週刊北條『仮面ホウジョーV-1』第50話
(この作品は全52話の予定です編)(※)

 G3とG3-Xのヘルメットを脱ぎ、素顔を見せる尾室と氷川。

 北條「何ですか一体…何の真似です?」
 氷川「北條さん…僕もあなたと一緒に戦います!
  これからは、『ホウジョー』を保護することが我々の使命です!」
 北條「何をバカなことを! あなたたちまで命令違反を犯すなど!」
 氷川「僕には、難しいことは分かりません…。
  でも、たとえ暴走の危険があったとしても、我々人間が人間らしい心を持って生きるためには、『ホウジョー』が必要なのかもしれない。
  そういう見方を持つ者もいるということですよ。
  それに、お忘れですか? 僕も『ホウジョー』の一人だということを」
 北條「しかし…無謀過ぎます!
  あなたたちの直接の上司である小沢澄子がどんな責任を取らされるか、考えなかったのですか!?」
 氷川「…僕や尾室さんを送り出してくれたのは、小沢さんなんです。
  『ホウジョー』を守ろうとしているのは、我々だけではありません。
  小沢さんも、自分の全てをかけて、戦おうとしています」
 北條「(V-1のヘルメットを脱ぎ、素顔を見せて)…
  まったく、あなたといい小沢澄子といい…馬鹿な人たちだ。
  …知りませんよ、どうなっても」

 笑顔を交わす、氷川と北條…。


【オープニング『仮面ホウジョーFIGHT! 〜49.7version』】
(でぃでんどんどどん♪)


 第50話「今、戦う時」


 警視庁で、幹部会と白河から尋問を受けている小沢。

 幹部真ん中「…氷川誠と尾室隆弘がG3ユニットを装着し、姿を消したというのは本当かね!?」
 小沢「はい。
  それが最良の選択だと判断し、私が命令を下しました」
 白河「馬鹿な…分からないのか?
  この世界が『ホウジョー』と、『ホウジョー』ならざる者に分かれたらどうなるか…。
  それこそ、聖書の中のハルマゲドンを、招きかねない」
 小沢「そんなバカな!」
 白河「『ホウジョー』はアンノウン以上に危険な存在と言える。
  我々が今、『ホウジョー』を狩るような真似はできない。
  ならばアンノウンに任せればいい。我々も手を汚さずに済む」
 小沢「そんな!
  それでは我々G3ユニットが今までやってきたことは…!」
 白河「過去のことはどうでもいい! 問題はこれからのことだよ」
 幹部メガネ「…さて、小沢君、君の処分についてだが…」
 幹部右「当分の間、Gトレーラー内で謹慎処分と決まった」
 小沢「?……自宅ではなく、Gトレーラー内で、ですか?」
 幹部右「うむ。総監直々の命令でな」
 小沢「…総監の…?」

 何か考えている小沢の様子を、鋭い眼光で眺めている白河…。


 おやっさんの店でバイト中の涼の元へ、バイクに乗ったリサがやってくる。

 リサ「(働いている涼を見て)あら?涼、もう身体の具合いいの?」
 涼「お前に呼び捨てにされる覚えはない」
 リサ「カッコつけちゃって。嬉しいくせに。
  …そうそう。誕生日、おめでとう。
  仕事、何時に終わるの?」
 涼「お前には関係ないだろう。
  言ったはずだ。もう俺には関わるなってな」
 おやっさん「こいつなら今日は早番だからな。2時には終わるよ」
 リサ「わかった。じゃ、お祝いしに行ってあげるから」
 おやっさん「なんだお前たち? 一体、どういう関係なんだ?」
 リサ「これから恋人になるんです! ね、涼!」
 涼「(動揺して)…ふざけるな!」
 リサ「もう〜、照れ屋さん!
  じゃ、後でね!(バイクで走り去る)」
 おやっさん「(涼に)…おい、なかなかいい娘じゃないか、え?」
 涼「ただの変わりもんさ」
 リサ「(戻ってきて)涼!
  チョコレートケーキとチーズケーキ、どっちが好き?」
 涼「どっちも嫌いだ!」

