『仮面ライダー龍騎』
第29話 見合い合戦
2002/8/18 放映
(Story)
浅倉が拘置所から脱獄した日の監視ビデオに映っていた男が、花鶏にあった写真の男だと気付いた令子は、花鶏を訪れ、優衣の写真立てに入っている人物を指して
高見士郎よね。1年前、アメリカで亡くなった…
と尋ねる。
優衣は、思わず
兄が死んだなんて、そんな…
記憶してから兄に会った人、私何人も知ってます!
と噛みついた。
その剣幕に驚いた令子は
そう…ごめんなさい、きっと私の情報が間違っていたのね
と答えて、その場は終わった。
大久保が頼み込まれて持ってきた見合いの話を、令子は『何事も経験』と受けることにする。
冷やかしなのが相手にバレて文句を言われた令子は、それ以来何者かに尾けられているような気がしていた。
その話を聞いて、ストーカーの正体を暴くべく令子の護衛をすることになった真司は、その夜、怪しい男に掴みかかっていき、勢い余って電柱に頭をぶつけて気絶してしまう。
目を覚ました真司の前には、北岡と吾郎の顔があった。
真司が掴みかかっていった相手は吾郎で、北岡に頼まれて令子に花束を渡そうとしていただけだった。
令子のマンションを訪ねた3人は、令子のバッグが落ちているのを発見する。
様子のおかしい令子を見かけたという蓮も加わって、3人は令子を救うまで休戦することになった。
令子の見合い相手の蔵井忍が怪しいと睨んだ真司は、見合いに憧れていた島田を蔵井と見合いさせてみることにする。
様子を窺う真司は、一瞬モンスターの気配を感知した。
その夜、帰宅する島田を見張る3人は、蓮の『北岡は令子に惚れている』発言で口論しているうちに島田を見失ってしまった。
モンスターの気配を感じて変身した3人だったが、チームワークの欠片もない戦い方でシールドボーダーに逃げられてしまった。
囮として蔵井と見合いすることになった優衣は、蔵井の家に入り込み、蔵井がコーヒーを買いに行っている隙に家捜しするが、令子も島田も見付からない。
その様子を見張る真司と蓮の元に、北岡から蔵井にはアリバイがあったとの連絡が入った。
そして、バタバタと騒がしく家捜ししていた優衣は、蔵井の向かいの部屋に住んでいるおばさん:竹内真理に注意を受け、その胸元に令子のものと同じペンダントが光っていることに気付いた。
その報告を受けた真司は、竹内が以前、大久保の記事のせいで会社が潰れたことを恨んでいるらしいことを知り、今度は竹内の部屋に潜入することにした。
それぞれセールスマンを装って部屋に入り込んだ3人だったが、竹内に逃げられてしまい、しかも彼女はシールドボーダーに食われてしまった。
変身してシールドボーダーと戦う3人。
竹内を失い、手掛かりを失った龍騎は、その近くにいたモンスター:ソノラブーマの鳴き声が、島田を見張っているときに聞いた声だったことに気付く。
ソノラブーマが島田を狙っているなら、追い掛ければ島田の居所を掴めるはずと考えた龍騎は、ソノラブーマを追って現実世界へと戻り、令子と島田を見付けた。
龍騎は、ソノラブーマをミラーワールドに蹴り飛ばし、シールドボーダーに逃げられたゾルダのシュートベント“ギガランチャー”とナイトのファイナルベント“飛翔斬”がソノラブーマを撃破した
(傾向と対策)
ギャグ編。
妙な勢いで食べ物をかっこむ真司達の姿だけが印象的な中身のない話だった。
その最たるものが、前半戦の3人揃っての変身シーンだろう。
島田を見失ったことを責める真司に
蓮 「人のこと言えるのか、お前? 変身」
北岡「小学生か、お前は? 変身」
真司「弁護士のくせに頼りないんだよ、変身」
と、まるで緊迫感のない変身を繰り広げ、しかも、デッキを持った北岡の左手が真司を殴る形になったため、真司は龍騎に変身した後、「この!」と言ってゾルダの足を踏んで仕返しをし、ゾルダはミラーワールドに向かう際、龍騎に
ホンットに小学生だな、お前は
と言っている。
ヒーロー物数あれど、ここまで気の抜けた変身シーンはないだろう。
龍騎の味と言えば味なのだが、ちょっと今回は度が過ぎていたように思う。
後半戦のスーツ姿3人組の変身シーンは、まぁいいとしても。
ちなみに今回、初めてライダーが現実世界で戦ったわけだが、カードは一切使わずに殴る蹴るしかしていない。
わざわざミラーワールドのナイトに呼び掛けて、ミラーワールドにソノラブーマを放り込んでからトドメを刺してもらっているということは、やはり現実世界では、カードの能力は発揮できないということなんだろうか。
おまけに、優衣の家捜しの凄まじさもかなりとんでもなかった。
ふすまは外す、本棚は崩す、ゴミ箱や電子レンジの中を覗いて呼び掛ける…もうちょい真面目でもいいんじゃないだろうか。
蔵井が帰ってきた後のことを想像するのも怖い話だが、向こうから断ってきたというのもよく分かる。
それにしてもこの人、一体どういうペースでお見合いしてるんだろう?
誘拐された令子がそれなりに元気なままいられる間に、島田や優衣と連続見合いしたのか?
んでもって、竹内は、令子や島田を誘拐してどうするつもりだったの?
誰か教えて、プリーズ!
ところで、士郎の死亡云々の話はどうなったんだ〜!?
まさか、「私の情報が間違っていたのね」で終わったんじゃないでしょうねぇ?
そもそも高見士郎は、令子が持っていた“謎の行方不明者”リスト(2話『巨大クモ逆襲』参照)に載っていた人物なんだってば!
そっちの話はどうなってるのよ!?
第一、令子ってば『高見士郎の旧姓は神崎』ってとこまで知ってるくせに、どうしてその妹の存在とかに気が回らないかなぁ?
さて、今回の見所は“ルールがすっかりどこかに行ってしまったミラーワールド”だろう。
ま、入っていった鏡と別のところから出てくることについては、もう何度もやってることだから言うのは野暮として、今回、龍騎とソノラブーマはどこから出入りしていたわけ?
戦ってたのはマンションの屋上辺りだったはず。
ソノラブーマが建物内に入って鏡を抜けたのかと思っていたら、龍騎に蹴り飛ばされたソノラブーマは、屋内の鏡に吸い込まれてったのに、屋上に出てきてしまった。
それは、いくらなんでもあんまりだ。