『仮面ライダー龍騎』
第13話 その男ゾルダ 
2002/4/28 放映

(Story)
 江島に
  私のせいじゃない
  あんなことになるとは思ってなかった
  私はただ死にたくなかった
  神崎優衣…あんたさえいなければ…

と言われた優衣は
  私のせいなら確かめなきゃ
  蓮や真司君のためにも

と、兄の謎に迫る決意を新たにしていた。
 恵里を見舞った蓮は、これまでより真司との間に距離を置き始める。

 そんな中、蓮は街で妙な占い師と出会った。
 その男(手塚海之)は、蓮に
  随分深刻な荷物を背負ってる顔だな
  運命を受け入れてはいるが、何か矛盾も生まれている
  このままいけば…

と話しかけ、蓮のことを占い始める。
 制止しようとする蓮に、男は
  この間、占いで重要な人間に会うと出た
  お前だと思うんだ
  俺の占いは当たる

と言って、ポケットからカードデッキを出して見せるのだった。

 一方、電車の中で人が消えた謎を解くため、人が消える都市伝説を調べ始めた令子は、直通エレベーターの中で人が消えるというものを見付け、真司と共に取材に出掛けた。
 2つのエレベーターを別れて調べることにした2人だったが、真司は吾郎と、令子は北岡と乗り合わせてしまった。
 そして、優衣と携帯電話で話していて、ゾルダの正体が吾郎だと誤解した真司は、吾郎を地下駐車場に連れていき、『折角凄い力を持っているんだから、人を守るために使うべきだ』と説教を始めた。
 真司が吾郎を連れていくのを見ていた北岡は、蓮が真司にゾルダの正体を教えていないことを知り
  思ったより馴れ合っていないのか?
と驚きつつ、割って入って真司を追い返し
  ああいうのが一番つまらない人間だ
と吐き捨てるように呟くのだった。

 そのころ、手塚は、早速戦おうとする蓮に
  俺はライダーの運命を変えようと思っている
  今のままなら、神崎士郎の決めたとおり、ライダーは潰し合う
  俺も死ぬだろう
  言ったろ? 俺の占いは当たる
  だが、決まった運命ほど変えたくなる
  もし、俺がライダー同士の戦いを止めると言ったら?

と語りかけるが、蓮は
  そういう奴は1人知ってる
  1人で十分だ

と答え、2人は変身した。

 手塚が変身したライダー(ライア)は、コピーベントでナイトの剣をコピーして追い詰める。
 そして、ファイナルベントを放つも、わざとナイトにトドメを刺さなかった。
 だが、深いダメージを負ってフラフラになったナイトは、それでもファイナルベントを放とうとする。

 何の収穫もないままビルから帰ろうとする令子と真司だったが、真司はエレベーターで人を襲っている猿型のモンスター:デッドリマーの気配を感じてビルに戻って変身し、ミラーワールドへ。
 また、同時に気配を感じた北岡も変身した。
 デッドリマーに苦戦する龍騎の前に、再びゾルダが現れて攻撃を仕掛ける。
 デッドリマーに逃げられた龍騎は
  お前、さっきの俺の話、聞いてないのかよ!
と叫ぶが、ゾルダは相手にせず、シュートベントで2門のビームキャノン(ギガキャノン)を出して更に攻撃を続ける。
 そして、シュートベントでビームキャノン(ギガランチャー)を出して構えるゾルダに、龍騎は躊躇いつつもストライクベントで応戦する。
 強烈な炎がゾルダを吹き飛ばし、後には何も残らなかった。
 その光景を見て、龍騎は強いショックを受けるのだった…。



