今更「ウルトラマン・ファイティングエボリューション3」2

後藤夕貴

更新日:2007年10月13日

 2007年7月19日、プレイステーション2ソフト「ウルトラマン・ファイティングエボリューション3」のベスト版が発売された。
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 というわけで、今回もこのFE3について語ってみたい。
 前回はこちらから。
 ただし、いつものようなレビューではなく、ウルトラファン視点で面白さをピックアップするという方向性で。

●問題点:

 だが当然ながら、このゲームにも無視できない問題点があり、一部の人には大変とっつきが悪く感じられる場合がある。

 例えば、先で簡単だと説明した操作性の問題。
 確かに基本は簡単なのだが、応用になると途端に難しくなる。
 例えば、ガードモーションを取った直後に攻撃ボタンを押すと発動する「ガードアタック」。
 過去の格闘ゲームでも似たようなものがあったが、タイミングが異常にシビアで、大変に扱い辛い。
 更に、似たような入力で「回り込み」「投げ回避」などもあり、それぞれを的確に使い分けるのは困難だ。

 また、△ボタン限定で「攻撃が当たる瞬間にもう一度△ボタンを押す」事で発動する「ジャストアタック」というものもある。
 これは、動作こそ普段の△ボタン攻撃のものと変わらないが、ヒットマークが白から赤になり、ものによっては相手は転倒してしまったり、通常より大きなダメージを受けたりする。
 これは大変便利で、うまく使いこなせば絶大な効果を発揮できるが、ヒットする瞬間を見極めて的確にボタンを押すのはほぼ不可能で、感覚的には適度にボタンを部分連射するという感じになる。

 これら特殊操作は、いずれも難しいが練習のしがいのあるもので、本作内でも練習用モードとして「プラクティスモード」「チュートリアル」があり、いくらでも経験を積む事が可能だ。
 だから、本来なら問題ではないのだが…

 では何がまずいのか。
 ゲームランクを上げると、CPUがやたらとこれらを使い続けるようになってしまうのが問題なのだ。

 ノーマル以上の難易度になると、CPUキャラはガードアタックは標準的に使ってくるようになり、ハードになるとその頻度と的確さは尋常ならざるレベルになる。
 当然、これに対抗するためにこちらも同様の攻撃をしなければならなくなるが、このせいで人によっては「特殊入力技を確実に入れる事が主目的となってしまって、単純な戦闘が楽しめない」という事になってしまうのだ。
 つまり、本作最大の魅力である「夢の対決」「ウルトラマンゴッコ」的な部分が薄まり、従来の格闘ゲーム的な楽しみ方しか出来なくなってしまうわけだ。
 これでは、ウルトラマンのゲームがしたいから購入したという人には厳しい。
 ある程度以上、格闘ゲーム慣れしている人でなければ、素直に受け入れ難いだろう。
 勿論、難易度上昇は必ずやる必要はないし、CPUも特殊攻撃ばかり使うわけではなく、単純に攻撃頻度や与えるダメージを高めてくる場合もあるが、なんとなくイージーとは違うものを感じてしまう。
 うまく言えないが、「プロレスのノリを理解していない相手が本気でつっかかって来ている」ような印象を受ける。

 一部入力受け付けが、奇妙に感じる部分がある。
 これはバリア技使用時や、コスモス・ルナモード使用時によく感じるものだが、所謂「シビアなタイミングで特定のボタンを押さなくてはならない」動作で、明らかに入力タイミングが遅れているにも関わらず成功してしまう事が多い。
 バリアなどは、「バリア」のマークが画面から消えた後でも入力を受け付けるし(逆に消えた直後にボタンから指が離れると失敗扱いになる)、ルナモードは「ジャンプ打撃攻撃」をさばくのに必要な入力受付タイミングが明らかにズレている(上方向からの攻撃は通常とあまり変わらないが、横方向からの攻撃は通常のタイミングで押すと確実に失敗する)。
 もし、チュートリアルで教えられた通り連打しているにも関わらずバリア防御が失敗しやすいという人は、いつもより少し長めに連打を続けてみよう。
 それだけで、かなり成功確率が上がるはずだ。
 筆者は「ちょっと長くやりすぎたかなー?」と感覚的に感じるくらいまでやって成功させるケースを多く経験しているが、その際「バリア」マークは画面からとっくに消えている。 
 
