『仮面ライダークウガ』
EPISODE29岐路
(Story)
合同捜査本部の松崎本部長は、科警研の榎田を訪ね、完成間近の4号用新型バイク“BTCS”を視察すると共に、4号こと五代雄介の人となりを訊いていた。
また科警研では、煙の成分の特殊弾が未確認生命体に効かなくなってきたことから、今までと違う方法論による新型武器(超高圧ライフル等)の開発も急ピッチで進めていた。
その頃、雄介と一条は、椿の元でMRIの検査結果を聞いていた。
“ビリビリ”つまり「金色の力」は、やはり電気ショックにより、アマダムが基質変化を起こして電流を生み出せるようになったとしか考えられないとのことだった。
その力が雄介の「もっと強くなりたい」という想いに呼応して、「金色の力」を生み出したらしい。
その影響か、雄介の身体には“筋肉の活動電流の増加”“アマダムから脳に及んだ神経系の増殖”などの変化が起きており、一気に「戦うためだけの生物兵器」に近付いていた。
椿は、特に右脚に著しい神経系の増殖はかなりの苦痛があるはずで、赤のクウガで「金色の力」を使えば相当な負担になるはずだと語るが、雄介は「俺的にはオッケーですから」とあっけらかんとして帰っていった。
残された一条と椿は、結局、結論は雄介自身にしか出せないと見守るしかなかった。
一応そのことを伝えるべく、椿は桜子に電話をかけた。
一方、39号(ゴ・ガメゴ・レ:カメ種怪人)のゲームが始まり、空から降ってきた鉄球による圧死事件が、墨田区内で連続して起きていた。
未確認生命体監視カメラの映像・被害場所・目撃情報などから、鉄球の発射地点のビルを割り出した捜査本部は、交通規制を敷くと共に、警官を急行させた。
到着した一条と雄介は、ビルの屋上で鉄球を投げようとする39号の姿を見付ける。
雄介は直ちに変身、赤いクウガで39号をビルから蹴落とし、地上でさらに紫になり、剣を構え対峙した。
ちょうどその頃、イラストの投稿の締切時間ギリギリの蝶野潤一は、警察の検問を突破しようとして押し止められていた。
(傾向と対策)
え〜、いきなり訂正です。
これまで鷹羽が書いてきた「ゲギザギバス・ゲゲル」は、正確には「ゲリザギバス・ゲゲル」であり、「セミファイナル・ゲーム」という意味らしいです。
このHP『九拾八式工房』からリンクしている「アディゴの巣穴」さんでは、かなり以前からそのように訳していたんだけど、鷹羽としては「セミファイナル」があるなら「ファイナル・ゲーム」もあるのか? などと考えて、敢えて「盛大なるゲーム」と訳していた…んだけど…、あったのね、「ファイナル・ゲーム」…。
というわけで、冒頭のガドルとバルバの会話をば。
ガ:ベミウも殺されるとはな
バ:クウガを殺さないとファイナル・ゲームに進めないぞ
ガ:クワガタを殺すのはこの俺だ
という具合。
この「ファイナル・ゲーム」が何なのかはよく判らないが、どうやらもう1段階進んだ段階で、ゲームは終了するらしい。
さりげに、クワガタ=クウガに対抗意識を燃やしているガドル(カブトムシ種怪人)が笑える。
子供の人気はクワガタの方が高いぞ、頑張れガドル!
さて今回のルールだが、「ルーレットで出た数字と同じページの地図に載っている範囲内に、鉄球を54個ずつ放り投げて、72時間以内に567人を殺す」というもののようだ。
被害が一直線に起きているというのが若干引っかかるが、地図でわざわざ場所を確認していることからみて間違いあるまい。
恐らく使っている地図は、墨田区内の住宅地図だろう。
『赤の16』で選ばれた亀戸3丁目の区画を見て、39号は「今度はやや狭いな」と言っている。
多分、範囲外に落ちた鉄球で死んだ人の数はカウントされないはずだ。
砲丸投げの要領で決められた範囲内に落下させるのは相当骨だろうから、恐らく『今度は範囲が狭いからコントロールが面倒だな』という意味合いで言ったものと思われる。
鉄球は指輪から作っていたような感じだったけど、54個もどうやって持ち歩いてるんだろう?