 バイクを修理するふりをしながら、密かに微笑みをもらす涼…。


 倉本の店の洗面所で、鏡に映った自分の顔を見つめている可奈。
 …自分の顔が、次第にイヤミっぽい男の顔に変わっていく…!
 自分の変化に恐怖し、店を飛び出す可奈を、怪訝な顔で見送る翔一…。

 そこへ、ヒネクレイダーとガードチェイサーで走ってくるV-1とG3-X。

 北條「(氷川と一緒にヘルメットを脱ぎ)津上さん!」
 翔一「(振り返って)北條さん、それに氷川さん…」


 水辺で語り合う、北條・翔一・氷川。

 北條「すみません、突然お邪魔しまして。
  今はこちらで働いていると、美杉教授からうかがったもので」
 翔一「ええ。いつまでも先生の所でお世話になっているわけにもいかないかなって。
  …まあ、結構楽しくやってます」
 北條「楽しいですか…津上さんらしいですね」
 氷川「…僕たちの間も色々ありましたが、いつまでも津上さんは津上さんのままでいて欲しい…
  今ではそう思ってます」
 翔一「何ですか二人とも…何かしんみりしてません?」
 北條「ええ…
  実はこのたび、とある任務のため、しばらく警察官としての任を解かれることになりまして…」
 翔一「…どういうことです?
  アンノウンはどうなるんですか?」
 北條「…津上さん、詳しいことは言えませんが…
  これからは『ホウジョー』を持って生きていくのがつらい時代になるかもしれませんよ」
 翔一「『ホウジョー』が…つらい?
  どうしてです?」
 北條「世の中には、『ホウジョー』の存在を快く思わない人たちもいるということですよ」
 氷川「いや、むしろそういう人間の方が多いかもしれない」
 翔一「…まさか、そんな…」
 氷川「…とにかく、色々とお世話になりました。
  君には、何度お礼を言っても言い足りないぐらいだ」
 翔一「何を言ってるんです。
  同じ『ホウジョーの会』のメンバーじゃないですか」
 氷川「(笑顔で)…ホケツですけどね、僕は」
 翔一「この際、正会員にしてあげます。
  氷川さんも『ホウジョー』を持ったことだし」
 北條「…何です、その『ホウジョーの会』というのは?」
 翔一「あ、北條さんにはまだ話してませんでしたね。
  俺が考えたんですけど…
  みんなで力を合わせてアンノウンと戦って、週に一度、俺の手料理を食べる会なんです。
  俺と氷川さん、葦原さんに北條さん、それに…木野さんの5人で」
 北條「…なるほど、それは素晴らしい考えです。
  会長として、会合は盛大に開かせていただきますよ」
 翔一「…え? ……会長?
 北條「当然でしょう!
 氷川「……」
 北條「それはそうと…少し気になることがあるのですが…。
  最近、気弱な性格の人たちが、世界中で謎の自傷事件を起こしています。
  もしかしたらこれも、アンノウン関連の事件と関係があるのかもしれません。
  …(氷川に)さて、そろそろ行くとしましょうか」
 氷川「ええ…」
 北條「(行きかけて振り返り)…津上さん」
 翔一「はい?」
 北條「…私たちが任務を果たして戻ってきたら…『ホウジョーの会』の第一回会合を開きましょう。
  あなたの手料理を、楽しみにしていますよ」
 翔一「(笑顔で)はい! 楽しみにしていてください!」
 氷川「(…北條さ…!!)」

 言いかけた言葉をグッと呑み込み、無言で北條と共に歩いていく氷川…。


 北條・氷川と別れ、可奈のアパートへやって来た翔一。
 …自分の部屋で鏡を見ている可奈の顔が、再びイヤミな男の顔に変化する!

