『仮面ライダークウガ』
EPISODE27波紋
(Story)
おやっさん・奈々・みのり達が泳ぎに出掛けたため、ポレポレの店番をしていた雄介は、来店した桜子に“ビリビリによるパワーアップが碑文に載ってないということは、やはり古代には存在していなかったミレニアム特別バージョンなのではないか?”“椿は冗談だと言っていたが、本当にキノコ種怪人の時の電気ショックによるものなのかもしれない”と語った。
プールでは、みのりの同僚の元城恵子が、お腹の子の様子を尋ねるみのりに「この子の頃はどうなんだろ? 生まれる頃には、安心して外を歩けるようになっているのかな?」と不安を漏らしていた。
一方一条は、第31号(カメレオン種怪人)の予告殺人以来、未確認生命体の手口が読めなくなってきたことから、東京と長野を往復した第3号(コウモリ種怪人)の痕跡の調査を長野県警に依頼すると共に、科警研の榎田に、出現した未確認生命体を確実に倒せる武器の開発を依頼していた。
その頃、都内のドルフィンプールで、第38号によると思われる殺人事件が起きた。
被害者は16人、いずれも胸に火傷のような跡がある。
プールで泳いでいた人は沢山いたのに、なぜかその16人だけが殺されたため、杉田や一条はまた何らかの基準があるのだと感じる。
そこに桜井から、レクサススイミングスクールでも殺人事件が起きたとの連絡が入った。
大忙しのポレポレで立ち働く雄介にも、一条からの連絡が入り、雄介は桜子に後を任せて飛び出して行く。
おやっさんと奈々がプールから帰ってみると、桜子が1人で後かたづけをしていた。
そこへ桜子を手伝おうとやってきた椿も、一条の呼び出しで休暇返上になってしまった。
レクサススイミングスクールに到着した雄介だったが、みずさわウォーターパークでも事件が起こったため、トライチェイサーで先行することにする。
その雄介の後ろから、以前現れたバイクの男(ゴ・バダー・バ:バッタ種怪人)が追尾し、妨害する。
「お前が38号か?!」と問いつめる雄介の前で、その男は第6号に似た姿に変身した。
クウガになった雄介とバダーのバイク戦が始まる。
優勢に戦いを進めていたクウガだったが、隙を突かれてバダーのバイクの体当たりを受けてしまう。
さらに、吹っ飛んで倒した一斗缶の油に火花が引火!
クウガは、炎の海に飲み込まれてしまった…。
(傾向と対策)
いきなり種明かしだが、第38号(ゴ・ベミウ・ギ:ウミヘビ種怪人)のルールは、“ショパンの『革命』の音符に従って殺す”だ。
具体的に言うと、『革命』(第37号人間体が持っていた楽譜とラストで弾いてる曲)の10小節目の「ドレミミソソソラ」の音に従って、その音を頭文字に持ったプールで、音符が示す数字の人数だけ殺すのだ。
最初の「ド」は16分音符だから、“ドルフィンプールで16人殺す”ということになる。
同様に「レ」は“レクサススイミングスクールで24人”、「ミ」は“みずさわウォーターパークで16人”殺しているようだ。
次の「ミ」は2分音符なので、“ミラージュホテルのプールで2人”殺している。
次回は、「ソ」で始まるプールで16人殺すはずだ。
それで第38号の武器だが、ご多分に漏れず、自らの身体の一部を利用したムチと思われる。
ドルドは、第38号に向かって
お前のムチはさながらタクトだ
と言い、第38号が
麗しく死を奏でるだけだ
と返しているからだ。
水着持参で高級プールに出入りしたり、ピアノを弾いたりと、“ゴ”の連中は本当に人間に近い行動をしている。
そういえば、前回の第37号も日本語らしき本を読んでいた。
この辺が“ゴ”の特徴だろうか。
でも、ベミウのタトゥーってどこにあるんだろう?
