週刊北條『仮面ホウジョーV-1』第51話
(最終決戦前編・アギトとギルス)
小沢「(受話器を取り)はい……高村教授!?
え? 運んでもらいたい品物と人物が? …Gトレーラーでですか?」
…話している小沢の背後に、拳銃を持って忍び寄る白河…!!
コンソールのモニターのガラスに映り込んだ白河が、小沢の背中に向けて拳銃の狙いを定めている…!!
…Gトレーラー内に響き渡る銃声!!
【オープニング『仮面ホウジョーFIGHT! 〜49.7version』】
(元歌『仮面ライダーAGITO 〜24.7version』)
ライダーには 及ばない 僕らには ふさわしい役があるだろう
まだ届かない理想と現実 それでも走り出す
READY TO GO! COUNSELOR!
仮面ホウジョー FIGHT!
強くなれる 理由がある
YOU CAN DO IT! COUNSELOR!
仮面ホウジョー FIGHT!
ゆるぎない 愛と…GET ON!
ナレーション「仮面ホウジョーV-1は、楽しい記事を作る総合サイト、九拾八式工房の提供でお送りします」
第51話「心」
モニター画面が、銃弾を喰らって砕け散る!
…間一髪、身を伏せて白河の銃弾を避けていた小沢!
自分も拳銃を抜き、白河に向かって狙いをつける!
白河「!」
小沢「…やってくれるじゃないの。いきなり拳銃でご挨拶とはね。
(割れた画面を横目で見て)ここにあなたの姿が映っていなかったら、私も一巻の終わりだったわ」
高村「(ぶら下がった受話器の向こうで)もしもし、小沢君!? どうした!?」
白河「…何を考えている?」
小沢「それはこっちのセリフよ。
部下を問答無用で撃とうとするなんて、一体何を考えているの?」
白河「…アンノウンとあの方の活動を妨害し、人に宿った『ホウジョー』を守ろうとする者は、たとえ何者であろうと、排除する」
小沢「……あなた、まさか……」
白河「(ニヤリと笑って)……」
構えていた拳銃を落とし、気を失って床に崩れ落ちる白河。
その身体から抜け出していく、透明の球体。
そして、球体が実体化し、『風のホウジョー』へと姿を変える!
小沢「…そう…人間に取り憑いていたというわけね…」
『風のホウジョー』に向かって、立て続けに発砲する小沢!
身体の周囲に風の防御壁を作り出し、小沢の銃弾をはじき飛ばす『風のホウジョー』!
小沢「(全弾撃ち尽くして)…!!」
風のホウジョー「無駄ですよ。
…さて、少々痛い目にあっていただきましょうか」
小沢「(身構えながら)………」
???「…待て!!」
風のホウジョー「?」
声のした方向を振り向く『風のホウジョー』。
Gトレーラーのハッチが、外部操作でゆっくりと開いていく…!
そこに立つシルエットは…
小沢「…警視総監!?」
風のホウジョー「なに…?」
総監「(『風のホウジョー』に)ついに正体を現したな!
トオッ!」
『風のホウジョー』のボディに正拳突きを叩き込む総監!
風のホウジョー「ぐ!!」
風の防御壁を張る前に一撃を喰らい、ひるむ『風のホウジョー』!
総監「今だ! 小沢君!」
その隙をついて懐に飛び込み、総監が正拳突きを叩き込んだ場所を狙って「真空伸び膝蹴り」を喰らわせる小沢!
風のホウジョー「うっ!?」
総監「いくぞ!」
小沢「はい!」
ドガッ!!!
総監と小沢の必殺ダブルキックが、『風のホウジョー』に炸裂!
風のホウジョー「ぐあああっ!!」
Gトレーラーのハッチから転げ落ちる『風のホウジョー』!
総監「(Gトレーラーから飛び降り)小沢君! 早く高村教授の所へ!」
小沢「し、しかし…」
総監「(『風のホウジョー』を横目で見て)こいつのことなら心配するな!
それより、時間がない! 急げ!!」
小沢「…はい!!」
翔一「……うおおおおおおおおお!!!」
『地のホウジョー』に向かって突っ込んでいくアギトグランドフォーム。
その身体のあちこちから、次第に炎が上がり始める…!
