『仮面ライダー龍騎』
第3話 学校の怪談 
2002/2/17 放映

(Story)
 突然襲い掛かってきたナイトに翻弄される龍騎。
 ナイトが龍騎にトドメを刺すべくファイナルベントカードを取り出したとき、ガラスを叩き割って注意を惹いた優衣の叫びが響く。
  蓮! これ以上続けるなら、あたしもうあなたと組まない!
 その声を聞いたナイトは、渋々攻撃の手を止めた。
 現実世界に戻ってきた真司は、蓮に食ってかかるが、蓮は優衣に
  分かっているはずだ、ライダーは共存できない
と答える。
 ライダーが“ミラーワールドのモンスターと戦うための存在”だと思っていた真司は、その言葉に驚くのだった。

 翌日、出勤した真司は、取材現場であるグローバルプラザで令子と合流しなかったことから、責められることになってしまった。
 その夜、夜食の買い出しに出掛けた真司の前のガラスに映った見知らぬ男が
  お前が龍騎か
  言っておく
  最後に存在できるライダーはただ1人
  ライダーを倒すんだ
  戦え

と言って走り去った。
 ガラスに映った姿だけでどこにいるか分からないその男のを追った真司は、見失った辺りで地面に落ちている鞄や植木鉢の残骸を見付け、その近くにいた蓮を見付けたが、蓮はそのまま走り去ってしまった。
 実は直前に、その場所で小学校の教師がレイヨウのモンスターに襲われており、落ちていた物はその教師の持ち物だったのだ。

 そのまた翌日、男の言葉が気になった真司は優衣を訪ねて花鶏(あとり)へ向かった。
 そこで真司は、優衣の口から、神崎士郎がカードデッキを作ったこと、優衣は幼少の頃から鏡の中のモンスターを見ることができたこと、両親が死んで以来2人は別々の親戚に引き取られたため、滅多に会えなかったこと、兄から真実を聞きたくて探していることなどを聞いた。
 そして、優衣と士郎が一緒に写った写真を見た真司は、昨夜会った男が士郎だったことを知る。
 ライダー同士が潰し合いをしなければならないことについて、蓮の言葉だけでは半信半疑だった優衣も、真司の口から同じ内容が出たことで信じざるを得なくなった。
 兄が何のためにカードデッキを作ったのか思い悩む優衣が
  モンスターが人を襲うようになったのも、お兄ちゃんのせいかもしれないし
と言い出すのを聞いた真司は
  カードデッキ作ったのだって、モンスターからみんなを守るためかもしれないだろ
と慰める。
 そして
  そんな証拠ないでしょ
と言う優衣に
  じゃあ俺が証拠になる
  少なくとも俺はモンスターと戦うために変身する
  誰かを守るためだけに変身するから

と誓うのだった。

 そのころ、モンスターに襲われた教師の勤めていた南新宿小学校では、少女を狙って2体のモンスターが動き始めていた。
 蓮は小学校にいち早く到着し、モンスター出現を感知した真司もまた小学校に向かった。
 そして、少女にモンスター:ギガゼールが襲い掛かろうとした瞬間、間に合った真司が割って入り、モンスターは窓に消えた。
 少女を逃がした真司は、龍騎に変身してミラーワールドへと赴き、ギガゼールをストライクベントで倒した。
 だが、ホッとした龍騎の耳に少女の悲鳴が聞こえた。
 現実世界に戻った真司が見たのは、蓮の前でうずくまる少女と、その上で羽ばたくダークウイングだった。



(傾向と対策)
 カードデッキを作ったという神崎士郎が突然現れた。
 真司に向かって「お前が龍騎か」と呼び掛けたということは、士郎は龍騎の名を知っていたということになる。
 それは、前回蓮が「龍騎か…今のうちに潰しておいた方が良さそうだな」と言ったことと関連があるのかもしれない。
 つまり、最初から契約用のモンスターは数体決まっていて、それぞれと契約したライダーには決まった名前が付くようになっているかもしれないということだ。
 或いは、単に蓮が思い付きで「龍騎」という名を付け、それをどこかで聞いていた士郎が呼び掛けただけなのかもしれない。
 いずれにしても、士郎は実態を見せないままに次々と方向の違うガラスに姿を映すという非常に難しいことをしており、特殊な能力の持ち主或いは姿の見えない状態のどちらかではないかと思われる。
 ミラーワールドには生身の人間は行けないはずだし、あれだけあちこちのガラスに映るのは、ミラーワールドにいては不可能なはずだから、一応こちらの世界にいるとは思うのだが。

