G3-X・ピンク 第21話『イナゴ・ロード・暗闇の雲』
響子の強大な超能力を感知したアンノウンの群れ。
上空を覆う大群は『(暗) 闇 (の) (雲)』にも見える。
澄子「まさに、暗 の 雲 (アンノウン)ね…」
爆発的に緊張感が高まる中、短く呟く澄子。
「こんな時に…無粋な奴らだぜ!」
滞空しているアンノウンを睨みつけるストロンガー。
暗闇から襲来してきたアンノウン…後頭部の羽を左右に開き、飛翔しているその姿はイナゴに酷似している。
その名はロウクスタ・ネブラ。
ロウクスタ・ネブラ(Loucsta Nebula)…イナゴに似た超越生命体。
同種のものが多数存在し、集団で行動する。
後頭部の羽を左右に開く事により飛翔する事が可能。
体色は茶色で、髪は黒色。
触覚が長く、眼は炎のように赤い。
顎は白く、歯は獅子の如く鋭利になっている。
胸当てと腰回りのベルト状装飾物は銀色で、左胸に緑色の羽飾りを着けている。
性格は攻撃的で獰猛。
暗雲を見上げ、仮面の中で薄く微笑む理沙。
理沙「やはり、来ましたね」
短く呟き、G3-XPとストロンガーに背を向けて、歩き出す。
澄子「待ちなさい!」
ストロンガー「逃げるのか?!」
『暗闇の雲』の動きを警戒しつつ、G4を追いかけようとするG3-XPとストロンガー。
G4、すかさず振り向くと、右手を大地にかざす!
澄子「!」
ストロンガー「!」
地面が割れて、水が襲いかかる!
凄まじい衝撃に弾き飛ばされるG3-XP、ストロンガー!
理沙「別に逃げるつもりはありません」
倒れている二人をそのままにして、再び歩き出すG4。
そして…
『水』の超能力を使ったG4=響子に感応し、イナゴ・ロードに異変が起きた。
数体が群れから離れ、不規則な飛行を始めて降下してくる…
澄子「迎撃を…」
先程のヘリからの爆撃の際に落としてしまったGX-05へ駆け出すG3-XP。
ストロンガーもイナゴ・ロードに対して身構えるが…
ストロンガー「!」
突如、歩みを止めたG4に気付く。
再び、右手をかざしているG4。
水流波攻撃! …いや…
G4の足元に、一人の男が倒れている事に気付くストロンガー。
G3-XPによって筋肉弛緩弾を撃ち込まれ、筋力を失い…動けなくなったライダーマン!
そのライダーマンに右手をかざすG4。
瞬間! 右手からライダーマンに光があてられた。
ストロンガー「!」
光を浴びたライダーマンの左手が微かに動く…
ストロンガー「ライダーマン!」
澄子「!?」
ストロンガーの叫びに振り向くG3-XP。
その視界に、G4の光を受けて起き上がろうとするライダーマンが映る。
澄子(治癒能力まで持っているっていうの?!)
その計り知れない超能力に恐慌の表情を浮かべる澄子。
ストロンガー「マズイ!」
立ちあがったライダーマンの両肩を掴み、見据えるG4。
澄子(又、ライダーを操るつもりね!)
G4の催眠光を阻止すべく…
エレクトロファイヤーを放とうと大地に拳を突き立てようとするストロンガー。
GX-05を拾い上げ、構えるG3-XP。
その時!
「ファウゥゥル―――!!」
両者をイナゴ・ロードの群れが急襲する!
ストロンガー「チッ!」
ジャンプし、群れに突っ込むストロンガー!
澄子「クッ!」
GX-05をイナゴ・ロードに掃射し、危機を回避するG3-XP。
その間に、鮮やかなワインレッドの光りを放つ催眠光がライダーマンに放たれる!
サイレンを鳴らし、緊急走行するGトレーラー。
OPルーム
TRCS2001を収納後、G3-Xを装着する為にハンガーに向かう一条。
厳しい顔つきで、装着準備に…
榎田「それにしても派手な色ね」
改めて思う榎田。
笹山「でも、熱い闘志を秘めた一条さんにはピッタリじゃないですか」
一条「………」
笹山の言葉にも表情を崩さず、戦場に赴く緊張感を高めていく一条。
榎田「オートフィット機能、作動します」
シューッ!
一条の身体に合わせてG3-Xの間接部分等が収縮していく。
榎田「G3-X・レッドの初陣!…一条君!頼んだわよ!」
須藤「全力でサポートをします」
一条「…」
榎田、須藤の檄に無言で頷き、レッドの仮面を被る一条。
その名の通り、赤いカラーリングのボディが眩しいG3-X・レッドが出陣する。
お化けマンション
前庭で、激闘が展開されている。
「トウッ!」
降臨してくるイナゴ・ロードに電撃技を叩きこんでいくストロンガー!
その凄まじい電気パワーに肉体を破壊され、断末魔の叫びをあげるロウクスタ・ネブラ。
その叫び声が幾重にもこだまする。
澄子「いくわよ!」
ガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!!!!!
6連のガトリングマズルから秒間30発の超高速で放たれる特殊鉄甲弾!
肉体が火花に包まれ、断末魔の叫びをあげる事無く、爆発飛散するロウクスタ・ネブラ。
その爆発音が幾重にもこだまする。
だが…イナゴ・ロードも一方的にやられているばかりでは無かった。
ガッ! …ガッ!
二体のネブラが、それぞれにストロンガーの両腕に噛みつき、動きを止める。
ストロンガー「ウっ!」
獅子の如く鋭利な歯が食い込んでいく!
「ブシュゥゥ―――!!」
そこへ一体のネブラが上空から急降下し、蹴りの態勢に入る!
ストロンガー「!」
その蹴り足から炎が吹き出した!
ネブラの【火柱キック】がストロンガーを襲う!