G3-X・ピンク 第4話『小沢管理官・七人ライダー対策会議』
 
  警視庁・視聴覚室で七人ライダー対策会議が緊急に行なわれ、スクリーン上に「七人ライダーによるG3-X襲撃」ビデオが流れている。
瞬きもせずに映像を見つめている澄子。

他に幹部A、B、C、北條、尾室、河野、杉田、桜井、その他の刑事らがいる。
上映終了後、ざわめく刑事達を静め、切り出す幹部A。
「小沢管理官が七人ライダーの手がかりを掴んだという事だが?」
澄子「はい。彼らの消息がつかめました…」


 澄子が掴んだ手がかりとは…
 氷川誠が残した戦闘映像記録。
 そこに映しだされた、本郷猛・一文字隼人の二人がはめていた腕時計の文字盤のマークに着眼した澄子。
 早急に情報管理室で調べるよう、尾室に指示。
尾室「経済、文化、科学等、あらゆる分野の団体、企業の登録しているトレードマーク、シンボルマークを検索してみます」
 名誉挽回に向けて、張りきる尾室。
 尾室に構わず、モニター画面を見つめ、呟く澄子。
澄子「マークに、Rの文字が入っている…。R…! …MASKED RIDER…RIDER? …それとも…RACE? …RACING…?」
 澄子の呟きに、“分かりました”と無言で頷く尾室。

 結果…
 そのマークは神奈川県三浦市にある立花レーシングクラブのエンブレムと同一の物である事が判明。
 早速、神奈川県警に極秘に捜査を依頼。
 G3-Xの左耳部分にあるマイクロカメラ(HDVC)が撮影した映像を元にした資料写真…
 ライダー変身前の本郷、一文字、風見、結城、神 、山本の6名の資料写真。
 仮面ライダーに変身した6名に、ストロンガーが加わった計7名の資料写真。
 これらを神奈川県警に転送、総動員体制が敷かれ、本日昼前に三浦市管内で七名のバイク姿を見たとの目撃情報を得る。



幹部B「潜伏地域は特定できたが、今回の件は我々としても、慎重に動かねばならない」
澄子「そこで、お願いがあるのですが…」

 澄子と上層部が討議を重ね、『七人ライダー捕獲作戦』を実行する事が決定。


●七人ライダー捕獲作戦

 七人ライダーとの戦いに備えて、立花レーシングクラブ周辺の住民の避難を極力極秘裏に行なう。
 戦いが起きても、被害が出にくい地点へ誘導する為のルートの確保。
 それらの指揮は、過去の未確認生命体関連事件で実績のある杉田守道刑事が任され、対ライダーの任務は、小沢澄子管理官指揮のG3ユニットと捜査一課の北條透刑事装着のV-1システムに決定。
 七人ライダーについての報道管制は、なお継続する。



 会議終了後、威勢良く飛び出して行く刑事達。
 そんな中…
「今日は昼飯…抜きか…」
 軽くぼやく、ベテラン刑事の河野。
澄子「河野さん!」
 澄子の声に振り向く、河野。
河野「ん?」
澄子「今すぐ、Gトレーラーに同乗して下さい」
河野「えぇ?!」
突然の澄子の言葉に驚き、不安を覚える河野。
河野「まさか、俺にG3-RX…いや、G3-Jだったか…それを装着しろというんじゃあ?」
澄子「G3-Xです!」
 名前を間違われ一瞬、ムッとするが…
澄子「…ご心配なく。装着員では無く、河野さんには別の任務がありますから」
 直ぐに冷静な表情に戻り、答える澄子。
河野「別の任務?」
 そこへ、現れる北條。
「河野さん、頑張ってください」
 戸惑う河野の肩を軽く叩き、
北條「…小沢さん、それでは私はV-1システムを装着しに行きます。では後ほど」
 澄子に声をかけ、足早に去って行く北條。
河野「あいつは、いつも冷静だなぁ」
 北條を見送りながら呟く、河野。
澄子「どこがです? …あんなに肝っ玉が小さい男はいませんよ!」
 オクトパス・ロードの前に敵前逃亡した件を思い出す澄子。
「いや…結構、大胆な所もあるんだがなぁ」
 呟く河野に返答せず…
「それより、急ぎましょう!」
 通路に出る澄子。

 その時…
「小沢警部!」
 声をかけ、歩み寄って来る男。

澄子「一条主任!」


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