 演出面では、キャラクターのパワーバランスの差が所々で気になる。
 本作は、全体的に怪獣側が不利になっている。
 基本性能や技の性質については確かに強いのだが、食らい判定の大きさや防御力、また動きや必殺技の種類など、あまりにもウルトラマン側より劣っている要素が多い。
 ウルトラマン系の操作に慣れた人が初めて怪獣(特にバキシムやゴモラなど)を使った場合、全然連携に繋げない□ボタン攻撃に愕然としてしまうのではないだろうか。
 言うまでもなく、基本的に一話限りのゲストに過ぎない怪獣や星人が、毎回登場しているウルトラマンと同じくらい技を持っていてもおかしいわけだが、それにしても、ボタン配置を変更する事くらいしかできないカスタムの寂しさや、原作では必殺技的な攻撃をもっとしていた筈なのに…と思わせる動作がなかったりと、若干寂しさというか贔屓的なものを感じずにはいられない。
 かといって、オリジナルの技をいれまくるというのもそれはそれで困りものなので、なかなか難しいわけだが…
 でも、通常攻撃はオリジナルパターン山ほど盛り込んでいるんだよねえ。
 ただ、キャラクターによっては必殺技の少なさを補った高い性能を持っている者もいるので、あながち悪くは言えないかもしれない。

 キャラクターのデザインや色などにも、問題が感じられる。
 本作は、原作準拠というこだわりがあるせいか、VSモードで同キャラ対戦が行われた場合のサブカラー(所謂2Pカラー)や、一部モードチェンジ能力を持つウルトラマンの判別がとてもつきにくい。
 一応、サブカラーキャラは用意されているとの事なのだが、さすがに「青いセブン」とか「黒いレオ」みたいな、あからさまにニセモノ臭漂う色変更はできなかったようで、よく見比べればなんとなく色の明るさや濃さが違うという程度の差を設けている。
 ところが、これが暗いステージになるとまったく判別がつかない。
 天王星ステージのような明暗が極端なステージになると、もうどっちがどっちだか全然わからない。
 せめてプレイヤーを示すアイコンを頭上で点滅させるとか、もっと別な方法で区別を容易にする工夫をして欲しかった気がする。
 …いや、アイコンは自分で言ってて嫌だなと思うけどさ、代案浮かばないし…

 些細な点にもあえて触れると、一部キャラクターの名称が正しくないという指摘もある。
 たとえばウルトラマンエースは、本作では「ウルトラマンA」と表記されているが、本当はこれは間違い。
 「ウルトラマンA」はあくまで番組名であり、キャラクターとしては「〜エース」と書かなくてはならない。
 同様に、ウルトラマンタロウの場合も番組名は「ウルトラマンT」となるのだが、なぜかこちらはちゃんと正しく表記されている。
 呼称について色々議論が出そうな新マンも、一応キャラクター名である「〜ジャック」を使用しているんだから、この辺統一して欲しかったなあと。
 ちなみに本当は「ゾフィ」が正しいゾフィーの名称だが、これは映画「ウルトラマンZOFFY」以降に確立した名称で、本作でもこの映画作品のテーマを扱っている関係上、問題はないと思われる。

 「ウルトラマンコスモス」に大きな問題がある。
 本作は、劇場作品「ウルトラマンコスモスVSウルトラマンジャスティス」に準拠しているため、コスモスの設定がTV版と大きく異なっている。
 本来なら、コスモスはルナ(青)→コロナ(赤)→エクリプス(青&赤)というプロセスを踏んでモードチェンジするのだが、今回はコロナモードがオミットされ、代わりにエクリプスの後に劇場版オリジナルのフューチャーモード(青&赤&金)を組み込んだ。
 ところが、このフューチャーモードのデザイン(というかシルエット)はエクリプスモードに物凄く酷似しており、ゲーム画面だと咄嗟に区別がつかない事が多々ある。
 自分が使用している場合はまず間違える事はないのだが、モードチェンジ中に攻撃を受けて倒れた際、一瞬「モードチェンジは果たして成功したのか?」と疑問を抱いてしまう。
 フューチャーモードは、確かに頭の形もボディカラーの比率も違うのだが、それは比較して初めて容易に判別出来るのであって、よほど思い入れがあるか注目していない限り、咄嗟に見分けるのは厳しい。
 これなら、全身ほとんど赤色のコロナを入れた方が判りやすいし個性もはっきりすると思うのだが。
 ちなみに、エクリスプスモードとフューチャーモードは外観だけでなくその動作もほとんど同じため(必殺技のモーションはさすがに違うが)、それもまた混乱を招きやすい。
 個人的には、劇場版準拠にしたためコロナを省いたというより、それ単体でまったく違うモーションキャプチャーを求められるコロナを入れるよりは、モーションデータを流用できるフューチャーを盛り込んだ方が楽だったからなのではないか…と邪推している。
 なにせ、レジェンドも(スピードは違うものの)エクリプスやフューチャーとまったく同じ動きなんだもの。
 妄想ウルトラセブンですら、(打撃攻撃以外は)オリジナルの動きを持たせているのに…。

