週刊北條『仮面ホウジョーV-1』第39話Bパート
「辞書で『エクシード』の意味を調べた人ー!」「はーい!(・o・)/」編)

 警視庁。
 沢木と真島の力でさわやか人間に更生した北條が、小沢と共に幹部会議に出席している。

 幹部メガネ「先の『ホウジョー保護作戦』において明らかになったのは、津上翔一なる人物が『ホウジョー』であるらしいこと、
  そして、『ホウジョー』は彼や関谷真澄以外にも存在すること、以上の2点だ」
 幹部真ん中「このことについて我々は、北條主任の意見を尊重しつつ、慎重に協議を重ねた」
 北條「(さわやかにお辞儀)ありがとうございます!
  もう一度言わせていただくなら、『ホウジョー』の能力を自らの意志の力で封印してしまった津上翔一君は、私の判断から言って、一般人と何ら変わりのない普通の若者であり、研究材料としてこれを束縛することは、警察幹部会にとって社会的に大きなイメージダウンになると思われます!」
 幹部左「…わかっている。
  関谷真澄が『ホウジョー』の力を失くし、津上翔一も記憶を失くしている以上、たとえ両者を拘束…いや、保護したとしても、北條主任の報告書以上の情報を得ることは期待できまい。
  『ホウジョー』が複数存在するというのなら、我々としては、北條主任には、その謎を探るために、新たなアプローチを期待したいのだが」
 幹部真ん中「何か、意義はあるかね? 北條主任」
 北條「いえ、別に!」
 幹部メガネ「結構。
  それから、分かっていると思うが、この件については決して口外しないように。いいね」
 北條「(さわやかにうなずく)」


 さわやかに廊下を歩く北條を、背後から呼び止める小沢。

 小沢「ちょっと待ちなさい」
 北條「(さわやかに振り向き)…何か?」
 小沢「さっきの会議、あなた随分上手くやったけど、一体何を考えているの?」
 北條「何が言いたいのか、わかりませんが?」
 小沢「せっかく正体を突き止めた津上翔一への尋問を、あなたは幹部会の顔も立てた上であきらめさせたのよ。
  それに、肝心な司龍二の件や、私があなたを力づくで連れ出したことについて、報告してなかったみたいだけど?」
 北條「ああ、私が会議を丸く収めた件ですか?
  人の立場を危うくするような議論をしても仕方がないと思っただけですよ!
  私の大事な人達ですからね!」
  それに、司さんは本当の悪人ではなかった!
  …私は今、大いなる慈悲の精神に浸りつつあるんです!」
 小沢「……」

 北條のあんまりの変わりように、思わずたじろぐ小沢。

 小沢にさわやかにお辞儀し、さわやかに歩いていく北條。
 小沢「…なんなのよ、一体!?」


 シニストラに勝利し、焼肉屋で焼肉を食べているG3チーム。

 小沢「どうした、氷川君? 食べないの?」
 氷川「すいません…食欲がなくて…」

 ハンカチで鼻を覆い、気持ち悪そうに焼肉を眺める氷川。

 小沢「分かるわ。木野薫のことね。
  尊敬していた人物が『ホウジョー』のせいで豹変していた。
  それで思わずアンノウン相手にキレてしまったってところかしら?」
 氷川「(何故かニヤケながら)いえ、あれは腕に自信があったからですよ!」
 小沢「……あなた、最近本当に変わったわね…。
  (北條を思い浮かべて)ま、変わったのはあなただけじゃないけど」
 尾室「元気出しましょうよ!
  何があったのか知りませんけど、アンノウンは倒したんですから!」
 小沢「(尾室に)ほら、あなたは黙って食べてなさい!」

 箸で尾室の皿に焼肉を盛る小沢。
 喜んで焼肉を頬張る尾室。

 小沢「(氷川に)…気持ちは分かるけど、物は考えようじゃないかしら?
  人の性格が『ホウジョー』の影響で変わることがあるって分かったじゃないの。
  ……(!!)」

 自分の発言にハッと気づき、木野(司)に出会ってからの氷川の言動を回想する小沢。


 (回想)

