『仮面ライダークウガ』
EPISODE46不屈


(Story)

 椿の手で再び電気ショックを受けた雄介は無事復活した。
 椿の見立てでは、雄介は電気ショックを受けやすくするために自ら心臓を停止したという。
 目覚めた雄介は、「体中に力の元がみなぎっている」と言って飛び出して行った。
 
 捜査本部では、46号(ゴ・ガドル・バ:カブトムシ種怪人)と47号(ラ・ドルド・グ:コンドル種怪人)が戦うセントラルアリーナ近くの雑木林を追込ポイントとすべく、半径3km以内の住民を避難させていた。
 一条の元に駆け付けた杉田・桜井に、千葉県警のTRCS2000Aが神経断裂弾を届けた。
 それぞれ弾丸を装填した3人は、外へ飛び去る47号を発見、杉田・桜井が47号を追い、一条が46号を探すことにして二手に分かれた。
 
 その頃、落ち込んでいた榎田は、ジャンの励ましにより、冴との親子の絆を取り戻すべく家に帰ることを決意し、ジャンのバイクで送ってもらうことにした。
 家に帰った榎田は、冴に「冴のお母さんにしかできないことを頑張るから」と訴え、ようやく部屋から出てきた冴を抱きしめる。
 
 一方47号は、追撃した杉田達の銃弾を受け、人間体に戻り絶命。
 46号も一条の銃弾を受けて倒れたが、一条がB-1号(バルバ)に気を取られているうちに復活し、一条を追い詰める。
 その時、雄介操るビートチェイサーが割って入り、一条の窮地を救った。
 一気に赤と金のクウガに変身する雄介。
 「ずっと金でいけそうです」と言うクウガは、46号と戦いつつ、雑木林に移動する。
 金の力を発動した46号に対し、クウガが更に金の力を高めると、左足にも装甲が現れ、赤い部分が黒く変色した姿へと変わった。
 両者のキックが交差して命中! 46号は、巨大な火柱を立てて爆発した。
 それを見ていたバルバに、ダグバは「究極の闇を始めるよ」と宣言した。


 
(傾向と対策)

 遂にガドルとドルドも倒れ、残るグロンギはバルバとダグバの2人となったようだ。
  ダグバ「ガドルも殺されたね」
  バルバ「クウガと戦うか」
  ダグバ「究極の闇を始めるよ」
とはどういうことなのか。
 どうしてダグバはバルバと戦わないのか?
 EPISODE6に出てきた、偉そうな男は何者だったのか?
 バルバが一条に語った
  リントも、やがて我々と等しくなりそうだな
という言葉の意味は?
 謎は残る。
 
 さてガドルとドルドの戦いだが、青い目のガドルとの戦いは、ドルド優勢で進んでいたようだ。
 コンドル種怪人であるドルドは、元々スピード型の怪人であり、どちらかと言うと重厚なガドルのスピード戦形態よりも早いらしい。
 ガドルが
  さすがは“ラ”だな
と言っているように、“ラ”であるドルドの戦闘力は、並の“ゴ”の怪人より強いようだ。
 そのため、ガドルは紫の目になった。
 クウガがよくやる“よけきれないなら、受け止めて捕まえる”という戦い方だ。
 それが奏功して、ガドルはドルドの翼を半分引き千切る。
 翼を千切られたドルドは逃亡したように見えるが、その真意は判らない。
 もっと高さを利用した戦いができる場所に戦場を移動しようとしただけなのかもしれない。
 ガドルが“リントの戦士”一条に興味を示してしまったため、ドルドを追い掛けたのが“リントの戦士”杉田・桜井コンビだけだったから、そうならなかっただけなのかもしれないのだ。
 結局、翼を半分もがれたせいかドルドは2人に追いつかれてしまい、神経断裂弾の餌食となった。
 最後に人間体に戻ったのは、伝達系統を破壊されて変身を維持できなくなったからだと思われる。
 