 可奈「いやああああ〜〜〜っ!!」
 翔一「(ドアの外で)!! 可奈さんどうかしましたか!?」

 ドアを開け、部屋の中で脅えている可奈に駆け寄る翔一。
 苦しむ可奈の顔に、ダブって浮かぶ幽鬼体…。

 翔一「(驚き)か…可奈さん…」

 翔一を突き飛ばし、外へ飛び出す可奈!


 遮断機が下りた踏切を挟んで、向こう側とこちら側から歩いてくる涼とリサ。

 リサ「(涼を見つけて)涼ー!
  (ケーキの箱を見せながら)買っちゃった…」

 …その瞬間、はるか上空から降ってきたドス黒い矢が、リサを貫く!

 リサ「!」

 リサを貫いた矢が、もう一人のリサへと変化する。
 その眼を見たリサの頭の中に、次々とドス黒い感情が流れ込んでくる!

 (お前が好きなあの男は、お前のことを何とも思っていない…)
 (お前はただ、自分の寂しさをあの男で埋めようとしているだけだ…)


 リサ「ちがう! ちがう! ちがうちがうちがう!!! あたしは…」

 半狂乱になりながら、遮断機を乗り越えて踏切へと飛び出すリサ!
 それを冷ややかな眼で見つめながら消える、もう一人のリサ。
 猛スピードで走ってきた電車が、リサの眼前に迫る!
 リサの異常に気づいた涼が、踏切に飛び込み、間一髪でリサを救う!


 救急車で運ばれていくリサを、悲痛な表情で眺めている涼。

 涼「(悲しげに)リサ…
  なんで…なんでこうなるんだ!?…どうして!?」

 その時、涼の脳裏に、先日戦った死神&天使の姿をした『空のホウジョー』のビジョンが浮かぶ!

 涼「(怒りの表情で)お前か…
  お前のせいか…!」


(CM)


 警視庁で言い争いを続ける、小沢と白河。

 白河「…それは違うよ、小沢管理官。
  これは私個人の意見ではない。この星に生きる全ての生き物の意思を代表して言っているだけだ。
  『ホウジョー』の存在は、この地球を混乱におとしいれる。
  これは間違いのないところだ」
 小沢「違うわ! 『ホウジョー』を恐れているのは、あなた自身よ!」
 幹部右「小沢管理官! 口の訊き方に気をつけたまえ!」
 小沢「(無視して)自分にはない心を持った『ホウジョー』を、あなた自身が恐れているのよ!」
 白河「…いけないかね?
  恐らく、ごくまともな人間なら、私と同じ反応を示すと思うが」
 小沢「いいえ! 私は人間の心を信じている!
  『ホウジョー』は人間の心そのものよ!
  本人次第で『善』にも『悪』にも変わりうる、不完全な心…。
  『ホウジョー』を否定することは、人間の心そのものを否定するのと同じことよ!
  自らの心を否定するのなら、人間に未来はないわ!」


 超高級料理店で腹ごしらえをする、北條・氷川・尾室。

 尾室「…北條さん…実は俺…」
 北條「何か?」
 尾室「俺…自分のしてることに、今ひとつ自信がないんです。
  『ホウジョー』を守るって、ホントに正しいのかなって…」
 北條「もちろんです!
  私のような聖人を増やすためにも、必要なものなのですから!
  …人間は、自らの心を直視することに慣れてはいない。
  『ホウジョー』の存在は、多分人類にとっては必要なものなのです。
  我々は正しい…正しいのです!!」
 尾室「はあ…」
 北條「…さて、そろそろ捜索に戻りましょうか。
  (懐を探りながら)あ、VISAカードを入れた背広を、官舎に置いてきてしまいました。
  氷川さん、ここの払いはお願いします」