 氷川「冗談じゃありません! 小沢さんは人間観察が偏ってるんじゃありませんか!?
  小沢さんも木野さんに会えば、本当の純粋さというものが分かるはずです!」

 氷川「失礼なのは小沢さんじゃないですか! …何もあんな言い方しなくても…」

 氷川「でも…僕はこの目で見たんですよ!
  木野さんが善人であることは間違いありません!」

 氷川「小沢さん、ざっとこんなもんです! この僕に撃ち損じはありませんよ!」


 小沢「…周りの人の言動に影響を受けやすい『純粋な人間』は、『ホウジョー』の影響を受けやすい、ということかしらね…?」
 氷川を見つめながらつぶやく小沢。

 氷川「どうしてそんなことが言えるんですか?」
 小沢「それは…」
 氷川「小沢さん、もしかして知ってるんですか? そういう人間を。
  もしそんな人間がいるのなら、性格が悪くなる前に僕が救ってあげなければ!」

 自分自身のことを言われているとは全く気づいていない氷川。

 小沢「……氷川君。
  あなた、最近の自分の言動の変化をどう思う?」
 尾室「言動の変化? 何ですかそれ?
  あ、もしかして、小沢さんに惚れたとか?」
 小沢「(尾室に)ほら、あなたは黙って食べてなさい!」

 箸で尾室の口に焼肉を押し込む小沢。
 苦しんで焼肉を頬張る尾室。

 氷川「…どうして、僕のことが出てくるんです!
  今は『ホウジョー』の話をしているんです、知ってるんなら教えてください!
  一体どこの誰なんです!?」
 小沢「……
  言いづらいわね…ものすごく」
 氷川「何故です!? 純粋な人間じゃないんですか!?」
 小沢「ええ。純粋な人間。そして、あなたが一番知っている人間。
  あなたにとっては、最も身近な人間よ」

 超高級料理店に北條を招待し、食事をしながら話をする氷川。
 北條「…私が『ホウジョー』のせいで性格が悪くなった?」
 氷川「ええ。僕の知っている身近な人物といえば、北條さんかと」
 北條「その逆ですよ、残念ながらね。
  (氷川を見つめながら)…しかし、身近な人物が『ホウジョー』の影響を受けつつあることに間違いはないが…」
 氷川「ということは、北條さんも知っているんですか?その人物を」
 北條「…」
 氷川「どうして北條さんが!?」
 北條「…」
 氷川「お願いします! 教えてください!」
 北條「……氷川さん。
  あなたは、最近の自分の言動の変化を、どう思います?」
 氷川「…どうして僕のことが出てくるんですか!
  今は『ホウジョー』の話をしているんです!」
 北條「………
  言いづらいですねぇ…ものすごく」


 警視庁。

 氷川「河野さん!」
 河野「おう、氷川久しぶりだな」
 氷川「河野さんもしかして、ホウ…」
 河野「どした? …ん?」
 氷川「…あ…何でもありません。失礼しました」


 美杉邸。

 翔一「どぞ」
 氷川「すいません、突然お邪魔してしまいまして…」
 翔一「えっへへへ、いえいえ、そんなそんな、氷川さんならいつでも大歓迎ですよ〜」
 氷川「ほんとすいません」
 翔一「どうぞ、座ってください。…で、今日は一体何の用ですか?」
 氷川「ええ。実は…『ホウジョー』のことで…」
 翔一「あれ? もしかして、バレました?」
 氷川「は? 何のことです?」
 翔一「え…あ、あっははは…いえいえ、何でもありません」
 氷川「君も、『ホウジョー』のことは、真魚さんから少し聞いてますよね。
  我々は、『ホウジョー』を持つ人間の性格が悪くなるという確証をつかんでいるんです。
  そこでお尋ねしたいのですが、どんな存在だと思いますか? 『ホウジョー』のこと」
 翔一「……(後ろを向き、困った表情で)…『ホウジョー』…」


 木野(司)の携帯が鳴る。
 携帯を取る木野(司)。
 真島「…木野さん? 会ってもらえないかな、これから」
 木野(司)「……」


 美杉邸。

 真魚「…氷川さんはどう思ってるんですか? 『ホウジョー』について」
 氷川「それは…
  (自分をのぞき込む翔一と真魚の視線に気づき、咳払い)ン、ンン!!
  …今まで何度も人々を救った善人に取りついて、性格を豹変させたんです。
  きっと、弱くて、情けない存在に、違いありません」
 翔一「ハ! いやそんな…いや〜、ム、ムカつくなぁ〜どうも、どうも」
 氷川「ムカつく? 何故、君がムカつかなければいけないんです?」
 真魚「(北條の姿を思い浮かべながら独り言)弱くて…情けない?
  かなりイメージが合ってるような…」


