『仮面ライダー龍騎』
第35話 タイガ登場
2002/9/29 放映


(Story)
 互角の戦いを続ける王蛇とは、互いにモンスターを召還し、ファイナルベント“ドゥームスデイ”と“エンドオブワールド”を発動するが、王蛇の蹴りはマグナギガに叩き落とされてマグナギガを転ばすにとどまり、ゾルダはさっさと逃げ出してしまった。
 そして、その様子を鏡の向こうから見守るタイガの姿があった。
 現実世界に戻って逃走を続ける北岡は、追いついた浅倉に土下座して助けてくれと頼む。
 「戦わないなら消えろ!」と迫る浅倉に対し、どこかに携帯電話をかけて笑みを浮かべる北岡。
 すると予め呼んでおいた機動隊員が到着し、浅倉を取り囲んだ。
 北岡は、浅倉を反射物のないところに誘い込んで機動隊に取り押さえさせるのが目的だったのだ。
 変身できず、モンスターによる攻撃も封じられた浅倉はデッキを取り上げられた上、捕らえられた。
 
 一方、ナイトサバイブと龍騎サバイブは互いに剣で戦うが、死に物狂いのナイトサバイブの猛攻に、次第に龍騎サバイブは押されていく。
 トリックベント同士の戦いで、全力をぶつけ合った両者に決着はつかなかった。
 心配していた優衣の前に戻ってきた真司は、がっくりと倒れ込む。
 花鶏に戻り、恵里の命があと数日と知った2人は、蓮が必死で恵里を救おうとしていることを知ったが、とても間に合わないと言う優衣に対し、真司は
  蓮だって分かってる
  あいつは止められない
  蓮は、きっと最期の瞬間まで戦い続ける
  たとえ無駄でも、自分が死ぬとしても

と答える。
 真司は、ライダー同士の戦いをなくせば蓮が戦う必要がなくなると考え、優衣には恵里に付いているように言って、戦いをなくす方法を再び考え始めた。
 
 OREジャーナルでは、令子と大久保が、人が消えた現場には鏡や反射物があったこと、士郎がいた研究室には多くの鏡があったことなどからそこに秘密があるという推測し、江島研究室で唯一残っている仲村の方面から調べていくことにしていた。
 そこに浅倉逮捕の知らせが届き、令子は飛び出して行く。
 
 北岡事務所が留守の上、浅倉が逮捕されたことを知った蓮は、戦う相手を失って途方に暮れる。
 その近くには、金色の羽が舞っていた。
 
 翌朝、手掛かりを求めて清命院大学を訪ねた真司は、モンスターの気配を感じて401号研究室に飛び込むがすでに気配は消えており、代わりに仲村と香川がいた。
 仲村は、真司が令子の仲間と知って追い返そうとする。
 そこに入ってきたもう1人の学生(東條悟)にぶつかった真司は、東條の落とした書類の中に「ミラーワールド」という言葉を見付け、「あんた達、何知ってるんだ!?」と問い掛けるが、仲村に閉め出されてしまった。
 そのころ旧神崎邸では、オーディンのデッキを見つめて何事か考える士郎と、鏡の中から消えていく2体のモンスター:ガルドストームとガルドミラージュの姿があった。
 再びモンスターの気配を感じ、校舎の外で変身する真司を見つめる香川達。
 香川は
  やはり、あの男も…
と呟いた。
 
 一方、蓮の前に現れた士郎は、蓮の
  また催促か…あいにく相手が見付からなくてな
という言葉に
  いや、お前達ライダーに死に急いでもらう必要はなくなった
  しばらくの間だけだが
  それまでお前も無理に戦うことはない

と答える。
 激昂した蓮は
  ふざけるな! 俺はお前のために戦ってるんじゃない!
と叫び、淡々と
  望みを叶えるためにお前達に戦ってもらわなければならない相手がいる
と言葉を続ける士郎に
  だとしたら、それはお前だ!
  13人目というのはお前なんだろう
  今戦え! 俺と

と言って、
  まだ早過ぎる
  お前に勝ち目はない

という士郎に詰め寄り、士郎は
  いいだろう
と言って、金色の羽を残して消えた。
 変身してミラーワールドに入ったナイトの前に、オーディンが姿を見せる。
 すぐにサバイブ化したナイトだったが、神出鬼没のオーディンに翻弄され、ファイナルベント“疾風断”さえもあっさり破られ、サバイブ化が解けてしまった。
 オーディンの金色の羽が当たるたびにダメージを受けていくナイト。

 2体のモンスターに苦戦する龍騎は、タイガの出現に救われてサバイブ化する。
 タイガはファイナルベント“クリスタルブレイク”でガルドミラージュを、龍騎サバイブはシュートベント“メテオバレット”でガルドストームをそれぞれ倒す。 戦いを終えたタイガは、龍騎サバイブには興味がないかのように去っていった。
 再び401号室へ向かった真司は、香川の手にタイガのカードデッキがあることに気付く。
 香川は、先程の2体のモンスターは、ミラーワールドを閉じる方法を知っている自分達を殺すために、士郎がよこしたのだと言う。
 香川は、協力させてくれと言う真司に
  いずれあなたが信用できると分かったらお話ししましょう
と言って扉を閉ざしてしまった。
 そして、室内の3人の手には、それぞれタイガのデッキが…。
 
