G3-X・ピンク  第11話『仮面ライダー・RIDER同士のバトル』
◆お化けマンション・前庭

 ライダーマンとV3の連携攻撃で窮地に陥ったG3-X・ピンクを救ったストロンガー。

澄子(先程まで戦っていたストロンガーが私を助けた? …何故?)
 一瞬、戸惑いの表情を浮かべるが…
澄子(それより、今の状況を打破しないといけないわね)
 直ぐに冷静な表情に戻り、ライダーマンを見据える澄子。


 ヴオオォオーーン!
 空中高くジャンプし、電気の火走り攻撃『エレクトロファイヤー』をかわしたハリケーン!
 ドウン! ブオオオオオオー!!
 着地し、スピードを緩めずにストロンガー目掛けて再び、突進!
 猛スピードだが、直進するだけの単純な動き…ストロンガーが余裕でかわす。
 …はずだった。
 だが次の瞬間、鈍い衝突音が響き渡った!

 ドゴオッ!!
 ハリケーンの体当り攻撃を受け、吹っ飛ばされるストロンガー。

 砂埃が湧き上がる中、なんとか立ち上がるが…
ストロンガー(まだ…自分の思うように…身体が動かねえ…)
 V-1システムに撃ちこまれた特殊ガス弾の影響で肉体が完全に機能しないストロンガー。

 ヴゥオオオォ!
 再び、突入してくるハリケーン!

ストロンガー「V3を倒すワケにはいかねえが、やられるワケにもいかねえ…」
 爆音が寸前に迫って来ている…躊躇している時間は無い…

ストロンガー「奥の手を出すか…チャーージアップ!!
 掛け声と共に、体内の新エネルギー発生器『超電子ダイナモ』が発動!
 ギュウウウウウウ!!!

 胸のS字が高速回転!!
 ベルトの『エレクトラー』が眩い光りを放ち、角が赤から銀色に変色。
 強化体に変身するストロンガー!

ストロンガー「トウッ!
 地面を蹴って大ジャンプ!
 空中で両手、両足を広げて大の字の態勢を作り側転!
 高速で回転し、V3に突撃して行く!
V3「トウッ!
 すかさず、V3もハリケーンからジャンプ!
 ストロンガーに負けじと、空中でプロペラの様に高速回転!

ストロンガー「超電子! 大車輪キイーック!!
V3「V3! マッハキィィーック!!

 凄まじい回転力で勢いをつけ、キックを放つ両者!
 大技の激突!! ……


 ググッ!
 右腕に絡められたロープ。
 ライダーマンのアタッチメントから射出されたロープで、GM-01改を撃てないG3-X・ピンク。
 だが、仮面下の澄子には焦りでは無く、余裕の表情が見える。
 手元にぐいぐいと引き寄せるライダーマンに少しも怯まず、吠える澄子。
澄子「動きを封じても、それじゃあ私は倒せないわよ!」
 言い終わるや、右手の力を抜きGM-01改を落とすG3-X・ピンク。

「?! …小沢さん!」
 OPルームで思わず声を上げる尾室。

 しかし、それはG3-X・ピンクが反撃に移った瞬間であった。
 地面に落下する寸前、右足の甲でGM-01改を蹴り上げるG3-X・ピンク。
ライダーマン「!」
澄子「行くわよ!」

 宙に浮いたGM-01改を素早く左手でキャッチし、右腕に絡みついているロープを狙い撃ち!
 絶ちきられるロープ!
 バランスを失い転倒するライダーマン。

 だが…
 ガシャッ!
「マシンガンアーム!」


 素早くアームチェンジを行ない、銃口をG3-X・ピンクに向け…
ライダーマン「ヤア!」
 掛け声と共に発砲!
 同時にG3-X・ピンクもトリガーを引く!

 ドガガガガガガガガッ!!
 ドウッ!ドウッ!ドウッ!ドウッ!


 交差する銃声!…


立花レーシングクラブにほど近い街角

 ヘリコプターから降り立ち、立花レーシングクラブへ向かう為、走る河野の姿が…
 7人ライダー対策会議終了後、Gトレーラーで待機していた河野に澄子から特命が下されていた。


Gトレーラー・OPルーム(1時間程前)

澄子「これから、G3ユニットは立花レーシングクラブへ急行します」
 一呼吸置いて言葉を続ける澄子。
澄子「しかし、この先の展開が読めない状況であり…もしかすると、立花レーシングクラブへ向かう途中で、ライダー達が迎撃してくる可能性があります」
河野「……」
澄子「ですから、河野さんにはヘリで別行動をとってもらいます」
河野「えっ! …」
澄子「今回の事件のキーポイントとなるかも知れない人物…立花藤兵衛との接触は河野さんに、お任せします」
河野「! …」