続いて、誰もが驚いた(呆れた?)であろうバダーの変身について。
薬指と小指を折っているほかは、新1号の変身ポーズそのものだった。
ご丁寧に、左手を右側に漂わせた後、カウンター的に右手を左上に伸ばすという本郷猛の癖まで真似ている。
これは、当時から現在まで、『ライダー変身』のポーズを真似る人は勿論、スーツアクターの1号もほとんどやっていない、ポーズには含まれていない部分だ。
例えば、風見志郎が変身する時、両手を右に伸ばす前に、1回左側に漂わせるが、ポーズに入る前に1回キメとタメを入れるという、一種の美学だ。
変身ポーズにここまで拘ってる人を、鷹羽は自分以外に見たことがない。
1号ライダーをバカにしている云々以前に、ここまで拘って見せてくれた演出(or役者)に拍手を送っちゃおう。
でも、次回予告にあったバダーのライダーキックはどうなったわけ?
あ、ちなみに変身の時に言っていたのは、「脅威のライダー、ゴ・バダー・バだ」だったのであしからず。
でもさあ、トライチェイサーの最高速度って、確か300km/hだったよね。
最初に追いつかれた時は、制限速度の範囲で急いでいたんだろうから追いつかれても仕方ないけど、その後は、一応振り切ろうとしたんでしょ?
バダーが肘の突起でバイクを強化した後ならともかく、最初は普通のバイクだったんだから、その気になればすぐに振り切れたんじゃない?
ま、最終的には邪魔者を片づけてから現場に向かうって気になったみたいだけど。
今回の見所は、まず、やっと休暇が取れた椿からのデートのお誘いに「手伝ってくれませんか」で返した桜子と、本当に花束抱えて手伝いに来ちゃった椿だろう。
そんでまた椿は、鳴り出した携帯を取り出し、表示(一条からだと表示されているはず)を見てイヤ〜な顔をしてたくせに、「子供も16人含まれている」で真面目な顔になって飛び出して行っちゃうんだよね。
あと、さりげに真面目な話が、“未確認生命体出現以来、人々が外出を控えている”ということ。
そのせいで遠くからの常連が減って、ポレポレの経営が危ないという話になっていたけど、あらゆる業種でその手の問題が起きているはず。
今回も、恵子先生がお腹の子供のことを心配してそういう発言をしていたけれど、その直後、タッチの差で難を逃れたことで(どっちかって言うと恐怖のため)失神していた。
前回も、小学校で“用もないのに東京には出ないこと”などというお達しが出ていたし、やはり世間では偉い騒ぎになっているんだろう。
こういうところをちゃんと描いているのは偉いと思う。
あと、意外と“ゴ”の連中とバルバ(バラのタトゥの女)って仲が悪いのかもしれない。
“ゴ”のリーダー格らしいガドルとバルバの会話は、
ガ:ブウロを殺すとは、やるなクウガも
バ:ゲームを程良く引き締めるヤツだ
ガ:ベミウはゲームに勝つ
という内容だった。
クウガをゲームのお邪魔キャラくらいにしか見ていないバルバに対し、仲間を殺されたガドルが憮然と答えて、仲間想いのところを見せている。
ま、内紛に結びつくようなものにはなるまいが、ゲームの参加者と傍観者の違いみたいな立場が表れているんだろう。
さて、今回からOP映像が変更になった。
雄介、一条、桜子の部分は、3人とも、右手首を上にして手を交差するというポーズを取っていて、なんだか神秘的というか、不思議な雰囲気のあるものに仕上がっている。
後半には、祈るように手を組んだみのりも挿入されていて、激化する戦いを暗示している。
それぞれ強化した4形態が挿入されているが、特に剣を無造作に肩に担いで座っている紫のクウガがかっこいい。
そして敵側も、ゴオマ、ガドル、バダーの怪人体とバルバが挿入されている。
ということは、大人気のゴオマ君は当分安泰で、しかもバダーも“ゴ”の最後くらいまで生き残りそうだということになる。
多分、実写版『レインボーマン』第2クール(M作戦&殺人プロフェッショナル編)みたいに、対クウガ用の妨害要員としてのバダーと、プレイヤーによるゲームという2段構えの布陣を敷くのだろう。
あと、CMにもライジング用の増設セットが出たね。
DX変身ベルトの正面下側にある小さな穴を細い棒で押すと、ライジング用の黄色い回転になるんだけど、気付いてた?
う〜む、それにしても、やはり電気ショックのせい(EPISODE23参照)であったか…。