『仮面ライダークウガ』
EPISODE07
傷心
(Story)
未確認生命体対策本部が発足して3週間の間に、7体もの未確認生命体が出没したが、うち1体が警察の手によって倒せたのみで、残りは全てクウガによって倒された。
一条が長野県警から取り寄せた資料によると、九郎ケ岳近くにあった墓のような所から、少なくとも200体以上の何かが出ていっているらしい。
そいつら全員を、これから相手にしなければならないのか…?
未確認生命体の方でも、状況が変わっていた。
次々とクウガに倒されていく“ズ”の連中に業を煮やした“メ”の集団が、ゲームをすることになったのだ。
そんな時、一条を夏目教授の妻子が訪ねてきた。
2人、特に実加は、第0号の調査が進んでいないようなので、ヒントになるかもしれない出土品を持って催促に来たのだった。
しかしちょうどその時、未確認生命体の仕業と思われる奇怪な事件が発生し、一条は現場に行かなければならなくなり、桜子のいる城南大学を紹介して出発した。
実加は、父の仇である第0号の捜査よりもその時々の未確認生命体を優先されることが、面白くなかった。
夏目親子は城南大学へ行ったが、発掘品を見たジャンが純粋に考古学的な興味から喜んでしまったため、実加は飛び出してしまう。
「どうして何もなかったようにできるの!? お父さんは死んだのに!」
一方、未確認生命体第14号の犠牲者は、いずれも真上から何かで貫かれて死亡していた。
どうやって真上から…?
一条は、第14号は空を飛べるのではないかと考えた。
科警研の榎田ひかりの分析で、被害者はいずれもハチの針のような物で貫かれ、アナフィラキシー・ショックで死亡していることが判った。
やはり空を飛べる未確認生命体なのだ。
その後の被害状況から、犯行が15分おきに螺旋に起きていることに気付いた2人は、次の犯行場所に向かい、第14号を迎え撃つことにした。
その頃実加は、警視庁に「今すぐ第0号の捜査を進めないと死ぬかもしれない」と電話をしてどこかへ行ってしまった。
第14号がまた1人殺し、地上に降りて腕輪にカウントした後、第3号人間体に気を取られている隙に、駆けつけた一条の銃弾が腕輪をはじき飛ばした。
すかさず雄介が変身して突っ込むが、第14号は飛び去ってしまう。
青に変身してビルの屋上に立ったクウガだったが、空を飛び自由自在に攻撃してくる第14号に手も足も出ない。
羽音で何とか居場所を突き止めようと神経を集中するも、第14号にはねとばされたクウガが手すりに掴まった時、今度は緑色に変化した。
同時に、凄まじい風景と音の奔流にパニックに陥ったクウガは、地面に落下した。
(傾向と対策)
冒頭、第0号のビデオを見ている一条の前の新聞には、「第13号の死亡を確認」との見出しがあり、第13号までが倒されたことが判る。
また、射撃訓練をする一条と杉田の会話から、第6号が倒された後3週間が経過したことも判る。
実はとんでもないことに、EPISODE1からEPISODE6までの間は、作品世界では10日足らずという短時間なのだ。
そのため、一気に3週間飛ばして視聴者の時間と合わせたのだ。
その間にも未確認生命体が出現してクウガに倒されているということを、杉田のセリフで説明しているわけだ。
未確認生命体が番号で呼称されているからできる芸当ではあるが、何せたった一言で終わらせてしまっているので、ちょっと聞き逃すと「あれ〜? 未確認生命体第7号はドラゴンフォームとして、第8号って何だ〜?」てなことになってしまう。
それでなくても、どんな怪人だったのかくらいは知りたいじゃない?
この辺が、『クウガ』の不親切な部分だ。
リント、グロンギといった言葉も今回初登場だし。
さて、今回初登場となる科警研の榎田ひかりは、椿と並んでユニークなキャラだ。
雄介の名刺(「2000!の技を持つ男」と書いてある)を見て「何? これ?」と言ったきり、雄介のことはてんで相手にせず、実にマイペースに一条とだけ話をしている。
無視され、毒針に触ろうとする手をはねのけられる雄介の情けない顔は、なかなか楽しい。
一転して、第14号の犯行のパターンを同時に理解する一条と雄介。
千葉にある科警研から犯行場所へ向かう間に、更に何人かが犠牲になっているはずだが、ともかく何とか犯行直後の第14号を見付けることができた。
犠牲者を確認に降りてきて、ついでに第3号に憎まれ口を叩いている間に、大事な腕輪を取られてしまった可哀想な第14号と、回収ついでに横取りしようとしたら、帽子を取られて逃げ出す第3号。
光に弱いんだから、用もないのに出て来なきゃいいのに。
もう1つ。
今回は、走りながら変身ポーズを取るという、ライダーシリーズでは今まで見られなかった新しいパターンが使われている。
ライダー的ではないという向きもあるだろうが、鷹羽は結構気に入っている。
宇宙刑事とかだと、変身ポーズなしで変身しちゃうからね。
ポーズを取っている辺りが、やっぱライダーっぽいと思う。
そして、第14号との戦い。
非力な青と、針を使ったばかりで次が撃てない第14号の戦いは、お互いにダメージを与えられず、まるでビニールバットでのチャンバラのようだ。
羽音で第14号を探そうと神経を集中しているクウガの目が、一瞬緑色に光ったのに注目。
この直後に蹴り飛ばされて、緑のクウガに変身したのだ。
つまり、緑のクウガになる前に目が緑色になってるんだよね。
当然、「つづく」のバックは緑色。
なお、今回、雄介の何番目かの技が炸裂! ジャケットの背中にクウガマークの刺繍が入った。
ところで、アナフィラキシー・ショックっていうのは、1度ハチに刺された人の体内の抗体が2度目に刺された際に過剰反応を起こしてショック死することのはずだけど、犠牲者達は揃いも揃って蜂に刺されたことがあったの?
それより、頭から針が貫通したことの方が、よっぽど死因になると思うんだけど。