翔一「おおおおおおおおおおお!!!」
翔一の幽鬼体が翔一の感情の高まりに反応し、アギトバーニングフォームへと姿を変える!
全身から激しく吹き上がる炎!
両腕で『地のホウジョー』の胸に炎のパンチを叩き込むアギト!
ドガッ!!
地のホウジョー「…フ…」
翔一「!?」
炎のダブルパンチがめりこみ、ブスブスと煙を上げる『地のホウジョー』の胸。
が、それに構わず、燃えているアギトの両腕を素手でつかみ上げ、力任せに放り投げる『地のホウジョー』!
翔一「うわっ!」
ビルの壁に叩きつけられるアギト!
…真魚たちに向かって、ゆっくりと近づいていく『地のホウジョー』!
沢木「(弱った身体で、必死に可奈&真魚をかばいながら)……」
可奈「沢木さん!」
真魚「翔一君!」
翔一「ぐっ…!」
叩きのめされ、戦意を喪失するアギト。
その心に反応した翔一の幽鬼体が、力を失い、翔一の体内に消えてゆく。
変身が解け、あお向けに倒れたまま空を見上げる翔一。
そこに見えるのは、どんよりとした曇り空…。
…翔一の脳裏に、かつての国枝の言葉がよみがえる(スペシャル参照)。
国枝の声「…『ホウジョー』に負けるな! 心で負けるな!
空はいつだって空だ!
晴れてても曇ってても、雲の上は変わらん。ホントはな。
…だけど、おんなじ空だったら、晴れてる方がいい」
翔一「……!」
力を振り絞り、ヨロヨロと立ち上がる翔一。
翔一「(…『ホウジョー』に流されない、純粋な心…!)」
『地のホウジョー』に向かって立つ。
翔一「(人間が持っている、二つの心…)」
ポーズを取り、目を閉じて心を静める翔一。
翔一「(正義の心と…)」
翔一の左半身が青く光り始める。
翔一「(悪の心…)」
翔一の右半身が赤く光り始める。
翔一「(…その二つの心をあるがままに受け入れる、空のような心…!)」
翔一の胸の辺りが、金色に光り始める。
翔一「(カッと目を開け、北條と同じポーズを取り)全ての心をひとつに!!
……『変心』!!!」
翔一の幽鬼体が翔一の感情に応え、アギトトリニティフォームへとその姿を変える!
地のホウジョー「(驚いて)う…!?」
翔一「ハッ!!」
ベルトから取り出したフレイムセイバーを右手に、ストームハルバードを左手に持ち、『地のホウジョー』へと突っ込んでいくアギト!
『地のホウジョー』の攻撃をかわし、バーニングフォームのパンチで開けた胸の二つの穴に向かって、フレイムセイバーとストームハルバードを深々と突き刺す!
地のホウジョー「ぐうっ!!」
…その時、雲の切れ間から差す太陽の光!
その光がアギトトリニティフォームの元へ降り注ぐ…!
翔一「(太陽を見上げ)……」
太陽の光に照らされたトリニティフォームが白い光に包まれ、その中から新たな身体が現れる…!
最強形態・アギトシャイニングフォームへとその姿を変える翔一!
翔一の心に響く、木野(司)の言葉(第46話参照)。
木野(司)の声「『ホウジョーの力で戦いたい』と強く念じろ!
『ホウジョー』は、純粋な感情に最も強く反応する!」
翔一「(…木野さん!)」
口の中でなにやらブツブツ悪態をつぶやきながら、気合いを高めるアギト!
足下に広がる幽鬼体の一部が次第に姿を変えていき、地面に『V』の紋章を描く!
幽鬼体のエネルギーを足に込め、『地のホウジョー』の胸に突き刺さったフレイムセイバー&ストームハルバード目がけて、両足で必殺キックを放つアギト!
ドギャッ!!
ホウジョーエネルギーが2つの武器を伝わり、『地のホウジョー』の心の中で激しく荒れ狂う!!