 映画館。
 映画を観ている真島の隣りに座る木野(司)。

 真島「木野さん」
 木野(司)「…どういうつもりだ。
  俺はお前の『ホウジョー』を狙っている。忘れたのか」
 真島「もう俺には、木野さんに狙われる理由なんてないと思うけど」
 木野(司)「…?」

 真島をジッと見据える木野(司)。


 美杉邸。

 氷川「…もちろん、弱くて情けないだけではありません。
  いやしい心の持ち主でしょう」
 翔一「…もういいですよ氷川さん! なんか血管ブチギレそうで…」

 イライラしながら体のあちこちを掻きむしる翔一。


 映画館。

 木野(司)「(真島に)お前…捨てたな? 『ホウジョー』の力を! 何があった?」
 北條が自分の力で真人間に更生したことを話す真島。

 …気のせいか、木野(司)がサングラスの奥の目をわずかに細めたように見える。

 真島「…北條さんを見て、『ホウジョーを持つ』って、俺にはイヤ過ぎるって思ってさ、それで。
  でもそんなことはどうでもいいじゃない。それよか木野さんだよ。
  …変わったよ、木野さんは。『ホウジョー』を持ってから。
  昔の木野さんは、優しくて強い人だった。…それなのにどうして!?」
 木野(司)「…『ホウジョー』の力は凄まじいもんだ。それによって俺は、本当の自分に目覚めたんだ」
 真島「違うよ! 本当の木野さんは…」
 木野(司)「黙れ! 『ホウジョー』を捨てたお前に何が分かる!
  お前は自分の悪意性を捨てた、『純粋な人間』だ。もうお前に用はない」

 真島を残し、映画館を去る木野(司)。
 真島「木野さん…」


 一人映画館を出て行く真島を、物陰からひっそり見ている木野(司)。

 木野(司)「あいつも北條も、ついに『ホウジョー』の呪縛から解き放たれたか…。
  後は、葦原涼の体内に入った『ホウジョー』を消し去って…」

 …そのとき、急に木野(司)の身体に異変が!!

 木野(司)「ぐっ…何だ…これは…
  『ホウジョー』が…暴走…!」

 暗黒の闇に包まれて苦しむ木野(司)の背後に浮かぶ幽鬼体。

 木野(司)「お…俺の抑制も…そろそろ限界か…」

 強靭な意志を持つはずの木野(司)のコントロールをはねのけるほどに悪化・成長してしまった『ホウジョー』。
 バタッと倒れる木野(司)。

 ホウジョー「…」

 見えないを取り出し、木野(司)の身体のあちこちにイソイソと結びつける幽鬼体。
 木野(司)につながった糸を自分の指に結び付け、動かしてみる。
 カクカクとぎこちない動きで立ち上がる木野(司)。

 幽鬼体に操られながら、操り人形のように真島の後をつけていく木野(司)。


 廃墟の地下室。

 涼「…」
 気絶から目覚める涼。
 そこへちょうど戻ってくる真島。
 真島「…葦原さん! 目、覚めた?」
 涼「…ここは…」

 その時、真島の背後で激しい物音!
 振り向くと、V-2を装着し、幽鬼体を背負った木野(ホウジョー)が立っている。

 真島「き…木野さん!?」
 涼「木野…!」
 木野(ホ)「バカな奴だ。わざわざ俺を、ここまで案内してくれるとはな。
  (涼に)今度は逃がさん。『ホウジョー』をお前から奪い、津上から奪い、俺は最凶唯一の『ホウジョー』になる!」

 木野(司)の声色を使いながら、二人に迫る『ホウジョー』。
 真島「…葦原さん!」
 涼を抱えて逃げ出す真島。


 美杉邸。

 氷川「…だからどういう意味かと聞いているんです!!」
 翔一「あ〜〜〜氷川さんは『ホウジョー』をけなしすぎですって!!
  フツーの奴ですよフツーの!!」
 氷川「そんなことはありません!! 『ホウジョー』は…!!」
 翔一「なんか、ここ最近の氷川さん、かなりイヤミっぽくありません!?
  氷川さんこそ『ホウジョー』になりかけてるんじゃないですか!?」

