『仮面ライダークウガ』
EPISODE37接近

(Story)
 43号(ゴ・ザザル・バ:サソリ種怪人)と3号(ズ・ゴオマ・グ)の戦いの中に跳び込んだクウガだったが、3号の意外な強さに苦戦しているうちに、43号・3号双方に逃げられてしまった。
 身体が黒くなり、日光の中を飛び去って行った3号の強化と、22号(ズ・ザイン・ダ:サイ種怪人)と23号(メ・ビラン・ギ:ピラニア種怪人)の時よりも深刻な仲間割れを見て、雄介は未確認生命体に何かが起こっていることを感じ、東京に急行中の一条に報告した。
 東京に戻った一条は、以前3号が長野−東京間を往復した時期前後に彼らが武器を使いだしたことから、未確認生命体が長野に行くと、ゲームに段階的な変化があるのではないかと考えた。
 43号のゲームのルールに関して捜査した結果、被害者やタクシーのナンバーなどには共通点が見られず、タクシーの運転手を狙っているということくらいしか判らないため、結局捜査本部では、タクシー乗り場付近を警戒し、各タクシー会社に注意を呼び掛けることしかできなかった。
 また、取り敢えず優先して倒すべき43号は、王水(硫酸と硝酸の混合液で、金を溶かせる唯一の薬品)以上の強酸性の体液を武器にしていることから、爆発した際に飛び散る体液の被害を考慮し、倒す場所の選定に当たると共に、科警研に中和剤の開発を依頼することになった。
 
 捜査本部の呼び掛けの甲斐あって、営業を自粛するタクシー会社が増え、43号は獲物を失っていた。
 「ベミウ(38号)はリントの知恵に負けた」と言うドルド(ラ・ドルド・グ:コンドル種怪人)に対し、43号は「あたしには次の手があんの」と答える。
 
 一方、逃走した3号は、バルバを見付け出し「ダグバはどこだ!?」と詰め寄るが、現れたガドル(ゴ・ガドル・バ:カブトムシ種怪人)に妨害される。
 3号の飛行超音波をキャッチした捜査本部の連絡で、一条と雄介は3号の向かった廃屋に向かう。
 到着した雄介が見たものは、見たことのない未確認生命体と3号の戦いだった。
 圧倒的な力で3号をねじ伏せる新たな未確認生命体を目にし、状況を飲み込めないまま見守るクウガ。
 
 そして、一条は廃屋の中で、B-1号(バルバ)と対峙していた。
 
 その頃、信濃大学で碑文の解読を進めていた桜子は、
   聖なる泉涸れ果てし時
   凄まじき戦士雷の如く出で太陽は闇に葬られん
の『戦士』の文字が通常と違って角が4本あることを発見し、慄然とする。
 また、福島でも謎の惨殺事件が…。
 
 
(傾向と対策)
 今回は謎が多い展開だった。
 久々の新キャラ登場に加え、大量のグロンギ語が飛び交う。
 グロンギ語が判らない人には、今回のグロンギ側のドラマはさっぱり判らないだろう。
 その理由としては、恐らく今回が謎掛け編、次回が説明編という形式になっているためだと思われる。
 勿論、次回は次回で新たな謎が出るのだろうが。
 
 さて、それでは今回のグロンギ語の解説からいってみよう。

 まず、OP前のクウガとゴオマの戦いで、ゴオマは
  まさか俺を甘く見てるんじゃないだ…ろ!
と言いつつクウガを殴り倒した。
 このセリフからは、ザザルと互角に渡り合えるほどに強くなったゴオマの自信の程が窺える。
 実際、クウガとの戦いでは、ザザルよりもゴオマの方が有利に進めていたように感じる。

 その後ゴオマは、ザザルがいないのを見て
  逃げたか、ザザル
  まあいい、俺の力でバルバを探す
と言って自分も飛び去っている。
 「だったら最初から自分で探せ!」という突っ込みをしておいた方がいいだろうか。
 
 そのゴオマの裏切りを知ったザジオ(ヌ・ザジオ・レ:サンショウウオ種怪人)は、
  ゴオマも愚かなことを
と言い、バルバは
  すぐに整理されて元通りになる
と涼しい顔をしている。
 この時バルバが持っていた金色の金属塊は何だろう?
 ゴオマが使った曲玉のような物と同じ物だろうか。
 
 更に、新たなプレイヤーらしき2人組がガドルの元を訪れている。
 前回の予告で人気急上昇中の眼鏡っ娘ゴ・ジャーザ・ギ(サメ種怪人?)とちょっとワイルドな兄ちゃんゴ・バベル・ダ(ガゼル種怪人?)だ。
  ガドル「来たか
  ジャーザ「ファイナルゲームに進むためにね♪
  バベル「“ズ”の男が動いてるそうだな
と、このように、バベルはゴオマの行動を面白く思っていなかったようだが、ガドルの
  ゴオマなど、ダグバがすぐに殺す
の一言で納得したようだ。
 
 また、1人でバルバを探していたゴオマは、バルバの匂いを嗅ぎつけて
  この匂いはバルバ
  ダグバを殺す時も近い
とニタ〜っと嗤っている。

 そして、バルバの所にやってきたゴオマは、すれ違いざまバルバの頬を切り裂いて対峙するが、
  バルバ「何か用か
  ゴオマ「会いたかったぞ。ダグバはどこだ?
  バルバ「震えているぞ
  ゴオマ「それがどうした
と、終始バルバ優勢の話運びになっている。
 頬に傷を付けられ、顔を殴られても、バルバは薄笑いを浮かべながらゴオマを見下していて、逆にゴオマの方がかなり緊張している。

