『仮面ライダー龍騎』
第31話 少女と王蛇
2002/9/1 放映


(Story)
 ある日、浅倉はメタルゲラスに襲われた。
 メタルゲラスだけでなく、ベノスネイカー、エビルダイバーも姿を見せての威嚇に、浅倉は
  ああ…暫く何も食わせてなかったか
  で? 俺を食うってわけか?

と不敵に笑う。
 
 そんなころ、突然航路を離れた船:フェニックス・エキスプレスから、少女1人を残して乗員乗客全員が消えてしまうという事件が起きた。
 令子が取材で留守にしたOREジャーナルにもこのニュースが入り、真司が取材に向かう。
 編集部では、ノートパソコンの名前を巡って島田とめぐみが熾烈な争いを繰り広げていた。
 
 救出された少女:浜崎実加が入院している港北医大病院で、真司は、実加が3匹の化け物を見たと言っているらしいことを聞きつけ、浅倉の仕業ではないかと睨む。
 そして、海上保安庁が原因究明のために同じ航路で航行実験をすることになり、取材で同乗できることになった真司は、もし本当に浅倉ならば自分だけでは守りきれないと踏んで蓮に協力を頼む。
 その船には、実加も志願して乗り込み、「あの人、来る?」と誰かを待ちわびていた。
 
 翌日、浅倉の姿を探して船内を探す真司達の耳に、操舵士達の悲鳴が届いた。
 2人が駆け付けたときには既に操舵室には誰もおらず、モンスターの気配と共に浅倉の姿を見付けた2人は、その後を追う。
 同様に浅倉の姿を見付けた海上保安官達は、浅倉発見の連絡をした後、海から現れたモンスターに食われてしまった。
 乗り込んでいた刑事達は、本部に応援を要請すると共に乗客を一箇所に集めて安全を確保しようとし、騒ぎを感じた実加は、船室を飛び出して“あの人”=浅倉の姿を探す。
 ようやく浅倉を見付けた実加は、真司が止めるのも聞かず「あの人が助けてくれる」と浅倉に駆け寄ろうとする。
 実加は、船で両親達が消えたとき、浅倉が自分を守るかのように側にいたことから、頼りにしていたのだ。
 そのとき、モンスター:バズスティンガー・ホーネットが実加を狙って現れる。
 慌てて実加を船室に逃がす真司。
 ホーネットの背後には、ワスプ、ビーの姿もあった。
 3体のモンスターは、浅倉のモンスターではなかったのだ。
 「お前達と遊んでいる暇はない」と変身し、バズスティンガー達を追ってミラーワールドへ行く王蛇。
 龍騎達も後を追い、王蛇対ワスプ、龍騎対ホーネット、ナイト対ビーの戦いが始まるが、強力なバズスティンガー達に苦戦を強いられる。
 王蛇は
  こいつらは俺の獲物だ
  邪魔するな

と言って、ナイト達がカードを使うのを妨害しつつ、ファイナルベント“ベノクラッシュ”を放つが、背中合わせで高速回転する3体にはじき返されてしまった。
 龍騎、ナイトがファイナルベントカードを装填し、王蛇がユナイトベントカードを取り出したとき、3体は海に飛び込んで逃げてしまった。
 「逃げたか…」と呟いた王蛇は、荒れるベノスネイカーに
  慌てるなよ。まだチャンスはある
と言いながら姿を消す。
 浅倉の姿を探す真司達は、浅倉にしがみつく実加を発見した。
 実加は、真司達の言葉に耳を貸そうとせず、浅倉から離れない。
 浅倉は、救援の船を見ると、実加を振りほどいて海に消えた。
 「浅倉が誰かを助けるなんて…」と真司の心は揺れる。


(傾向と対策)
 良かった〜、高見士郎死亡説が忘れ去られてなくて。
 恐らく、令子が取材に向かったのは、その裏を取るためではないだろうか。
 行方不明説のことがすっかり忘れられているような気もするが、その辺についても、どこかでフォローが入ることを祈ろう。
 
 さて、食い意地の張ったのを3体も飼っているとやはり大変らしい。
 恐らく浅倉は、3体のバズスティンガーの気配を感じ、ベノスネイカー達に餌を与えるべく船に乗り込んだのだろう。
 そして、実加の側にいたのは、バズスティンガー・ホーネットが実加を狙っているからだろう。
 モンスターは、1度狙った獲物を諦めない。
 だから、実加を狙ってホーネットが姿を見せるのを、実加の側で待っていたのだ。
 今回、看護婦を狙ったのはビーだし、海上保安官を襲ったのはワスプだ。
 つまり、実加を狙うホーネットに付き合ってやってきたワスプ達は、自分達の狩りをしているわけだ。
 浅倉が誰にも気付かれずに船内に乗り込んだのって、やっぱエビルダイバーに乗せてもらったのかな?
 それにしても、1対1なら特に強いようには感じないが、3体一緒にいると厄介そうな相手だ。
 まさかギラススピン(注)まで使いこなすとは…。
 ここはやはり、真上からの蹴りで対抗するしか!
 
 ところで、今回、刑事に指示される海上保安官を演じていたのは、岡元“王蛇”次郎氏だった。
 岡元氏が画面に顔を出したのって『特捜ロボ ジャンパーソン』3・4話で殺し屋役を演じて以来じゃないだろうか。
 鷹羽的には、『仮面ライダーBLACK』49話で、「とうとう俺達の時代が来たんだ!」とか叫んでた姿が印象的だな〜。
 ちなみに、知ってる人も多いだろうが、岡元氏はBLACKのスーツアクターだったりする。
 
 それにしても、同じ船・同じ航路を航行させて原因究明って発想は何か変。
 だったら、あちこちにビデオカメラとか設置しておくべきだろう。
 しかも、その状況を取材に来てるくせに、「誰か消えた」ってパニックになる人達って…いや、こっちはリアルだな、きっと何の覚悟もなく乗ってるはずだ。
 
 今回から流れた龍騎スペシャルの予告。
 番組より一足先に13人並べちゃったのはすごい。
 ファムとリュウガがちゃっかり混じっているのもすごい。
 でも、龍騎を最後尾にして並んだとき、13号のオーディンより前にいた出しゃばりは何者かしら?
  
 さて、今回の見所は“看護婦を助けてうまく誤魔化した真司”だろう。
 「危ない!」とか抑え込んだ(でも、あれじゃ矢からは庇えないよね)後、「何してるんですか!? みんなランチに避難してるんですよ!」などと、珍しく上手に誤魔化している。
 避難させたいなら、普通はああいう止め方はしないだろうに、誤魔化されちゃった看護婦さんも見事。
 でも、避けられたビーの矢って、刺さったまんまだよね?
 
(注)ギラススピン
 『ウルトラマンレオ』1・2話に登場するレッドギラス・ブラックギラスの得意技。
 2体の怪獣が向き合って高速回転し、発生したバリアで敵の攻撃をはじく。
 レオは、特訓の末に、空中で同方向に回転しながら蹴り降ろすという技を身に付け、2体の首を蹴り飛ばした。

←BACK
→NEXT