 残った一条は、ガドルに神経断裂弾を3発撃ち込んでその動きを止めることに成功したが、とどめを刺すには至らなかった。
 実のところ、倒れたガドルの目から脳に、もしくは腹のアマダム周辺に、残る1発を撃ち込んでいれば、恐らくガドルを殺すことができたのではないかと思う。
 バルバに気を取られ過ぎたために招いたピンチだった。
 バルバにはどうせ撃っても無駄だろうから、さっさとガドルを撃つべきだったというのが鷹羽の考えだ。
 どうして『バルバには撃っても無駄』なのかと言うと、神経断裂弾が怪人体に撃つことを前提に開発されたものだからだ。
 恐らく怪人体にダメージを与えるために、貫通力も相当のものになっているはずだ。
 一旦体内に潜り込まないと、連続爆発による神経組織の破壊という目的が果たせない。
 体表が脆弱な人間体相手には、貫通してしまうために爆発の意味がないと思うのだ。
 そしてこの辺りは、あの状況ではやむを得なかったのだが、弾丸の分配がまずかったのも、ガドルを倒せなかった理由の1つと言える。
 完成した神経断裂弾は12発。
 一条達は、それを4発ずつ等分して持っていた。
 つまり、ガドルに3発撃ち込んだ段階で、一条の残弾は1発しかなかったのだ。
 もし6発持っていたとしたら、一条はまずガドルを倒す方に集中できただろう。
 残り1発だったからこそ、撃つことを逡巡してしまったのだ。
 対して杉田・桜井組は、ドルドに6発しか撃ち込んでいない。
 つまり、彼らの方では2発余っている。
 ガドルとドルドの戦闘能力の差が判らない(一条が見ていた限り、ドルドの方が優勢に戦っていたが)以上、少なくとも2体に対して同等の弾数をもって当たるべきだったのではないだろうか。
 ま、一刻を争う状態だったから、弾の受け渡しなどできるわけもないのだけど、最初から、最も銃撃に優れた一条には弾を多く渡すという戦術も有効だったと思える。
 細かいことだけどね。
 
 さて、再度の電気ショックによって強化された金の力。
 赤と金の姿で戦い続けられるようになったクウガは、ノーマルのガドルとようやく対等の戦いを繰り広げる。
 金の力を発動し
  お前達が作った力で殺してやる
と言い放ったガドルに対し、更に金の力を高めたクウガは、左足のすねにも装甲が発生し、赤い部分が黒く変色した姿に超変身した。
 ボディの基本色が赤から黒になったのは、グロンギの怪人達が、強くなる毎に体色が黒くなっていくのと同様の理由だと思われる。
 ちょうどゴオマ(コウモリ種怪人)が、“ダグバの力”で強化するたびに体色が黒くなったように。
 そして、両足に装甲が発生したのは、やはり攻撃力を重視しているためだろう。
 紫と金の剣を2本使った時のように、両足から封印の文字を撃ち込んでいる。
 肉弾戦、しかもキックの応酬という、『クウガ』においては珍しいパワーファイトだった。
 ガドルが言っていた『お前達が作った力』とは、リントが作った電気と、それを利用してクウガが生み出した『金の力』の両方を指すのだろう。
 
 さて、ずっと引っ張っていたチョモランマの写真だが、撮ったのは雄介の父らしい。
 彼は、おやっさんの先輩でもあったようだ。
 つまり、雄介とおやっさんには血の繋がりはないわけだ。
 言ってしまえば、何の関係もない雄介達の面倒をみてくれたおやっさんは、やっぱり相当いい人だ。
 
 今回は、雄介の父、ジャンの両親の話を軸に、榎田と冴の親子関係というものを主題にしている。
 『離れているのは仕方がないが、親が子を思う気持ちは、ちゃんと伝えていなければならない』というのがメインテーマだったようだ。
 こうして、ようやくジャンがあげたペーパークラフトは、榎田と冴の2人で作られることになった。
 
 しかし、雄介の父まで「いつか、みんなが笑顔になる日のために」などと手紙に書いていたとは驚きだ。
 じゃあ、雄介は神崎先生から「誰かの笑顔のために頑張れるって…」と言われる前から、その言葉自体は知ってたのね。
 みのりが『子供の頃は判らなかった』と言ってたから、多分雄介も、先生に言われたことで、父の言葉の意味を理解したってことなんだろう。
 だから、より一層先生の言葉に感動した、と。
 そう考えないと合わないもんね。
 
 さて、今回の見所だが、榎田を送って帰ったと見せて、実はドアの外で立ち聞きしてたジャンだろう。
 やっぱり心配だったのね?
 
PS 次回予告では、黒の金のクウガでも歯が立たないダグバだけど、どうでしょ?
  それよりも、1/2のクウガスペシャルの方が先か…。



←BACK
→NEXT