 真魚の携帯が鳴る。
 言い争いを中断する氷川と翔一。

 真魚「はい…真島君!?」
 真島「真魚ちゃん!? …北條さんと津上さんに伝えて!!
  このままじゃ…葦原さんが!!」

 息を切らしながら必死に逃げる真島と涼の背後から、ゆっくり歩いてくるV-2。
 真魚「わかった。…いまどこ?」

 氷川の携帯が鳴る。

 氷川「はい氷川ですが!」
 小沢「氷川君! 『ホウジョー』らしきものを目撃したと、一般市民からの通報よ」
 氷川「分かりました! すぐに行きます!」


 バイクで現場に向かっている翔一。
 走りながらアギトに変身しようとする。

 翔一「変…」
 氷川「津上さん!」
 翔一「!?」

 後ろを振り向くと、G3-Xを装着した氷川が、けたたましくサイレンを鳴らしながらガードチェイサーで走ってくる。

 氷川「どこに行くのですか?」
 翔一「(慌てて変身ベルトを隠しながら)え、あ、ちょっと買い物に」
 氷川「スピードの出しすぎです! ただちに停車しなさい!」
 翔一「え!? あ、はい…」

 このくそ忙しい時に、わざわざ翔一の違反キップを切る氷川。
 腹のベルトを必死に隠しながら、渋々キップを受け取る翔一。

 氷川「いけませんねえ。制限速度を0.28キロもオーバーしていますよ」
 翔一「れ…0.28キロ!? それっぽっちで違反なんですか!?
 氷川「何を言うんです! 違反は違反ですよ!
  津上さん、あなたにはバイクを運転する者としての自覚が足りないのではありませんか!?
  そもそもあなたは…」
 翔一「ちょっと待ってくださいよ。オレマジで急ぐんですけど」
 氷川「黙って聞きなさい!
 翔一「…はい」
 クドクドと説教を始める氷川。


(1時間経過)


 夜。
 埠頭に追いつめられる涼と真島。
 その後ろから悠然と歩いてくるV-2。

 真島「…!」
 涼をかばいながら、木野(ホ)にタックルする真島。
 真島「やめて! やめてよ木野さん!!」
 その真島を片手で持ち上げるV-2。
 木野(ホ)「…どけ!!」
 V-2に吹き飛ばされ、気絶する真島。

 涼に迫るV-2。
 が、そのとき、V-2に背後から銃弾が浴びせられる。

 振り向くV-2。
 小沢に怒鳴られ、翔一への説教を渋々切り上げてきた氷川が、ようやく到着する。
 V-2とG3-Xの激しい戦闘。

 『ホウジョー』の支配下に置かれたV-2の戦闘能力に圧倒されるG3-X。
 GM-01をV-2に奪われ、吹き飛ばされるG3-X。


 そのとき、地平線の彼方から聞こえてくる「カシャン♪ カシャン♪」というリズミカルな足音
 足取り軽く、さわやかに歩いてくる赤いバーニングV-1

 木野(ホ)「…現れたか…」
 GM-01を左手に持ち、V-1に狙いをつけるV-2。

 小沢「GM-01、トリガーカット!」
 尾室「はい!」
 キーボードを操作する尾室。
 が、
 尾室「カットできません!」
 小沢「なんですって!?」

 GM-01を操る幽鬼体の独り言。

 木野(ホ)「(暴走中の『ホウジョー』は、自分の触れた物体に『ホウジョー』の力を送り込み、その物体を強力な意思で支配下に置くことができるのです)」

 V-2の放つGM-01の連射を浴びるV-1。
 が、ひるむことなく、両手を広げてさわやかに歩いてくるバーニングV-1。

 木野(ホ)「なに? 効かない!?」
 北條「いけませんよ、そんな危ないものを振り回しては!
  それはオモチャではありません! さあ、この私に渡しなさい!」

 とても北條とは思えないセリフを口にしながら、さわやかに近づいてくるV-1。
 慌てて、GM-01の狙いを涼につけるV-2。

 木野(ホ)「…動くな。
  少しでも抵抗すれば、あの男の命はない」
 北條「!! …なんて卑怯なことを!」

 涼を人質に取られ、仕方なくさわやかに立ち止まるV-1。

 北條「…待ちなさい! 落ち着いてじっくり話し合いましょう!」
 さわやかに話しかけるV-1の問いかけを無視し、襲いかかるV-2。
 V-2の攻撃をまともに喰らい、さわやかに吹き飛ばされるV-1。

 その先には開店中の焼肉屋が。
 焼肉屋に頭から突っ込むV-1。

 ドガシャッ!!!

 北條「……」

 客や店員が大騒ぎする中、全身焼肉まみれになるV-1。
 店の中に充満している焼肉の匂い。

 その匂いをかいだ直後、今までさわやかだった北條に異変が!

