『仮面ライダークウガ』
EPISODE38変転
(Story)
新たな未確認生命体(ゴ・ガドル・バ:カブトムシ種怪人)と3号(ズ・ゴオマ・グ)の戦いを見ていたクウガは、ガドルに殴り飛ばされたゴオマの下敷きになり、瓦礫に埋もれてしまった。
ゴオマはなおもガドルと戦おうとしたが、右脇腹に激痛を感じてひとまず逃亡し、ガドルもまたどこかへと消えた。
クウガが瓦礫から這い出てきた時には、2体の姿は既になかった。
その頃一条はバルバと対峙し、バルバが0号なのか、長野でのグロンギ殺戮の目的が何かなどを問い詰め、無視して去ろうとするバルバをライフルで撃ったが、バルバの傷は瞬く間に治癒してしまう。
驚愕する一条に、バルバは
「リントは本当に変わったな。
今度のクウガは、やがてダグバと等しくなるだろう」
と言い残し、一条を吹き飛ばして去っていった。
バルバは、ダグバが“究極の闇をもたらす者”であるとも言っていた。
全治3週間の怪我を負った一条は、関東医大に入院し、早く雄介が冒険家に戻れる日が来て欲しいと椿に語る。
その頃、捜査本部では、白金をも溶かす体液を持つ43号を爆死させる場所として、現在使用されていない地下鉄大江戸線の地下資材基地を選定していた。
3号、43号(ゴ・ザザル・バ:サソリ種怪人)、そしてガドルの3体全てが行方をくらまし、雄介は桜井と共に43号のルールが何なのかを考えていた。
38号(ゴ・ベミウ・ギ:ウミヘビ種怪人)はプールを封じられた後、同じように水の沢山ある海を狙ったが、音符のルール自体は変わらなかった。
同様にタクシーを狙えなくなった43号も、ルールに則って新たな標的を狙うだろうから、それを予想しようと考えたのだ。
全く共通点のない被害者達に、ルールを掴めなかった雄介だが、ふと桜井の手帳に書いてあったクウガの戦歴を見て、何か思いついた。
そこに杉田から、43号がエレベーターの乗客を襲ったという連絡が入る。
桜井と共に現場に駆け付けた雄介は、エレベーターの内壁の色を見て、遂に43号のルールを見抜いた。
43号は、特定の色の順番で、“人を乗せて動く箱”を狙っているのだ。
次に狙われるのは、オレンジ色の動く箱、つまりJR中央線だった。
杉田は中央線の運転を全面ストップさせ、完成した中和剤も科警研を出発、雄介と桜井は、目撃情報から43号人間体が潜伏していると思われる三鷹駅に向かっていた。
そこに、3号が千葉県内で殺戮を行っているという情報が入った。
次の段階のパワーアップを遂げたゴオマは、ダグバを求めて千葉県内で惨殺を行っていたのだ。
雄介は、43号と3号のどちらと先に戦うべきか悩む。
その頃、茨城でも0号(?)によってグロンギが殺されていた。
一方、信濃大学で碑文の研究を続ける桜子は『凄まじき戦士』の4本角が何を意味するのかを考え、古代の戦士クウガのミイラを見てみることにした。
(傾向と対策)
今回は謎解き編とも言うべき展開で、前回一般人には意味不明なグロンギ語で交わされた内容を、日本語で繰り返すような形になっている。
夏のベミウ編以降『クウガ』では、よくこういった“判る人にだけ判るように謎を振り蒔いておいて、次の話でその回答を発表する”という展開が使われている。
次回への興味の引きという意味で有効であり、ちゃんとある程度種明かしをするため、グロンギ語が判らなかろうがゲームのルールが読めなかろうが、ちゃんと視聴者に判る親切設計になっているのだ。
最後まで謎を降り蒔き続けるだけで終わった、某アニメとは違うね。
さて今回ゴオマ君は、独り言を言っているような状態が多い。
そこで、まずはゴオマ語録からいってみよう。
まず、ガドルとの戦いの最中、劣勢に立たされて
俺は…俺は…手に入れたんだ、ダグバの力を!
と言い、どこかに潜伏して更なるパワーアップを遂げながら
ダグバ! ダグバを殺す!
ダグバ! 俺はみすみす殺されない!
とわめいている。
その後も、千葉で虐殺を続けながら
早く来い! ダグバー!
俺がお前を殺してやる!
