週刊北條『仮面ホウジョーV-1』第46話
(第39話Bパートの伏線がようやく繋がります編)(※)

  右手の梵字からエネルギーを発射する梵字こぞう!
 名乗っている途中のV-1の胸を貫くエネルギー!!

 V-1の装甲がバラバラに砕け散る!
 その装甲の中に宿っていた木野(司)の『ホウジョー』が、白梵字こぞう(幼児)の形になって飛び出し、梵字こぞうの中に飛び込む。

 梵字こぞう「…ぐっ!!」

 …だが、北條本人の身体には何の変化も起こらない。

 北條「?」
 梵字こぞう「(苦しみながら)ど…どういうことです!?
  この男…『ホウジョー』を持っていない!?」
 北條「知らなかったのですか?
  私は『ホウジョー』を持ってはいませんよ。
  元々聖人のような性格を持っているこの私には、『ホウジョー』の心など必要ありません」
 梵字こぞう「(愕然)そんな馬鹿な…
  『ホウジョー』を持たない…私の愛する人間に…自然に『ホウジョー』と同じ忌まわしい心が生まれるとは…
  …くっ!!」

 苦しみながら振り返り、まだ立ち尽くしているアギトを狙って、右手の梵字からエネルギーを発射する梵字こぞう!
 翔一の胸を貫くエネルギー!!

 翔一「ぐあっ!!」

 変身が解け、元の姿に戻る翔一。
 アギトの姿を保っていた幽鬼体が翔一と分離し、形を変えていく。
 白梵字こぞう(小学生ぐらい)の姿に変わる幽鬼体。
 そのまま梵字こぞうの体内に飛び込む白梵字こぞう(小学生)。
 激しく苦しみながらアンノウン(ウォルクリス・ファルコ)と去っていく梵字こぞう。


【オープニング『仮面ホウジョーFIGHT! 〜24.7version』】
(でぃでんどんどどん♪)


(CM)

「フォームを変えろ! 必殺技を決めろ!
  スタンドプレイで、アンノウンを倒せ!
  グレイステーション、『仮面ホウジョーV-1』!!」

(CM終わり)


 第46話『司 その絆』

 廃墟で語り合う翔一、涼、北條。

 北條「…津上さん!」
 涼「津上…何故だ! 何故自分から『ホウジョー』を捨てた!」
 翔一「あれは…あれは、人間が持っちゃいけない心なんです!」

 氷川「ちょっと待ってください!」

 G3-Xのアンダースーツ姿でやって来る氷川。

 氷川「どういうことですか?
  『ホウジョー』を捨てたって…一体何があったんです!?」
 翔一「俺…今まで『ホウジョー』の力で人を救うことができるって思ってました。
  でも違ったんです。『ホウジョー』は人を不幸にします。
  そんな心を持ってたって…仕方ないじゃないですか」
 氷川「何言ってるんです…?
  現にあなたは、今まで多くの人々を救ってきたじゃありませんか!」
 翔一「氷川さんには分かりませんよ!
  『ホウジョー』じゃない氷川さんには…」
 氷川「それは…」
 涼「津上…」
 翔一「もういいんじゃありませんか。
  俺たちは『ホウジョー』から解放されたんです。
  純粋な人間として、みんな自由に生きていけばいいんです。
  もう関係ないですよ俺たち」
 氷川「…津上さん」


 美杉邸に戻った翔一が、真魚の部屋の外から話しかける。。
 翔一「真魚ちゃん…真魚ちゃん。
  俺、もう『ホウジョー』じゃないから。
  『ホウジョー』の心を、捨てたからさ」
 真魚「(部屋の中から声)…どういうこと?」
 翔一「人間は…人間のままでいればいいもんね。だから…ごめん。
  姉さんのこと、これで許してもらおうなんて思ってないけど…ごめん」


