主題歌
- オープニングテーマ:太陽戦隊サンバルカン
- エンディングテーマ:若さはプラズマ
1たす2たすサンバルカン
基本ストーリー
機械帝国ブラックマグマが全世界に宣戦布告した。
地球平和守備隊の嵐山長官は、守備隊内から特に優れた隊員を3人選び、バル強化服を与えて太陽戦隊を結成、これに対抗する。
ベーダーのヘドリアン女王を蘇らせ、その妖魔力も利用して地球侵略を進めるブラックマグマと、サンバルカンの戦いが始まった。
メンバー
バルイーグル:大鷲龍介
頭部のレリーフは鷲。
元地球守備隊空軍将校。後は書くことがない。超下手だったらしいが、記憶にない。
ただ、番組途中でレッドが交代したので、驚いた覚えがある。
NASAの宇宙飛行士になるために出向したらしいが、NASAに行くのは地球を守る戦いより重要なんだろうか…?
バルイーグル:飛羽高之
元地球守備隊空軍将校。大鷲の後任としてやってきた。
剣が得意なため、バルカンスティックを日本刀に変形させて戦うことも多い。
さすがに『鷲』の字を使った名前をもう1つ考えるのはしんどかったらしい。
どうでもいいが、リーダーが途中で変わってもチームワークって保てるものなんだろうか。
バルシャーク:鮫島欣也
頭部のレリーフは鮫。
元地球守備隊海軍将校。
バンクシーンとして有名な、海面から回転しつつ飛び出してくる映像(逆回転)は圧巻。
逆回しなのは承知の上だが、あんな飛び込み方するのは、相当怖い。
バルパンサー(黄):豹 朝男
頭部のレリーフは豹。
元地球守備隊陸軍将校。
演じるは、かの小林亜星の実子であり、本当に親子として共演している。
嵐山長官
国連平和機構地球守備隊の長官で、秘密裡に太陽戦隊を組織した。
とても強い人で、ラストはサンバルカンの3人が霞むほどの大活躍をした。
演じるはあの岸田森である。
このことだけで、どれくらい主役を食ってしまうかが分かろうというものだ。
嵐山美佐
嵐山長官の娘で、普段はスナックサファリのウェイトレスを演じている。
元々軍関係者ではないようだが、やはり秘密部隊である太陽戦隊は人手不足なのか、メインルームスタッフとなっている。
サンバルカンに女性戦士がいない分、せめて女性隊員を置こうという考えだったのかもしれないが、立場的には“長官の娘”の方が“戦隊のアシスタント”よりウェイトが大きかったと思われる。
29話『美剣士白バラ仮面』では、白バラ仮面に扮して、赤バラ仮面と戦うなど、たまに前線に出ることもあった。
演じた根本由美氏は、『軽井沢夫人』で、飛羽高之役の五代高之氏と共演している。
太陽戦隊は、地球守備隊の内部に位置する秘密組織で、その組織情報は守備隊内部にも秘密にされている。
そのため、太陽戦隊の隊員3名は守備隊を退職した扱いになっている。
太陽戦隊基地:バルカンベースは、スナックサファリからの地下通路を経てサファリパーク地下に存在するが、アマゾンキラーの猛攻で破壊され、新たに完成したニューバルカンベースが基地となった。
変身システム
右手のブレスレットを構えて「バル○○!」と叫ぶと、ブレスに収納されたバル強化服が装着される。
頭部に空・海・陸の代表として、それぞれ鷲、鮫、豹のレリーフがあり、その特徴を踏まえた戦闘を行う。
名乗り
「バルイーグル」
「バルシャーク」
「バルパンサー」
「輝け! 太陽戦隊! サンバルカン!」
動きとセリフが合うようになったが、やはりポーズが長すぎて鈍重さは否めない。
ただ、斜めになってる岩の上とか、立ってるだけでも怖いような所で名乗りをやっていたりするという結構凄いことをやっていたりする。
武器
共通武装であるバルカンスティックは、普段は右腰のホルスターに入っている。
新イーグルは、このスティックを日本刀型に変形させて得意技の飛羽返し、新飛羽返しを使う。
剣を使うレッドという図式は、ここから始まる。
必殺武器はサンバルカンボールで、バレーボール型(15話からはサッカーボール型)の爆弾を3人でワン、ツー、スリー、アタックで敵に叩き付ける。
45話でイナズマギンガーに破られ、ラグビーボール型の爆弾を3人で1つずつ蹴り、それが合体してトゲ付きボールになるニューバルカンボールが開発された。