 尚、平成ウルトラマン系のタイプチェンジ・モードチェンジについて「あまりにも隙が大きすぎてしょっちゅう中断させられてしまう」という問題点がよく聞かれるが、筆者はこれを問題だとは思っていない。
 展開を有利にする可能性のあるタイプチェンジなら、それを行うためにはそれ相応のリスクが伴って当然だし、隙があるならその隙を見越して巧くチェンジできるように工夫すれば良いだけの話だからだ。
 例えば、攻撃頻度が高くほとんど隙を与えてくれないグローカービショップも、コスモス・エクリプスモードのジャンプ△が命中すると転倒し、余裕でモードチェンジが出来るゆとりが確保できる。
 ノーマル以上になると、かなり距離を開いたにも関わらずチェンジすると敵が猛突進してくる修正があるが、これも事前に把握していると対応はある程度可能だし、また「一発くらいは食らう覚悟」があれば、意外になんとかなる場面も多い。

 むしろ問題なのは、ふっ飛ばし攻撃を食らわせた直後はなぜかチェンジが出来ない仕様になっている点ではないだろうか。
 ふっ飛ばし攻撃を命中させた直後は、通常技や必殺技の入力は可能になるのだが、なぜか光弾攻撃とタイプチェンジをしばらく受け付けてくれなくなってしまう。
 入力受付は、ふっ飛ばされた相手が行動可能になった後から始まるため、これを用いる意味はほとんどない(せいぜい間合いを離す程度の意味しかない)。
 だから、ティガ・マルチタイプでふっ飛ばし→ふらふら中にパワータイプにチェンジ→デラシウム光流発射…といった流れは行えない。
 確かに、ふっ飛ばし後にチェンジ確定となると、場合によっては著しくパワーバランスを崩す展開になりかねないが、しかしこれは大事な「ウルトラマンの活躍場面」の一つを削ってしまっている可能性も高いわけで、個人的にはいささか納得がいかない。
 また、初心者には安心してチェンジのタイミングが計れるチャンスでもあるため、かなり重要だと思われるのだが…
 これはどちらかというと、必殺技入力受付状態時の操作系に関わっている問題なのではないかと推測する。

 プレイバリューについて気になる点として「対CPU戦では絶対に戦えないキャラクター」が出て来てしまうというものもある。
 これは、CPUが使用してくるキャラクターにはカスタマイズ性能がまったく反映されないために発生する難点で、例えば「ガイア・V2(スプリームバージョン)」や「アグルV2」、バリア性能を持ったレオや新マン、コスモス・エクリプスモード&フューチャーモード、必殺技を装備したダイナ・ミラクルタイプとは絶対に戦えない仕様にされている。
 出現フラグがセーブされないレジェンドは、一応VSモードで指定すれば戦う事は出来るが、それにしてもバトルモードでは絶対出現しない。
 これはせめて、同一キャラ内にも必殺技をカスタマイズされたバージョンをいくつか含めておくなどして対応して欲しかったように思う。

