『仮面ライダー龍騎』
第2話  巨大クモ逆襲
2002/2/10 放映

(Story)
 龍のモンスターの攻撃をからくもかわした2人だったが、身体が分解を始めたことに気付いたナイトは、真司(龍騎ブランク体)に
  この世界にいられる時間は限られてる
  お前も早く脱出しないと死ぬぞ
  来た道を戻れ

と言い残して元の世界に帰っていった。
 なんとか元の世界に戻ってきた真司は、意識を失った。

 翌朝、意識を取り戻した真司は見知らぬ部屋にいた。
 階下に降りると、先程の女性(優衣)とナイトだった男(蓮)の2人がおり、優衣は真司がカードデッキを入手した経緯と「神崎士郎」という男を知っているかを訪ねてきた。
 真司が何も知らないことを知った優衣は、真司にミラーワールドのモンスターが人間を餌にしていること仮面ライダーだけがミラーワールドに行けることなどを話し、真司が龍のモンスターにつけねらわれることを教えて、真司のカードデッキを取り上げて封印のカードだけ渡した。
 真司は、表札から、優衣の名字が「神崎」だと知る。

 その日の昼、グローバルプラザの試着室で、復活したクモのモンスター:ディスパイダーによって、1人の母親が犠牲になった。
 その連絡を受けた令子はOREジャーナルの事務所を飛び出そうとするが、真司は、令子もまた襲われるのではないかと心配して
  令子さんなら、そんな危険なことしなくても、ほかにいくらでもスクープものにできんじゃないですか
と止める。
 だが、令子は、被害者リストをプリントアウトして真司に叩き付け、
  私が真実を追っているのは、心の底からそれを知りたい人がいるからよ!
  このリストの何を見てたの? これはただの文字の羅列じゃないのよ!
  親・兄弟・子供、人1人消えたことでどれだけの影響があると思ってんの

と言い捨てて出ていった。
 真司は、改めて被害者リストを見つめ、そこに被害者の関係者の連絡先が書かれていることにようやく気付く。
 そして、リストの中に「高見士郎(旧姓は神崎)」の名を見付け、優衣が行方不明になった兄を捜しているのだと直感して、初めて残された人間のことに思い至り、グローバルプラザに向かう。
 その真士の後を付けてきた連は、優衣からの連絡でモンスターの出現を知り、真司に
  龍に食われてもいいが封印はするなよ
と言い残して去っていった。
 プラザに着いた真司は、被害者の子供が泣いている姿を見て、令子の言葉を実感する。
 そしてモンスターの気配を追って屋上に来た真司は、既に戦闘を始めているナイトを見守る優衣を見付け、優衣の
  何もかも全部知りたいから
  何も分からないままなんて嫌だから

という言葉に
  俺もあいつみたいに戦えるかな? もう1度仮面ライダーになれば
と言った。
 そんな真司に、優衣は
  駄目。モンスターと契約したら、もう後戻りできない
  ずっと戦い続けるしかない

と止めるが、真司の決意は固く、封印のカードを破り捨ててしまった。
 真司の決意を知った優衣は、カードデッキを返して龍のモンスターと契約するよう教えた。
 真司は、鏡の中から飛び出してきた龍のモンスター(ドラグレッダー)と契約して赤い仮面ライダー(龍騎)となってミラーワールドに乗り込む。
 真司(龍騎)は、ピンチに陥っていたナイトを助けてディスパイダーと戦う。
 ファイナルベントでディスパイダーを倒すと、爆発の中から光の玉が浮き上がり、ドラグレッダーがそれを飲み込んだ。
 ナイトは、事態を飲み込めないでいる真司に
  モンスターは死んだモンスターを吸収することで更に強くなる
と説明し
  龍騎か…今のうちに潰しておいた方が良さそうだな
とつぶやき、龍騎に襲い掛かった。





(傾向と対策)
 前回、ディスパイダーが爆発したときは光の玉は出なかった。
 ということは、ナイトはディスパイダーが死んでいないことを知った上で、時間切れのために帰らざるを得なかったということなのだろう。
 蓮は、決してみんなを守るためという理由で戦っているわけではなく、優衣に何らかの利用価値があるために一緒にいるようだ。
 もちろん優衣も蓮の力をアテにしているわけだが、2人の目的は違うようだし、互いに相手を必要としているから行動を共にしているだけと思われる。
 対して、真司の方はかなりまともな動機で戦うことを選んだ。
 真司が令子に危険だからやめるよう言ったのは、前回令子が襲われかけたことからだろう。
 ただ、真司はディスパイダーが復活していることを知らなかったわけだから、一度狙われた令子が再び狙われるという前提で話をしているわけではなく、被害者がいた場所の近くにまだモンスターがうろついている可能性が高く、近付けば狙われるかも知れないことに気付いているからだ。
 真司自身、モニターの映り込みからドラグレッダーに襲われる可能性を恐れているくらいだから、やはり実際に襲われた恐怖はかなりのものだったのだろう。
 ただ、令子の言葉や優衣の言葉から、モンスターの犠牲者に家族がいて、悲しんでいることに気付き、実際に残された(らしい)少女が泣いている姿を見て、より実感したのだろう。
 また、真司の頭の中では、今のところ優衣と蓮が人々を守るためにモンスターと戦っているという認識なので、自分にもできるのなら助けたいという考えになったのだろう。
 実に自律的に戦うことを選択したわけで、非常にヒーロー的であると言える。

 ところで、とてつもなくあっさりとドラグレッダーと契約できてしまったわけだが、何故だろうか?
 「契約」と言うからには、何らかの条件に従って支配するのだろうが、ある程度のメリットがなければ、ああもあっさりとカードに吸い込まれたりしないと思うのだが。
 モンスターは人間を餌にし、死んだモンスターを吸収して強くなる。
 真司と契約したからには、勝手に人間を食うことはできなくなるだろうが、代わりに龍騎が倒したモンスターを吸収できることになるわけで、人間を食うよりモンスターを吸収した方が効率がいいのなら、真司に力を貸して戦うメリットがあることになる。
 だとすれば、ほかのモンスターをドラグレッダーに与え続けないと龍騎自身が契約不履行で襲われるということにもなりうるから、「ずっと戦い続けるしかない」という優衣の言葉の信憑性が増すことになる。
 もしそうなら、龍騎が負けた(死んだ)場合、ドラグレッダーはどうなるのだろう?
 契約が解除されて自由になるのか、それとも一緒に死んで敵に吸収されてしまうのか。
 後者なら、ナイトがいきなり襲い掛かる理由も分かるのだが。

 それにしても、「SEAL(封印)」のカードが手で簡単に破かれてしまったのには驚いた。
 紙で出来ているのだろうか?
 あれでは、ソードベントのカードなどもあっさりと駄目になってしまいそうだ。
 もうちょっと強い材質だと思ってたのに。

 さて、今回の見所は“クビになるなら早く言ってね”だろう。
 「辞めるなら」なら別だが、クビになるかどうかは真司が決めることじゃないんだから、嫌味でなければ言う意味はない。
 しかも、奈々子は絶対マジで言ってた。
 怖い人だ。


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