 遂に倒れたナイトに、オーディンは
  だから言ったのだ
  私と戦うのは早過ぎると
  だが、脱落を望むなら仕方ない

とゴルトセイバーを構える。
 ナイトのデッキに向けてセイバーが振り下ろされようとしたとき、ナイトのウイングランサーがオーディンを貫いた。
 オーディンは
  そのまま迷わず戦い続けろ
と言って分解していく。そして、ナイトの絶叫が響いた。
 そしてそのころ、恵里がその目を開いていた。


(傾向と対策)
 恵里を助けようがないと諦めれば、蓮はもう戦わずにすむ。
 今回の真司のセリフを要約すると、こういう意味になる。
 分かって言ってるのか、実情を把握できないでいるのかよく分からないが、真司にとって蓮が戦わないことが目的だとすれば、一応筋は通っている。
 要するに、ライダー達の望みを打ち砕いてでもいいから殺し合いをやめさせようというのが、今回の真司の行動指針なわけだ。
 真司が戦う理由を知っているのが蓮だけだから、後は戦い好きなバカ野郎ばっかりだと思っているのかもしれない。
 今後、物語の中心には、
  香川達の研究と士郎の研究の関係
  士郎の目的
  優衣とミラーワールドの関わり

といったものがメインとなっていき、ますますライダーの戦いは隅に追いやられそうな勢いだ。
 
 で、今回鷹羽が一番心配していることは、“ライダーはちゃんと13人出るんだろうな”ということ。
 まさか、タイガが3人いて全部カウントされるとか言わないよね〜。
 んでもって、タイガのデッキは、ちゃんと士郎の作品なんだろうね?
 そうでないと、士郎が画策している13人のライダーによる戦いという前提からして、カウントできなくなってしまうから。
 1個だけオリジナルで、あとはレプリカとかいえばOKなんだけど。
 
 で、疾風断を破ったくせに何かあっさり負けちゃったオーディンだけど、まさかあれで終わりではないんだろーなー、きっと。
 これでおしまいで、なおかつR&M出したら、すっごい度胸なんだけど。
 果てしなく士郎が正体っぽいのに変身シーンは出さないし声も違うという、何を狙っての展開か読みにくいのだけど、デッキを狙って剣を構えるところはさすがと言うべきだろう。
 
 で、あんなに簡単なら、どうして今まで捕まえなかったんだといわずにいられない浅倉。
 後ろの車のバックミラーとかからモンスターを出すことはできただろうけど、あんだけ取り囲まれてると、2〜3人食わせたところで自分が殴り倒されちゃうから、後で脱出のチャンスを狙うってことだったのかな。
 あとは、3枚の契約カードを破り捨てれば完璧♪
 てことは、22話『ライアの復讐』で浅倉がぶっ倒れたときにデッキを取り上げて通報すれば万事解決だったのでは?
 あれも小林脚本だし。
 結局、真司も蓮もバカだった、と。
 それと、マグナギガに撃墜されてしまったドゥームスデイは、果たして使い物になる必殺技なのかという疑問も浮かぶ。
 やはり、王蛇が蹴り飛ばしてモンスターに吸い込ませるというのは、ちょい無理があるようだ。
 もうちょっとタイミングがずれていれば、エンドオブワールドであの世行きだったはずだ。
 対して、せっかくのファイナルベントを封じられた形にはなったものの、ゾルダはノーダメージなわけだから、実はあそこで王蛇を倒せたんじゃないかとさえ思える。
 後でああいう布陣を引いていた関係上仕方ないのかもしれないけど、自分で倒した方が楽だったような…。

 そうそう、パルプンテのカード:ストレンジベントは今後もしょっちゅう使うのだろうか?
 元々自分の持ってない種類のカードにもなるんだろうから、タイミングが合えば凄くいいけど、1回入れてみないとどういうカードになるか分からないってのは、かなり使い勝手が悪そうだけど。
 ファイナルベントとかならいいけど、いきなりシールドベントとか出てきたらどうすんの?
 欲しい機能のカードになるんならいいけどさ。
 それと、ソードベントのカードを使わなくても剣が使えちゃうってのはどうにかしてほしい。
 
 これから寒くなるのにあんな薄着で野宿を続ける蓮はいつまで戦えるのか?
 あと数日の命と言われながら目を開けた恵里は、果たして目覚めるのか?
 両手に花で歌を歌ってる吾郎ちゃんは、果たして音痴ではないのか?
 疑問は尽きない。
 
 さて、今回の見所は“オーディンと一緒に消えてしまったウイングランサー”だろう。
 オーディンが死んだにせよ、いつものテレポートで逃げたにせよ、ランサーはナイトの武器だろうに。


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