 かと思うと、別に普通に使用されても問題ないと思われるツインテールやコスモスが、バトルモード上では一切出現しなかったりするという疑問点もある。
 またコスモスは、VSモードでCPUに指定するとなぜかモードチェンジを一切行わないため、どうしてもエクリプス以上の「攻撃をしてくるコスモス」とは戦う事ができない。
 もし、これらの点がクリアされていたら、対戦相手のバリエーションが実質的に増加し、より楽しめるようになったと思われるだけに、実に残念だ。
 あと、バトルモードのラストに出現する敵がプレイヤーの使用キャラに関連付けられたものにされている都合上、どうしても毎回同じ相手と戦わされるというのも勘弁して欲しくなる。
 コスモスの場合は、ラストが必ずグローカービショップ固定で、もう顔を見るのもイヤになってくるんだよねぇ(個人的に)。

 以上、細かな問題点が散見するが、それを踏まえても本作の完成度は高く、また充分楽しめるものだと思われる。

●各キャラクター

 以下は、筆者個人の「大変偏った」見解で、各キャラを評価したもの。
 話半分くらいに読んでいただけると幸い。

■昭和ウルトラマン系

1.ウルトラマン&ウルトラセブン:

ウルトラマン

ウルトラセブン

 筆者は、本作における「ストリートファイターシリーズのリュウ・ケン」的位置付けのスタンダードキャラだと考えている(各自の特性は全然違うけど)。
 他のウルトラマン系キャラと比べて派手さや突出した旨味はないが、応用性の高い通常技や安定性のある攻撃力が魅力で、やりこむ価値は大変高い。
 また、条件を満たすと細かい技をどんどん覚えていき、しかもそれらがほとんど威力的に大した事がない(つまり自己満足的効果しかない)物ばかりというのも微笑ましい。
 「ウルトラキャッチ光線」や「ウルトラノック戦法」、また「エメリウム光線C」など、あまりにもマイナーな技が充実しているのは嬉しい。 
 ウルトラマンは重い一発一発を命中させていくタイプ、セブンは連撃やリーチの長い技を駆使して相手を翻弄しつつ自分のペースで戦況を開いていくタイプだと思われる。
 実質的な決め技が、それぞれスペシウム光線とワイドショットなところが嬉しい。

2.帰ってきたウルトラマン:

帰ってきたウルトラマン
 本作では「〜ジャック」と呼称されている。
 昭和ウルトラマンでエースに次ぐ多数の必殺技を持っている上、基本性能もスタンダードなので大変に使いやすく、また強い。
 特に△攻撃で貯まるふらふらゲージの量は、もはや異常の域。
 本作最強キャラ説もあるほどで、加えて必殺技ムービーのインパクトも強く、好きな人には本当にたまらない。
 というか、製作側の溢れんばかりの愛情を感じるのは気のせいだろうか?
 デフォルト状態ではウルトラブレスレット系の必殺技を持っておらず、光線系ばかりだが、ゲーム進行に併せてドカドカと技が増えていくのが楽しい。
 反面、よほどストイックでない限り必殺技を沢山装備させてしまいたくなってしまう魔力もあるため(笑)、結果的に一つ一つの技の威力が弱くなってしまいがち。
 それでも充分すぎるくらい強いんだけどさ。
 「ウルトラハリケーン」の時は、ちゃんと声を出してくれるところが泣かせる。
 スペシウム光線が、ウルトラマンのものに比べて威力が劣る所は賛否両論?
 尚、新マン派の鷹羽氏は、ラブラブ度が高じすぎて一日36時間も新マンを使い続けた。

3.ウルトラマンエース:

ウルトラマンエース
 単体で16種類もの必殺技を持つ(その半分は攻略で取得)、とんでもないウルトラマン。
 別名・ギロチン帝王。
 また、完全攻略のためにはもっとも多用しなければならないウルトラマンでもある。
 入手手順がややこしいものの、各種ギロチン技や特徴的な光線技は一通り装備。
 先の通り、エースブレードなる超絶マイナー技まで揃っているのは嬉しい。
 ガード不能な上、食らった相手が必ずダウンするエースファイヤーという凶悪技を持ち、これの使い勝手が良すぎるためゲーム展開を切り開きやすい。
 また通常技も悪くないリーチと威力、汎用性を持っているので、気持ちよく戦っていける。
 新マン同様、技が多すぎて一つひとつの威力が弱くなってしまいがちではあるが、ほとんど欠点らしい欠点が見当たらない最強クラスキャラである事はほぼ間違いない。
 スペースQ取得は、80出現に並ぶ最難行程だが、それに見合った威力が期待できる。

