『仮面ライダークウガ』
EPISODE14 前兆
(Story)
第23号(ピラニア種怪人)と戦うクウガは紫になるが、上腕に噛みつかれてしまう。
援護に入った一条からの特殊ガス弾を受けた第23号は、退却した。
雄介は、蝶野がなぜ未確認生命体に憧れたのか聞こうとする。
投げやりな蝶野の態度に、雄介は「生きてますか? 生きてるなら、生きてることを楽しくしないと」と言う。
第23号対策のために病室を出ていった雄介と入れ替わりに入ってきた椿は、「死ぬことなんて恐いもんか」という蝶野に、第23号の被害者の遺体を見せ、「俺は人間が生きてる時間をこんな風に終わらせる未確認生命体を絶対に許さない」と言う。
一方第23号の被害者の1人が、襲われる前に怪我をしていたことが判明し、第23号が血の匂いに惹かれると考えた一条は、人工血液でおびき出す作戦に出た。
その頃九郎ケ岳遺跡の出土品は、破片が勝手に集まって塊になったため、東京で調査することになった。
しかし出土品は、上京する途中ジャンや亀山の前で、コンテナを破った謎の飛行体と共に消えてしまった。
そして捜査本部のおびき出し作戦にかかった第23号は、クウガとの戦いの中、目に付いた蝶野を殺そうとする。
しかし、割って入ったクウガがこれを救った。
第23号を倒したクウガが雄介の姿になるのを見て、蝶野は「こいつに助けられたのか」とショックを受け、去っていった。
飛び立った飛行物体は、いずこかを目指して飛んでいく…。
(傾向と対策)
蝶野は「未確認生命体なら、俺の気持ちを理解できるはずだ」などと言っているが、結局のところ、何をやってもダメダメな自分に対する自己弁護の詭弁に過ぎない。
死ぬことが恐いからって、虚勢を張って、いざ未確認生命体を目の前にすれば、怯えて何もできない。
はっきり言って、蝶野が出てきた意味はなかった。
せめて殺されるか半身不随にでもなっていれば、彼が生の意味を噛みしめるチャンスもあったろうに。
反面、椿は格好良かった。
彼も人生を面白おかしく生きたいタイプだと思うが、それなりの人生観を持って生きている。
「生きている時間をどう使おうが本人の自由だが、その時間を無理矢理終わらせることは許せない」という価値観は、病気で夭逝する人間なども見てきた医者としての経験に基づいてうち立てられたものだろう。
その倫理観から未確認生命体を憎む彼の怒りは、むしろ蝶野を通して描くよりもストレートに、人の生きる意味を考えさせてくれた。
とにかく、トップシークレットであるはずのクウガの正体を見た蝶野を、黙って見送る雄介と一条には違和感を感じる。
それとクウガの変身が解けた時、ロッドを持っていたはずの手が何も持っていなかったのは、クウガの矛盾の2つ目だ。
ところで出土品の護送係の亀山君は、突然の事態にパニクって一条に電話をかけるが、ほかにかけるべき所があるんじゃない?
一条君も、作戦行動中は携帯電話を切っておきましょう。
グロンギ側では、次回登場となるヤドカリ種怪人がトラックの中で安全第一の腕章を直に腕に付けようとして、安全ピンを腕に刺しているシーンがある。
どうやら、一度敗退した第23号の次のプレイヤーとして呼び出されているらしい。
今回の見所は、おやっさんと奈々のやりとり。
前回のクッキーの反省から、奈々から試食を頼まれたドーナツを「まずい」と言って、「おっちゃんにやるわ」と言わせておいて、全部一口ずつ食べ、取り返されないようにしたおやっさんはエライ。
ただ、「どうなってるの?」というシャレには気づいて貰えなかったようだ。