 そして、仮面ライダー同士を戦わせようとしているのは何故なのか。
 もちろん、ライダーを倒す=殺すではないから、能力を奪うとか契約しているモンスターを殺して飲み込むとかすることなのかもしれないが、いずれにしても最終目的は能力を統合して最強の戦士を生み出すことのように思える。
 本当のところは、当分明かされないのだろうが。

 さて、優衣がかなりのブラコンである理由や、士郎の名字が「高見」に変わった理由が分かったわけだが、優衣がミラーワールドのモンスターを見ることができるのは結局本人の特殊能力だったようだ。
 もしかしたら、カードデッキが作られた当初の目的は、彼女が見たのが事実であることを証明するためだったのかもしれない。
 だが、かなり昔から存在していたはずのモンスターが、ここ半年ほどの間だけで相当数の被害者を出しているということは、半年前に何らかの出来事があってそれが原因になっているということなのだろう。

 真司は、蓮と優衣が“世のため人のためにモンスターと戦っている”と思っていたからこそライダーになったわけだが、どうやら元々困っている人を放っておけないタイプらしく、ガラスを割ったことで困っている優衣を庇ってガラス代を弁償しようとしたり、兄を信じ切れずに悩んでいる優衣を慰めるために「誰かを守るためだけに変身するから」などと誓ってもいる。
 後先考えない性格は少々問題だが、ヒーローとしては悪くないと思う。
 これからどういう風に成長していくのか楽しみだ。

 それにしても、ガラスに向かって訳の分からないことを叫んでいる優衣は、やはり端から見ているとかなり変な人だった。
 しかも、いきなりガラス割っちゃうし。
 でも、真司にしろ蓮にしろ、屋上のガラスからミラーワールドに入ったのに、どうして割れたガラスの前(1階)でもめてたんだろう?

 あと、龍騎がライドシューターで移動した後に出てきた場所がミラーワールドに入った場所と同じ場所ってのはどういうことだろう?
 1話でも2話でも、ライドシューター使わずにすぐ行けたじゃん。
 ある程度の距離を移動してからミラーワールドに行くためとか、そういう使い方はしないのかな。

 もう1つ、結構変なミスがあった。
 前回、ディスパイダーが試着室の母親を襲ったとき、OREジャーナルでは昼食を食べていた。
 その後、令子や真司がグローバルプラザに向かい、龍騎がディスパイダーを倒し、ナイトが龍騎に襲い掛かって今回に続いている。
 まだ日は高かったし、ミラーワールドの滞在可能時間の関係もあるから、今回真司がプラザを離れたのは午後3〜4時ころだろう。
 ところが、真司がOREジャーナルの事務所に帰ったときに編集長から「昨日現場に行かなかったそうだな」と言われているから、翌日になっているらしい。
 それだけならいいのだが、蓮と優衣が花鶏に着いたのはその後だったりする。
 しかも、優衣は蓮のバイクを降りるとき、もう真司に襲い掛かるなという意味のことを言っているからグローバルプラザでの出来事を引きずっており、プラザから優衣を送ってきたところだと分かる。
 しかも服も一緒だし。
 一晩どこほっつき歩いていたのだろう?
 これって、編集長の「昨日」ってセリフが間違ってるのよね?

 ついでなので、中村先生が突然消えても問題なく授業が行われている学校についてちょっと考えてみよう。
 朝の段階では、突然連絡なく教師が欠勤し、連絡も付かないというだけのことで、生徒には「風邪のため」とか言い訳しているはずだろうけど、職員室では構問題になっている。
 翌日になっても連絡が取れないと、誰かが家に見に行って、行方不明ということが判明するのが普通だ。
 中村先生が独身ならこういうことになるが、もし所帯持ちなら、奥さんが騒いで既に警察沙汰になっている。
 来週その辺のフォローはあるのかな?

 さて、今回の見所は“財布の中に数万円入っている蓮”だろうか。
 見たところ4〜5万円持っていたようだ。
 常にそんな大金持ち歩いてるの?
 蓮の収入源って何?



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