 氷川にレシートを押しつけ、店を出ていく北條。

 氷川「…北條さん、昨日から毎回同じこと言って逃げてるんだから…」

 尾室にレシートを押しつけ、北條を追う氷川。

 尾室「(寂しくレシートを見つめ)…」

 店の前に停めてあったヒネクレイダーに乗って走っていく、北條のV-1。
 同じく、ガードチェイサーにまたがって走っていく、氷川のG3-X。
 そして、スペアバッテリーを抱え、全力疾走で二人を追いかける尾室のG3。

 尾室「(走りながら首をひねって)…ホントに正しいのかな…?」


 可奈を捜し回っていた翔一が、ようやく彼女を発見する。

 翔一「…可奈さん!」
 可奈「もう…おしまいですね…私の夢も…なにもかも…」
 翔一「何言ってるんですか! 何だってそんなことを!?」
 可奈「沢木さんも見たじゃないですか! 私の顔を…。
  なんで…一体何がどうなってるの!?」
 翔一「落ち着いてください! 何でもないですから!
  可奈さんは…可奈さんのままです! 絶対!」
 可奈「なんで…私が…あんな…イヤミな……ウッ!」
 翔一「可奈さん!!」

 浮かび上がった幽鬼体に操られ、歩き去ろうとする可奈の手を、右手で掴む翔一。

 可奈「お願いします。離してください」
 翔一「…何を言ってるんだ、可奈さん!」

 突然天候が変わり、降ってくる大粒の雨。
 激しい土砂降りの中、可奈の幽鬼体が姿を変え、雪菜の幻影に変わる。

 翔一「…姉さん…!」
 (雪菜)「離して…お願い」
 翔一「ダメだ! 姉さんは間違っていたんだ!
  『ホウジョー』だからって、自分を見失って、暴走した力で
  真魚ちゃんのお父さんを殺してしまうなんて…」
 (雪菜)「離して…」
 翔一「姉さん、俺は『ホウジョー』になっても楽しいことがいっぱいあった。
  『ホウジョー』を持ったって、人は人のままで生きていけるんだ!」
 (雪菜)「違うわ…
  人はいずれ『ホウジョー』を憎むようになる!
  『ホウジョー』を恐れるようになる!
  『ホウジョー』はきっと…人の手で滅ぼされて…
  人の心は『ホウジョー』以上の悪い心に成長してしまう!」
 翔一「そんなこと…」
 (雪菜)「人が…そんな風になってしまうのはイヤ。
  だから、離して…」
 翔一「(苦しげに)…そんな…ことが…」
 (雪菜)「お願い…離して…」

 離れかける翔一の右手…。
 …その時、翔一と可奈の手を、しっかりと握りしめる沢木と真魚の右手!

 翔一「(沢木を見て)…あなたは! それに真魚ちゃんも!?」
 沢木「離すな!
  お前の手は…人を救うための手だ!
  お前が今見ているのは、彼女の『ホウジョー』がお前の心の迷いに反応して映し出した、単なる幻影に過ぎない! 離すな!!
  (可奈に)君も、心の弱さに呑み込まれるな!気をしっかり持て!」

 沢木の言葉に、戸惑いながらもうなずく翔一と可奈。
 可奈の心に反応した可奈の幽鬼体が、力を失い、可奈の体内に消えてゆく。


 雨上がりの公園で語り合う、翔一、可奈、沢木、真魚。

 沢木「(可奈に)以前…君と同じような境遇の女性がいた。
  彼女は周りの人たちに迷惑をかけまいと、姿を消し…
  俺は…彼女の心を救うことができなかった。
  そして俺は…彼女の心を救う方法をいままで探してきた。
  だがしょせん人は…自分で自分を救わねばならない。
  君が君でいられるか、君でなくなるか、それを決めるのも自分自身だ」
 翔一「可奈さん…俺、思うんです。
  可奈さんの料理を食べて、幸せになれる人がきっといっぱいいるって。
  だから…また一緒に料理を作りましょう」
 可奈「私…分からないです…どうすればいいのか…本当に…。
  さっき見た幻影は…本当のことなんですか!?
  私と同じ力を持った人が…人を殺したっていうのは…
  (恐ろしげに自分の両手を見て)もしそうなら、いつかこの私も…」
 翔一「(苦しげな表情で)……」
 真魚「いいえ! それは違う!」
 翔一「真魚ちゃん…?」
 真魚「この人(沢木)が話してくれた…私のお父さんは死んでないって!」


 風谷伸幸事件のあった日…。
 ゼミが終わり、風谷教授と共に歩いている雪菜の前に、『空のホウジョー』が姿を現す!

