悪用なんて、しないからさぁ…

鷹羽飛鳥

更新日:2008年11月9日

 鷹羽は、10年前からスカパー!を契約しています。
 当時は、ビデオデッキ2台に繋いでいましたが、4年前に1台がお亡くなりになって以来、主にパイオニアのDVR-620HSというHDD内蔵DVDレコーダーを使っています。
 レンタルビデオなどでは見ることができなかったようなマイナーな作品や、本放送当時ビデオテープに録画してあるけれど画質が悪い昔のスーパー戦隊シリーズなどが放送されるので、大喜びで録画してきました。
 当時のCMが入っていないのが残念ではありますが、見たい話をすぐに見られないビデオより、DVDの方が数段便利なのは間違いありません。
 ちなみに鷹羽は、現行のスーパー戦隊でもアイテム系のCMはちゃんと入れています。
 数年後に見た時に、懐かしかったりするんですよ。
 普段見る時はチャプターで飛ばせるから、ストレスもないし。
 また、最近のDVD-Rは、インクジェットプリンターでレーベル面に印刷できるものが多いので、色々と凝ったレーベルにして楽しんでいます。
 具体的に言うと、パソコン用のDVD再生ソフトで再生しつつ、気に入った場面を取り込んでJPEG化します。
 後は、CD(DVD)レーベル印刷用ソフトを使って、JPEG化したタイトルロゴと気に入った場面をレイアウトし、サブタイトルをテキスト入力すれば、オリジナルレーベルの完成です。
 結構な手間なのですが、これでレーベルを作ると中身が凄く分かりやすいので、後で探す時重宝しますし、レーベルを見ているだけでも楽しかったりします。
 最近のお気に入りは、少し前にスカパー!で放送終了した『ウルトラマンダイナ』の最終3話分のDVD-Rです。
 分からない人のために説明しておくと、『ダイナ』の主人公アスカは、父が十数年前に超光速宇宙船の実験中に行方不明になっており、アスカ自身も防衛隊スーパーGUTSの隊員としての活動の傍ら、父の跡を継いでその宇宙船の改良版のテストパイロットを務めていました。
 最終回では、ダイナ(=アスカ)が敵の爆発によって発生したブラックホールに吸い込まれて姿を消してしまいます。
 そして、ラストシーンでは、父の乗る宇宙船に追いついたアスカの宇宙船が併走飛行しながら光に向かって飛び続けるのです。
 鷹羽は、レーベル面の下側にラストシーンでのアスカと父の宇宙船のシーンを置いてサブタイトルを被せ、左側に右(父の宇宙船側)を向くアスカ、右側に左(アスカの宇宙船側)を向く父を配置し、上側に子供の頃のアスカと父のシーンを置きました。
 ラストシーンを端的に表したレーベルを作ったと自画自賛しています。

 さて、鷹羽のアパートでは、テレビはアンテナからではなく集合住宅用のケーブルテレビに繋がっています。
 3月半ば頃、ケーブル放送を地デジ対応にするため、壁面に内蔵されたアンテナケーブルジャックを交換するということで、業者が入りました。
 鷹羽のテレビは、まだ地デジ対応ではないため、これまで置いてあったケーブル用チューナーを撤去するだけで、デジタル放送用チューナーへの交換はしないことになりました。
 工事は無事終わったのですが、その後しばらくして、どうもテレビ画面がチラチラするようになってきました。
 特にトクサツで動きの激しいシーンなどで、画面が一瞬ブラックアウトしたり、モザイクっぽくなったりするのです。
 『ウルトラマン』系の光線技のシーンなんかはモロに不調です。
 アニメではあまり影響ないようですが、それでもやはり時たま出てきます。
 最初は、またHDD内蔵DVDレコーダーの調子が悪くなったのかと思いました
 ところが、『炎神戦隊ゴーオンジャー』では、なんともありません。
 4月初旬、どうやらスカパー!から録画した番組だけがおかしいらしいと気付きました。
 調べてみると、電波は十分なレベルでチューナーまで届いています。
 つまり、スカパー!のチューナーがいかれている、と。
 先日のケーブルチューナー交換の際、業者が結構乱暴に動かしていたので、ケーブルチューナーの隣にあったスカパー!のチューナーに衝撃を与えたんじゃないかと疑っているのですが、何分、暫くしてから気が付いたので、はっきりしないし文句も言えません。
 この辺は、気付くのが遅かったことが悔やまれますが、後の祭り。
 まぁ、10年も使っていますから、そろそろガタが来てもおかしくない頃ですし、偶然かもしれません。
 困ったことに、修理しようにも、10年前の型ですから部品がなさそうです。
 そこで、安めのチューナーに買い換えました。
 今って、チューナーとアンテナはセットで売ってるんですね。
 アンテナ工事を頼むと高くつくので、アンテナは古いものを流用することにして、自分でチューナーを設置しました。
 新しいチューナーに換えたお陰で、番組が綺麗に映るようになりました。
 めでたしめでたし。

 …と思ったら、問題はそれでは終わりませんでした。
 スカパー!から録画した『ペリーヌ物語』をダビングしようとしたら、画面に「1回限り録画可の番組なので、ダビング後、HDDから削除します。よろしいですか?」との文字が…。

 ぬゎんですとぉ?