お化けマンション・前庭

 空中で円盤のように高速回転するストロンガーとV3!
 その凄まじい勢いで激突する両者!
ストロンガー「超電子! 大車輪キイーック!!」
V3「V3! マッハキィィーック!!」

 両者のキックが交錯し、そのまま崩れるように双方墜落する。

 相打ち? ……

 いや…先に立ったのはV3であった。
 続いて立ち上がるストロンガー…いや、その姿は変身が解除されてしまった城茂であった。
「くっ…とんだ計算違いだぜ…」
 『超電子大車輪キック』でダメージを与え…
 動きが鈍った所に『電ショック』を放ち…
 ショック療法でV3の意識を取り戻させるつもりが、逆にダメージを負ってしまい、ピンチに陥る城茂。
茂「絶体絶命ってワケか…だが俺は、やられるワケにはいかねえんだ」
 V3に対して、怯まずに身構える茂。

V3「トウッ!」
 ジャンプし、一気に距離を縮めると、V3は猛然と茂に襲いかかった!
 パンチ! パンチ! パンチ!
 拳の雨を降らせるV3。
 防御も、かわす事も出来ずにサンドバック状態の茂。
 ドコオッ!!
 5発目のパンチで宙を舞う身体。
 マンションの壁に激突し、地面にずるずると滑り落ちる。
茂「グッ! ……」
 その衝撃に意識が遠のいていく茂。
V3「…」
 動きの止まった茂を警戒しつつ、ゆっくりとした足どりで距離を詰めるV3…


 ドガガガガガガガガッ!!
 ドウッ! ドウッ! ドウッ! ドウッ!


 対峙し、専用銃を高速連射するG3-X・ピンクとライダーマン!
 互いに集中砲火を受け、吹っ飛ぶ両者。

相打ち? ……

 いや…先に立ったのはG3-X・ピンクであった。
 うずくまったまま、立ち上がれないライダーマンを見据えるG3-X・ピンク。
 その手には、筋肉弛緩弾が装填されているGM-01が握られている。
 ライダーマンがアタッチメントの交換をしている隙に、ガードチェイサー左側前部に収納されているGM-01を取り出していたG3-X・ピンク。
澄子(戦闘能力を喪失したようね…)
 筋力を失い、動けないライダーマンを確認し、再びガードチェイサーへ…
 ディスプレイパネル下のロック解除スイッチを押し、後部に備え付けられているG3-X専用携行型重火器・GX-05(ケルべロス)を取り出す。

尾室「GX-05! アクティブ!」
 OPルームに尾室の声が響く。
 そして、モニター画面の表示が『GX-05:Active』から『Now transforming…』に切り替わる。


 アタッシュケース形状からガトリング銃形態に変形させる為、解除スイッチ1・3・2を素早く押すG3-X・ピンク。
「解除します」
 GX-05の音声を合図に、手馴れた動作でガトリングモードを完成。
 照準をライダーマン…では無く…意識を失い、倒れている茂に攻撃を加えようとしているV3に向ける。
V3「!」
 視線を感じ、G3-X・ピンクに振り向くV3。
 全長1110ッmの超ロングバレル・ガトリングガンを構えたG3-X・ピンクを視認すると、素早く身構え迎撃態勢に。
澄子「特殊強化された身体でも、今度は弾き返す事はできないわよ!」
V3「…」
 澄子の言葉にも臆せず、仁王立ちのV3。
澄子「逃げずに、受けきるつもりの様ね」
 腰を落とし、発射の体勢をとるG3-X・ピンク。
澄子「でも、悪いわね。このGX-05は…あなたの予想の遥かに上を行くわ!」

 ドガガガガガガガガガガガガガッ!!!

 言葉を終えると同時に発射!
 超硬金属ハイメタル製の特殊鉄甲弾がV3の全身に着弾する!!!
 圧倒的な火力による凄まじい衝撃に踏ん張る事も出来ず、後方に吹き飛ぶV3!
 すかさず、GX-05をガトリング銃形態からアタッシュケース形状に折り畳むG3-X・ピンク。
 ガードチェイサー後部にロックすると、今度は後部右側のボックスを開ける…


立花レーシングクラブ

 店の入り口で立ち止まっている河野。
 緊張し、強張った表情で入り口に近付く。
河野「…! …」
 『臨時休業』の張り紙がしてあるドアが少し開いている…

河野「立花さん…立花さん…」
 ドアから顔を覗かせて呼びかける。
 ………
 暫く待つが返事が無い。

河野「立花さん…警察です」
 再び呼びかけるが…
 やはり返事が無い。

 意を決し、ドアを開け中に入る河野…




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