 空のホウジョー「あなた、人が持ってはならない心に目覚めかけていますね。
  気の毒ですが、あなたのその心、消させていただきますよ。
  人の悪しき部分を消し去る、この白い矢で」

 弓を取り出し、白い矢を雪菜に向かって発射する『空のホウジョー』!

 雪菜「!!」

 生命の危機を感じた雪菜の『ホウジョー』が、瞬間的に覚醒・暴走する!
 雪菜の身体から浮かび上がった幽鬼体が、飛んで来た矢をつかみ、破壊する!
 驚く『空のホウジョー』に、あらん限りの悪態を浴びせかける幽鬼体!

 空のホウジョー「ぐっ…ぐわあああああああ〜〜〜〜〜〜っ!!!」

 あまりの暴走悪態パワーに、力をなくして崩れ落ちる『空のホウジョー』!

 空のホウジョー「このままでは、やられてしまう…こうなれば…」

 最後の力を振り絞り、風谷の体内に飛び込む『空のホウジョー』!

 風谷(ホウジョー)「…さあ、これであなたは手出しができないでしょう」
 雪菜(幽鬼体)「……」

 何のためらいもなくツカツカと風谷の元へ歩み寄り、情け容赦なく悪態を浴びせかける幽鬼体!

 風谷&ホウジョー「ぐあああああああ〜〜〜っ!!!」
 雪菜「(幽鬼体に操られながら)やめて! やめて! やめて!

 雪菜の心に反応した雪菜の幽鬼体が、力を失い、雪菜の体内に消えてゆく。
 ピクリとも動かなくなった風谷に気づき、半狂乱で逃げ去る雪菜!


 はいずりながら歩道まで逃げてきて、行き倒れている風谷を発見する翔一。

 風谷「…やめてくれぇ…
  もう…やめてくれぇ…」
 翔一「どうかしましたか!? 大丈夫ですか!? すいません!!」

 頭を抱えながら気絶する風谷。
 ハッとして、雪菜との待ち合わせの場所に向かって走り出す翔一。

 空のホウジョー「うう…
  しばらくこの身体に潜んで、エネルギーの回復を待たなければ…」

 活動を停止し、仮死状態になる風谷教授の身体…。


 翔一「…じゃあ、真魚ちゃんのお父さんは…」
 沢木「風谷先生の身体は滅び去ったが、その意識は、先生の死体の中に今まで潜んでいた、あの幽鬼体の中に閉じこめられているはずだ。
  (右手の梵字を見て)『奴』からこの力をもらい受けた時…
  俺の中には、あの幽鬼体の同類が入り込んだ。
  そして、今話した記憶も、その時俺の意識に流れ込んできた。
  …本当は、お前たちがあの強力な幽鬼体に対抗できるほどの力をつけてから真相をうち明けるつもりだったが…もう時間がない。
  『奴』は今、あの幽鬼体の力と自分の力を融合することで、人間すべての心を悪しき方向に暴走させ、人類を自滅させようとしているのだ」
 翔一「何ですって!?」
 沢木「それを防ぐためには、『ホウジョー』の力を合わせ……ウッ!!」
 翔一「どうしました!?」
 沢木「ど…どうやら…
  俺の中の幽鬼体が…独自に活動を始めようとしているようだ…
  …俺の…抑制も…もう…限界……」

 沢木の身体から抜け出していく、土色の球体。
 その球体が実体化し、『地のホウジョー』へと姿を変える!

