週刊北條『仮面ホウジョーV-1』第45話

 突然、全身を炎に包まれるV-1!! 

 北條「!!」
 梵字こぞう「あなたの同類も、あなたの天敵も、あなたを倒すことはできなかった。
  ですが、もう終わりです。
  いずれこの世のイヤミは『ホウジョー』と共に全て滅び、人は私が愛することのできる者だけになる」
 北條「あなたは…一体何者です?」
 梵字こぞう「……」
 北條「もしや、司さんの言っていた…
  …って、のんびり会話している場合ですか!!」

 科学忍法火の鳥状態の北條。


 駆けつけた北條のおかげでなんとか逃げ出せた涼。
 ちょうど現場に向かっていた翔一が、ヨロヨロと歩く涼に出くわす。

 翔一「葦原さん!」
 涼「(苦しげに)津上……。
  北條とかいう奴が危ない!!」
 翔一「え!? 北條さんが!?」
 涼「気をつけろ!
  今、奴が戦っている男は…『ホウジョー』の心を奪う力を持っている!」
 翔一「!!」


 炎上中のV-1の胸を狙って、右手の梵字からエネルギーを発射する梵字こぞう!

 火を消そうとして、悲鳴を上げながら地面を転げ回るV-1。
 ちょうどタイミングよく、梵字こぞうのエネルギーを避ける格好になる。

 V-1の火が燃え尽きる。
 と同時に、日が完全に暮れて真っ暗になる。

 夜空を見上げるV-1。
 真っ黒な空。どこまでもどこまでも真っ黒な空。
 それを見つめているうちに、燃え尽きたV-1の装甲がひび割れていく。
 砕け散る装甲!

 そして、その中から現れたのは…

 真っ黒なV-1のアンダースーツであった。
 バーニングフォームの炎で顔も真っ黒になり、全身黒一色のダーキングフォームに変わる北條。

 梵字こぞう「???
  どこに行きました?」

 闇夜のカラス状態になった北條を見失う梵字こぞう。

 梵字こぞう「…ぐっ!!」

 梵字こぞうの体内で暴れ回っている『ホウジョー』。

 口の中でブツブツ悪態をつぶやき続ける木野(司)の『ホウジョー』(幼児)。

 言葉にならない声で「ウアアアア!! ダアアアア!!」と叫び声を上げながら、手足をバタバタ振り回している涼の『ホウジョー』(赤ん坊)。

 梵字こぞう「(苦しげに)…取り込んでやる…『ホウジョー』の心など…」

 胸を押さえて激しく苦しむ梵字こぞうが、仕方なくファルコ共々引き上げていく。


 闇夜の中、マシントルネイダーで現場に駆けつけるアギト。

 翔一「北條さん! 北條さん!!」

 停車して、キョロキョロと辺りを見回すが、北條の姿はない。


 マシントルネイダーの車輪の下で、のしイカになっている北條。


【オープニング『仮面ホウジョーFIGHT! 〜24.7version』】

(でぃでんどんどどん♪)


 第45話「奪われた心」

 涼、翔一、それに背中にくっきりとタイヤの跡をこさえた北條が、バイクで走っていく。
 が、次第にヨロヨロとよろめき出す涼のバイク。

 翔一「葦原さん…?」

 バイクを止め、へたり込む涼。

 涼を介抱する北條と翔一の前に、停車するリムジン。
 その中から現れる沢木。

 北條&翔一「……」


 沢木邸にたどり着く4人。

 涼「…やられた…ヤツに…『ホウジョー』を抜き取られた……
  …俺はもう…変身することができない……」
 翔一「そんな! どういうことです!?
  …何なんですかあの人…」
 沢木「あれは…人ではない…。
  『心』そのものだ」
 翔一「人じゃない…?
  …前に…俺に『ホウジョー』をくれた人に、そっくりでしたけど」
 沢木「そうだ。まったく同じものだ。
  だが、正反対のものだとも言える。
  良心と悪心…善と悪…建前と本音…のように」
 翔一「何故…何故あなたはそんなことを知ってるんです」
 沢木「…彼は俺を選んだ。
  人間の側から、『ホウジョー』を滅ぼす者として。
  そして俺に全てを教えた。
  だが俺は、彼を裏切り、逆に『ホウジョー』の力を利用して、人の性格を良い方向へと導く方法を探し始めた」
 翔一「俺の…俺の姉さんが『ホウジョー』だったからですか!?
  『ホウジョー』のせいで性格が変わってしまった姉さんを救う方法を見つけるために…」
 沢木「………」

