『仮面ライダー龍騎』
第4話 学校の怪談2
2002/2/24 放映

(Story)
 ギガゼールを倒し、少女の悲鳴で駆け付けた真司が見たのは、蓮の前でうずくまる少女と、その上で羽ばたくダークウイングだった。
 ダークウイングはすぐに消えたが、真司はモンスターの気配を感じないことから、蓮が少女を襲っていたものと思って蓮を問い詰めるが、蓮はさっさと引き上げてしまった。
 そして真司は、昨晩消えた教師の中村について取材に来た令子と出会う。
 令子から、中村が消えたのが昨晩蓮に会った場所だったことを聞いた真司は、ますます蓮に対する疑惑を深めた。
 その夜、真司は優衣を訪ねて蓮に気を付けるよう忠告するが、逆に優衣から蓮より真司の方が信用できないと言われてしまった。
 蓮と共に戦い続けてきた優衣にとって、何かはっきりした目的を持って苦しい戦いを続けてきた蓮の方が信じられるのだという。
 そのころ、蓮は狙われた少女の自宅前で張り込みをしていた。
 釈然としない真司は、翌朝、蓮を追い求めて南新宿小学校に向かった。
 そんな真司に、蓮は
  お前はライダーになるには甘すぎる
  その安っぽい正義感で誰かを殺せるか
  お前はこの戦いに何か背負っているものはあるのか
  
と問い詰める。
 蓮を殴り飛ばした拍子にペンダントを引きちぎった真司は、そのペンダントヘッドが女物の指輪だと気付き、蓮がその指輪の持ち主のために戦っているらしいことを知った。
 そして真司は
  お前への借金
  とりあえずそれを返すまでは死なないよ、多分ね

と答えて蓮を呆れさせる。
 そのとき、モンスターの気配を察知した2人は、モンスターに襲われそうになった少女2人を助けた。
 そして、モンスターの気配を感じられないことをいぶかしがる真司に、蓮はモンスターが素早く感知圏外に逃げてしまうからだと教える。
 そのことで、蓮に対する誤解を解いた真司は、蓮と共に変身してミラーワールドへモンスターを追うことにした。
 そして、ミラーワールドでギガゼールとメガゼールの2体を追い詰めたナイトは、メガゼールは自分が倒すと言い、理由を聞く龍騎に
  あの時、奴のスピードについていけなくてマンションの男を救えなかった
  プライドの問題だ

と答えた。
 その答えに、蓮なりに被害者を救おうとしていることを知った龍騎は、メガゼールをナイトに任せてギガゼールと戦う。
 ナイトの戦いを見本にしてドラグレッダーに加勢させた龍騎はギガゼールを倒し、ナイトもまたメガゼールを倒した。
 そして、真司と蓮は、反発しながらもお互いに相手をある程度認め合いはじめた。

 そのころ、令子は、被害者のうち4人がアンティーク関係の趣味を持っていたことを知って、その4人の関係者を訪ねるため、車を走らせていた。
 そして、アンティーク店の中には、カニのマークのカードホルダーを持った男が…。


(傾向と対策)
 前回、中村先生が突然消えたことについてのフォローはあるだろうかと書いたが、どうやら警察沙汰になっていたようだ。
 令子が生徒に中村先生の様子について取材していたことからすると、生徒もちゃんと知っているということだろう。
 分かった上で、生徒が動揺しないよう平常どおりに授業を続けていたようだ。

 さて、真司の言葉から、契約したモンスターも相変わらず人を食いたがっていることが分かった。
 恐らく契約者が許可しない限り人を食べることはできないということなのだろう。
 その分ほかのモンスターを食わせるというのがライダーとの契約なのかもしれない。
 だとすると、モンスターを食べさせ続けなければ契約違反ということになるだろうから、ライダーになると戦い続けなければならないという優衣の言葉と符合する。
 契約違反になった場合、ライダーはもしかすると最初の犠牲者になってしまうのかも…。


 そして、今回のテーマは、真司と蓮の和解ということになるのだろう。
 蓮は、真司を単なるお調子者と認識していたようだから、真司には何も説明しないで独自に戦っていたわけだ。
 だが、真司の甘ちゃんぶりは予想以上だった。
 真司の「安っぽい正義感」は、“蓮への借金3万円を返すまでは死なずにライダーとしてモンスターから人を守り続ける”という無茶苦茶なレベルだったのだ。
 何の脈絡もない、ある意味バカでしかない目的なのだが、その一途さは蓮の評価の対象にはなったようだ。
 真司もまた、蓮が自分なりの正義感をもって人を守ろうとしていることを知った。
 真司にしてみれば、苦戦しているナイトを助けた後で襲い掛かられたというわだかまりがあるわけで、蓮を信用できなかったことにはそれなりの理由がある。
 今回のナイトの「奴のスピードについていけなくてマンションの男を救えなかった」という言葉は、そのわだかまりを打ち消すだけの威力があったようだ。
 こうして“反目しながらもそれなりに相手を認め合う2人”という図式ができあがったわけだ。
 暫くは、いがみ合いながら協力して戦う状態が続くのだろう。

 さて、一方の優衣は、蓮のことを
  性格悪くて意地悪でケチで好き嫌い激しくて何考えてるか分からないけど、きっと何かのために戦ってる
  だから私は蓮を信じられる

と評している。
 優衣自身も蓮の戦う目的は分かっていないようだが、仮にも一緒に戦ってきた仲間をよくもここまで言えたものだ。
 悪意がないのは分かるけど、凄いなぁ。
 ついでに言うと、真司に「蓮の何を知ってるの!?」と噛みついていたけど、真司は仮にも殺されかけたわけだから、「いきなり俺を殺そうとしたような奴だってこと」と答えたら、どうするつもりだったんだろう?
 ま、優衣はあまり論理的なタイプではないようだから、感情論で爆発して終わるだけかもしれないけど。

 さて令子は、被害者の中にアンティーク趣味のある人間がいることに気付いた。
 考えてみれば、アンティーク系のものには、鏡台や光り物付きの製品など、結構ミラーワールドとの接点になりそうなものが多い。
 何十人といる中のたった4人ではあるけれど、本当にいい切り口だと思う。
 あとは、またモンスターにつけねらわれないことを祈るだけだ。

 さて、今回の見所は“まだ変身していないのに「仮面ライダー」とテロップに出たシザース”だろうか。
 いや、変身前の名前を出したくなかったんだろうけどさ、「謎の男」とかでもいいじゃん?



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