移動装備
イーグル用のサンドバルカンとほかの2人用のバイク:シャークマシーンとパンサーマシーン。
ロボット
秘密基地バルカンベース(23話以降ニューバルカンベース)から飛行空母ジャガーバルカンが発進する。
そこからコスモバルカン(イーグル操縦:腰から上になる)、ブルバルカン(シャーク、パンサー操縦:両足になる)が発進、「合体! グランドクロス!」でサンバルカンロボになる。
腕からのバルカン砲、バルシールド、バルトンファー、バルハンドなどの武器を持ち、必殺技は「太陽剣・オーロラプラズマ返し」で、イーグルがポーズをきりながら「オーロラプラズマ返し!」とやると、シャーク、パンサーもそれぞれ繰り返し、最後にロボが繰り返すという大変に手間のかかる必殺技だった。
ところでこのジャガーバルカン、ジャガーとは言えないにしても動物的な顔をした母艦で、口が開閉するというこの手の空母にしては変わった特徴を持っている。
口がパクパク開いて噛みつき攻撃ができるというのも珍しい。
後にジャガーバルカンのオモチャの金型が改造されて『マシンロボ』のバリガールXになったのは有名な話。
敵組織 機械帝国ブラックマグマ
首領:黒い太陽神(全能の神)
カプセルの中に脳が入っているような姿。
コンピュータのようなものかもしれない。
正体は最後まで分からなかった。
大幹部:ヘルサターン総統
機械生命体らしいのだが、妙に人間味溢れる性格をしている。
イナズマギンガーに一度は倒されたが、黒い太陽神の力で復活した。
大幹部:ヘドリアン女王
デンジマンに破れ、北極で眠りについていたが、ブラックマグマの手で人工心臓を埋め込まれて蘇生した。
相変わらずの妖魔力とワガママさで、ヘルサターンをきりきり舞いさせる。
なお演じる曽我町子氏は、シリーズ29作目「魔法戦隊マジレンジャー」のマジエル役で出演後、2006年5月7日膵臓癌で急逝された。
幹部:ゼロガールズ
ゼロワン、ゼロツー、ゼロスリー、ゼロフォーからなる、機械生命体の女スパイ4人衆。
ゼロワンは、途中で死亡。
幹部:アマゾンキラー
ベーダーの行動隊長だったが、かつての地球侵攻作戦の際には、銀河辺境を旅していた。
女王の腹心として、ゼロガールズをまとめることになる。
ニューバルカンボールを食らってなお立ち上がったその最期は、ファンの間では語り種になっている。
怪人:機械生命体
○○モンガーというネーミングで、メカ生命体。
戦闘員:マシンマン
コイツのお陰で、某星雲仮面を機械生命体呼ばわりする人もいるという。
マスクの下にはメカの顔があり、一般の黒い戦闘用のほか、白衣を来た科学者タイプ、スパイ用のダークQなどがいる。
ダークQ
スパイ専用に作られたマシンマンの亜種で、人間に化けることができる。
化ける対象に応じて指紋を張り付けたり、動き方の訓練をしたりもする。
人間の顔を外すと中からメカの顔が出るのだが、それでも髪の毛が残っていたりするので結構不気味。
まさしく人間の皮をかぶったロボットだった。
ブラックマグマは、北極に要塞鉄の爪を持つ機械生命体の軍団だ。
ヘドリアン女王も人工心臓なしには生きられない身体にされており、唯一アマゾンキラーだけが純粋な生物である。
機械のくせに神を信奉する団体というよく分からない存在なのだが、一種の造物主崇拝と考えればいいのかもしれない。
巨大化
モンガーは、鉄の爪から巨大化指令電波を受けると体内のメカを働かせて巨大化する。
倒されると、軽快なBGMと共にカムシャフトが回りながら巨大化していた。
ラストへの流れ
ブラックマグマに参入したイナズマギンガーは、反乱を起こしてヘルサターンを倒したが、復活したヘルサターンによって機械生命体イナズマモンガーに改造されてしまった。
この混乱に乗じて支配者の座に就いたヘドリアン女王だったが、ヘルサターンの亡霊に悩まされ、遂にはアマゾンキラーをも信用しなくなったため、人工心臓の取り替え手術を受けることができず、人工心臓の寿命と共に力尽きる。
女王を失ったアマゾンキラーはサンバルカンとの戦いに散り、嵐山長官の娘美佐を人質に取った黒い太陽神も、長官の投げたバルカンスティックの一撃にあえなく倒れた。