 もの悲しげな表情で窓の外を見つめる沢木。

 翔一「…『ホウジョー』の力で、真魚ちゃんのお父さんを殺してしまった姉さん…」
 沢木「(振り向いて)まだそんなことを言っているのか!
  雪菜は無関係だ!」
 翔一「嘘だ!
  姉さんは『ホウジョー』だった。
  そして…『ホウジョー』の暴走が…真魚ちゃんのお父さんを…」
 沢木「違う!! 雪菜はただの被害者だ!!」
 北條「待ってください。
  すでに起こってしまったことをあれこれ言っても仕方がありません。
  それよりも、これからどうするのか、それを考えましょう。
  津上さん。あなたのお姉さんのように、自らの『ホウジョー』の心を暴走させない方法を、今は考えるべきなのではないですか?」
 翔一「…もし姉さんが犯人なら、『ホウジョー』の心なんて…俺はいらない!!」

 部屋を飛び出す翔一。

 涼「津上!!」


 焼肉屋で乾杯しているG3チーム。

 小沢「退院おめでとう、氷川君」
 尾室「おめでとうございます」
 氷川「すいません。ご心配おかけしました」
 尾室「でも良かったですね、ホント何ともなくて」
 小沢「そうね。まあちょうど良い休養になったってところかしら?
  ほら、どんどん食べなさい」
 尾室「いただきます!」

 焼肉に箸をのばそうとする尾室。
 が、小沢の割り箸が全ての肉を一瞬でつかみ取る。
 箸でつかんだ肉を、氷川の皿に運ぶ小沢。

 が、自分の皿に盛られた焼肉を見た氷川の様子がおかしい。
 目つきが悪くなり、目の前の視界がだんだんぼやけてくる。

 小沢「…氷川君? どうした?」
 氷川「……」

 視界がぼやけて、何故か目の前の小沢にツノが生えているように見える。

 氷川「いえ、なんでもありません」
 尾室「(焼肉を頬張りながら)美味いっすねえ。もっと食ってくださいよ氷川さん」
 氷川「…いえ、結構です。このような庶民派の食べ物は、私の口には合いません」

 ハンカチで鼻と口を押さえ、焼肉屋を出ていく氷川。

 小沢「…体は治っても、『ホウジョー』の影響は治らなかったみたいね」


 相良のマンションにいる木野(司)の元を訪れる翔一。

 木野(司)「『ホウジョー』の力についてか…何故そんなことを俺に聞く?」
 翔一「俺、今までずっと『ホウジョー』の力でアギトとして戦ってきました。
  …でも、分からなくなったんです。『ホウジョー』って何なのかなって。
  もしかして、『ホウジョー』が真魚ちゃんのお父さんを…。
  いえ、俺の姉さんも『ホウジョー』に操られて姿を消したかもしれないんです。
  木野さん、前に葦原さんや俺を襲ったことがありましたよね。
  あれってやっぱり、『ホウジョー』の心のせいだったんじゃないんですか?
  『ホウジョー』の心に操られて、それで…」
 木野(司)「…ふ…」
 翔一「何がおかしいんですか!?
  お願いです! 何とか言ってください!」
 木野(司)「俺に君を助けることはできない。
  (花村を思い浮かべながら)俺は本当に救わなければならなかった者を前に、憎しみをぶつけることしかできなかった人間だ。
  そんな俺に何ができる…」
 翔一「……」
 真島「…木野さん! いつまで昔のことにこだわってんだよ!
  木野さんはカウンセラーとして、何人もの人を救ってきたじゃない!
  すごい人じゃない!」
 木野(司)「…」
 真島「…俺、ずっと木野さんのこと尊敬してたんだよ。
  前にも言ったけど、俺の家、代々警官でさ。でも俺頭悪いし。
  俺、木野さんみたいになりたかったんだ。
  木野さんみたいに強く……木野さんみたいに優しく……」
 木野(司)「……」