 西東京警察病院。
 北條に無理矢理連れてこられた氷川が、アンダースーツ姿のまま医師の検査を受けている。

 北條「では、どこにも異常はないと?」
 医師「ええ。
  先日彼は、都立吉澤病院で精密検査を受けたとのことで、あちらにも問い合わせてみたのですが、脳にも心理的にも異常はありません」

 廊下を歩きながら語り合う北條と氷川。

 氷川「…だから言ったじゃないですか。大したことないって」
 北條「果たしてそうでしょうか。
  アンノウンと戦うに際しては、たとえ身軽になるとはいえ、装甲を外して逃げるなど、命取りになりかねない」

 経験者は語る。

 北條「私としては、当分G3-Xの装着は止めるべきだと思いますが」
 氷川「それは…それはできません!」
 北條「しかし、氷川さん!」
 氷川「北條さんもご存じでしょう?
  津上さんは今、『ホウジョー』の力で戦えなくなっているんです!」
 北條「…ええ、津上翔一も、そして司…いや、木野薫も、葦原涼も…」
 氷川「詳しいことは分かりません。彼らに何があったのか…。
  でも、僕が『ホウジョー』を守る者として、命がけで戦っていれば、きっと『ホウジョー』は帰ってきてくれる。
  理屈じゃなく、僕はそう信じているんです。
  …お願いします! 僕の逃亡のことは、誰にも言わないでください!

 北條「…モニターを通して全部知られてますよ、小沢さんには」


 相良のマンションで語り合う、真島、木野(司)、涼。

 真島「ねえ、これからどうすんの!?
  誰がアンノウンと戦うわけ!?
  …今のままじゃどうしようもないじゃない!!」
 木野(司)「…そう。今の我々は純粋な人間だ。どうすることもできない。
  津上が言うように、それぞれ自由に生きていけばいい。
  我々を繋ぐ絆は、もう何もない」

 それを聞いていた涼が立ち上がる。

 真島「葦原さん!」
 涼「できないな俺には。
  ようやく見つけた絆だ。
  奴らを放っておくことは、俺にはできない」

 マンションを出ていく涼。

 真島「…木野さんはどうすんの?これから」
 木野(司)「…そうだな…
  久しぶりに焼肉弁当でも食べながら、お前とこれからのことを話し合うとするか」
 真島「え?」


 美杉邸。
 二階から降りてきて、美杉教授に話しかける真魚。

 真魚「…翔一君は?」
 美杉「ああ。ちょっと出てくると言っていたが…」
 真魚「…そう」
 美杉「………真魚。大体の話は、翔一君から聞いて知ってる。
  …残酷な話だと思う。つらいよ私も。
  でも、今の真魚を見たら、伸幸兄さんはどう思うかな?」
 真魚「お父さんが?」
 美杉「お前…何故兄さんが『真魚』という名前を付けたか、知っているか?
  『マナ』という名前には、『天からの恵みの食べ物』という意味があるんだ。
  きっと兄さんは、お前に、人々に恵みを与える人間になって欲しい…
  そう思ってたんじゃないかな」
 真魚「人々に、恵み?
  …そんなの無理だよ…私なんかに…私なんかに…
  私…どうしていいか分からない!」
 美杉「…真魚…」


 自転車で家を飛び出していく真魚。
 その真魚を物陰から狙っているアンノウン(エリキウス・リクォール)。

 涼「!」

 それを見つけた涼が、間一髪で真魚を助け、バイクに乗せて走り去る。


 リクォールからかろうじて逃げ切り、階段で語り合う涼と真魚。

 涼「あんた知っているか?
  アンノウンは悪態能力を持つ可能性のある人間を襲っている」
 真魚「悪態能力…私のことですか?」
 涼「分かるだろ。
  あんたも『ホウジョー』を持つかもしれないってことだ」
 真魚「私が…『ホウジョー』に…
  …私が…翔一君のお姉さんのように…」
 涼「確かなことは分からない。その可能性があるってことだ」
 真魚「……」
 涼「怖いか? …それが普通だ。
  津上が言ってた。
  奴の姉さんと、あんたの父親との間に何かがあったようだが…
  きっと奴の姉さんも怖かったんだろう。あんたと、同じようにな」

 話している二人の背後に迫るアンノウン!