 この後、緊張に耐えかねたかのようにゴオマが振り上げた手を、ガドルが掴んで
  今になると言っていたのは、こんなもののことか
と挑発し、ゴオマが
  やるなら、やってやる!
と返して戦い始め、外にクウガがいるのに気付いたガドルが
  クウガ…
と言っているところにゴオマが
  殺す!
と掛かって行って、はじき飛ばされて逃げ出すという形で終わっている。
 ガドルの圧倒的な強さもさることながら、バルバがゴオマに全く抵抗しなかったのは不思議だ。
 ガドルが控えていることを知っているたからの余裕なのか、それともゴオマごときには何もできないくらい強いのか、はたまた手出しできない理由があるのか、謎だ。

 しかし今回最大の謎は、ガドルとゴオマが言っている「ダグバ」が誰なのかということだ。
 次回予告の「クウガはやがて、ダグバと等しくなる」というセリフから判断する限り、クウガと何らかの関係がある存在なのは間違いないようだ。
 鷹羽としては、こいつが0号かどうかはともかく、前回バルバが話しかけていた相手…つまり長野で(多分福島でも)惨殺事件を起こしたヤツではないかと思っている。
 つまり、例の血文字の主だ。
 それだけでも、クウガとかなり因縁がありそうな相手だ。
 「ダグバ」は、「クワガタ種怪人」でもおかしくない名前だということから考えると、薄ら寒いものがある。
 
 もう1つ気になるのは、例の『聖なる泉涸れ果てし時…』の『戦士』の文字が4本角だということを知った雄介が、かなり不安そうな顔をしたことだ。
 一瞬でベルトの『』の文字を記憶した雄介のことだから、黒いクウガの角が4本だったことは気付いているだろう。
 ジャラジの一件での黒いクウガのイメージは、やはり雄介に相当な不安を与えたのであろうことが判る。
 しかも、一条には平気な顔を崩さないところが雄介らしい。
 けど、グロンギの血文字とこの『戦士』の文字は、同じ4本角でも角の場所が違うような気がする。
 やはり別の意味なのだろうか。
 
 前回、ザザルのゲームのルールは“マニキュアと同じ模様のタクシーに乗り、運転手を溶かして殺す”で、「左の親指から始まって人差し指、中指…右手の親指…と続くと思われる」と書いたが、今回を見る限り、どうも順番は関係なかったらしい。
 というのは、今回の被害者が左手中指と同じ黄色のタクシーに乗っていたからだ。
 “指の順”というのは、ルールとしてではなく、ザザルが自分でやっていたのかもしれない。
 ちょうどバダーが最後の1人をクウガと定めていたように。
 で、やはりタクシー会社は営業を自粛してしまったわけだが、鷹羽の予想どおり、次はそういう色の車を狙うことにするのだろうか。
 ザザルが言う「次の手」とはなんだろう?
 
 そして科警研側でのポイントは、ジャンがまとめたゴウラムの研究結果を見た榎田の疑問だ。
 平和を好むリントがどうしてゴウラムのような高度な武器を作れたのかということには、2つの可能性がある。
  1 作れるだけの科学力は持っていたが、それまで武器という概念がなかった
  2 ゴウラムは他者からの技術供与によって作られた
というところだろうか。
 鷹羽は、クウガのアマダムはグロンギの技術の応用であり、当然ゴウラムのアマダムもその応用だが、その基本技術はリント独自のものと考えているので、1の可能性を推すことになる。
 ただし、ゴウラムには『神の使い』と書いてあるので、他者からの技術供与という説も捨てきれないところがある。
 あ、細かいところで、研究員の名前が柏原さんと柳沢さんだということが判ったね。
 
 さて、今回の見所も、やっぱポレポレでのやりとりだろう。
 夏目実加からの挨拶はがきを読むおやっさんがボケまくりだ。
 まずは「夏目実加ロン」。
 昔、ミカロンというフケ防止のシャンプーみたいな物があったが、それに引っ掛けている。
 続いて、「前略」を「まえりゃく」。
 更に「野沢菜食べながら野沢那智の真似」。
 おやっさんが声優ネタなんて似合わないと思ったら、アランドロンの吹き替えですか。
 で、みのりは「アランドロンってなんですか?」ときたもんだ。
 これはボケではなく、本当に知らないらしい。
 ちなみに、実加の手紙にも「おやっさんさん」という一言が…。
 元々さん付けされてる人にさん付けんなよ。
 
 もう1つは、榎田とジャンのやりとりかな。
 EPISODE29『岐路』での実加の発言以来、どうもギクシャクしているらしいお2人さん。
 いい年して、かなり相手を意識しているらしい。
 いつまで経ってもペーパークラフトの本を持って帰らない榎田に、ジャンは大幅に譲歩して「せめて帰れないコールだけはしてあげてください」と言う。
 ひょっとすると、この2人うまくいくかな?
 
PS 今回もイカすCMが…。
 2人「トイヤ!」
 風見「いくらゲームがしたくても」
 早川「学校・会社は休むなよ!
 2人「スーパーヒーロー作戦!」
  特撮ヒーロー勢揃い「スーパーヒーロー作戦 ダイダルの野望」
 2人「バンプレスト!」
 風見?「20世紀の決定版。力と技のゲームが回る」
  夢のヒーロー勢揃い
  空想特撮RPG「スーパーヒーロー作戦 ダイダルの野望」
 風見?「力の限りぶち当たれ!」
 


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