 北條「…う!」

 大嫌いな焼肉の匂いに苦しむ北條!
 大嫌いな焼肉の匂いに苦しむ、北條の心の中の『ホウジョー』!
 木野(司)の『ホウジョー』も、真島+沢木の白い『ホウジョー』も、北條の心の中で七転八倒している!
 たまらず、北條の身体から出ていく2体の幽鬼体。
 そのまま空の彼方へ逃げ去っていく。

 北條「……はっ!
  私は今まで何を…」

 幽鬼体が2体とも抜け出たため、本来の性格を取り戻す北條。
 自分の今までのさわやかな言動を振り返り、心底恥ずかしそうに頭を抱える。

 北條「………
  こ、この私ともあろう者が、よりによって真島さんに頭を下げたり、小沢さんの顔を立てたりしたなんて…悪夢を見ていたとしか思えません!」
 悪夢のようなセリフを吐く北條。


 涼にGM-01を向けたまま、今度はG3-Xに近づくV-2。
 涼に構わず、ガードアクセラーで攻撃しようとするG3-X。

 小沢「氷川君!」
 氷川「…」

 北條「待ちなさい!」

 焼肉まみれのまま、気持ち悪そうにヨロヨロと歩いてくるV-1。
 周囲に漂う焼肉の匂い。

 氷川&木野(ホ)&涼「うっ!!」
 苦しむ3人。

 氷川「…動けない!
  そんな…なんで…なんで、動くことが…!?」

 焼肉の匂いをかいで何故か足がすくみ、一歩も動けなくなるG3-X。
 木野(ホ)「(…うっぷ。あなた、臭いますよ!!)」
 思わずV-1から離れるV-2。

 涼「ウオオオオオアァァアァアァア!!!」

 涼の心の中で、焼肉の匂いに七転八倒している『ホウジョー』。
 たまらず、涼の身体から出て行く幽鬼体。
 そのまま空の彼方へ逃げ去っていく。

 涼「……」
 『ホウジョー』が抜け出たため性格が正常に戻り、気を失う涼(結果的に涼を救うことになった北條)。


 阿鼻叫喚の地獄絵図と化した周囲の中で、(焼肉の匂いに耐えながら)
勝ち誇るV-1。

 北條「(ヘルメットの中でニヤケながら)
  ふ…どうやら皆さん、この私のあまりの恐ろしさに、正気を失っているようですね」
 (ある意味では)確かにその通りな、焼肉まみれのV-1。


 木野(ホ)「………」
 元通りの性格を取り戻した北條を、ジッと眺めているV-2。
 木野(ホ)「………」

 …勝ち誇っているV-1の背後から、ジリッ…ジリッ…と少しずつ歩いてくるV-2(心なしか、イヤイヤ近づいているようにも見える)。

 勝ち誇るのに夢中で、背後のV-2に全然気づかないV-1。

 震える右腕(昔の傷のせいか、それとも焼肉まみれの北條に触るのがイヤなせいなのかは定かではない)を伸ばし、隙をついてV-1の首をガキッと掴むV-2。

 北條「!!」

 後ろを振り向くV-1。
 一瞬、V-2のヘルメットのバイザーの奥に木野(司)の目が映る。


 司「…最後だ」


 北條「!」

 V-1を襲う激しい衝撃!
 V-2の右腕から、凄まじいレベルの『ホウジョー』パワーがV-1に注ぎ込まれる!

 北條もホウジョー化して幽鬼体に操られる!
 …かと思いきや、V-1の機体に別の異変が…!!


 (イメージ)

 右と左から歩いてくる北條と司。
 二人がすれ違う。
 北條の肩を右手で叩く司。

 どしゃ降りの雨。
 司の方を振り向く北條。
 こちらを振り向かずに、震える右手を振って応え、闇の中に歩き去る司。

 北條「…司さん!!!」

 雨をバックに絶叫する北條!
 雨音が止み、ザワザワとイヤミが聞こえてくる…!


 『ホウジョー』パワーを注ぎ込まれたV-1の装甲の形状が、みるみる変化していく。
 全身のカラーリングがからへ。
 焼肉のシミがついている部分の装甲から、鋭いツノが何本も生えていく…。

 異形の『アジテートV-1』に姿を変えるV-1システム…!


(つづく)


【次回予告】(ちゃらっちゃらっ♪)


 真島「木野さん!」
 北條「あなたとのケリは、私がつけます!」
 氷川「これから北條さんと、どう接していけばいいのか…」
 氷川「悪い!!」
 氷川「性格に…異変が…」
 北條「氷川さん、私に考えがあります」
 氷川「僕が…『ホウジョー』…?」

     『目覚めろ! その魂!!』

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