『仮面ライダーアギト』
第35話 謎の救世主
2001/9/30 放送
(Story)
バーニングフォームとなったアギトは、パンチ一発でカマキリ怪人(プロフェタ・クルエントゥス)を葬り、エルと対峙する。
意識を取り戻したG3-Xとギルスが見守る中、アギトはシャイニングカリバーを取り出してエルと戦い始める。
アギトに蹴り飛ばされたエルは
そうか、アギトとは限りなく進化する力…
それをあの方は恐れているのか
とつぶやき、再びアギトと刃を交える。
そして、シャイニングカリバーがエルの身体を切り裂いたとき、身体から炎を吹き出したエルは青い光球となって飛び去り、青年の左胸に飛び込んでいった。
見つめ合うアギトとギルスに、G3-Xが
待ってください、あなた達は一体…
と呼び掛けたとき、どこからかうなり声とも雄叫びともつかない声が響く。
それは、未だ病院にいる青年の雄叫びだった。
アァギィィトォォォ…
涼のアパートを訪ねた翔一は、留守宅にメモを残して帰った。
帰宅した涼は、翔一の
色々とありがとうございました。
というメモを見付けて微笑む。
そして、翔一を訪ねてきた真魚にメモを見せ
奴ならもう大丈夫だ
今頃君の家に帰っているだろう
と教える。
礼を言う真魚に、涼は
礼を言うのはこっちの方だ
君の力で蘇ってから変身の後遺症がなくなった
以前はあの姿に変身するたびに身体がおかしくなったんだが、君の力が俺の体質を変えたのかもしれない
と答え、さらに
それから、1つ忠告してもいいかな
もうこれ以上関わらない方がいい
俺にも、あかつき号のメンバーにも
そこは君のいる場所じゃない
そんな気がする
と言った。
そして、これからどうするつもりかと聞かれた涼は
俺は今まで訳の分からない運命に弄ばれてきた
だが、そんなこともうゴメンだ
自分の手で、俺は運命を切り開いていこうと思う
と答えた。
真魚が帰宅すると、元気を取り戻した翔一が大掃除をしていた。
付き合わされている教授と太一はうんざり顔だが、真魚は喜んで手伝うのだった。
そのころ、氷川達は警視庁の自販機前で、昨晩エルがG3-Xを追い詰めながら「お前はアギトではない。アギトになるべき人間でもない」と言ってトドメを刺さなかったことについて話して合っていた。
小沢「単純に考えれば、やっぱりアギトの正体は人間ってことね
そして、アンノウンはアギトになる人間を襲っている」
尾室「アンノウンは超能力者を狙っているんじゃないんですか?」
小沢「アギトになる人間が、その前触れとして超能力を使えるようになる…そう考えれば辻褄は合うわ」
尾室「でも、アンノウンに襲われた人って結構な数ですよ
そんな沢山の人間がアギトになるっていうんですか?」
小沢「そうね、ちょっと信じられないけど」
そこへ北條がやってきて、氷川から聞きたいことがあると言う。
北條は、氷川と2人きりになると、あかつき号事件について質問をしてきた。
北條「救出した人々の様子に何か変わったところはありませんでしたか?」
氷川「いえ、みんなただ怯えきった様子で…」
北條「怯えていた? 何に対して?」
氷川「あんな目にあったんです、当然のことだと思いますが」
それを聞いた北條は、何事かを考えていた。
一方涼は、頭上を通り過ぎたカラス怪人(コルウス・カノッスス)を見付け、カノッススに吹っ飛ばされたばかりの被害者を見付けた。
すると、現れたバイクから降り立ったサングラスの男が『まだ脈があるから病院に運ぶのを手伝ってほしい』と言ってきた。
男は、病院に運びこんだ被害者が緊急手術を要し、しかも成功率が低いことを知ると、執刀医を殴り倒して自ら手術を行い、鮮やかな手並みで被害者の命を救って去っていった。
その夜、夕食の後片付けをしていた翔一は、元気になったのは涼のお陰だという真魚に、変身できる者同士、本当に分かり合えるような気がすると答え、真魚は
でもさ、葦原さんも変身できるってことは、ほかにも同じような人がいるかもしれないってことじゃない?
と答えた。
翔一は、ほかにもアギトがいたら会ってみたいと無邪気にはしゃいでいた。
そのころ、あかつき号で起きたことを訪ねるため再び真島を訪ねた僚は、木野の許しがないとあかつき号については話せないと断られていた。
涼は
大体葦原さん、もう凄い力持ってんだからさぁ、何も悩む必要ないんじゃない?
