「総括・水戸黄門第29部」(2)役者編(完全不定期掲載)

 さてさて、「パターンの否定」を前提に製作された(と、思われる)「新・水戸黄門」は、それに代わるものとしていくつかの新しい試みを導入しました。
 目に付いたところでは

1. キャラクターの大幅な変更
2. 完全「勧善懲悪」ストーリーからの脱却
3. 史実を織り交ぜた作品背景の設定

…といった所でしょうか。

  とりあえず3つに分けてみましたが、実は2と3の根本は全て1にあったりしちゃいます。
 そこで今回は、キャラ及び演じる役者さんにスポットを当てて話を進めてみましょう。

 まずは4代目黄門、石坂浩二さんから…

 んで、いきなりなんですが私、こんなコラム書く気になったくせに
「どういう経緯で石坂さんにオファーが来たか」
なんてこと全然知らないんですよぉおおお!!

 しょうがないから、その辺すっ飛ばす&推測のみに頼ってやってみましょう。


 芸能界でも「大物中の大物」であり、その知名度も高い石坂さん。
 好感度も高く、その博識ぶり(というかインテリっぽさ)も広く知れ渡っており、何よりも絶大な知名度を持つ石坂黄門は、失礼ながら先代の佐野浅夫さんの登板が気まった時よりも注目度は高かったようです。
 同時に「石坂が今まで」と同じ黄門像を演じるわけがない!」と世間に思わせたことも事実です。
 いわば石坂浩二さんを起用した時点で、それまでの視聴者に「今度の水戸黄門は今までとは違いますよぉ〜」ということをアピールできたわけで、新しい水戸黄門を目指したスタッフには(この時点では)思うような作品作りをしやすい環境にすることが出来た、というわけです。
 もちろん、これだけを理由にして石坂さん使ったわけではないですが。


 石坂黄門が先代・佐野黄門より見た目も実年齢も若くなったのに合わせて、お付きの二人―助さん、格さんもググっと若い役者をキャスティングしています。
 助さん=岸本祐二、格さん=山田純大 二人とも先代に比べて20歳以上若い!
  この二人、今までと違い(これまた失礼ながら)それほど知名度の高くない役者をあてがっているところからも、スタッフの意気込みが感じられます。
 さらにこの新人二人(実際には岸本が7年、山田が3年ほどのキャリアの持ち主ですが)の演技面でのサポート役として、加賀まり子様演じる「おるい」を準レギュラーとして配置しており(それも過去のシリーズの準レギュラーよりかなり出番が多い)、ここまではキャスティングとしては万全な固め方をしています。

 反面、これまでのレギュラー由美かおる様を新しい役柄で続投させる等、よく言えば「今までのイメージも大事にしている」、うがった見方をすれば、新しいものを作るのに不安もあるので過去の人気キャラを保険としてそのまま続投」…まあ“お銀”と“お絹”は別キャラなんですが、イメージがそれほど変わってないって事で…とも感ぐられる弱腰なところも見せており、実際私などは由美様萌え〜ではありながら、彼女の続投にはちょっと違和感を禁じえませんでした。


 次回は、これらの役者が演じた「新生黄門ファミリー」の姿を、作風と織り交ぜながら書いてみたいと思います。


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