
火のホウジョー「(イヤイヤと首を振りながら)は、離しなさい! 離してください!!
この臭いは嫌いです!!」
尾室「どうだ! …これが、G3チームの絆だ!!」
火のホウジョー「ぐ…ぐあああああああああ!!!」
大爆発!!
氷川「尾室さーん!!!」
…爆炎の中から抜け出し、悲鳴を上げながら赤い球体となって飛び去る『火のホウジョー』。
氷川「尾室さん!」
G3に駆け寄るG3-X。
あちこちボロボロになりながら、起きあがるG3。
尾室「氷川さん…僕は大丈夫です…。
…G3の装甲が、爆発から僕を守ってくれました…。
さすが小沢さんの作ったG3システムですね…」
氷川「…尾室さん…」
『火のホウジョー』の爆発に驚く『水のホウジョー』!
北條「!」
その隙をついて、『水のホウジョー』に向かってダッシュするV-1!!
水のホウジョー「!!」
V-1の接近に気づき、慌てて水の弾丸を連射する『水のホウジョー』!
凄まじい弾幕の中、何発も直撃を受けながら、一直線に突っ込んでいくV-1!
全速力で走っているバーニングV-1の全身から、炎が上がり始める!
あまりにも素早いスピードで動いたために、空気との摩擦熱で装甲表面の赤い塗料が燃え出したのだ!
炎の塊と化したV-1が、『水のホウジョー』にタックル!
炎に包まれる、V-1と『水のホウジョー』!
水のホウジョー「く…こりない人ですね。
またさっきのように、消火してさしあげましょう」
全身を液化させてV-1を包み込み、火を消そうとする『水のホウジョー』…!
北條「…今だ!!」
V-1の装甲各所に設けられた、装甲排除用の爆砕ボルトのスイッチを入れる北條!
グワッ!!!
燃えているV-1の全身の装甲が爆砕され、散弾のように四方八方に吹き飛ぶ!!
V-1を包み込もうとしていた『水のホウジョー』の身体を、何百もの装甲の破片が貫く!!
水のホウジョー「ぐっ…ぐわああああああああーっ!!!!」
液化したところに炎の散弾を喰らい、『水のホウジョー』の身体が水の飛沫となって四方八方に飛び散る!!
…身体のほとんどを失い、悲鳴を上げながら水色の球体となって飛び去る『水のホウジョー』。
北條「身体を液化させたのが敗因でしたね」
装甲を失い、黒一色のダーキングフォーム姿で、ヨロヨロと膝をつく北條。
警視庁・地下駐車場。
『風のホウジョー』の強風攻撃を長時間に渡って受けている警視総監。
総監「………」
風のホウジョー「く…この男…なかなかしぶとい…」
総監「…ハッハッハッハッ…」
風のホウジョー「な…何がおかしいのです!?」
総監「ありがたいことだ。
わざわざこの俺にエネルギーをくれるとはな!」
風のホウジョー「この私の風の攻撃にも耐え抜くとは…
あなたはただの人間ではない…
…だが、あなたは『ホウジョー』でもアギトでもない…
…あなたは一体!?」
総監「教えてやろう!!」
上着を脱ぎ捨てる総監!
…その腹部には、光り輝くベルトが!
不敵な笑顔を浮かべながら、ポーズを取る総監!
総監「…ライダァァァ…変身!!
トオッ!!」
空高くジャンプする警視総監…いや、本郷猛が、異形の姿に変身する!
風のホウジョー「あ…あなたは…!」
1号「そう。
人間の自由のために戦う戦士…『仮面ライダー』!!」
風のホウジョー「仮面…ライダー…!」
1号「…たった今、世界各地で戦っている俺の仲間たちが、テレパシーで教えてくれた。
世界中で暗躍していたアンノウンは、全て片づけたとな!」
風のホウジョー「なんですって…!?」
1号「もう貴様たちは終わりだ!」
風のホウジョー「くっ!! こうなれば、あなただけでも!」
強風を叩きつける『風のホウジョー』!
が、その中を平然と歩いてくる1号!
風を受け、ベルトの中心で激しく回るタイフーン!
1号「お前の風の攻撃は、俺にとってはエネルギーそのものだ」
風のホウジョー「くっ…ならば…」
『風のホウジョー』の身体から、十数個の固まりが飛び出していき、そのひとつひとつが、フォルミカ・ペデス(アリアンノウン)と化していく…。
1号「!」
風のホウジョー「我々は、あなたたちがアンノウンと呼ぶ存在の、意識の一部が寄り集まって生まれた幽鬼体…。
ですから、逆にこういう真似も可能なのです」
一度は倒されたはずのペデスの身体が、『風のホウジョー』のエネルギーで実体化していく!
『風のホウジョー』の中に宿っていた意識を吹き込まれ、復活するペデスの群れ!
たちまち周囲を取り囲まれる1号。
1号「出たな! アンノウンの怪人!
…いくぞ!」
1号に襲いかかるペデスの群れ!
1号「ライダー返し!」
ズンッ!!
1号「ライダー・ヘッドクラッシャー!!」
ドゴッ!!
1号「ライダー・きりもみシュート!!」
ズドオッ!!
1号の猛攻を受け、次々に倒されていくペデスの群れ。
風のホウジョー「くっ…なかなかやりますね。
しかし、私を倒さない限り、何度でもアンノウンはよみがえります。
いずれあなたはエネルギーを使い果たし、倒される運命にあるのです」
1号「…それはどうかな?」
風のホウジョー「? …どういう意味です?」
1号「…エネルギーに限りがあるのは、お前も同じだ。
さっきの風の攻撃といい、今のアンノウンの復活といい…
そろそろお前のエネルギーは底をつく頃だ」
風のホウジョー「!!」
1号「…警視庁の地下でお前を倒して、大爆発を起こされたら、上は大惨事になる。
だから、周囲に影響のない程度までエネルギーを浪費させてやったまでのことだ。
ついでに、お前のエネルギーまで分けてもらって、一石二鳥だったな」
風のホウジョー「ま…まさか…そこまで先を読んだ上で…!」
1号「いくぞ! トオッ!!」
地下駐車場の天井近くまでジャンプし、『風のホウジョー』目がけて急降下する1号!
1号「ライダァァァ! キイイイック!!!」
ドギャッ!!!
必殺技・ライダーキックを喰らい、吹き飛んで壁に叩きつけられる『風のホウジョー』!
風のホウジョー「ぐ…ああああああ!!」
爆発する『風のホウジョー』!
が、エネルギーを限界まで浪費させられていたため、爆発の規模はかなり小さい。
…爆炎の中から抜け出し、悲鳴を上げながら透明な球体となって飛び去る『風のホウジョー』。
『風のホウジョー』が倒されたのを見て、脅えながら四方八方に逃げていくペデスの生き残り。
それを追いかけていく仮面ライダー1号。
1号「こいつらは全て俺が倒す!
後は頼んだぞ…仮面ホウジョーV-1!!」