(傾向と対策)
 蓮が真司と距離を置き始めたのは、自分の中に真司を認めている部分があることが、ライダーの頂点となって恵里を復活させるという自分の目的と相反する者だからだろう。
 手塚が言うところの「運命を受け入れてはいるが、何か矛盾も生まれている」は、それを意味している。
 ちなみに、北岡は詳しい事情を知らないから、真司がゾルダ=北岡ということを知らなかったのを「蓮と真司が思ったより馴れ合っていない」と評価したが、実は“単に教えられる状況じゃなかった”だけなのだ。
 真司がゾルダの正体を知らなかったのは、真司が釈放された直後に蓮が記憶喪失になり、記憶を取り戻した蓮が真司と距離を置くようになったせいだ。
 間に2週間も経っているから分かりにくいが、真司が釈放された日の翌日に蓮が記憶を取り戻しているのだ。
 その後数日経っているにしても、既に蓮は馴れ合いを避けようとしているわけだから、真司が話を聞けるわけがない。
 本来なら、優衣がそこに気付いて真司にゾルダのことを話しているべきだが、優衣は優衣で江島に言われたことで頭が一杯だからそんなこと思い付きもしない。
 蓮が記憶喪失になってさえいなければ、間違いなく真司は北岡のことを知っていたはずだった。
 で、電波状態が悪いというか、間が悪いというかで、「あの悪徳弁護士の…」で切れてしまった電話だが、勿論優衣は「悪徳弁護士の北岡」と言いたかったのだ。
 それを「悪徳弁護士のところにいる吾郎ちゃん」だと思ってしまったようだ。
 まさか、ここにきて、7話『新種誕生!?』で吾郎ちゃんが取っていたポーズが意味をなすとは思わなかった。
 どうやら吾郎ちゃんは、北岡がライダーだということを知っているようだけど、どうしてだろう?
 本来的には、次回優衣が説明し直さなければならないところだけど、次回予告の真司の様子を見る限り、とてもそんな話が出きる状態じゃなさそうだなぁ。
 暫く妙な勘違いが続くわけか。

 さて、ナイトに負けず劣らずトリッキーな能力を持っているライア。
 どうやら、ライダーの能力はモンスターの能力だけに依っているらしい。
 評論での予想は、どうやらちょっと外れたようだ。
 それにしても、敵の武器をコピーするとは結構怖い能力だ。
 今回は武器だったが、もし、目の前のモンスターをコピーできるとしたら、マグナギガをコピーできてしまう。
 それってある意味最強…。
 でも、敢えてトドメを刺さないように攻撃するあたり、ライダーの潰し合いをしたくないというのは本当なのかも。
 潰し合いをやめさせて、その後どうするつもりなのか?
 最後の1人にならなくても願いを叶える方法を見付けたのだろうか?

 それにしても、ナイトはまた負けてしまった。
 手加減されていなければ、あれでお終いだ。
 シザースは偶然倒せたものの、モンスター相手にもライダー相手にも負けが込んでいる。
 2話で龍騎を追い詰めたのだって、龍騎の側から積極的に攻撃をしていないからだ。
 ストライクベントでも、ドラグレッダーの召還でもいいが、龍騎が攻撃に転ずると非常に強い。
 ゾルダは逃げ延びたようだが、とりあえずあっさりとゾルダを吹っ飛ばしたのは事実だ。
 実は攻撃力高いのだ。
 やっぱナイトのライダー最弱の座は揺るがないのか?

 さて、人が消える都市伝説を追い始めた令子。
 偶然にも、あのエレベーターは本当にモンスターのせいで人が消える場所だった。
 それにしても、猿の分際で赤外線サーチャーだの銃だの持っていやがるとは…。
 道理でバッファローが銃の塊なわけだ。

 ところで、“あと半年で破滅が来るOLらしき女性”だが、その気になれば半年以内に処分できそうな荷物って…もしかして上司との不倫?
 ああいう占い師に占ってもらう人の半分くらいは、恋愛ネタで悩んでいる人だって話だけど。

 さて、今回の見所は“初めてウルトラマンにも仮面ライダーにも変身した役者:高野八誠”だろう。
 ウルトラマンアグルに続き、仮面ライダーライア、しかもどちらも主役ではないという…。
 なかなか真似できないよ、うん。



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