『仮面ライダークウガ』
EPISODE05 距離
(Story)
ついに警察も、未確認生命体を正式発表した。
一条は、雄介を関東医大病院の椿秀一の所に連れていき、身体を調べることにした。
雄介の身体は、未確認生命体に近い特徴を備えている。
体内にある石から神経状のものが広がっていて、それによって変身したり、身体が強化されたりしているらしい。
このまま脳にまで達すれば、戦うだけの生物兵器になる恐れがあるという椿に、雄介はのほほんと「大丈夫ですよ」と言った。
本格的に戦い始めた雄介を心配した桜子は、雄介に詰め寄る。
「だからって命まで懸けることないじゃない!」と。
平然と「やるしかないじゃない。やりたいからやる。それだけだよ」と言ってのける雄介に、桜子は戸惑い、解読を続けるかどうか悩む。
桜子の様子を心配する一条に、雄介は「大丈夫。俺の知っている桜子さんなら」と明るく言った。
一方、未確認生命体の「ゲーム」が始まり、第6号(バッタ種怪人)が、人を突き落として殺すという事件が多発していた。
駆けつけたクウガだが、第6号のジャンプ力とスピードに翻弄され、手も足も出ない。
「もっと跳べたら」
その時、クウガの色が青くなり、ジャンプ力・スピードが格段に増した。
ようやく第6号に追いつけるようになったが、パンチ力が激減したため今度はダメージを与えることが出来ず、ビルから突き落とされてしまった。
(傾向と対策)
雄介を訪ねて来たはいいが、留守だったせいで、おやっさんのくだらない話を延々聞かされた一条が、やっと帰ってきた雄介を見て心底ホッとしているのが笑える。
おやっさんとしては、「それを言うならチョモランマでしょ!」という突っ込みを期待して「チョモラマン」と言い続けていたのだが、真面目な一条には通じなかったようだ。
雄介の身体は、ちょっと人間じゃなくなっているらしい。
スタッフも、一応仮面ライダーの“人間じゃない”という一線は守るつもりらしい。
良かった良かった。
もっとも“人間じゃなくなってしまった悲しみ”を大上段に描く気はないらしく、雄介は、周りをよそに1人涼しい顔をしている。
『仮面ライダーX』2話、神ステーション(敬介の父)の「お前は人間でないことに誇りを持て」、敬介の「人間じゃないってのもいいもんさ」という言葉にあるとおり、“人間でなくなったことを悔やむより、だからこそ戦えることに目を向ける”というのもライダーシリーズのテーマの1つなので、これはこれでいいだろう。
雄介は、桜子に解読を急ぐよう頼む時に「俺の野生のカンだけじゃ、すぐに無理が来ると思う」と冷静な分析をしている。
何も考えていないようで、自分の力だけで戦える相手ではないことを感じているらしい。
ところで、未確認生命体達が集っていた水族館で、背中しか見えなかったのは何者?
バラのタトゥーの女と、同格以上の存在だったようだが。
さて、青いクウガの初登場だ。
『ウルトラマンティガ』同様、形態によって能力が異なることを画面上で納得させてくれているが、ティガではヤズミが解析していたのに対し、『クウガ』では雄介自身が戦いの中で実感するという、大変に判り易い説明をしている。
青いクウガ(本編中ドラゴンフォームとは呼んでいないので、そうは書かない)は、ティガのスカイタイプに相当する「素早いが非力」バージョンの形態だが、いかんせん“ジャンプ力の増加”という空を飛べないが故の追加能力があるため、“瞬発力があるのに攻撃に反映されない”という、謎の能力の持ち主になってしまった。
また青くなった途端、能力の変化に気付かない内から、構えが変わってしまったというのも大きなマイナスだ。
公式ホームページでは、「動きが素早そうだから、拳法系の構えをした」ようなことが書いてあるが、あの時点ではジャンプ力が増したことさえ実感していないのだから、ナンセンスだ。
『クウガ』には珍しい、演出上のミスだと言える。
まぁ、撮影の順番とかで、どうにもならなかったのであろうことは想像できるんだけどね。