『仮面ライダー龍騎』
第16話 運命のカード
2002/5/19 放映
(Story)
ガイが龍騎からドラグレッダーのカードを奪って去っていった後、ナイトとライアがミラーワールドへやってきた。
2人は、ウィスクラーケンを発見して戦い、その最中、ライアはブランク体に戻っている龍騎を見付ける。
ナイトのナスティベントでウィスクラーケンは逃げ、ライアとナイトに支えられて、ようやく龍騎は現実世界に戻ることができた。
真司は、奪われたドラグレッダーのカードを取り戻すべく芝浦を探しに行った。
残された蓮達だったが、平気な顔を装う蓮に、手塚は
なぜ、そう悪ぶるんだ
その証拠に、お前は俺と城戸をモンスターから救った
と問い掛けるが、蓮は
何を勘違いしている
俺はただモンスターのエネルギーが欲しかっただけだ
と答える。
そして、なおも
お前は自分で思っているほど冷たい人間じゃない
なぜ無理をする?
と言い募る手塚を殴り倒しす。
手塚は、そんな蓮に
図星を指されて悔しいか?
俺は必ずライダー同士の戦いを止める
そのために、まずお前という人間を変えてみせる
と言うが、蓮は黙って去っていった。
結局、真司は芝浦を見付けることなく花鶏に帰った。
蓮に「もし契約のカードを破かれたりしたら…」と言われた真司の脳裏に、ボルキャンサーに喰われた須藤の姿が蘇る。
そして蓮は、優衣の「カードを取り戻してあげて」という言葉から逃げるように店を出ていき
俺は…俺だ
と呟いた。
翌朝、大久保が人間ドックから戻ったOREジャーナル編集部では、島田のパソコンがウイルスに冒されるという事件が起きていた。
そして、出社した真司が見たのは、新編集長となった芝浦の姿。
芝浦は、島田のパソコンから盗み出した顧客のアドレスにウイルスを流すと脅してOREジャーナルを乗っ取ったのだった。
真司が生きていたことに驚いた芝浦だったが、ドラグレッダーのカードを燃やすと脅して真司の反抗を抑える。
そして、芝浦に「二流のシステムエンジニアはいらない」と言われた島田は、編集部を飛び出していった。
「二流」と言われたことに腹を立てた島田は、花鶏に陣取り、ノートパソコンから、芝浦に対する報復攻撃の準備を開始した。
一方、蓮は再び恵里の病室を訪れ
心配するな。俺は勝つ
どんな相手にも、俺自身にもな
と語りかける。
その様子を手塚が廊下から見守っていた。
購読者を増やすべく、編集長が替わった旨のチラシを配らされてクサっていた真司を脅すため、ドラグレッダーのカードを燃やそうとする芝浦。
その目の前に現れた蓮は、芝浦を挑発するが、芝浦は「あんた弱そうだし」と相手にしなかった。
ある程度購読者が増えたところで、芝浦はOREジャーナルを乗っ取った目的を明かす。
それは、OREジャーナルの購読者達に、マトリックスの部員達にやらせたようなゲームを配信し、もっと多くの心を支配しようということだった。
だが、芝浦がゲーム配信を開始しようとしたとき、島田からのウイルスが発動し、芝浦の計画は失敗に終わった。
編集部を追い出された芝浦は、再びドラグレッダーのカードで真司を追い詰めようとするが、そこに現れた蓮が戦いを申し入れ、2人は変身してミラーワールドへ。
ちょうどウィスクラーケンを追ってミラーワールドに入ったライアがその戦いを見付け、止めようとするが止められない。
一進一退の戦いに業を煮やしたガイは、ドラグレッダーのカードを人質に戦いを有利に運ぼうとするが、背後に現れたライアに気を取られた隙に、ナイトの投げた剣がカードを弾き飛ばした。
ライアはカードを掴んで現実世界へと戻る。
手塚は、真司にカードを渡し
止めてくれ
俺と一緒に
2人の戦いを
と頼む。
手塚の手を取った真司は力強くうなずき、共に変身してミラーワールドへと向かった。
そして、遭遇したウィスクラーケンを龍騎がファイナルベントで倒し、2人はナイト達が戦っている場所を目指した。
そのころ、ナイトは、ガイを打ち倒していた。
そして
俺の勝ちだな
と突きつけた剣を振り下ろす!
(傾向と対策)
誰かライダーバトルの正式ルールブックを出してちょうだい!