 今までも『ペリーヌ』ダビングしたことあるけど、そんなこと言われたことなかったよ。
 試しにスカパー!の他の番組で試してみると、どれもこれもダメ。
 しかも、VRモードでないとダビングできないって、あんた…。
 ちなみに、鷹羽のレコーダーでは、DVD-Rにはビデオモードでしかダビングできず、DVD-RWにはVRモードでもビデオモードでもダビングできるようになっています。
 ただ、VRモードでダビングすると、他機種では再生できないということだったので、これまで鷹羽は、保存用にダビングする際は、DVD-Rにビデオモードでやっていました。
 不思議に思って新しいチューナーで番組予約の画面を見てみると、ほとんど全部の番組に「1回だけ」マークが入っています。

 おかしい。
 前のチューナーでは、そんなことはなかったのに。

 納得できない鷹羽は、スカパー!カスタマーセンターに電話してみました。  
 カスタマーセンターのお姉さんによると、2004年の4月以降、ほとんどの番組でコピーワンスが掛かっているとのこと。
 言われて、スカパー!のプログラムガイドをよくよく見ると、確かに「有料チャンネルでは、コピーワンスで放送しています」の説明文がちっちゃく書いてあります。
 コピーワンスというのは、著作権保護のため、デジタル録画機器では1回しか録画できないようにする技術で、HDDに録画したものをDVDにダビングする際にはHDDから消去して、録画媒体が1つしかない状態を保つというものです。
 コピー不可だから移動しちゃうんですね。
 ちなみに、移動できるのも1回限りで、DVDからHDDに移動し直すことはできません。
 今まで問題なくビデオモードでダビングできたという話をすると、お姉さんは、調べてみますと言って、現在のチューナーと新しいチューナーの型番を聞いた後、一旦電話を切りました。
 暫くしてお姉さんが電話をかけてきて言うことには、前のチューナーは型が古すぎてコピーワンスに対応していないので、ビデオモードでダビングできたのだとか。
 ああ、なるほど。
 デジタル録画装置(DVDレコーダーとかHDDレコーダーとか)が一般に普及したのは前回のオリンピックの頃(2004年)だから、10年前にはコピーワンスなんて概念はスカパー!にはなかったのですね(録画禁止というのはあったけど)。

 困りました。
 説明書には、DVD-RWにVRモードでダビングした場合、「他社の機種での再生は保証しません」とあります。
 パイオニアがHDDレコーダー事業から撤退するという噂もあります。
 せっかくダビングしても、デッキを買い換えたら再生できないというのでは話になりません。
 そこで、ふとデッキのバージョンアップディスクのことを思い出しました。
 これはDVR-620HSの特殊事情なのですが、発売直後にマイナーチェンジ版のDVR-625HSという機種が発売された関係か、DVR-620HSにDVR-625HSの機能を持たせるためのバージョンアップディスクがネット販売されたのでした。
 機能のバージョンアップ内容には、“DVD-RにVRモードでダビングできる”というのがあったはず。
 ただ、バージョンアップにはハードディスクの初期化を伴うので、当時は購入を控えたのでした。
 今ハードディスクの中にある番組をどうするかという問題が解決できませんが、ともかくパイオニアに問い合わせてみる価値はありそうです。
 
 翌日、昼休みに電話をかけてみると、確かにバージョンアップディスクで“DVD-RにVRモードでダビングできる”機能を付加できるそうです。
 このバージョンアップディスクは代理店経由で販売していたもので、既に販売期間は終わっているけれど、代理店に在庫があれば手に入るだろうということで、その連絡先を確認しました。
 そう数が出るものでもないでしょうから、在庫がある可能性は高そうです。
 ついでに、コピーワンス対応機種であれば、他メーカーのレコーダーでも、DVD-RWにVRモードでダビングしたものを再生できるということも確認しました。
 これで、今ハードディスク内にある番組も何とかできる目処が付きました。
 
 次に、代理店に連絡を取ってみました。
 予想どおり、バージョンアップディスクの在庫はありました。
 ただ、電話での発注には応じていないので、ファックスで発注してほしいと言われました。
 発送までに1週間程度掛かるとのことでしたが、ともかく手に入ります。
 問題は、鷹羽の家にはファックスがないことでしょうか。
 帰宅後、ネットで調べてみると、ファックスだけでなくネット販売もやっていたので、早速注文しました。
 送料込み約1万円也。
 落ち着いてみると、どうせ地上波放送が地デジに完全に切り替わる頃にはレコーダーを買い換えなければならないでしょうから、少々余分な出費だったかもしれません。
 悶々としながら、ともかくハードディスク内の番組をDVDに逃がすことにしました。
 いずれにしてもハードディスクは一旦初期化するわけですから、これは必要な作業です。
 一般のテレビ番組はDVD-Rに、スカパー!の番組はDVD-RWにとダビングしていきます。
 この時点で分かったのですが、コピーワンス番組をダビングできるCPRM対応の場合、DVD-RWの値段がDVD-Rの倍近いのです。
 バージョンアップディスク代の1万円は、割と早く元が取れそうです。
 あ! しかも、ハードディスクの最適化なんて機能まで付加されてるじゃないですか!
 ああ、バージョンアップして良かった♪
 