こうして、長官の活躍で世界に平和が戻ったのだった。
傾向と対策
このサンバルカンは、3人という戦隊史上最小のグループで女性メンバーが(変身組に)おらず、しかも戦隊シリーズで唯一前作との関連がはっきりと描かれている異色作だ。
普通は、各番組毎にパラレルワールド的世界となるのだが、ここにはヘドリアン女王という前作からの持ち越しキャラクターがいるため、明確に続編となっている。
また、36話『エスパー』、37話『日美子よ』では、ヘドリアン女王がデンジ星人の子孫達を大量に殺す事件が描かれているが、その際、太陽戦隊がベーダーとデンジマンの戦いのことを知っていたという話が出てきて、ご丁寧に『デンジマン』での映像が少し流れる。
要するに、地球守備隊はデンジマンとベーダーの戦いを手をこまねいて眺めていたというわけだ。
折角だから、バル強化服はベーダーとの戦いのために開発を開始したというような設定なら説得力が増したのにと思うと残念だ。
この辺もヘドリアン女王繋がりの話だったりするので、女王の存在がこの番組に如何に大きな影響力を持っていたかが分かる。
また、良くも悪くもヘドリアン女王1人によって、ブラックマグマという組織そのものの色も変わってしまった。
ヘルサターンという着ぐるみ幹部では、曽我町子という強烈な個性を持つ役者と、前作で十二分に個性を培ったヘドリアン女王というキャラクターには太刀打ちできなかった。
本来、機械帝国ならば残忍で合理的な作戦でもやりそうなものだが、“ヘドリアン女王の妖魔力”という合理的でない力を前面に押し出してしまったため、組織の性格が呆けてしまったのだ。
反面、ヘドリアン女王は生き生きと描かれており、アマゾンキラーという忠臣を得てあたかもベーダーのころのような状態を作り始め、それはそれで良かったのだが。
また、対する正義側のキャラクターも弱い。
たった3人しかいないわりに、鷹羽にはキャラクターの印象がほとんどない。
これは、キャラクターをうまく本編内で生かしていなかったという傍証になるだろうか。
鷹羽は、大抵の番組で『これは』という印象に残る部分があるが、サンバルカンについては、敵方はともかく、正義の3人組に関する記憶がほとんどないのだ。
たった1つ印象が強いのがイーグルの交代というのは、やはりまずかろう。
この前代未聞の主役交代劇は、サンバルカンを語る上で外すことはできない。
たった3人しかいない組織の、しかも中心たるレッドが交代するというとんでもない話だ。
しかも、死亡・重傷等の分かりやすい理由ではなく、NASAへの赴任という“お前ら本気で地球防衛する気あるのか!?”的展開はフォローのしようもない。
『重甲ビーファイター』でも、レッドル葉山麗が何のフォローもなしに交代したが、それでも彼女は3人の中心人物ではなかったし、後任の鷹取舞がビーファイターの中に溶け込んでいくまでのくだりもあったのでまだマシだったような気がする。
ある日突然リーダーが変わるってのも、軍隊ならアリかなって気もするが、やはり不自然さは否めなかった。
主役達の個性を際立たせるために3人にしたはずだったのに、役者の技量が足りないのでは仕方がない、というところだろうか。
その分、嵐山長官の存在感が際立つということになったようで、嵐山長官が主役と言っても過言ではあるまい。
ただし、アマゾンキラーを相手に必殺技ニューバルカンボールをかました3人を“ヒーローの風上にも置けない”と言う人が多いが、鷹羽はそうは思わない。
相手は平和を脅かす悪の幹部であり、倒すべき敵でしかないわけで、1対1の勝負で倒そうが必殺技で倒そうが、大した違いはない。
そもそも下手な怪人より強い幹部はゴロゴロいるわけで、絵的に弱いとかいうのはあっても、3対1の勝負を「悪い」と言うことは、戦隊を根幹から覆すことのような気もする。
サンバルカンが弱く見えるから、確かにあまり褒められた描写ではないと思うけどね。
ところで、29話『美剣士白バラ仮面』に敵怪人バラモンガーの変身した赤バラ仮面役で森永奈緒美が出演しているのは有名な話。