 真剣な表情でつぶやく真島。
 その横顔を眺めている木野(司)。

 木野(司)「……(翔一に)君に、ひとつだけ言っておく。
  『ホウジョー』の真の本質は、俺に言わせれば、善でも悪でもない。
  「純粋な感情」の固まりみたいなもんだ。
  『ホウジョー』の力は、それを持つ者の感情に影響される。
  怒り、憎しみ、嫉妬、破壊衝動、物欲、エゴ、利己心……。
  そんな「負の感情」に流されてしまいやすい大多数の人間は、俺のように『ホウジョー』の心を悪の方向へ成長させてしまい、いずれはそれに取り込まれてしまうだろう。
  そういう「悪の心」に負けない、強い心を持った人間だけが、『ホウジョー』に取り込まれずに生きることができる。
  …君の姉さんは、悪の誘惑に負けてしまうような、弱い人間だったのか?」
 翔一「……」


 ハリネズミアンノウン(エリキウス・リクォール)出現の報を受け、現場で検証を行う北條・河野・氷川。

 北條「間違いなくアンノウンの仕業ですね」
 河野「(氷川の肩を叩いて)またお前の出番だな。
  G3-Xと、それから『ホウジョー』か」
 北條「…それはどうですかねえ?
  果たして『ホウジョー』を一人残らず信頼していいものか」
 氷川「…どういうことですか?」
 北條「『ホウジョー』もまた、事と次第によっては我々に牙をむくかもしれないということですよ」
 氷川「何を言うんです?『ホウジョー』に限ってそんな!」
 北條「だが、もし風谷伸幸事件の犯人が『ホウジョー』だったらどうです?」
 河野「『ホウジョー』が犯人?お前この間もそう言ってたが…」
 北條「…もちろん、私のような性格に成長した人間がそんなことをするはずはありませんよ。
  『ホウジョー』を持ったばかりの持ち主が、誤ってその力を暴走させてしまったとしたら…」
 氷川「そんな馬鹿なことが…!
  北條さん、一体何を証拠に…」

 北條に抗議の声を上げようとした氷川の様子がおかしい。
 目つきが悪くなり、目の前の視界がだんだんぼやけてくる。

 氷川「……」

 視界がぼやけて、何故か目の前の北條が神々しく輝いているように見える。

 北條「…どうかしましたか?」
 氷川「…いえ、別に。
  そうですね。あなたの言う通りかもしれません」
 北條「……」


 高村教授の研究室で、今回の一連の事件の顛末を語っている木野(司)。

 高村「…そうか。罪の償いを果たしてくるか…」
 木野(司)「…教授には、色々とご迷惑をおかけしました。
  長い間借りっぱなしでしたが、ようやくこれをお返しできます」

 ボロボロのV-2システムが納められた巨大なケースが、研究室の机の上に置かれている。

 高村「…ずいぶんと使い込んだようだな」
 木野(司)「すみません。
  できれば原型のままお渡ししたかったのですが…」
 高村「なに、もともとV-2は設計図上でしか存在しなかった幻のシステムだ。
  現物にお目にかかるのは、私も初めてだよ」
 木野(司)「教授…私はあなたにお礼を言わなければなりません。
  私が拘置所を抜け出して、密かに教授の下を訪れたとき、あなたは冷たい態度で私を追い返しました」
 高村「…一市民として、当然の行動だ」
 木野(司)「…ですが、その夜、私が研究室に忍び込んでV-2のデータを盗み出したとき、何故かデータのプロテクトは全てオフになっていました。
  …あれはきっと、教授が…
  その後、私がV-2を使っても足がつかないように、システムの開発記録データを封印して、一切外部に漏らさなかったことも、後になって知りました」

 木野(司)に背を向け、窓の外を眺める高村教授。

 高村「あまり買いかぶらないでくれたまえ。
  私はあの日、たまたまデータのプロテクトを忘れていた。
  それに、V-2のデータを世に出ないようにしたのは、単に私に罪が及ばないように用心しただけのことだ」
 木野(司)「………」

 高村の背に向かって深々と一礼する木野(司)。

 高村「(背を向けたまま)礼を言うのなら、全てを見抜いた上で君の行動にあえて目をつぶってくれた、あの人に言いたまえ」
 木野(司)「…ええ。
  本当に感謝しています。総監には


(CM)