 涼「!! 逃げろ!!」

 真魚を乗せて猛スピードで走り去る涼のバイク。


 コンビニで焼肉弁当を買って、相良のマンションへ戻ろうとする真島&木野(司)。
 その目の前を通り過ぎていく涼のバイク。

 木野(司)「!」
 真島「葦原さん!!」


 バイクで走っている翔一が、上空を飛んでいるファルコを発見する。

 翔一「……!」

 追いかけていく翔一。


 リクォールと合流したファルコに邪魔され、停車する涼のバイク。
 必死に走って逃げる真魚に襲いかかろうとするリクォール!
 が、その前に立ちはだかる翔一。

 真魚「翔一君!」
 涼「津上!」
 翔一「葦原さん! 真魚ちゃんを早く!
  お願いします! 俺なら大丈夫ですから! 早く! 早く!!」

 再び真魚を乗せ、走り去る涼のバイク。

 必死の抵抗もむなしく、リクォールとファルコに吹き飛ばされてダウンする翔一…。


 (CM)


 警視庁、Gトレーラー内。
 先日の敵前逃亡について、小沢の叱責を受けている氷川。
 そこへ聞こえてくる緊急放送。

 『警視庁より各局。アンノウン出現。アンノウン出現』

 氷川「!!
  小沢さん、出動します!」
 小沢「待ちなさい!
  …尾室君、今回はあなたがG3-Xで出動よ」
 尾室「え!?」
 小沢「たとえどんな理由があろうと、助けなければならない一般市民を見捨ててあなたは逃げ出した。
  これは紛れもない事実よ。
  そんな人に、G3-Xを任せるわけにはいかないわ」
 氷川「…」
 小沢「尾室君、いいわね」
 尾室「(ちょっと嬉しそうな表情で上着を脱ぎながら)い、いいんですか?」
 氷川「小沢さん!お願いします!!
  …これは僕自身の心の戦いだ!!」
 小沢「…」
 氷川「…僕が逃げ出したのは、僕の心が弱かったからです。
  今度は負けません!僕は、自分自身の心の弱さと戦ってきます!!」
 小沢「…」
 氷川「…もし今度、僕が人々を見捨てて逃げようとしたら…
  その時は、G3-XのAI制御チップのスイッチを切ってください!」
 尾室「氷川さん!そんなことしたら、この間の暴走事件みたいに…!」
 小沢「氷川君……
  …わかったわ。
  人間として…氷川誠として、自分自身の心と戦ってきなさい!


 倒れている翔一の元に駆けつける木野(司)&真島。

 木野(司)「津上!」
 翔一「……」

 肉体的にも精神的にも打ちのめされている翔一に、両肩をつかみながら必死に語りかける木野(司)。

 木野(司)「津上…俺は、『ホウジョー』の心に呑み込まれてしまった人間だ!
  だがそれは『ホウジョー』のせいではない!
  俺という人間が弱かったからだ!
  俺は…自分の弱さと戦う! 君も負けるな!!
 翔一「……」
 真島「…木野さん…」


 ファルコとリクォールに追いつめられる涼&真魚!
 そこへガードチェイサーで駆けつけるG3-X!!

 2体のアンノウン相手に苦戦する氷川。
 さらに、氷川の視界がぼやけ、アンノウンが再び恐ろしいタコの化け物に見えてくる。

 氷川「(恐怖)!!

 思わず装甲強制排除スイッチに指をかける氷川!

 尾室「氷川さん…!」

 コンソールの、AI制御チップ回路切断キーに指を伸ばす尾室。

 …が、小沢がその尾室の腕をつかむ!

 尾室「…小沢さん!」
 小沢「氷川君! 頑張りなさい!! 氷川君!!」
 尾室「い、痛てててて! 痛いっすよ小沢さん!!」

 尾室の腕を痛いほどに(←実際痛いのだが)つかみながら、懸命に叫ぶ小沢!