4.ウルトラマンタロウ:

ウルトラマンタロウ
 必殺技はそこそこ多いものの、むしろ通常技の強さが突出している準パワーファイター系。
 特に↓→□連打の最大16コンボ技は凶悪で、連発すると(されると)始末に負えない。
 一戦闘に一度は、×ボタン押しのみで発動する「スワローキック」を決めたいところ。
 ストリウム光線を途中で使うか、最後の締めで使うかはその人のセンス次第か。
 ネオストリウム光線やタロウスパウトなどのマイナー技もあるが、兄貴達ほど内訳はマニアックではない(原作ではタロウもかなり光線技が多いのだが、採用されたのはごく一部)。
 代わりに、「ウルトラマンタロウ物語」のみに登場した、今となっては黒歴史的位置付けの技「コスモミラクル光線」が使えるのはおいしい。
 その入手行程はやや複雑だが、スペースQに比べたら遥かに楽なので、思う存分ゾフィーをいたぶって手に入れよう(謎)。
 禁句:腋臭ビーム。
 尚、声は石丸氏ではなくちゃんと篠田ボイスなので安心しよう。

5.ウルトラマンレオ&アストラ:

ウルトラマンレオ

アストラ

 一部の世代には熱狂的な人気を誇るレオ兄弟が、あの真夏ボイスで登場するもんだから、もうそれだけで嬉しい。
 どちらも格闘戦メインで、光線技は抑えられているところがマニアックだが、ウルトラダブルフラッシャーやシューティングビーム、スパーク光線などツボはしっかり押さえているところが良い。
 この上、レオ(アストラ)キックやバリア技としてレオブレラがあるのだから、文句なし。
 ハンドスライサーは、威力こそ弱いものの迫力満点なので、思わず装備してしまう魅力がある。
 ただし、アストラはキックとダブルフラッシャーのみで、バリア技すら持っていないのは寂しい。
 両者ともほとんど同じキャラで、基本的には若干通常技の性能が異なるだけしか違いがない。
 アストラは技が増えず、またカスタマイズもあまり意味がないので厳しいかも。
 ほとんど趣味で使い分ける状態かもしれない。

6.ゾフィー:

ゾフィ
 先の通り、本作では「ゾフィ」ではなく「ゾフィー」と表記されている。
 基本性能はそこそこ高く使い勝手も良いが、必殺技が少なくしかもチャージにかかる時間が長いため、基本的には通常技で押すしかないという、やや不便な印象のあるキャラ。
 言うまでもないが、戦闘中は一切ガード禁止である。
 なぜかって? ガードするゾフィーと、攻撃を食らってもんどり打つゾフィーと、どっちが「素敵」だと思うのか!
 デフォルト必殺技のM87光線は、思わず目を疑うほどのバカ高い威力発揮。
 さすがにチャージが長いだけの事はある。
 M87光線Bを手に入れて、ようやくそこそこ楽に使える感じがする。
 光弾技「Z光線」の使い勝手はかなり良好。
 ゾフィーを使うなら、一度は×と○のふっ飛ばし投げを見ていただきたい。
 お前、それカメラ回して誤魔化してるだけだろ!(笑)

7.ウルトラマン80:

ウルトラマン80
 「俺たちのウルトラマン!」こと、80先生まで降臨。
 本作発売当時、80の存在が確認された時はえらい大騒ぎだったそうな。
 最も難しい&面倒な条件を満たさないと出現しないが、決して利便性が高いとはいえず癖があまりにも強い。
 また、全ウルトラマン中トップクラスを誇る光線技の種類がありながら、そのほとんどが採用されていないのが悲しい。
 とはいえ、基本のサクシウム光線やバックルビームに加え、一度しか使ってない(後にメビウス41話でも使用)ウルトラレイランスを持っていたり、ムーンサルトキックも備えていたりとやはり侮れなかったり。
 あと、ふっ飛ばし攻撃でいちいち四股を踏むのは、やっぱり40話の対ジヒビキラン戦から持ってきているのかなあ。
 四股踏み中はスーパーアーマー状態というのも、気が利いていて実に笑える(すごく当て辛いけど)。

■平成ウルトラマン系

8.ウルトラマンティガ:

ウルトラマンティガ「ちゃっ!」
 「ちゃっ!」「チャッ!」と元気が良すぎる平成ウルトラマン第一号。
 平成組としては割とスタンダードな性能で、通常技も必殺技もかなり使いやすい。
 特に、スカイタイプには無限コンボが存在するという凶悪な一面もあり、さすがは元・悪のウルトラマンと唸らされてしまう。
 反面、タイプチェンジ後の見た目の変化が最も乏しく、構えや細かな技の種類、動きのスピードは変わるもののそれぞれのタイプの個性が見えない欠点あり。
 特に、投げ技がどのタイプもまったく同じという点で、ダイナに大きく引き離されている感がある。
 パワータイプは、通常攻撃の一部にスーパーアーマー機能あり。
 各モードの必殺技は平均2つ程度とものすごく少なく感じるが、総合的には結構な数になっているのでバランスは取れているかも。
 ゼペリオン光線も威力は高いが、パワータイプのデラシウム光流の威力は尋常ではない。

9.ウルトラマンダイナ:

ウルトラマンダイナ
 個人的には平成ウルトラマンで最も好きだが、本作では「癖が強すぎて使いづらい基本性能」と「個性豊かな各タイプ能力」という二大特徴を併せ持っていて、異様な存在感を発揮している。
 一発ごとの攻撃力は高いようだが、リーチが短く連打が利かなかったり打撃が発生するまで時間がかかるため、ガードアタックも活用し辛いという難点があるせいか、ひょっとしたら中級者向けなのかも。
 全ウルトラマン中、唯一デフォルトで必殺技を持っていないミラクルタイプは、代わりにバリアで敵の攻撃を跳ね返す「レボリウムウェーブの別バージョン」を使用。
 これを知らないでミラクルタイプでトドメを刺そうとすると、うっかりでは済まない結果になってしまう。
 その他、妙にもっさりしたフラッシュタイプと、恐らくもっとも不便な地上ふっ飛ばし攻撃を持つストロングタイプという特性もあり、それぞれの性格をよく理解しておかないと、タイプチェンジ自体がピンチの呼び水になってしまう(あたかも本編でもそうだったように!)。
 なお原作と違い、本作では何度もタイプチェンジを行う事が出来るが、あえて原作同様「タイプチェンジは一戦闘に一回だけ(フラッシュに戻るのはアリ)」という制約を設けてプレイするのも楽しい。
 タイプチェンジによる体格の変化はどのウルトラマンにもあるが、恐らくダイナのフラッシュ→ストロングタイプへの変化が一番わかりやすいかもしれない。

10.ウルトラマンガイア(全):

ウルトラマンガイア(画像はノーマル)
 タイプチェンジがデフォルトの平成組の中で、唯一変わった性質を持っているウルトラマン。
 基本形のガイア・ノーマルバージョンに、後から取得した必殺技をカスタマイズすることでV2バージョンとなり(ノーマルには戻れないので、実質的に別キャラになる)、そこからようやくタイプチェンジ(正確にはバージョンアップ)が装備可能になる。
 各技の性能・性質は、ノーマル→V2→スプリームバージョンの順にパワーアップし、一部名称も変化する。
 また、スプリーム化すると体格も変化し、より筋肉質な体型になるのも見逃せない。
 反面、バージョンアップにものすごく長い時間が必要になるという欠点も持っている。
 残念ながら相当な数の必殺技がオミットされており、取得できるものも決め技的なものばかりだが、いずれも使い勝手は良く意外にチャージ時間が短いので重宝する。
 性質を理解して上手く使いこなせば、物凄く強くなる可能性を秘めた平成ウルトラマンかもしれない。
 必殺「拝ビーム(仮称)」の迫力に酔え!