地のホウジョー「ぐあああああああああ!!」
ベルトから取り出したシャイニングカリバーを両手に持ち、身構えるアギト!
その刃に、凄まじいレベルのホウジョーエネルギーがみなぎっていく!
翔一「…とりゃあああああああああ!!!」
裂帛の気合いを込めながら、白い光となって『地のホウジョー』を両断するアギトシャイニングフォーム!!
大爆発!!
…爆炎の中から抜け出し、悲鳴を上げながら土色の球体となって飛び去る『地のホウジョー』。
沢木「(土色の球体を見て)あいつを追え!
あの先には…恐らくあいつの同類と…『奴』がいるはずだ!
多分、お前の仲間も、今頃は『奴』の所へたどり着いているだろう」
翔一「仲間……
葦原さんや、北條さんたちが!?」
土色の球体を追おうとするアギト。
真魚「…翔一君! 私も連れて行って!」
翔一「真魚ちゃん…」
真魚「もしあの先に、お父さんの心を閉じこめたあいつがいるんなら…
お父さんの心を救ってあげたいの! お願い!」
翔一「(一度ためらうが)……分かった」
マシントルネイダーの後部座席に真魚を乗せ、『地のホウジョー』を追いかけるアギト。
可奈「…沢木さん…」
沢木「……」
『空のホウジョー』の死神の鎌が、ギルスの胸に深く突き刺さる…!
空のホウジョー「…?」
涼「…ふ…」
何故か、急に白く光り始める死神の鎌…。
それと同時に、突然苦しみ出す『空のホウジョー』!!
ギルスの体内。
涼の中に宿る木野(司)の白梵字こぞうが、『空のホウジョー』の死神の鎌を右手でつかんでいる。
そして、その右手から『ホウジョー』の力をフルパワーで放出している!
死神の鎌を伝って、『空のホウジョー』の体内をかけめぐるホウジョーエネルギー!!
涼「…どうだ…人間の心と結びついた『ホウジョー』の力は…!?
お前たちの親玉も、こいつが体の中に入ったときには、えらく苦しんでいたな…」
空のホウジョー「…ぐわああああああああああああああ!!!」
『空のホウジョー』の能力に反応し、同様の能力を『空のホウジョー』に対して発揮する木野(司)の白梵字こぞう。
『空のホウジョー』の心の中で、もう一人の『空のホウジョー』が、冷たい目で情け容赦なく言い放つ。
(お前は、あの方のためと言いながら行動しているが、そうではない…)
(お前は、ただ他人を不幸な目に合わせて、それを楽しんでいるだけだ…)
(自分は決して反撃されないと分かっていて…他人を一方的におとしめる奴…)
(卑怯な奴…汚い奴…お前は最低の存在だ…)
自分が今まで人々に味わわせてきた苦しみを自分自身で味わい、涙を流しながらもだえ苦しむ『空のホウジョー』!
空のホウジョー「…やめてくれぇ…もう…やめてくれぇ…」
涼「人がそう言って涙を流したとき、お前はやめてやったのか?」
冷ややかに言い放ちながら、胸から死神の鎌を引き抜くギルス。
涼「(肩で息をしながら)…感謝するぞ…木野…」
『地のホウジョー』を追ってきて、戦闘中のギルスと出くわす翔一&真魚。
翔一「…葦原さん!?」
真魚「(『空のホウジョー』を見て)…あれは…
…感じる! あの中にお父さんがいる!」
マシントルネイダーを降り、『空のホウジョー』に駆け寄る真魚!
翔一「真魚ちゃん! 危ない!」
涼「よせ! 危険だ!」
真魚「お父さん! 私だよ! 真魚だよ!」
空のホウジョー「ぐ……」
苦しみながら弓を取り出し、ドス黒い矢を真魚に向けて放とうとする『空のホウジョー』!
翔一「真魚ちゃん!」
…目の前の真魚に向かって、放たれる矢!!
真魚「…お父さーん!!!」
…強い思いで叫ぶ真魚の身体に、ダブって浮かび上がる幽鬼体!!