 …その時、G3-XとGトレーラーの通信回線に割り込んでくる北條の通信!

 北條「失礼しますよ!」
 小沢「ちょっと、あなた!」
 北條「氷川さん! 怖がらないで!!
  この私を信じて目をつぶりなさい!
  私の言う通りに行動すれば、必ず勝てます!!」
 氷川「北條さん!? ……はい!」


 いつの間にか、ボロボロのV-1をまとった北條が現場に駆けつけ、額の羽根飾り状のブレードアンテナでG3-Xに通信を送っている。
 目をつぶり、北條の指示に従いながら、アンノウンに立ち向かっていく氷川!

 北條「氷川さん! 敵は右斜め! 避けて!」
 氷川「!(避ける)」
 北條「氷川さん! 左前方にGX-05があります!
  …左上後ろ! 今です!!」

 GX-05の連射を喰らい、爆発するファルコ!
 が、その隙を突かれ、V-1ごとリクォールに吹き飛ばされるG3-X!
 破壊されるGX-05!

 真魚に襲いかかろうとするリクォールの前にバイクで駆けつける翔一!

 真魚「翔一君!」

 と、そこに現れる梵字こぞう。

 梵字こぞう「…残念です。
  そこまで抵抗するのなら、あなたたちの自我を変えなければならない」
 北條「…そんな自分勝手な真似は、この私が許しませんよ…」

 梵字こぞうの背後でヨロヨロと立ち上がる北條&氷川。
 V-1のヘルメットが吹き飛び、北條は素顔をさらしている。

 翔一&涼「……」

 北條&氷川に向かって、右手の梵字をかざしながらゆっくりと歩いていく梵字こぞう。
 それを眺めている翔一&涼…!

 翔一&涼「………
  …うああああああああああああ!!

 梵字こぞうに殴りかかろうとする翔一と涼!
 が、梵字こぞうのバリアにはじかれて吹き飛ばされる!

 梵字こぞう「…無駄なことを。
  人間の力では、私には触れることすらできません」


 そこへ駆けつける木野(司)&真島。
 が、ちょうど吹き飛ばされてきた翔一&涼と正面衝突!

 真島「うわ!」

 木野(司)のかけていたサングラスが吹き飛ぶ!
 真島の持っていた焼肉弁当も吹き飛び、北條の頭の上に落下!
 焼肉まみれになる北條!

 北條「(鼻と口を押さえて)な、何ですかこれは!?」
 梵字こぞう「(鼻と口を押さえて)…うっ!!」

 焼肉の臭いにひるんだ梵字こぞうのバリアが弱まる!

 北條「い、今だ!」

 梵字こぞうに殴りかかろうとする北條。
 が、梵字こぞうの体内にいる涼の『ホウジョー』が、北條の顔を見て条件反射的に殴ろうとする!

  グワシャッ!!

 涼の『ホウジョー』の意思に操られた梵字こぞうの右腕が、北條にクリーンヒット!!
 見事なクロスカウンターを喰らい、KOされる北條!

 梵字こぞう「(右手を見ながら)馬鹿な…この私が人間を殴るなど…」

 倒れている翔一、涼、北條。
 自分の心の恐怖と闘うのが精一杯で、身動きの取れない氷川。
 翔一たちにゆっくりと近づいていくリクォール。

 真魚「……」

 叩きのめされた翔一たちに、必死に呼びかける真魚!

 真魚「……翔一君! 葦原さん! 北條さん! 戦って!
  もう一度『ホウジョー』の力で戦って!」

 …強い思いで念じる真魚の身体に、かすかにダブって浮かび上がる幽鬼体!!

 その真魚の純粋な思いに応えるかのように、天から3つの物体が降ってくる!!