 美杉邸。
 自分の部屋で落ち込んでいる真魚。
 相良のマンションから戻ってきた翔一が、廊下から声をかける。

 翔一「…真魚ちゃん? ちょっといい?
  あのさ…俺……ゴメン」
 真魚「…」

 突然部屋を飛び出し、玄関に停めてあった自転車に乗って走り去る真魚。

 翔一「真魚ちゃん!! ………」


 美杉「…私のせいだ。
  私が到らなかったばっかりに…伸幸兄さんは…」

 風谷伸幸、雪菜、沢木が一緒に写っている写真を眺める美杉。

 翔一「…じゃあ先生知ってたんですか。俺の姉さんのこと」
 美杉「…ああ。
  一度兄さんの大学に行ったときに、紹介してもらったことがあった。
  その以前から、話には何度も聞いていたがね。
  沢木雪菜という教え子を素材に、人間の心と超能力の強さの関係を探る実験をしていると。
  そのたびに私は反対したものだ。
  超能力の実験が、科学的に実を結んだ例は皆無に等しい。
  だが兄さんは夢中だった。
  実際、そういう方面には懐疑的な私も、もしやと思うほど、兄さんの実験ははっきりと成果を上げていたんだ。
  …でも、だからこそ、私はますます強く反対した。
  実験に没頭するあまり、兄さんは人間が踏み込んではならない領域にまで入り込んでしまっている。そんな気がしてね。
  …あの最後の日、兄さんは私に言った。
  『自分の手で聖人を作ってみせる』と。
  …だが、その直後に……。
  …私が兄さんのことを止めていたなら…あんなことには…!」
 翔一「でも、それは先生のせいじゃありません!」
 美杉「…兄さんがいなくなって、私はせめて真魚を守ろうとした。
  だからあの日兄さんと会ったことは誰にも言わなかったんだ。
  …あの日兄さんは、真魚にも超能力があると教えてくれた」
 翔一「…じゃあ知ってたんですか!? 先生も真魚ちゃんのこと」
 美杉「ああ。
  私が、兄さんは超能力の実験であんな目に遭ったなどと言っても、誰にも信じてはもらえないだろう。
  だが、同じ超能力を持つ真魚が傷つくのは明らかだ。
  ならば私は、あの日兄さんから聞いた全てを忘れようとした。
  …私がもっと…もっと強く兄さんを止めていたら…」
 翔一「先生が気に病むことなんて全然ありませんよ。
  …悪いのは……悪いのは…」
 美杉「…翔一君?」
 翔一「…俺、真魚ちゃんに会ってきます。
  何を言ったらいいのかわからないけど、とにかく会わなくちゃ!」


 沢木邸を出ていこうとする涼を、沢木が呼び止める。

 沢木「どこに行く?」
 涼「津上のところに…。
  今の奴には、助けが必要だ」
 沢木「…待て!」
 涼「……」
 沢木「…彼を…頼む!!」
 涼「……」


 高村教授の研究室。

 木野(司)「教授。迷惑ついでにお願いしたいのですが…。
  もし『ムカつき号』のメンバーから連絡があったときは、彼らのことをよろしくお願いします」

 自分の携帯電話を机の上に置く木野(司)。

 木野(司)「…何人か、連絡の取れなくなっているメンバーがいます。
  『ホウジョー』の力を制御しきれなくなったのか、あるいはアンノウンに襲われたのか…」
 高村「…」
 木野(司)「大部分の仲間は、『ホウジョー』の力を失って、普通の人間に戻っています。
  …そのほとんどは、以前の私が半ば強引に奪い取ったものですが…」
 高村「しかし、君の行動は、結果的には良かったのじゃないのかね?」
 木野(司)「私も最初はそう思っていました。
  ですが、私のしたことは、他人の家の中に土足で上がり込んで無理矢理物を盗み出したのと同じことです。
  悪態能力を持つ可能性のある人物を狙って襲いかかるアンノウンと、なんら変わりません」
 高村「君は、その人のためを思ってそうしたのだろう?」
 木野(司)「…最近良く考えるんです。
  ひょっとしたら、アンノウンの側もそういう考えで人間の性格を矯正しようとしているのではないかと…」
 高村「君は、アンノウンが人類のために行動しているというのかね?」
 木野(司)「いえ、そういうわけではありません。
  人の心は、あくまでもその人自身のものです。
  アンノウンの行動によって結果的に人間全部が聖人になったとしても、人の心を自分たちの都合のいいように勝手に矯正して良いはずはない。
  それに、『ホウジョー』を持ってしまったとしても、人は自らの心の力で暴走を押さえ込むことができる。
  人の心には、それを可能にする力があると、私は思います。
  …『ホウジョー』を暴走させてしまったこの私自身が、こいつのおかげで助かったようにね」