真魚の、父を思う純粋な感情に反応し、風谷伸幸の姿に変わる真魚の幽鬼体。
真魚をかばうかのように、飛んで来た矢をその胸で受け止める風谷幽鬼体!
真魚「…お父さん…」
元の姿に戻り、真魚の体内に消える幽鬼体。
風谷幽鬼体に突き刺さっていたドス黒い矢が地面に落ち、風谷伸幸そっくりの人物に姿を変える。
空のホウジョー「ぐ…ぐああああ!」
『空のホウジョー』にダブって浮かび上がる、風谷伸幸の意識体!
必死に外に出ようともがいている!
空のホウジョー「ぐ…
さっきの『ホウジョー』の影響で…
私の宿っていた人間の意識が…目覚めたのか…」
真魚「(意識体に向かって手を伸ばし)お父さん!
頑張って! こっちだよ!
こっちに来て! こっちに来て!!」
意識体「……!!」
真魚の必死の呼びかけに応え、『空のホウジョー』の体内から飛び出し、黒い矢が作り出した風谷伸幸の身体に飛び込む意識体。
…身体と心が一心同体になり、人間に戻る風谷伸幸…!
風谷「……真…魚…」
真魚「…お父…さん…
お父さーん!!!」
涙を流しながら、父の胸に飛び込む真魚。
空のホウジョー「く……」
涼「…お前の相手は俺だ!!」
風谷親子に襲いかかろうとする『空のホウジョー』の前に立ちふさがるギルス!
横目でチラッと風谷親子を眺めながら、一瞬自分の父の姿を思い浮かべ…
『空のホウジョー』に怒りのまなざしを向ける!
涼「(北條と同じポーズを取り)…『変心』!!!」
涼の幽鬼体が涼の感情に応えて、エクシードギルスへとその姿を変える!
涼「ウアアア!! アアアアア!! アアアァァアァアアッ!!!!」
感情を爆発させ、『空のホウジョー』に襲いかかるエクシードギルス!!
『空のホウジョー』の全身を引き裂き、噛みつき、切り裂き、翼を切り落とし、背中の触手ギルススティンガーでがんじがらめに縛り上げる!!
涼「オオオオオォオオォオオォォオ!!!」
ドスッ!!!
空中高くジャンプし、高速回転を加えながらカカトのエクシードヒールクロウを両足同時に『空のホウジョー』の心臓へ叩き込むエクシードギルス!!
大爆発!!
…爆炎の中から抜け出し、悲鳴を上げながら空色の球体となって飛び去る『空のホウジョー』。
涼「(肩で息をしながら)……」
翔一「葦原さん…」
涼「(平静を取り戻して)…大丈夫だ。
俺はもう『ホウジョー』の力に流されたりはしない。
自分の感情は、自分自身でコントロールしてみせる。
…怒りも、憎しみも、悲しみも…」
翔一「(安心して)…はい!」
涼「(飛び去っていく球体を見て)追うぞ、津上!」
翔一「はい! 葦原さん!」
マシントルネイダー&ギルスレイダーで後を追うアギト&エクシードギルス。
その場に残された風谷親子の元に駆けつける、沢木のリムジン…。
警視庁・地下駐車場。
『風のホウジョー』と対峙している警視総監。
総監「…アンノウン対策室の最重要人物である白河君に取り憑き、人間の側からアンノウンの行動を手助けしてきたとはな…。
おかげで、G3チームは幾度となく警察上層部からの妨害を受け、満足な活動ができなかった。
俺が彼らに出した助け船も、何度も貴様の手によって握りつぶされてきた…。
だが、貴様の正体が分かった以上、もう勝手な真似はさせん!
彼らへの妨害を排除してやるのが俺の役目だ!」
風のホウジョー「…もう手遅れです。
あの方は人間の心を悪しき方向に暴走させ、滅ぼそうとしている。
頼みの綱の『ホウジョー』の持ち主は、あなたがたがアンノウンと呼ぶ我々の仲間の手によって、世界中で無力化されつつある。
…人間は、滅びるのです!」
猛烈な風を巻き起こし、総監に叩きつける『風のホウジョー』!
総監「!!」
風のホウジョー「私の風で、吹き飛んでしまいなさい!」