G3-X・ピンク
第10話『小沢澄子・緊急エクストラクション(救出)』
お化けマンション・屋上
V3のマシーン『ハリケーン』の体当り攻撃に、軽々と吹っ飛ばされるV-1システム。
特殊ガス弾が装填されたライフルも弾き飛ばされ、丸腰状態に…
北條「クッ!」
前庭に停めている『VICTORY CHASER』へ向かう為、出入り口に走るV-1システム。
VICTORY CHASERには専用銃V-1ショットが収納されている。
ブオオオオォォーーン!!
凄まじい爆音をあげて、ハリケーンが矢のような速さで後を追う。
扉を開け、必死に階段を駆け降りるV-1システム。
ヴオオオォーーン!!
扉を蹴破り、鮮やかなバイクテクニックで追走するV3。
体当りの衝撃で全身に痺れが残っている身体で『逃げる』…いや、『戦闘態勢を整える為』に走る北條。
ヴオオオオオ!!
近づいて来るバイクのエンジン音が大きくなって…
ドコオッ!!
動きの鈍いV-1システムを、ついに捉えたハリケーンが背後から前輪アタック!
ドカッ!!
壁を突き破り、屋外に吹っ飛ばされるV-1システム!
2階の高さからコンクリート片と共に落下し、地面に叩きつけられる!
北條「ウッ!」
硬度・防御力/6の数値を誇る特殊装甲強化服の性能と、生い茂った草がクッションとなりダメージが軽減されたが、度重なる衝撃に、直ぐには立ち上がれない。
ヴオオオオォーーーーン!!
体当り攻撃を仕掛けた勢いでハリケーンも2階からジャンプ! V-1システムを大きく飛び越す!
ブロロロォーー!!
着地し、鋭くハリケーンをUターンさせて、猛然とV-1システムに突っ込んでくるV3…
お化けマンション・前庭
GM-01改を右脚に納め、走るG3-X・ピンク。
その先にはガードチェイサーが…
ダダダダダダダダッ!!
走るG3-X・ピンクの足元を襲う銃弾!
アタッチメント・『マシンガンアーム』を右腕に装着し、機銃掃射するライダーマン。
応戦せず、走り続けるG3-X・ピンク。
澄子(あれ【筋肉弛緩弾】を撃ちこめば、戦況は有利になる…)
ガードチェイサーには、筋肉弛緩弾を装填しているGM-01が収納されている。
銃弾の嵐をかいくぐるG3-X・ピンクがゴールに到達するまでに、さほど時間は要しなかった。
倒れているガードチェイサーを起こし、前部左側に収納されているGM-01を取り出そうと手を伸ばす…
その瞬間!
澄子の耳に凄まじい破壊音が…
G3-X・ピンクが「!」と見上げると、轟音と共に、お化けマンションの壁を突き破り、降ってくる影が二つ!
一つは無惨に落下するV-1システム。
もう一つは華麗に飛び降りるV3のマシーン『ハリケーン』 。
ドシャッ!!
地面に激突し、倒れたまま動かないV-1システム。
澄子「北條君!」
ヴオオオオオオオ!!
アクセル全開! V-1システムに迫るハリケーン!
「小沢さん! ライダーマンが!…」
OPルームで尾室が非常事態を告げる。
澄子が、V-1システムとV3に気を取られた隙に距離を詰めるライダーマン。
「パワーアーム!」
ジャコ! …カッ!!
『マシンガンアーム』から三日月型の爪・『パワーアーム』に変換するライダーマン。
その一撃は鉄柵も簡単に切断してしまう威力を持っている。
「ヤアアアア!」
ジャンプ一閃! 右腕をG3-X・ピンクの頭上に振りかざす!
澄子「!」
ようやく上半身を起こすが、立ち上がれないV-1システム。
急速に近付くハリケーン!
澄子「!」
澄子に迷っている猶予は無かった。
澄子(エクストラクション(救出)優先…)
大きな瞳に力を込めて『スコーピオン』の引き金を引く澄子…
三浦市上空を飛んでいる一台のヘリ。
ボディカラーを黒で統一した、その姿は異様な雰囲気を漂わせている…
ヘリの機内で小型モニターを見ている一人の女性。
映像はG3-X・ピンクの戦いを映し出している。
「さぁ、どうします? …小沢澄子…」
口元に微かな笑みを浮かべて呟く、その顔は…
お化けマンション・前庭
ドゥッ!! ドゥッ!! ドゥッ!!
G3-X・ピンクの右手に握られたGM-01改の銃口が火を吹く!
同時に、頭上から急襲してくるライダーマンに左腕を突き出し…
「GMD!」
叫ぶ澄子。
澄子の声と指示コードを認識したガントレットからミサイル・ダーツが自動発射!
G3-X・ピンクの逆襲!
胸部にミサイル・ダーツを受け、吹き飛ばされるライダーマン!
G3-X・ピンク、宙を舞うライダーマンに視線を移さず、V3とハリケーンに高速連射!
…いや、高速乱射!
アクセルを全開にした超スピード…射程距離が遠い…
ハリケーンのタイヤを狙い撃つのは困難…と瞬時に判断した澄子がGM-01改の火力をV3とハリケーンに注ぎ込む!
だが、銃弾はハリケーンのカウルとV3の特殊強化筋肉の身体にダメージを与える事無く弾かれていく…
V-1システムに迫るハリケーン!
北條「うわっ!」
声にならない声で叫び、目をつむる北條。
ヴゥオオオオーー!!
V-1システムに激突する直前、車体を傾かせ、G3-X・ピンクに方向転換するハリケーン!
「モテル女は辛いわね」
仮面下で苦笑する澄子。
尾室「小沢さん!」
桜井「冗談言ってる場合じゃあ…」
OPルームで思わず声を上げる二人。
ブオオオオオーー!!
猛然とG3-X・ピンクに迫るハリケーン。
澄子(正確な狙撃を…)
唇を引き締め、ハリケーンの前輪へ慎重に照準を合わせる。
先程とは違い、一撃必殺の射撃態勢のG3-X・ピンク。
トリガーを引こうとした、その時!
ガバッ!
G3-X・ピンクの攻撃を受け、吹き飛ばされたライダーマンが立ち上がり、腰のボックスからマガジンを取り出す。
ジャコ! …
肘にマガジンを装填し…
「ロープアーム!」
アームチェンジ!
ビュウウウウゥゥ!
右腕のアタッチメントからロープを射出!
先端の鉤爪をG3-X・ピンクの右手首に引っ掛け、ロープで腕を絡める。
澄子「!」
狙撃を妨害された上に防御態勢もとれないG3-X・ピンクに体当り攻撃を仕掛けるハリケーン。
ダッシュ! ダッシュ! 「ハリケーンダッシュ!」
V3の叫びで加速するハリケーン!
澄子「!」
ライダーマンとV3の連携攻撃に絶体絶命のG3-X・ピンク!
だが、思わぬ助っ人が…
「エレクトロファイヤー!!」
力強い叫び声と共に地面が振動し、閃光が走る!
バババババババババババ!!!!
凄まじい勢いでハリケーンに直進する電流火花!
ヴオオオォォーーーン!
電磁スプリングのジャンプ力で高圧電流の直撃を間一髪、避けるハリケーン!
電流火花の発進地点に振り向くG3-X・ピンク。
澄子「ストロンガー!?」