『仮面ライダーアギト』
第16話 怪しい女…
2001/5/13 放送
(Story)
榊亜紀が何者かに電話をかけている時、涼が亜紀のアパートを訪ねてきた。
亜紀は、涼が名乗った「葦原」という姓に驚愕するが、その後何食わぬ顔でドアを開けた。
そして、亜紀もあかつき号に乗っていたのではないかと問い掛ける涼に対し
何か分かったら私にも教えてくださいね
と言い残して立ち去る。
翌朝、涼は出掛ける亜紀を尾行するが、気付いた亜紀にまかれてしまった。
警視庁では、昨日の3件の殺人事件が、全てかまいたちによって頸動脈を切られるという特殊な方法で行われており、偶然の一致とは考えられないことからアンノウンの仕業と断定した。
被害者3人は兄弟だが、ほかに血縁関係者はおらず、次の犠牲者は予測できない。
そのためG3システムによる対応も遅れざるを得ない状況から、アギト捕獲作戦による成果が期待されていた。
北條は、自信たっぷりに作戦準備状況を報告し、速やかにアギト出現場所に到達できるよう準備を整えつつあった。
その頃、とりあえず熱が下がった太一は、翔一・亜紀とババ抜きをして遊んでいた。
帰宅した真魚は、場に妙に溶け込んでいる亜紀が面白くないが、怒りのぶつけどころが見付からずにイライラしていた。
一方、青年は、病室を訪れていた沢木に
君は、人間を知りたいと言いましたね
人間はみんな同じです
全ての元を訪ねてみなさい
と言い、梵字の力で沢木をあるサラリーマンの心情と同調させる。
理解されない悲しみと、理解して欲しいという渇望に身を焦がすその心に呆然とする沢木を、青年は黙って見下ろしていた。
亜紀と翔一が夕飯の買い物に出掛けている間に氷川が美杉家を訪ね、真魚にビデオテープから拾い出した「こっちへ来て…」という声を聞かせた。
だが、真魚はその声に心当たりがないと言う。
真魚の様子が少しおかしいことに気付いた氷川は、帰庁途中に見かけた翔一に理由を聞こうとするが、亜紀は氷川の顔を見た途端、顔色を変えて逃げ出してしまった。
反射的に追い掛けた氷川は、亜紀の顔に見覚えがあることに気付く。
氷川を振りきってなおも逃げる亜紀の前に涼が現れる。
あなたの知りたかったことを話すわ
という亜紀の言葉に、氷川を殴って亜紀を逃がす涼。
そして、追いついた翔一に抱きついた亜紀は
お願い、思い出して翔一さん
と呼び掛ける。
その後、美杉家で、亜紀はかつて翔一と恋人同士で、突然行方不明になった翔一を捜していたのだと語った。
ヒステリーを起こした真魚に追い出された亜紀は、帰宅途中スケロスに襲われる。
アギトの到着で危機を脱して逃げ出した亜紀だったが、アギトを蹴り飛ばして追いついたスケロスが再び迫る。
その前に立ちふさがった涼は、亜紀の前で変身してスケロスと戦う。
落としたバッグを拾うことも忘れて逃げ出した亜紀。
そしてトルネイダーで走るアギトは間に合うのか。
(傾向と対策)
今回は決着がつかず、いわば中編的状態になっている。
そのせいで戦闘シーンが少ない分、前回の戦闘シーンを冒頭に持ってきている。
上層部がアギト捕獲作戦に同調した理由は、どうやら“アギトがアンノウンの出現を察知する能力を解析したい”ということのようだ。
確かに、アンノウンを捕らえてもその生態・共通する弱点が分かるとは限らないから、アギトを捕獲しようという理由にはなるが、考えてみればアンノウンを倒すほど強いアギトを捕らえるよりもアンノウンを捕らえる方が簡単なような気がするのだが。
アギトはG3を攻撃したこともあるのだし、絶対的な味方とは言い切れないし、その目的も分かっていない。
つまり、捕獲しようとしたことが原因でアギトが警察全体を敵と見なす可能性もあるわけだ。
この点について、目が曇っている北條はともかく上層部はどう考えているのだろうか。
それにしても今回の話はひどい。
場面の羅列というか、1つ1つの場面がまとまらないまま話が終わっていて、1つの話として構成されていない。
主な原因は“空間をねじ曲げて逃げる女”亜紀の存在だ。
亜紀は、氷川の顔を見た途端、顔色を失って全力逃亡したため、氷川に必要以上に不審を抱かれる結果になっているし、氷川から逃げるために、その場しのぎで涼に「知りたかったことを教える」などと安請け合いしている。
本気で話すつもりならいいが、そうでないのなら言ってはいけないセリフだ。
涼は亜紀のアパートを知っている。
こんなことを言えば、すぐにでも訪ねてくるだろうから、引っ越して逃げることなどできまい。
着の身着のまま逃げるしかなくなるわけだ。
しかも、その後突然に翔一に『恋人だった』宣言までしている。
ニセ家政婦問題は解決したものの、『津上翔一』が本名かどうかすら分からない翔一を『専門学校の同級生』扱いはないだろう。
真魚も真魚だ。
恋人だと名乗ったのなら、翔一の実家の住所を言わせてみればいい。
実家でなければ元の住所でもいい。
それで全てが嘘であるということが分かるし、よしんば嘘でないなら、翔一の過去を知るチャンスなのだ。
嫉妬に狂ってそんなことにも気付かない真魚も困ったものだが、こんなその場しのぎの言い訳ばかりしている亜紀のために、今回は非常に程度の低い話になってしまった。
最大のポイントが“翔一の真似をして魚の口に小指を突っ込む氷川”では話にならない。
特にラストの亜紀の逃走はひどすぎる。
氷川と亜紀を後ろから追い掛けていたはずの翔一は、更に逃げ進んだはずの亜紀の前方から現れ、氷川を殴った後亜紀を追い掛けたであろう涼は、亜紀に追いつけなかった。
また、アギトに助けられた亜紀が逃げた後、追いついたスケロスが前から現れるのはともかく、さっき追いつけなかった僚がいきなり現れるのはなぜ?
居場所は分かるだろうけど、どうやって歩いて亜紀に近づけるような距離で追跡していたの?
そしてアンノウンの所在を感じることのできるアギトは、トルネイダーでどれだけ走ったら亜紀に追いつけるのか?
亜紀ってやっぱり空間をねじ曲げて移動してるんだな、きっと。
でもさ、涼が氷川を殴ったのって、警察だって名乗ってないから公務執行妨害にはならないけど、完全に暴行の現行犯で逮捕できるネタだよね。
涼もいきなり殴らなくたっていいだろうに。
おまけに一般人の前で変身してみせるし。
恋人にまで逃げられたくせに、全然懲りてないのね。
今回の“小沢語録”はお休み。っていうか、書くようなものがない。
さて、今回の見所は、1日中走って亜紀を探し続けた涼だろう。
涼がまかれたのは朝で、亜紀を見付けたのは高校生の真魚が帰宅した後だ。
つまり、朝9時ころから夕方4時過ぎまで探し続けていたということになりそうだ。
根性あるよね。
あと、ポーカーフェイスから最も離れたところにいる翔一だね。
本人に自覚があれば、裏返しにして出して、本人も知らないまま相手に選ばせるという勝率の高い方法があるんだけど。