『仮面ライダー龍騎』
第26話 ゾルダの攻撃
2002/7/28 放映


(Story)
 王蛇のユナイトベントで合体したジェノサイダーの攻撃が龍騎達3人を襲い、吹き飛ばされたゾルダは右腕を痛めた。
 トドメを刺そうとする王蛇にサバイブ化したナイトが立ち向かい、ナイトサバイブのファイナルベント“疾風断”と王蛇のファイナルベント“ハイドベノン”が激突した。

 現実世界に戻った蓮と真司は、気を失ったままの令子を乗せて東京へと戻る。
 目を覚まし、暁の消息を尋ねる令子に蓮は『暁は、兄の正体を知って逃げた』と答え、これに懲りて浅倉を何とかしようと考えるのはやめろと忠告する。
 その言葉は、真司に向けられたものでもあった。
 さすがに浅倉を変えるのは無理だと感じた真司は、今度は北岡を変えてみることにする。
 「ある意味浅岡より可能性ないぞ」と笑う蓮に、真司は
  俺だって、考えるの限界なんだよ
と呟く。
 
 翌朝、右腕の傷が思いの外深かった北岡は、クライアントへの書類送付を吾郎に任せ、1人で事務所にいた。
 そこに、北岡と話し合おうとやってきた真司は、吾郎がいつもやっている雑用をやらされる。
 文句を言いつつも、真司には、ライダー同士の不毛な戦いを何とかするために自分にできることがほかに思いつけず、北岡へのアプローチを続けるしかなかった。
 真司が昼食を作らされているとき、北岡がある事件で相手に回している弁護士の大滝が脅しを掛けに来た。
 大滝がモンスターに狙われていることに気付いた真司と北岡は、大滝の後を付ける。
 
 そのころ、仕事を終えて事務所に戻ってきた吾郎は、真司が作っていた餃子を食べて、目をみはっていた。
 
 最初は、自分の事務所に来た帰りに行方不明になると自分に疑いが掛かるから、と大滝を助けようとした北岡だが、段々面倒臭くなって、事務所にいてアリバイを作る方が得策だと言い出した。
 だが真司は大滝を守ろうとし、なぜかと北岡に聞かれて、「助けたいだけだ」と自分の原点を思い出した。
 そして、「ったく、お前、全然変わってないよ」と呆れる北岡に、真司は
  変わっちゃいけなかったんだ
  俺、忘れてた。俺がライダーになった理由…
  俺は、人を守るためにライダーになったんだよ
  今の俺にできることはそれだけだ
  ライダーの戦いが何だろうと、俺は、俺にできることをやるしかない

と決意を新たにする。
 そして真司と北岡は、大滝を襲ったアビスハンマーを蹴り飛ばし、変身してミラーワールドへ。
 右手が使えず、マグナバイザーを持てないゾルダは、龍騎にカードを渡してシュートベント“ギガキャノン”、ガードベント“ギガアーマー”を次々と召還する。
 召還した武器が自分のためには使えないことに腹を立て、もうカードを装填してやるまいと思った龍騎だったが、次に取り出されたのがマグナギガのカードなのを見て、作戦を思いつき、カードを装填した。
 そして、出現したマグナギガの後ろに隠れてアビスハンマーの攻撃を遮り、ストライクベント“ドラグクロー・昇竜突破”を装填する。
 ギガキャノンと昇竜突破の同時攻撃を受けたアビスハンマーは爆発四散した。
 
 その頃蓮は、もう1度旧神崎邸を調べたいという優衣を乗せて花鶏を出発しようとしていた。
 だが、優衣はその前に恵里の病室に寄るよう蓮に頼み、蓮は、優衣に恵里が自分の恋人であることを明かす。
 そして、恵里の病室に行った優衣と蓮の目の前で、恵里の容態が急変した。
  
 一方、令子は、どう考えても“消えた”としか思えない暁のことを考えているうちに、浅倉がファミレスや事故現場から消えていることを思い出し、最初に浅倉が姿を消した拘置所について調べてみることにした。
 拘置所の監視カメラの録画映像を手に入れた令子は、そのビデオの中で、廊下には誰もいないはずなのに、壁の監視窓に映り込む廊下を歩いている男(神崎士郎)の姿を見付けた…。