 さて、いざダビングを始めてみると、予想外の問題点が見えてきました。
 コピーワンスもののダビングの場合、DVD-Rにビデオモードでダビングする時には使える機能が使えなくなるのです。
 DVD-Rにビデオモードでダビングする場合は、ダビングしつつ別の番組を録画できますし、ハードディスク内の番組を再生できます。
 ただ、チャプター編集や削除といった機能は使えませんし、ファイナライズの最中は、他の一切の機能が使えません。
 どうやら、この機能制限は、鷹羽のレコーダーだけのことではないようです。
 
 そして、コピーワンスもののダビングの場合、この機能の使えない時間が爆発的に増えるのです。
 まず、1枚ダビングするごとにハードディスク内の元データを消去(=削除機能を使用)するので、ダビングの間は録画ができません。
 ダビング中もハードディスク内の番組を再生したりチャプターを打ち込んだりすることはできるのですが、ダビングの終了と同時に元データが消去される(=番組削除機能が働く)ため、たとえ再生していたのが別の番組だったとしても関係なく再生が強制終了されてしまいます。
 しかも、どの番組のどの辺りまで再生していたかという情報もキャンセルされてしまうため、次に再生しようとした時は、ハードディスク内の一番古い番組を再生しようとします。
 また、コピーワンス対応のDVD-RWは2倍速ダビングまでしか対応していない(少なくとも鷹羽の近所で安売りしているものは)ため、1枚ダビングするのに1時間近く掛かります。
 しかも、ファイナライズに掛かる時間が…17分!?
 つまり、1枚のDVD-RWのダビングを完了するためには80分近く掛かり、しかもその間、録画不能になる、と。
 
 これだけでも相当ショックなのですが、鷹羽的な利用方法から言えば、もっと問題があります。
 先程書いたとおり、パソコンで画面を録ってレーベルを印刷するのが楽しみなのですが、それができなくなったのです。
 パソコン用のDVD再生ソフトは、かなり最近のものでなければコピーワンスには対応していないのです。
 しかも、再生ソフトだけでは足りず、DVDドライブもそれに対応していなければなりません。
 ささやかな楽しみのために、随分と高い先行投資が必要になったものです。
 まだあります。
 鷹羽は、何らかの理由で1話撮り逃したりした場合、その前後をDVD-RWに待避させておいて、再放送などの際にまとめてDVD-R1枚にダビングするようにしています。
 補完後に、待避させていたものをハードディスクに戻せば、放送話数順に並べてダビングできますから。
 待避させるのは、ハードディスクの中に残したままにしておくと、クラッシュした時が怖いからです。
 実際、以前ハードディスクがエラーを起こした時に、ダメになってしまったという苦い経験があります。
 こういうことを許さないシステムというのは、とても困ります。
 あれ? このシステム変更って契約内容の不利益変更じゃない? そんなこと了承した覚えはないけど…。
 スカパー!の受信契約には、ペイパービュー以外にダビング禁止関連の条項はなかったはずなのに、突然一方的に禁止していいのかなぁ?
 
 とにかく、一度ダビングすると強制的にハードディスクから消されるというのは、かなり厳しい話です。
 例えば、鷹羽は最終回の後の新番予告を、次の番組の1話の前にも入れることにしていますが、これはコピーワンスでは不可能です。
 スカパー!では新番予告はあまり見られませんが、『マスクマン』から『ライブマン』に繋がった時にはやってましたね。
 シャレにならないのが、ダビングの失敗でも消えてしまうこと。
 しかも、前回ハードディスクが吹っ飛んだ際の切り札となった再生中ワンタッチダビングは、コピーワンス番組のダビングには使えないわけです。
 
 古いスカパー!チューナーをお持ちの方は、もし壊れたらダメ元で修理に出してみましょう。
 それがダメなら中古を買うとか。
 多少手間が掛かりますけど、きっとその方が便利ですよ。
 めでたしめでたし。

 ちょっと待ってください。
 ことは、それだけでは終わりませんよ。
 地デジ放送でも、同じことが起きるじゃありませんか!
 つーか、既に地デジを利用している人は、こういう目に遭っているはず。
 なるほど、ダビング10(テン)なんて話が出てくるわけです。
 
 別に、違法コピーしようとか思ってるわけじゃないんです。
 ただ、簡単にダビングして、パソコンで再生して、画面写真を利用したレーベルを作りたいとか、撮り逃した話の再放送を待つために取っておきたいとかいうだけなんです。
 そんなにおかしいことなんですか?

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