 木野(司)「あれは…『ホウジョー』!?」

 木野(司)が暴走したとき、北條の身体から抜け出ていった木野(司)の『ホウジョー』。
 同じく、北條の暴走を抑えるために沢木の力を加えた真島の『ホウジョー』。
 それに、涼の身体から抜け出ていった、エクシード変身のきっかけとなる木野(司)の『ホウジョー』。
 3つの『ホウジョー』が真魚の強い思いに反応して、その姿を再び現したのだ!!

 木野(司)「北條! 津上! 葦原!
  『ホウジョーの力で戦いたい』と強く念じろ!
  『ホウジョー』は、純粋な感情に最も強く反応する!

 翔一「…変身!」

 真島+沢木の幽鬼体
が翔一の身体と一体化し、アギトグランドフォームへと姿を変える!

 涼「…変身!」

 木野(司)の幽鬼体
が涼の身体と一体化し、ギルスへと姿を変える!

 北條「…『変心』!」

 ヘルメットをかぶる北條。
 そのV-1の装甲に木野(司)の幽鬼体が入り込む!
 再び『ホウジョー』パワーを得たV-1の装甲の形状が、みるみる変化していく。
 全身のカラーリングがからへ。
 焼肉のシミがついている部分の装甲から、鋭いツノが何本も生えていく…。
 異形の『アジテートV-1』に姿を変えるV-1システム!!!

 木野(司)「よし! みんな、ホウジョーVフォーメーションだ!」
 北條「ですが司さん! 人数が一人足りません!」
 木野(司)「…氷川誠! 君が俺の代わりにフォーメーションに加われ!」
 氷川「し、しかし、僕は『ホウジョー』を持っていません!」
 木野(司)「心配するな!
  君も立派な『ホウジョー』の持ち主だ!
  俺を信じろ!」
 氷川「…は、はい!」

 アジテートV-1の手前でV字のフォーメーションを組む『ホウジョー』戦隊!
 梵字こぞうをかばうように立ちはだかるリクォール!


【位置関係図】


位置関係図
 翔一の身体から浮かび上がる幽鬼体。
 涼の身体から浮かび上がる幽鬼体。
 そして、何故か氷川の身体からも浮かび上がる幽鬼体!

 3人の『ホウジョー』が空中で一体化し、アジテートV-1の前面で巨大な『V』の紋章を描く!!
 紋章に向かって、全力疾走で突っ込んでいくアジテートV-1!!
 途中でジャンプし、ミサイルのように空中を飛んでくるアジテートV-1。
 3人の『ホウジョー』が描いた空中の紋章に顔面から突っ込む!
 顔面に『ホウジョー』エネルギーを得たアジテートV-1が、リクォールに顔面アタック!!

 ズドギャッ!!!

 大切断を喰らった獣人のように身体を引き裂かれ、大爆発するリクォール!!


 …いつの間にか消え去っている梵字こぞう。

 北條「…あの人は!?」
 氷川「消えた…いや…それとも…」
 涼「…一緒に爆発した…のか?」
 翔一「……」
 木野(司)「……」


 夕闇の中、ひとり佇んでいる梵字こぞう。

 梵字こぞう「この私が…人間に…暴力を…
  やはり…私の愛する人間には…」


 戦いが終わり、美杉邸で食後の洗い物をしている翔一と真魚。

 真魚「…翔一君、何か、色々ごめん」
 翔一「何言ってんの、それは俺のセリフだって」

 そんな二人の様子を、微笑みながら眺めている美杉教授。


 相良のマンションの前で語り合っている真島、木野(司)、氷川、北條。

 真島「…木野さん、俺決めたんだ。
  今日木野さんのカウンセリングを見てさ。
  …俺、カウンセラーを目指してみようかなって」
 木野(司)「…そうか。君ならできる」
 真島「うん。
  警官になろうとも思ったんだけどさ、そっちは北條さんや氷川さんに任せておけば大丈夫だし。
  俺、木野さんと一緒に、『ホウジョー』に苦しんでいる人たちの心を救ってあげたいんだ」
 木野(司)「…浩二…」
 真島「え?」
 木野(司)「カウンセラーとして一人前になるまで、俺に会うことは許さん。
  木野薫の助手を名乗れるようになった君と再会できる日を楽しみにしている。
  …頼むぞ」
 真島「(真剣な表情で)…分かった。俺、頑張るよ!」