(傾向と対策)
 疑問1つ解消。
 ベントカードは、誰が装填してもモンスターの契約主に能力付与するものらしい。
 サバイブカードのような、モンスターとの契約外のカードなら誰でも使えるだろうが、やはり契約したモンスターの能力を使役できるのは、デッキの持ち主自身だけらしい。
 このことで、コピーベントの価値の高さというものを再認識してしまった。
 他人が契約したモンスターの能力を自分のために使えるというのは、使い方次第で相当おいしい。
 それにしても、ギガキャノンに頭をぶつけたり、楽しそうにマグナギガの出現を待つ龍騎は見ていて微笑ましかった。
 
 さて、蓮の口車で1度は暁が逃げたと信じた令子だが、やはりあの一瞬で姿を消したことには納得いかないらしく(どうやって逃げ帰るんだという問題もあるし)、浅倉が『消える』ことを繰り返していたことに思い至った。
 本当に暁が生きていると思うなら、暁に謝りの電話を入れるくらいしなければならないし、生きているのが信じられなければ連絡を取ってみるのが筋なのだけど、その辺は、まぁ、令子の頭が浅倉に傾いているから気が回らなかったんだということにしておこう。
 どういうつてがあるのか知らないが、拘置所の監視ビデオの映像を手に入れた令子は、遂に神崎士郎の姿を見てしまった。
 士郎が映り込んでいたのは、恐らく房の監視用の覗き窓の類だと思うが、士郎はその窓の中を奥から手前に移動していたから、部屋の中が映っているとは思うまい。
 廊下を歩いているのが映り込んでいるという見え方になっているのは明らかだ。
 だが、実際廊下には誰もいない。
 例の行方不明事件、暁の一瞬の消失、窓にだけ映っている男、とくれば、いよいよ謎の入り口は目の前だ。
 果たして令子はそこに気付けるのか?
 ところで、士郎が2人の巡視員の通り過ぎた直後に通っているところから見ると、恐らく浅倉の独房に向かっている最中に巡視員とすれ違ったあのときの映像だと思うのだが、映像の時間が14時になっているらしいのが納得いかない。
 浅倉の脱獄は、正午ころということになっている。
 時間関係からすると、浅倉が脱獄したのは、デッキを受け取ったその日のうちだった。
 あの時計がおかしいのか、ビデオのカウンターの見方が違うのか、それとも単にスタッフが間違えたのか、どれだろう?
 
 今回の目玉は、どうやら真司が“人を守るため、モンスターと戦うために変身する”という初心を思い出したことのようだ。
 最近すっかりライダーの戦いというのが日常的になって、モンスターが付録になってしまっていたわけだが、普通の人間に害を及ぼす存在としては、ライダー同士云々よりモンスターの方がより問題だ。
 まぁ、モンスター対峙に邁進しても、ライダー同士の戦いという問題は全く解決しないのだが、真司は「ライダーを変えるには」 という命題に疲れてしまったようだ。
 まぁ、北岡の戦う理由を聞いても、真司にどうにかできるわけじゃないしね。

 ところで、真司の作った餃子は、どうやら本当に美味しいらしい。
 あの吾郎ちゃんが食べて驚いたのだから、かなりのレベルなのだろう。
 次回当たり、吾郎ちゃんが真司に作り方を習ってたりして。
 
 そして、恵里の容態急変。
 もし恵里が死んだら、蓮の戦う理由がなくなってしまう。
 士郎としてもそれはまずいだろうから、なにかしらの手を打ってくる可能性もある。
 新しいライダーの登場、恵里の急変、令子の調査など、次回はイベント盛り沢山になりそうだ。

 そういや大滝って、真司達が変身するところを見ているはずだけど、もしかして気を失ってた? 
 

 さて、今回の見所は“ゾルダより前に立っていて、前に向かってジャンプしたのに、ゾルダの背後から助走を始める疾風断”だろう。
 あの短い橋の上で、双方助走距離のいる必殺技を放つのだから、まぁ仕方ないのかもしれないが、あの助走はちょっとないよなぁ…。

 あれ? そういや、前回は川原で戦っていたような気が…?
 

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