 地のホウジョー「…ようやく外に出ることができました。
  この男、かなり強靱な意志を持っている。
  私が体内に入り込んでも自らの意識を失わなかったばかりか、私を体内に閉じこめて、その力を自在に操ってきたとは…。
  だが、これでこの男はただの人間に戻りました」
 翔一「!! …変身!」

 真島+沢木の幽鬼体が翔一の身体と一体化し、アギトグランドフォームへと姿を変える!

 可奈「(翔一の変身を見て)…沢木さん!?」
 翔一「可奈さん…生きてください。俺も生きます」
 可奈「沢木さん!」
 翔一「…俺のために…『ホウジョー』のために…人間の心のために!
  ……うおおおおおおおおお!!!


 『地のホウジョー』に向かって突っ込んでいくアギト…!


 『空のホウジョー』を探して、以前戦った場所にやって来た涼。
 近くの雑木林に入っていこうとする涼の前に立ちはだかる『空のホウジョー』!

 空のホウジョー「ここから先は聖地。これ以上踏み入ってはなりません」
 涼「!! …変身!!」

 涼の背後に浮かんだ木野(司)の幽鬼体が涼の身体と一体化し、ギルスへと姿を変える!
 『聖地』での戦いを避け、場所を移動する『空のホウジョー』を追うギルス。

 『空のホウジョー』と組み合うが、全く歯が立たず、またもや倒されるギルス!
 覚悟を決めたか、エクシードギルスに変身しようともしない、無抵抗なギルス。
 その眼前で、死神の鎌を取り出す『空のホウジョー』。

 涼「…構わないぜ。やれ!」

 ズドッ!!

 死神の鎌が、ギルスの胸に深く突き刺さる…!


 涼&『空のホウジョー』と入れ代わりに、雑木林にたどり着く北條のV-1、氷川のG3-X、尾室のG3。

 氷川「住民の話では、この周辺でよく自傷事件が起こるとのことですが…」
 尾室「北條さん! 氷川さん! あれ!」
 北條「…あの人は…!
  生きていたのですか!?」

 尾室の指さした先に、空中で横たわっている梵字こぞうがいる。
 その梵字こぞうを守るように飛んでくる赤い球体水色の球体
 北條たちの目の前で、赤い球体は『火のホウジョー』に、水色の球体は『水のホウジョー』へと姿を変える!!


 高村教授の研究室で、電話が鳴っている。

 高村「(受話器を取り)はい……総監!?
  …はい…何ですって!?」

 話す高村の後ろで、机の上に置いてあった木野(司)の携帯電話が鳴る…。


 Gトレーラー内で、電話が鳴っている。

 小沢「(受話器を取り)はい……高村教授!?
  え? 運んでもらいたい品物と人物が?…Gトレーラーでですか?」

 …話している小沢の背後に、拳銃を持って忍び寄る白河…!!


(つづく)


【次回予告】(ちゃらっちゃらっ♪)

 小沢「(拳銃を構えながら)彼を誰だと思っているの。彼は北條透よ」
 涼「奴は不死身だ!」
 小沢「北條君!」
 氷川「北條さん!」
 真魚「北條さん…?」


 北條「(火ダルマになりながら、梵字こぞうに向かって進んでいく)」

 涼「北條ーっ!!」
 翔一「北條さーん!!」


     『…目覚めた、その魂!!』


※作者注:当初の予定では、クウガのように「最終回の1話前で最終決戦が終了し、最終回では後日談を描く」つもりでいたのですが、アギトの最終回1話前の50話でも「最終決戦」のさの字すら出てこないのを見て「残り1話で最終決戦+後日談を描くなんてとてもムリだ」と思い、急遽後日談の分として1話プラスすることになりました。

 さて、「仮面ホウジョーV-1」も残すところあと2話となりました。
 この作品に対する思いの全てを込めて書き上げた、クライマックス&エピローグ。

 その結末は、ぜひ皆さん自身の目で確かめて下さい。
   

←BACK
→NEXT