11.ウルトラマンアグル:

 平成ウルトラマンで唯一タイプチェンジ系の能力を持っていない。
 ガイア同様、後から取得した技をカスタマイズする事でV2バージョンに進化。
 光弾攻撃に加え、補助技としてアグルブレードを持っているのが嬉しい。
 ただし一定時間で消滅してしまう性質なので、出したなら的確に決めていかないとかっちょわるい。
 通常技・必殺技共に可もなく不可もなくといった感じで、性能的にはあまり独自性を持っていないのだが、代わりに「技の動きがえらくかっこいい」という特徴を持っている。
 特に投げ技各種は必見!
 よく考えたら、隠しキャラ系の割には技の増加やカスタマイズに意味があったりするから、これでも結構優遇されているのかもしれない。

12.ウルトラマンコスモス:

ウルトラマンコスモス・エクリプスモード
 作品としては個人的に最も嫌いなウルトラマンだが、同時に本作では最高にラブリーな存在。
 本作では「攻撃不可能」ルナモード、「勝手にふらふらゲージが貯まる※」エクリプスモード、「一応最強」フューチャーモードの3モードのみ再現されており、コロナモードや他の色々モードは全部無視。
 エクリプスとフューチャーは、基本性能がほとんど同じで必殺技も(モーションと光線エフェクトが違うものの)よく似ている上に特殊性質性皆無のため、あまり個性がない。
 しかし、自分から攻撃が一切できず、代わりに相手の攻撃をさばき続けてふらふらゲージを貯めていくルナモードの存在は突出しており、かなりの上級者向けキャラになっている。
 いわば、ルナモード主体で制約の多い戦闘にあえて挑戦し、にっちもさっちもいかなくっなたらやむを得ずエクリプス他にチェンジして一気呵成に決着を付けるという感じだろうか?
 ルナモード唯一の必殺技「フルムーンレクト」は、炸裂時の爽快感は相当なものである反面、発動までにえらい時間と準備が求められる割にはあっさりバリアで弾かれるので、時間が足りなくなったら凶暴化(笑)するのも悪くない。
 本作の隠しフィーチャーを全て出して飽きを感じたら、このルナモード修行に挑戦するのも悪くはないだろう。
 筆者はオールクリア後、このルナモードをメインに使い一ヶ月以上プレイし続けた。
 尚、VSモードでルナ対ルナ戦をやる事は「千日戦争(サウザンドウォーズ)」と呼ばれ以下略。

※本来一分間しか活動出来ない設定の代償として、エクリプスモードは自動的にふらふらゲージが蓄積してしまうというペナルティが課せられている。

13.ウルトラマンジャスティス:

ウルトラマンジャスティス・スタンダードモード
 使い勝手も良いし通常技の有効性は高く、モーションもなかなかかっこいいと良い所ずくめなんだけど、登場が劇場版一作限りだったり最初は敵だったりしたせいか、今ひとつ立ち位置がはっきりせず不気味な印象が拭えないキャラ。
 実は、コスモスの後番組の主役候補だったというのは有名な話。
 なかなか楽しくプレイ可能だが、もっともタイプチェンジに意味のないウルトラマンでもある。
 またチェンジ時にかかる時間がかなり長い上、せっかく変身しても体型や色がほとんど変わらないため個性もへったくれもなく、せいぜい構えが変わるとか必殺技の演出効果が違うという細かい点にしか旨味がない。
 しかし、唯一とも言える存在意義はタッグモード時に発揮される。
 唯一取得可能な技「クロスパーフェクション」をコスモスと共に使う事で、ようやく存在が引き立つのだ。
 もっとも、コスモスとジャスティス以外で、タッグモード時に合体協力技を使えるウルトラマンペアがいないため、相対的に引き立っているだけのような気もするけど…
 とにかく不遇である。

14.ウルトラマンレジェンド:

 コスモスとジャスティスが合体して誕生した、伝説のウルトラマン。
 本作で間違いなく最強のキャラなのだが、出現データがセーブできないため、使うためには毎回条件を満たす(ウルトラモード「コスモスVSジャスティス」を毎回クリア)しかない。
 しかし、わざわざ出現させる必要性を感じないほど、つまらないキャラでもある。
 音声はなく終始無言、通常技はコスモス・エクリプスやフューチャーとまったく同じでスピードが違うだけ(ふっ飛ばし投げまで同じ)な上、唯一の必殺技スパークレジェンドは決まれば確実に相手即死という凶悪を通り越してふざけるなレベルの超高性能。
 その気になれば残り時間2分30秒前後で勝ち続ける事も可能になってしまい、内容の濃い戦闘を求めるプレイヤーには旨味が感じられないかもしれない。
 反面、最強キャラクターで圧倒的戦力を叩き込むパワープレイが好きな人には、うってつけの存在だとも言える。
 そんな訳で、恐らく好き嫌いがもっとも激しく分かれると思われる。
 ちなみに、プラクティスモード等ではコスモス・ルナモードのさばき技練習台に最適だったりする(技のモーションが早いため見切りの練習になる)。