あまりに頭の痛い展開に、鷹羽は苛立っている。
再三のように、ドラグレッダーのカードを見せつけ、「奪ってください」とばかりに脅してみたり、生身とはいえ3人のライダーに囲まれて平然としていたり、芝浦の行動、というより蓮や真司の行動が分からない。
少なくとも蓮の腕力なら、芝浦を殴り飛ばしてカードデッキを奪うくらいのことはできるだろう。
ドラグレッダーのカードだけを奪うのは、蓮の性格上難しいだろうが、ガイのデッキをも奪うとなれば、ライダーを1人倒したということに繋がるわけで、何も問題はないだろう。
デッキを奪った上で足腰立たなくなるまで殴りまくれば、手を汚さずにライバルを1人消せるのだ。
後は、ドラグレッダーのカードを真司に渡して、「貸し1つだ」とか言っておけば、蓮の矛盾は表面化しない。
少なくとも、芝浦が現実世界で“カードを破壊する”という脅しを掛けてきた以上、現実世界で相手を半殺しにしても問題はないはずだ。
“カードの奪い合いはミラーワールドでのみ行う”とかいう公式ルールでもない限り、芝浦からカードを奪い返すのが一番簡単だ。
言うことを聞いていても、芝浦はカードを返す気はないはずだ。
ならば、一か八か芝浦が燃やそうとしているカードを取り返せばいいのだ。
それができない理由は何?
また、芝浦がOREジャーナルを乗っ取ったのは、編集部員が少数で把握しやすく、既にそこそこの購読数を持っているところだからと思われ、真司がいるいないの問題ではない。
芝浦としては、龍騎が時間切れで死んでしまったと思っていたらしい。
となると、芝浦がドラグレッダーのカードを大事に持っていたのはなぜだろう?
真司以外のライダーに対しては、あのカードは何の役にも立たない。
では、なぜさっさと捨てなかったのか?
自分で使うネタがあるということだろうか。
ガイのデッキにしまっておけたということは、もしかしたら、あれを装填するとガイがドラグレッダーを呼び出せるんだろうか?
それともシナリオライターが何も考えてなかっただけ?
それから、例の“井上脚本の回は忘れられているモンスターのエネルギー吸収”については、今回はライアがウィスクラーケンの爆発を見ている間にドラグレッダーが吸収したということにしておくとしよう。
だが、ライアが“入ってきた鏡からしか現実世界に戻れない”という設定をあっさり破ってしまったのは大問題だ。
井上氏には、一度基本設定の見直しをしておいてもらいたい。
さて、芝浦の乗っ取り計画はあっさり潰えてしまったわけだが、今回のことは立派な刑事事件だったりする。
ウイルスでパソコンを使用不能にして、事実上編集部の機能を停止させたことは威力業務妨害に当たるだろうし、購読者のアドレスを盾に編集長交代を迫るのは強要にあたる上、証人(大久保達)が4人もいるから、逮捕されて然るべきネタだ。
例の戦闘ゲームについても、結果的に傷害は成立しないとしても部員の1人がそのゲームの後で行方不明になったという事実もあるから、警察に教えてやれば大喜びで捜査するだろう。
次回予告に出てきた刑事が、果たしてそのネタで来たのかどうか知らないが、芝浦のお礼参りを受けたくないOREジャーナルとしては、“編集部のシステムに侵入を受けたなんて公表したら信用ガタ落ち”以外には、警察に通報しない理由はない。
まして、もし本当に“今月から購読料タダ”なんて話にされたとしたら(画面上では確認できなかった)、民事上の損害賠償は一千万円を下るまい。
何しろ、これまで4人分の給料と事務所の賃料その他を払って経営が成り立っていた会社の収入を、向こう数か月にわたってゼロにしたことになるのだから。
編集長が替わって、すぐまた戻るってだけでも、信用を落としかねないことだしね。
第一、島田は芝浦が何を企んでいたのかも知らなかったわけで、相手がどう動くか分からないうちから、どうやって妨害するつもりだったのやら。
唯一分かっているのは、芝浦が顧客データのアドレスにウイルスを配信する可能性が高いってことだから、配信しようとした途端に発動するようにするつもりだったのかもしれないけど、それはウイルス単体では不可能だ。
まして既にデータが盗まれていて、芝浦の自宅のパソコンから送るつもりだったりしたら、妨害工作そのものに意味がない。
ウイルスどうこうでは説明できない話だと思うんだけどな〜。
結局のところ、なんとなくピンチにしたいだけで、こういう後先考えない展開にするのは良くないってことだね。
本格的にいい人らしい手塚と、天然バカな真司は、いよいよライダー同士の戦いを止めるべく手を握ることになった。
とはいえ、あの2人では「やめろ」とか「よせ」とか言ってまとわりつく以上のことは考えつかないような気がする。
蓮の戦う理由を知ってしまった手塚が、今後どうやって蓮を説得するつもりなのかも気になるところだ。
さて、今回の見所は“手塚の周りだけ降っていた雨”だろう。
手塚がウィスクラーケンを見付けてバイクを止めたときには、雨が降っていた。
ナイトとガイが戦っていた場所は、そこから歩いて行ける距離だったらしいが、そこでは雨は降っていなかった。
なぜなぜホワイ?
ライアが真司のいる場所に飛び出してきたとき、変身したとき手塚が被ってたヘルメットがなくなってることよりも重大な問題のような気がする。