今回は、さすがに巻き添えを恐れてか、ドルドがちょっと離れた所から見守っていた。
でも、最初に飛んでくる鉄球を見て逃げ出したOLさんさぁ、悲鳴あげて逃げてりゃ、あとの2人も助かったと思うぞ。
ところで今回、いつの間にやら松崎本部長が4号=クウガの正体を知っていたことが判った。
EPISODE27『波紋』で、榎田がジャンのいる前で「五代君にゴウラム呼ばないように言っといて」などと恐ろしいことを言っていたから一抹の不安は感じていたのだが、もしかしたら榎田は、関係者と思しき人には話して歩いているのかもしれない。
まあ本部長も、4号がかなり特殊なポジションに属しており、人間である可能性が高いことは一条の様子から察知していたようだし、EPISODE23『不安』で4号が協力者と認められたのもその絡みなんだろうし、いいと言えばいいんだけど。
ただ、マスコミにはそのことを特に知らせてはいないようで、おやっさんがスクラップしていた記事には「4号と他の未確認生命体との交戦、増々激化…」なんて書いてあった。
さて、やはりEPISODE27で榎田が言っていたクウガ用新型バイク“BTCS”だが、TRCSがTRI(AL) CHASERであることから考えると、BATTLE CHASERってとこだろうか。
トライチェイサーの設計を元に改良された車体のようで、ゴウラムが融合することを前提にボディが強化され、直進スピードをアップ(エアブレーキ装備だ)させていると思われる。
なにしろ、トライチェイサーの破損頻度はすごいから。
また雄介は、超変身を上手に使うようになった。
EPISODE25で、超変身のポーズをとる暇がなくてしなくてもいい苦戦をしたせいか、今回は「超変身!」と言ってすらいない。
更に大ジャンプの後、青のままでは攻撃力が不足し、6号(ゴ・バヅー・バ:バッタ種怪人)に苦戦した経験を生かして、ジャンプして屋上に到達すると同時に赤に変身して、直ちに39号にパンチしている。
更に、ビルを飛び降りる時に再び青に戻っており、いかにも硬そうな39号に対して紫になっている。
これは後述するとおり、赤のクウガで「金色の力」を使いたくないという気持ちの表れでもあるだろう。
今回の見所は、赤いクウガに「金色の力」が発現することに対する、雄介の不安だろう。
おやっさんが「赤が金色になれば完璧」と言ったのに対し、雄介は「やっぱりそう思う?」と(ちょっと嫌そうに)聞き返している。
椿の前では、右脚に異変は特に感じないと言っていたが、関東医大から帰る時、雄介は珍しく不安な顔をしていた。
また、EPISODE27では、雄介は「もう強くならなくていいって感じ」とも言っている。
当初、雄介は「もっと強く」なるために、碑文の解析を桜子に催促していた。
それが「もう強くならなくていい」ということは、やはり身体に相当負担が掛かっているからだろう。
青、緑、紫では、持っている武器が強化された。
ならば、キックを武器とする赤は、右脚が強化されるはずだ。
道具ではなく、自らの身体が強化されるとなれば、反動が来ないわけがない。
雄介は、それを予想して、敢えて赤で「金色の力」を使わなかったのだ、
それでも、一条達の前では平気な顔を崩さない。
一条達も雄介が弱音を吐かないことを知っているから、敢えて何も言わず、雄介の判断に任せている。
この点で、EPISODE6『青龍』の時の、大怪我をしているのに無理して帰ったという雄介の強がりが生きている。
あれがあるから、雄介が「平気」と言っていても、決して平気じゃないということが見ていて伝わってくるのだ。
もう1つの見所は、39号のゲームの手伝いでルーレットを回すザザル(ゴ・ザザル・バ:サソリ種怪人、女の方ね)のやる気なさそうな態度だろう。
「なんであたしがこんなことやらなきゃなんないのよ」って不満たらたらの顔で、「赤の16〜」とか言っている。
そして、39号がクウガに蹴落とされると、「あ〜、終わった終わった。帰って寝よ」って感じでどこかへ行くのだ。
それから、夏休みに入って久々登場の実加を連れて科警研に行ったジャンだけど、最近科警研に行きたがらないのは、いつ行っても榎田がいる(つまり、冴の側にいてやらない)のを見るのがイヤだからだろう。
もう1人久々登場の蝶野だが、前向きに生きるようになったのはいいのだが、自分勝手なのは相変わらずのようで、自分の投稿「緑茶飲料のCM用イラスト」の締切(8月21日午後12時)までに持ち込みたいからという、しょうもない理由だった。
そんなもん、「未確認生命体が出たせいで交通規制に引っかかっちゃって間に合いません。後で持っていきます」と電話でも入れればOKだろうに。
ついでに意地悪言っとくと、「午後12時」ってのは、要するに翌日の「午前0時」と同義だ。