 荷物をまとめにマンションに戻る真島の後ろ姿を見送る木野(司)。

 北條「…いいのですか?本当のことを言わなくても。
  もう二度と会えないかもしれないのですよ」
 木野(司)「…ああ。
  あいつはいつも、俺のような人間になりたいと言っていた。
  俺の本当の姿がどうあれ、俺の偶像を追いかけることで、あいつが成長してくれるなら…」
 氷川「…北條さん、色々とありがとうございました。
  それに、木野さん…いえ、司さんも」
 木野(司)「…済まなかったな、今まで正体を隠していて」
 氷川「…いえ。
  それより、あなたにお聞きしたいのですが…
  僕は本当に『ホウジョー』なのですか?」
 木野(司)「ああ。
  覚えていないか? 暴走しかかった俺が、偶然君に『ホウジョー』を叩き込んでいたことを」


 (第38話の回想)

 戦いを続けるシニストラとG3-Xの前に現れるV-2。
 背後には幽鬼体の『ホウジョー』が浮かんでいる。

 氷川「…木野さん!」

 そのG3-Xを裏拳で殴り倒すV-2。

 木野(司)「邪魔だ! 図体がでかいだけの無骨漢!!
      あのトカゲは俺が倒す! 俺のこの手で!」
 氷川「(怒って)無骨!?


 木野(司)「…あの一撃を喰らってからだろう? 君の性格が変わり始めたのは。
  それに、この間は3人分の『ホウジョー』エネルギーを帯びた北條の強烈な頭突きも喰らったしな」
 氷川「…(思い出して)あ!!」
 木野(司)「君は間違いなく『ホウジョー』だ。
  だが、『負の感情』に流されてしまいやすい人間は、かつての俺のように『ホウジョー』の心をたちまち悪の方向へ暴走させてしまう。
  そのことは、決して忘れるなよ」
 氷川「はい!」
 木野(司)「…俺は最後に、津上翔一の心を立ち直らせることができた。
  俺の『ホウジョー』は、葦原涼と北條透、氷川誠の3人が受け継いだ。
  警察官・司龍二としての仕事は、君たち2人が後を引き継いでくれる。
  そして、カウンセラー・木野薫としての仕事は、浩二が…。
  …俺は本当に幸せ者だ。
  自分の意志を継いでくれる若者たちが、こんなに大勢いるんだからな」
 北條「…司さん…」
 木野(司)「…さあ、これで俺の身辺整理は完全に終わった。
  (笑顔で)そろそろ、行こうか」

 歩きかけて、ふと後ろを振り返る木野(司)。
 遠くの方で、バイクにまたがった涼がこっちを見つめている。

 肩越しに、わずかに微笑む木野(司)。
 ヘルメットを脱ぎ、無言のまま静かに木野(司)を見送る涼。

 …赤色灯が点灯しているパトカーに向かって、歩き出す木野(司)。
 まっすぐ前を見据えたその目には、さおりと花村の幻影が浮かんでいる。

 その両横に並んで、共に歩いていく北條と氷川…。


 (つづく)


 【次回予告】(ちゃらっちゃらっ♪)


 ???「何なのあんた?」
 コック「馬鹿野郎!!」
 おやっさん「俺と同じで、古いタイプの人間だ」
 ???「私のこと変にかばったりしないでください」
 翔一「何か…うお〜〜〜!!
 ギルス「ウワアアアアアア!!」

     『目覚めろ! その魂!!』


※作者注:木野(司)の最後の活躍エピソード。
  伏線もストーリーも比較的キレイにまとまり、掲示板での評判も割と良かった、作者お気に入りの一編です。

  なお、発表当時「何故真島が焼肉弁当を持っていたのか」という質問が掲示板に寄せられましたので、今回の再掲載に当たって原稿に少々手を加えました。


←BACK
→NEXT