『仮面ライダー龍騎』
第11話 謎の無人電車
2002/4/14 放映

(Story)
 ワイルドボーダーの巻き添えを食って吹き飛んだ龍騎とナイトは、何とか現実世界に戻ってきた。
 だが、蓮は頭を打ったショックで記憶が混乱し、ここ1年ほどの間の出来事を思い出せなくなってしまう。
 翌朝、蓮は「行かなければならない所」を思い出すために記憶を辿ろうと花鶏を抜け出し、心配した真司は蓮を追い掛ける。
 また、こんなことを続けていたらいずれ蓮も真司も死んでしまうと考えた優衣は、士郎の行方を探す手がかりを掴むために士郎が在籍していた清明院大学を訪ねるのだった。

 一方、北岡をブラックリスト入りさせて取り敢えず気が済んだ令子は、『突然隣の車両ががらんどうになった』という読者からの調査依頼で、副都心線の電車を調べることになった。
 電車に乗った令子は、空っぽの車両を見付けて足を踏み入れる。
 すると座席の陰からよれよれの男が転がり出て何事かブツブツ呟いていた。
 車両が空なのは、その男を気味悪がった客達がほかの車両に移って行ったからだったらしい。
 その男は、駅に着くと「逃げないと…」と呟きながら降りていった。
 失望して帰ろうとする令子だったが、ふと隣の車両の女子高生の声が聞こえなくなったことに気付いた。
 隣の車両を除いた令子は、確かに車両が空になっていることに唖然とする。
 そのころ、ちょうど電車が通ったガード下にいた真司は、電車の中からモンスターの気配がすることに気付いた。
 真司は蓮に
  あれは俺が引き受けるから、お前は大事なことを思い出せ
と言い残して変身し、ミラーワールドへ入っていった。
 電車からモンスター:ゼノバイターを追い出して戦う龍騎は、苦戦しながらもゼノバイターを倒す。
 そして、真司の変身を目の当たりにしたことで、蓮の記憶が回復し始めた。
 室内を飛ぶダークウイング、カードデッキを差し出す神崎士郎、そして海辺で
  お願い。ね? 待ってるから
と微笑む女性…。
 蓮は「恵里…」と呟いた。

 そのころ、大学を訪ねた優衣は、士郎を知る人間が学内に残っていないことを聞かされ、図書室で『清明院大学四十年史』を調べているうちに、2001年の江島研究室に士郎が在籍していたことを知る。
 
 電車から降りたよれよれの男:江島均は、『SEAL』のカードを手に「私のせいじゃない…」と言いながら何かから逃げ続ける。
 その背後にテラバイターが迫っていた。



(傾向と対策)
 今回は真司節が爆裂していた。
 「(蓮は)畳の上じゃ死ねないね」と言う沙奈子に「やなカンだな…分かるけど」と呟いてみたり、蓮を放っておけなくて一所懸命付いていったり、モンスターのことなんかすっかり忘れている蓮に向かって「あれは俺が引き受けるから」とか言ってみたり、実にらしい行動だった。
 龍騎に変身してからも、ソードベントで降りてくるはずの剣を弾き飛ばされて
  あ、あれ…? あー!!
とか言ってるし。
 その後、ストライクベントを囮にしてゼノバイターにブーメランを使わせ、その隙に剣を拾うなど結構頭使ってるのもなかなか。
 しかも「残念だったな」と余裕たっぷりに語りかけるオマケ付きだ。
 この辺、龍騎と真司に一体感が非常に感じられる。
 また、狭い車内での戦いを嫌ってライドシューターで外に叩き出すというのもナイスだ。
 移動し続けるモンスター(電車が動いてるせいだが)に対し、ライドシューターで追い掛けるというのも、初めて存在意義がはっきりしたという点で非常に良かった。
 確かに通常のミラーワールド突入ではゼノバイターに追いつけなかったはずだ。
 それにしてもゼノバイター、テラバイターって何のモンスター?
 異常に素早く乗客喰ってるんですけど。

 いやー、それにしても今回は話が進んだ。
 ちゃんとモンスター吸収してたし。
 江島研究室のメンバーは全部で6人。
 写真の向かって左から田宮耕太、江島均教授、神崎士郎、小川恵里、○村創(この人だけ表示しきれてない)、西本良平だ。
 真司がカードを拾った榊原耕一は含まれていないから、ほかのライダーがこのメンバーの中にいるということはなさそうだ。
 士郎の本名は高見士郎じゃないのかという突っ込みを入れたいのは山々だが、大筋が見え始めてきて嬉しいから水に流そう。
 
 どうやらカードデッキは、江島研究室での士郎の研究によって生み出されたもののようだ。
 そして、江島のセリフ
  こんなことになるなんて…、私には分からない
  私のせいじゃないんだ
  逃げないと…

や、彼が封印のカードを持っていたということは、彼自身それに少なからず関わっており、その重圧やつけねらうモンスターから逃げているということも考えられる。
 また、モンスターが人を襲うようになったのが数か月前(番組開始時に半年ほど前と言っていた)ということとも関連があるんだろう。
 大学の事務員は、関係者は退職したりなどして既に大学には残っていないと言っていた。
 職員と呼べるのは教授だけだから、後の4人はみんな行方不明になっているということだろう。
 次回予告の
  研究室のみんなが犠牲になった
  神崎士郎に殺されたも同然だ

という言葉や、士郎の
  俺を殺すか、それとも戦い続ける道か、好きな方を選べ
という言葉からすると、蓮の戦う動機は、モンスターに喰われたもしくはミラーワールドに何らかの形で封じ込められる羽目になった恵里を復活させるためなのだろう。
 ダークウイングが飛んでいたのは研究室の中だったようにも思えるから、下手をすると恵里を喰ったのがダークウイングというオチもあり得る。
 恵里の回想シーンが『アギト』の雪菜の海辺のシーンを彷彿とさせるのが引っかかるが、とにかく来週への興味を惹かせる引っ張り方だった。

 それにしても、電車の中で行方不明になった人達はどういう扱いになってるんだろう? 警察は信用してくれないって話だったし。
 そういや令子のブラックリスト、警察官の名前も入ってたけど、やっぱ須藤雅史(シザース)も入ってるのかしら?

 さて、今回の見所は“開店直後からわんさか押し寄せる客達”だろう。
 あんなに客入ってりゃ、そりゃ海外旅行にも行けるわな。



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