と大変な鼻息だ。
ところが、バルバ達の方では
ジャーザ「ゴオマが貴女を狙うとはね」
ガドル「ダグバの居場所を聞くため、香りをたぐってお前を襲ったのだ」
バベル「また現れるか?」
ジャーザ「どうせ“ズ”や“ベ”の奴らは、すぐにダグバに殺されるでしょう」
と至って冷静だ。
ゴオマが裏切って楯突いてくることなど、特に気にも留めないといった雰囲気なのだ。
ここでジャーザ(今回のOPでは『ラ・ジャーザ・ギ』と表示)が「“ズ”や“ベ”の奴らは、すぐにダグバに殺される」と言っていることから、現在グロンギを殺して歩いている0号らしきヤツがダグバであり、殺している相手は“ズ”や“ベ”といった下級のグロンギ達であることがわかる。
この“ベ”というのは画面には出たことがないが、恐らく“ズ”より低位の最初からゲームに参加させて貰えなかった階級だと思われる。
“メ”に聞こえないこともないが、EPISODE23『不安』で、バルバがガリマ(メ・ガリマ・バ)を指して
「“メ”もガリマ1人となった」
と言っているから、“メ”は全滅していると見ていいだろう。
“ズ”の連中は早々に見切りを付けられ、ゲームの参加資格を奪われていたため、未だに生き残っている者がいるのだろう。
そして、ゴオマが手に入れた曲玉状の物体は、どうやら時間を掛けてゴオマの身体を変化させているらしく、ゴオマが苦しみ白髪化していくのと同時に肘から突起が生え、身体が真っ黒に変化している。
白髪化しているということは、生体エネルギーを急激に消費している、或いは白髪化するほどの強烈な苦痛を感じているということだろう。
そして、ゴオマの目的は“ダグバに整理されないよう返り討ちにする”というもののようだ。
そう考えてみると、“ズ”や“メ”の連中が必死に“ゴ”になろうとしていた理由は、“ファイナル・ゲーム直前にダグバから整理されないため”だったのかもしれない。
結局、ザザルのゲームのルールは“マニキュアと同じ模様の『人を乗せて動く箱』に乗り、乗っている人を溶かして殺す”で、左の親指から始まって人差し指、中指…右手の親指…左手の親指…と続くというものだった。
こんなものを見抜いた雄介はただ者ではない。
ザザルが襲ったタクシーの色や順番を全て記憶した上で、次に狙われる色の乗り物を考えているのだから。
さて今回の見所は、雄介と桜井(警部補だったのね)のやりとりだろう。
桜井が何か言葉に詰まると、すぐに雄介がセリフをひったくってしまうのだ。
一条とは対等に掛け合いをやっていたが、桜井は頭の回転が一条ほど良くないので、雄介の方が一歩先んじてしまうのだろう。
桜井の携帯を引ったくって杉田と話している姿は、いつもの控え目な雄介からすると結構強引だったが、あれは一刻を争う事態だからなのだろう。
またEPISODE31『応戦』で披露したように、桜井は異様に沢山のパンを食べるのだが、誰から聞いたか(どうせ榎田だろう)知らないが、雄介は「桜井さん、すっごくパンが好きだ」からと大量にパンを買い込んできていた。
雄介は1個しか食べなかったみたいだけど、残り全部桜井が食べちゃったのかね?
そして、桜井が雄介に手帳の4号活躍史のページを見せる時の嬉しそうな顔…。
あの手帳には、1号(ズ・グムン・バ:クモ種怪人)から、未確認生命体が死んだ日と、それを倒したクウガの色が書き込んであるものだ。
この手帳によると、10号が倒されたのが2/11、11号が倒されたのが2/16と4日間の空きがあることがわかる。
この間に、後の31号(ズ・ガルメ・レ:カメレオン種怪人)がゲームを無事クリアしているわけだ。
なかなかいい資料になるかと思ったのだが、どうもこの手帳、桜井が後で書き込んだものらしく、少々正確性に難があるようだ。
“後で書いた”と判るのは、28、29、30号の欄に『ゲーム開始』と書いてあるからだ。
グロンギがゲームをしていることが判ったのは31号がしゃべったからであって、それ以前の28号辺りに『ゲーム開始』などと書いてあるということは、後で書いたからなんだろう。
そういう前提で見ると、4/21に赤いクウガに倒されたとあるのは、26号(メ・ギノガ・デ:キノコ種怪人)のクローンのようだ。
先に白いクウガに倒された26号本体について書かれていないのは、すぐ後でクローンが出たため、倒されたという扱いにしなかったせいだろうと判るからいい。
だが、3/17に紫が21号(メ・ギイガ・ギ:イカ種怪人)を倒したことになっている。
アレは雄介の誕生日「3/18」の出来事だ。
だからこの手帳、すぐに信じてはいけないらしい。
もしかしたら、桜井なりの何か特別なルールで書かれているかもしれないのだ。
あと見所としては、雄介の「中途半端に目覚めるな」だろうか。
一条に釘を刺すには、なかなか説得力のある言葉だった。
その一条君、早く雄介を未確認生命体との戦いから解放してあげたいらしいけど、そのための表現が「俺と別れられる日が来るといい」って辺りが、椿に「素直じゃない」と言われるところなんだろう。
雄介が冒険野郎に戻ったとしても、個人的な友人なら会えるはず。
なんか遠慮して、敢えて雄介との付き合いを“プライベートなものじゃない”ということにしているらしい。
雄介と友達してたいくせに。
もう1つ、やっぱり残ってたのね、先代クウガのミイラ。
なんか、予告見てると妙に綺麗なんですけど。今まで一所懸命修復作業してたのかしら。
ちなみに、一応桜井の手帳の中身について書いておくと
2/ 1(火) 1号・赤
2(水) 5号・赤
4(金) 6号・青
6(日) 7号・赤
8(火) 8号・青
9(水) 9号・赤
11(金) 10号・赤
16(火) 11号・赤
20(日) 12号・赤
23(日) 13号・赤
24(月) 14号・緑
28(月) 15号・赤
3/ 3(金) 16号・赤
6(月) 17号・赤
10(金) 18号・赤
13(月) 19号・青
16(木) 20号・赤
17(金) 21号・紫
25(土) 22号・赤
4/17(月) 23号・紫
18(火) 24号・赤
19(水) 25号・赤
21(金) 26号・赤
27(木) 27号・青
5/ 2(火) 28号・青
9(火) 29号・青
15(月) 30号・赤
となっているようだ。
青と紫の区別が、イマイチ自信ないんだけどね。