『仮面ライダー龍騎』
第22話 ライアの復讐
2002/6/30 放映
(Story)
ファイナルベント“ヘビープレッシャー”で龍騎とナイトをガードベントごと吹き飛ばした王蛇は、タイムリミットが来て身体が分解を始めたにもかかわらず
「もう帰る」なんて言うなよ
せっかく面白くなってきたんだから
と言って攻撃を続け、ファイナルベント“ベノクラッシュ”を再び放つ。
なんとか現実世界に戻ってきた3人だったが、浅倉はまだ戦い足りずに、鉄パイプを振り上げたまま意識を失った。
真司と一緒に花鶏に帰ることにした蓮は
お前に借りができたかもな
と呟いた。
一方、鏡の部屋で神崎士郎に出会った手塚は、士郎の
お前はなぜ戦わない?
という問い掛けに
俺は戦いを止めるためにライダーになった
と答える。
そんな手塚に、士郎は『SURVIVE』のカードを渡し
浅倉威をライダーに選んだのは、お前のためでもある
戦え! ライダーの宿命に逆らうな
戦わなければ、次に脱落するのはお前になる
と言い残して消えた。
手塚は、その部屋の中で中身を切り取られた落書き帳を見付けるが、鳳凰型のモンスター:ガルドサンダーの攻撃を受けて右手を負傷する。
その夜花鶏では、手塚が真司に写真の家のことを話していた。
写真に写り込んでいる電車は、十数年前には走っていない種類であり、窓に見える2人の子供は優衣と士郎ではなかったのだ。
「優衣を巻き込むな」と注意する蓮に、手塚は「憑き物が落ちたような顔だな」と言い、蓮は「お前に見透かされるのもいい加減慣れた」と返す。
優衣に深く関わらないよう忠告する蓮だったが、優衣の決意は変わらない。
真司が昼間のことを手塚に話すと、手塚は
分かってはいたが、運命を変えるのは難しいな
とマッチの火で占いを始める。
その結果は
戦いは続く
次に消えるライダーは…俺だ
というものだった。
翌朝、意識を取り戻した浅倉は、龍騎・ナイト・ゾルダを倒すことを当面の目標としてどこかへと向かう。
そして北岡は、新聞の『警察は、浅倉が運転を誤って断崖から転落死したものと見て遺体捜索を断念した』という記事を見ながら「そんな簡単にライダーが死んでくれたら苦労はしないって」と笑った。
浅倉の生存を知った吾郎は、浅倉の居所を探ろうと花鶏を尋ねた帰り道、浅倉と遭遇する。
浅倉を倒すべく身構えた吾郎の脇から、ベノスネイカーが襲い掛かった。
その日の昼、手塚は真司に件の家の調査結果を話した。
13年前に原因不明の爆発事故で両親が死亡し、士郎は重傷、優衣だけが無傷だったという。
真司が
あのさぁ、お前、なんで平気なの? 死ぬかもしれないのに
と言うと、手塚は
「かも」ではない
俺の占いは当たる
だが、運命は変えられる
と言う。
真司がライダーになった理由を尋ねると、手塚は
俺は、(死んだ)親友の変わりにライダーになった
ライダーになるのは、本当はその男だったんだ
と答えた。
真司と別れてバイクに向かう手塚をガルドサンダーが襲い、その姿を見た手塚の脳裏に親友:斉藤雄一の姿が浮かぶ。
変身して戦うライアに、気配を察知した龍騎がソードベント“ドラグセイバー”を手に加勢するが、ライアはそれを拒み、コピーベント“ドラグセイバー”でガルドサンダーに1人挑み、ファイナルベント“ハイドベノン”で撃破した。
一方、吾郎を人質に取った浅倉は、北岡にライダー全員を連れてくるように命じた。
北岡は、その直後に北岡事務所を訪れた蓮に
俺がライダーとして戦うのは自分のためだけなんでね
その一線を踏み外すと、お前達みたいに弱くなるんだよ
と浅倉の脅迫を無視するつもりであることを告げる。
北岡は、吾郎が心配して蓮の所に姿を見せたことを知っても
そうだろうね
吾郎ちゃんは、俺のためならなんだってするからさ
と答える。
そんな北岡の態度に怒る蓮だったが、北岡は
だったらなんだ!?
いいから帰んなよ!
と言ってカードデッキを出し
今、お前となら戦う理由はある
と睨み返した。
2人は変身してミラーワールドに向かう。
(傾向と対策)
警察は、浅倉が事故死したものとして扱うことになったようだ。
「生存の可能性もあり」と書いたOREジャーナルに、購読者から抗議の電話が来るあたり、周囲が納得するような場所だったんだろうか?
ま、確かに断崖っちゃ断崖だったけどさ。
王蛇は、どうやらファイナルベントのカードも3枚以上持っているらしい。
もしかしたら、コントラクト3枚とファイナルベント3枚を持っていて、コントラクト3枚が埋まるまではベノクラッシュのカードになっているとかかも。
で、お人好しの真司と蓮は、浅倉がぶっ倒れてる間に、或いはへろへろの浅倉を2人がかりで倒してカードデッキを奪おうとか考えもせずに立ち去ってしまった。
少なくともカードデッキを奪えば、圧倒的なイニシアチブが取れることは実証済みなんだけどな〜。
今回一番の情報は、イメージシーンとして登場した優衣達が書いていた動物だろう。
クモ、蛇、サイなど、今まで登場したモンスターの動物が描かれている。
まだ登場してないクワガタなんかもいたけど、これらの動物を描いていたことと、ミラーワールドのモンスターの存在にはそれなりの関連性があるはずだ。
最近撮られたらしい屋敷の写真に士郎と優衣らしき人影が映っているのも、当時の2人の精神体か何かがあの屋敷に封じられているとかいうネタかもしれない。
また、士郎がモンスターに何らかの命令を与える力を持っているらしいことも分かったわけだが、黒幕としてモンスターを操ってるんだろうか?
もう1つ、今回は手塚がライダーになった理由の一端が見えた。
戦いを止めるためにライダーになるという矛盾した行動は、親友:斉藤雄一の死に関係していたらしい。
だが、今回や次回予告の映像とかを見ている限りでは、雄一を殺したのはガルドサンダーのはず。
雄一の復活を望んでいるのなら、戦いを止める理由はないし、なってみたら自分の死を予知したからやめたってわけでもないだろう。
何らかのワンクッションがあるはずだ。
自分の死の影に怯えて震えながら、それでもライダー同士の戦いを止めようとする理由は何なのだろう?
さて、さすがに吾郎ちゃんもモンスターには敵わなかったようだ。
ま、不意打ちでもあるしね。
北岡は、自分を保つために“自分のためにしか戦わない”という枷をはめているらしい。
吾郎ちゃんを助けたいという気持ちはあるけど、そうすると“自分のための戦い”じゃなくなって、敵を殺すことに躊躇うようになっちゃうのかな?
“かけがえのない自分の命を守るために戦う”ことと、“大事な友人の命を守るために自分を危険に曝す”ことは矛盾するからね。
さて、今回の見所は“目が覚めた途端に前の行動の続きを始める浅倉”だろう。
自分がぶっ倒れた自覚がないんだろうか?
それとも、ちょっと倒れただけだと思ってた?
普通、ちょっと倒れただけだって、相手は逃げちゃってたりするんじゃないの?
実は懲役前科持ちだった浅倉は、自分が有利な状況でしか相手と対したことがないから、倒れている間に自分が教われるという発想はないんだろうな。