『仮面ライダークウガ』
EPISODE10
熾烈
(Story)
第21号(イカ種怪人)と戦うクウガだが、爆発するスミを吐き、衝撃を吸収する身体を持つ第21号に歯が立たない。
しかし、クウガにとどめを刺そうとした第21号は、突然腹部から蒸気を吹き出して海に飛び込んでいった。
一方捜査本部は、未確認生命体達のアジトと思われる倉庫を急襲するため総力を結集、ガス弾を投げ込み倉庫内に踏み込んだが、もぬけの殻だった。
ミカド号は、逃亡した未確認生命体達に気付いて単身追い掛けてしまい、ザイン(ズ・ザイン・ダ=サイ種怪人)の餌食になってしまった。
ザインは、人間に匂いをつけられたことに対する、仲間からの糾弾とガス弾にイラついていたのだ。
結局未確認生命体は取り逃がしたものの、いくつかの遺留品を入手することが出来た。
雄介は、第21号に対抗するには剣を使うのが有効と考え、警視庁の道場で一条と剣道の稽古をする。
そして、一条に防御に気を取られ過ぎて攻撃がおろそかになっていることを指摘されたことから、防御を考えず、ひたすら突っ込んでいって一撃を食らわすしかないと決意した。
雄介が着替え終わって出てくると、みのりが会いに来ていた。
雄介がクウガになって戦い続けることが恐いというみのりに、雄介は「俺だって恐いさ」と言う。
「誰かの笑顔のために」「俺は俺の場所で、お前はお前の場所でやってるだけ」という雄介の笑顔に、みのりは安心して帰っていく。
再び現れた第21号の所に向かう雄介に対し、一条は、榎田から教えられた第21号の弱点、内臓に直結している腹の蒸気噴出口のことを伝える。
雄介は紫のクウガに変身、トライチェイサーのグリップを抜くと剣に変え、まっしぐらに第21号に歩み寄って腹を一突き!
これを破った。
(傾向と対策)
「変身」の掛け声と共に爆煙の中から現れ、爆発の中をゆっくりと進むヒーローというのは確かに絵になる。
しかし、それは歩く姿を長回しで映し続けてこそ意味があるのであって、「大きな栗の木の下で」を歌うみのりの映像なんぞが入った日には、緊張感がすっ飛んでしまう。
ましてや、時間経過がバラバラなのは致命的だ。
どう考えても雄介が現場に急行し、クウガが戦っている間に、警視庁から保育園に戻って子供達と遊んでいられる時間はない。
雄介が現場に向かっている途中の映像なども、一緒くたにして流すから悪いのだ。
ついでに言うと、今回の雄介の策はかなり無謀なアイデアであり、シナリオが練り足りなかったと言えるだろう。
何しろ、“〜のように剣で切り裂く戦士”が防御力が高いという保証はない。
たまたま紫のクウガが耐久力とパワー重視の形態だったから良かったものの、もしこれがスピード重視の軽量級剣士もしくは居合い抜き型の剣士だったら、第21号に辿り着く前に爆死だ。
根性で何とかするつもりだったのかもしれないが、ちょっと無理がありすぎた。
なお、一応、剣で刺した辺りにいつもの紋章が浮き出ていたことも付記しておく。
今回の一番の見所は、一条を訪ねてきたみのりを案内したものの、一条との関係が気になってライバル意識を燃やす望見だろう。
それと、“誰かの涙を見たくない”に続いての雄介が戦う理由“誰かの笑顔のために”が出てきたことも大きいかな?
息子の冴(さゆる)君と出掛けていた榎田は、第21号の出現に、冴を置いて飛んできたわけだが、それを聞いても一条が特に意見しなかったのも、大変らしい反応だった。
自分自身がそうだから、やはり文句を言う筋ではないのだろう。
なお、当然変身前からベルトは紫色、「つづく」のバックも紫だった。