『仮面ライダー龍騎』
第15話 鉄仮面伝説
2002/5/12 放映
(Story)
手塚が占いに使っていたナイトのマークを書いた紙は、風で飛んで行灯の炎で燃え上がる。
それを見た手塚は、ナイトがサイ型のモンスターを連れたライダーに倒されるビジョンを見た。
OREジャーナルでは、大久保が人間ドックに入ることになり、その間、優衣がバイトとして手伝うことになった。
真司と優衣で明林大学で目撃された“人間か幽霊か分からない仮面の男”の取材をすることになった。
そして蓮は、手塚の「本当に誰かを殺せるつもりか?」という言葉と、吾郎の生存を知って素直に喜ぶ真司を見た自分自身が言った「確かにこいつはバカだが、俺やお前(北岡)よりマシな人間かもな」という言葉との間で迷っていた。
そんな蓮の前に手塚が現れ、蓮に
自分の中の矛盾に耐えきれなくなっている。違うか?
何がそんなに悲しいんだ?
と問い掛ける。
その夜、深夜の大学内を見回る真司と優衣は、黒ずくめの仮面の男が倒れているのを発見した。
男の名は「みかみなおや」。明林大学のネットゲームクラブ「マトリックス」の部員だった。
真司達は、早速マトリックスに聞き込みに行くが、部員達は相手にもしない。
だが、真司達が編集部に帰ると、鉄仮面の男が「KILL
YOU」と言ってくるメールが届いていた。
マトリックスが関わっているのは間違いないようだった。
その夜、花鶏に戻った蓮の前に再び手塚が現れた。
ちょうど真司と優衣も帰ってきたため、ライダー3人が花鶏の店内で一堂に会することになる。
「ライダーの力はモンスターを倒すためだけに使うべきだ」と言う手塚に、真司は
初めてライダーでまともな奴に会ったよ
と喜ぶ。
手塚は真司を占い
お前が今追ってる事件…それを通してお前は新しいライダーに会うだろう
と予言する。
そこに令子から連絡が入った。
例のメールから送り元のコンピュータをハッキングした結果、マトリックスのメンバーは“鉄仮面達が戦って最後の生き残りを決めるゲーム”をしていることが分かったという。
真司には、それがまるでライダー同士の戦いのように思えた。
順番で行けば、今夜は日の出埠頭がステージとなるらしい。
埠頭に着いた真司の前には、2人の鉄仮面が倒れていた。
驚いて駆け寄る真司に、黒ローブの男(芝浦淳)が「気にすることはない」と言ってきた。
芝浦は、若いくせに生きる目的もない奴らを自分のゲームで踊らせてやっただけだという。
それによって自分の優秀性が証明されたと言った男に、真司は
まさか、お前ライダーなのか? お前みたいな奴が…
と苛立つ。
そのとき、意識を取り戻した鉄仮面の1人が相手のメダルを奪ってよろよろと去っていく。
それを襲うイカ型モンスター:バクラーケン。
その気配を感じた芝浦と真司は、それぞれ変身してミラーワールドへ。
ファイナルベントでパクラーケンを倒したガイは、龍騎に向き直る。
待て。俺はライダー同士戦うつもりはないんだよ
と言う龍騎に対し、ガイは
あっそ。じゃ、死んでよ
と襲い掛かる。
龍騎は、ドラグレッダーのカードを装填しようとするが、前回のこともあってそれを躊躇い、その隙にガイの攻撃を受けて倒れてしまった。
そしてガイは、龍騎が落としたドラグレッダーのカードを奪って去っていった。
(傾向と対策)
新たなライダー、ガイ登場。
容赦ない攻撃はゾルダ並、性格の悪さは北岡以上かもしれない。
それにしても、肩に付いているバイザーにカードを放り投げて装填するなんて、デザイン上のミスだよな〜。
絶対再現できない装填ということは、オモチャにする気はないということで、おもいっきり「出す気ありません」って言ってるようなもんだよな〜。
それにしても、芝浦が部室で気弱そうにしてたのは、普段ほかの連中に対してそういうキャラクターを演じ、裏ではネット配信で見付けたかのように装って(或いは部員の誰かに見付けさせて)次々とゲームをさせていたていたということなのだろうけど、あそこでわざわざ喋らせてみせたことには、視聴者に対して「あの部には何かある」と思わせる効果はあるものの、芝浦に何か言わせそうに見せること自体は、黒幕が彼ではないと思わせるためのフェイクでしかない。
今回で種が明かされちゃうんなら、あんなことしなくても良さそうな気がする。
さて、ライダーである芝浦自身がライダー同士の戦いをモチーフにしたゲームを作ったということは、あの鉄仮面同士の戦いには、ライダー同士の戦いの未来が投影されている可能性が高い。
ちなみにあの鉄仮面は、『時空戦士スピルバン』の敵ワーラー帝国の戦闘員:キンクロンのマスクだ。
芝浦のゲームの最終目的は「勝ち残ること」でしかない。
まぁ、これは一般的な格闘ゲームの最終目的なわけだが、芝浦にとってライダーとして勝ち残ることは、“最優秀であることの証明”でしかないのかもしれない。
そして、キンクロンバトルの勝者が敗者のメダルを持ち去り、勝った人間が次々と相手のメダルを奪っていくという展開がライダー同士の戦いでも言えるのだとしたら、最後にドラグレッダーのカードを奪ったガイの行動が説明できる。
あのまま龍騎が倒れていれば、いずれ時間切れで真司は死ぬ。
それを狙っているのなら、トドメを刺さないことに説明が付く。
次回予告を見る限り、龍騎はナイトとライアに救われて脱出できるようだし、ブランク体に戻ってしまうようだ。
つまり、全ての武器カードは、ドラグレッダーと契約前の弱いものに戻ってしまったということだ。
しかもモンスター召還のカードを「契約カード」と呼んでいた以上、1枚しかない契約カードがない状態、つまり龍騎がほかのモンスターと契約し直すこともできないということになる。
ここで問題になるのが“ガイがドラグレッダーのカードを自分のバイザーに装填したらどうなるか”だ。
もし、それでドラグレッダーを操れるようになるのなら、本当に“カードキャプター龍騎”状態なのだが、次回予告で芝浦がカードを燃やそうとしているところを見ると、真司を虐めるネタに使っているだけのようにも見える。
しかもOREジャーナルを乗っ取るみたいだし、本気で龍騎を殺す気があったのかと聞きたくなる行動だ。
そもそもゲームを自分で作り、自分の優秀性を誇っているような人間が、他人の作ったルールの上で戦うことは、“いつでもどこでも優秀”と言いたいだけとも考えられるのであって、その点、芝浦の目的はイマイチ希薄だ。
どうも中途半端でいけない。
中途半端と言えば、どうして井上脚本の回はモンスターのエネルギーを吸収しないの?
サイがどうやって吸収するか見たかったのに。
っていうか、『龍騎』にとっては、モンスター吸収は重要な設定なんだから、おろそかにしないでほしい。
さて、今回の見所は“自分に触れた人間を見もせずに殴りかかる蓮”だろう。
せめて相手の顔見てから殴ろうよ。
もし財布拾って声掛けたお巡りさんだったらどうするの?