 右腕を眺める木野(司)。

 木野(司)「この右腕がなかったら、私は完全に『ホウジョー』に取り込まれていたでしょう。
  私が今ここでこうしていられるのは、この震える右腕に宿ったあいつが、事あるごとに私の暴走を制止してくれたおかげです」
 高村「北條君は、君にとっての『良心』だったというわけか…」

 木野(司)「…あいつを『良心』と呼ぶことについてはかなり抵抗がありますがね」
 高村  「…私も同感だ


 公園の水辺で物思いにふけっている真魚。
 そこへやってくる翔一。

 翔一「…真魚ちゃん…」
 真魚「(振り向いて)…翔一君」
 翔一「…真魚ちゃん…俺…」

 真魚の脳裏に北條の言葉がフラッシュバックする。

 (北條「すると犯人は、単なる超能力者ではなく『ホウジョー』の持ち主でしたか…」)

 真魚「!」

 翔一「俺…」
 真魚「近寄らないで!!」

 逃げ去る真魚。

 翔一「………」

 独りぼっちで佇む翔一。


 と、そこへ突然襲いかかるファルコ!!

 翔一「うわっ!」


 警視庁。
 Gトレーラー内。

 『警視庁から各局。アンノウン出現との入電中』

 小沢「氷川君!」
 氷川「はい!」


 出動するGトレーラー。
 それとすれ違いに、猛スピードで警視庁に向かう北條のパトカー。


 翔一「変身!!」

 翔一の幽鬼体が翔一の身体と一体化し、アギトグランドフォームへと姿を変える!

 ファルコを圧倒し、とどめを刺そうとするアギトの脳裏に、真魚の言葉がよみがえる。

 (真魚「近寄らないで!!」)

 アギト「!!」

 (真魚「近寄らないで!!」)

 アギト「………」

 握りしめた拳を見つめるアギト…。

 その隙をついて、襲いかかるファルコ!
 完全に戦意を喪失し、なすがままにされているアギト。

 そこへ、ガードチェイサーに乗って駆けつけるG3-X。
 ファルコにタックルして必死に動きを止めるが、アギトは戦おうとしない。

 氷川「津上さん!
  どうしたんです津上さん!? 戦ってください!!」
 アギト「……」

 アギトの前に姿を現す梵字こぞう。

 バイクで埠頭に駆けつけた涼の前で、梵字こぞうと対峙するアギト。

 梵字こぞう「…もらいますよ。『ホウジョー』の心を」

 抵抗するそぶりすら見せず、ゆっくりとうなずくアギト。

 涼「よせ! 津上!!」

 アギトを狙って、右手をかざす梵字こぞう!

 氷川「津上さん!!」

 アギトを助けに行こうとするG3-X。
 が、G3-Xの中の氷川の様子がおかしい。
 目つきが悪くなり、目の前の視界がだんだんぼやけてくる。

 氷川「……」

 視界がぼやけて、何故か目の前に立ちふさがるファルコがタコの化け物のように見える。

 氷川「!!!」

 突然、G3-Xの装甲を強制排除し、全力疾走で逃げ出す氷川!

 小沢「氷川君!?」


 アギトの胸を狙って、右手の梵字からエネルギーを発射しようとする梵字こぞう!

 ……ガシャン……ガシャン……

 梵字こぞう「?」

 後ろを振り向く梵字こぞう。

 ……ガシャン……ガシャン……ガシャン……

 …埠頭の彼方から、ゆっくりと歩いてくるバーニングV-1!!

 梵字こぞう「…またあなたですか…。
  今度こそもらいますよ。あなたの心を」

 V-1に向けてゆっくりと右手をかざす梵字こぞう。
 右手の梵字が光を放つ。

 梵字こぞうの目の前で、とりあえず名乗りポーズを決めようとする北條。

 北條「仮面ホウジョー…V…」

 右手の梵字からエネルギーを発射する梵字こぞう!
 名乗っている途中のV-1の胸を貫くエネルギー!!


(つづく)


【次回予告】(ちゃらっちゃらっ♪)

 涼「あの性格を放っておくことは、俺にはできない」
 氷川「僕の逃亡のことは、誰にも言わないでください」
 真魚「もう一度『ホウジョー』として戦って!!」
 梵字こぞう「人間に…『ホウジョー』の心が…」

     『目覚めろ! その魂!!』


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