と言う真島に
力があればいいってもんじゃない
目的がなければ意味がない
と答える。
真島は、涼からの「力があったらどうする?」という問いにまで「きっと木野さんが教えてくれるよ」と答え、再び木野のアパートを訪ねた。
以前無施錠だったはずの木野のアパートには鍵がかかっており、ドアの前で途方に暮れる真島をピラニア怪人(ピスキス・セラトゥス)が襲う。
変身してセラトゥスと戦うギルスだったが、セラトゥスの猛攻の前に苦戦し、ついに変身が解けてしまった。
そのピンチに昼間のバイクの男が現れる。
真島から「木野さん!」と呼ばれたその男は、2人の目の前で変身し、セラトゥスと戦う。
そして、木野の足下にアギト同様の紋章が浮かび上がった!
(傾向と対策)
あかつき号アギト1号誕生!
やっぱり木野はアギトになっていた。
さーて、何て呼ぼうかな♪
どうやら息子の雅人共々雪山で遭難して、壊死した右腕に死んだ雅人の腕をくっつけたって感じかな?
どうやらキックの体勢に入ったところでアギト同様の紋章が浮かんだようだけど、左肩のマークもバイクのマークもアギトとは若干違うみたい。
肩胛骨の上辺りからV3みたいな生え方している赤いマフラーといい、いかにもバッタ男って感じの顔といい、昔の仮面ライダーとかを意識してデザインされているようだ。
マウスガードが開いたりするのは、ギルスみたいな生物感を出すためか?
変身前も、さすがに夜はサングラスしてなかったけど、よく見りゃ全身黒ずくめ。
手術着まで黒いんだもんなぁ…。
次回予告では、「この世のアギトは俺1人でいい」なんて物騒なこと言ってたけど、やっぱ普通の人が強烈な力を持っちゃうとロクなことにならないって代表なのかな?
もしかすると、以前真澄に涼を殺すよう命令したのも、既に変身能力を身に付け始めていて、『自分以外に変身できる奴はいらない』とか思ってのことだったりして。
で、涼は、生き返って以来、ギルスに変身しても老化しなくなったようだ。
死を乗り越えてレベルアップしたのか、真魚の力で体質改善したのかは分からないが、これで今後は自由に変身しまくれる。
それにしても、エルはやはり死にかけてホムンクルスに吸収されてしまったのだろうか。
『水のエル』ということは、ほかにも五行(火水木金土)とかに合わせて『火の〜』とか『土の〜』とかいう手強い奴がいそうだけど、それらを全員吸収するとホムンクルスが最強の敵になるとかいうオチじゃないだろうな。
『アギトとは限りなく進化する力』ってことは、放っときゃアギトやらギルスやらあかつき1号(仮名)やらはガンガン強くなるってことか。
でも、力に溺れないで生きていける人間って少ないんだよね。
ホムンクルスが憂いているのもそういうことなんだろうか。
すっかり大人になった北條が早く真実に到達してくれることを祈ろう。
で、今回は、珍しく2種類の怪人が同時期に活動している。
どうやらあかつき号以外を襲っているらしいカラス怪人白髪:コルウス・カノッススは、体当たりで吹っ飛ばして殺すという、えらく力業な殺し方をしている。
カノッススについては、白髪というような意味のラテン語らしい。
天才とかいう意味のラテン語だったら、小沢に焼き肉奢ってもらうところなんだが。
ピラニア怪人ピスキス・セラトゥスの方は、セラトゥスはラテン語で鋸歯という意味だそうだ(情報提供:深黄泉さん)。
で、前回までは小沢達が半袖の夏服を着ていたが、今回から冬服になったことから、今回が10/1の物語であることが分かる。
…ちょっと待て。
確か真魚が花火に行ったのが8/24で、その翌日くらいに家出して、3〜4日後には涼が生き返っているはずなんだが…。
で、涼が生き返った日にアギトはエルに破れて、その翌日に立ち直った、と。
鷹羽の計算によれば、まだ8月末だったはずなんだが。
いつの間に1か月経ったんだ?
…衣替えって9/1からだったっけ?
さて、今回カノッススの被害者をバイク2台で運んだ木野と涼だが、どうやって運んだのだろうか?
強い衝撃で打撲を負ったことは、木野にはきっと分かっているだろうから、下手に揺らしたりできないことも分かっているはず。
まさか、バイクを並べて上に載せ、歩いて引っ張ってきたんじゃ…。
さて、今回の見所は“意識を取り戻したG3-Xの背後にあった翔一のバイク”だろう。
ホムンクルスの雄叫びに気を取られているうちにアギトもギルスも消えてしまったんだろうが、アギトはどうやってバイクを回収したの?
氷川がよ〜く知ってるバイクがそこに置いてあったはずなんだけど。
PS 鷹羽の友人にも、缶コーヒーがまずくて飲めないという人がいます。
でも、その人はインスタントコーヒーは喜んで飲みます。