■昭和怪獣系

15.バルタン星人:

初代バルタン星人
 外観と必殺技は原作準拠、しかし中身はまったく原作無視の困ったセミ野郎。
 はっきり行ってかなり強く、敵にすると大苦戦、自分が使うとかなり優勢に展開させられる。
 相手の技を潰して攻撃する事も容易で、キャラによってはふっ飛ばし攻撃に真正面から対抗しても勝ててしまうくらい。
 あまり大きな動きはしないという原作のイメージを豪快に払拭して、とにかく通常攻撃の全てが派手で見栄えしまくり。
 挙句に特定の攻撃時や、↓△入力時は一瞬身体が消えて食らい判定がなくなってしまうため、ガードアタックやルナモードのさばきのタイミングが掴み辛くなり、とても苦労させられてしまう(特に消滅と□攻撃を混ぜると相手が程よく困惑する)。
 またガード不能&瞬間拘束&強制転倒のハサミビーム(冷凍光線)もあなどれず、ヘタしたらウルトラマンをも凌ぎかねないオールラウンドファイター。
 バリア技と、×押しっ放しの投げ技モーションは必見。
 原作もこんな性能だったら、ウルトラマンはバルタンに絶対勝てなかったと思う。
 尚、コスモス他でのバルタン星人の扱いに納得出来なかった人は、この機会にフルボッコにしてやろう(笑)。

16.キングジョー:

キングジョオ
 CPU戦ではフルムーンレクトが利かないロボット怪獣。
 ウルトラモードでは、ライトンR30爆弾なしではセブンですら歯が立たないという困った奴。
 殴られるとちゃんと金属音を鳴らす芸コマさんだが、足音のガシンガシンはともかく、不気味な電子音(グワッシ、グワッシという奴)がほとんど聞こえない。
 動きは緩慢なのだが、接近戦ではとても避け辛い「タイミング微妙ずらし」系の攻撃を多用可能な上、↑か↓△攻撃がスーパーアーマー状態のため有用性は高く、また必殺技も威力が高いので重宝する。
 ただキングジョーの本当の魅力は、その動作から原作へのこだわりの深さを汲み取る事にあるような気がする。
 投げ、倒れる様子、細かな動き、静止時の動作など、細かく見ていると実に嬉しくなってくる。
 でも、両手広げて全身タケコプター攻撃はやめて、マジヤメテお願い。
 自分で使うと出し辛いのに、CPUは平気でガンガン使ってくるもんだから…。

17.ベムスター:

ベムスター
 ふっ飛ばし投げとしてモズ落とし(by服部半蔵)を使う、小粋なナイスガイ。
 原作に基き腹で吸い込むわビームは撃つわ、平たくなって飛んで来るわと楽しい動きをしてくれる。
 空中で□ボタン連打で浮遊したり、技の一部が入力後後方に飛翔移動したりするので、相手の攻撃をスカして当てるのがかなり楽。
 見た目に反してリーチが長く連打が効く攻撃が多いのも特徴で、しかも出が早い。
 第一印象はもっさりだが、実はかなり汎用性の高いオールラウンダーだったり。
 後、ふっ飛ばし攻撃を効率よく(後方に飛び上がるので相手の攻撃をかわせる)、しかも続けざまにたたき込めるのも凄い。
 って、当然これは敵になった時にそのまま驚異となる部分でもあるんだけど。
 光弾の代わりに腹からゴミを撃ち出す(宇宙ステーションの破片…?)のが芸コマ。
 必殺技は頭頂部からのビームのみで、かなり寂しい感じ。
 しかし、こいつを入れるなら動きは全部同じで構わないから、改造ベムスターも出して欲しかったなあ。
 そうすればタロウ怪獣が一体増えて一石二鳥だったのに(笑)。

18.エースキラー:

 本作でオリジナルの鳴き声が付加された、対エース用の超獣兵器。
 最近「ウルトラマンメビウス」でも別名を頂いて登場したから、知名度は高いかも。
 人間型のせいかそこそこのリーチを持ち、また攻撃力も高くて利便性は高いが、通常技の出が若干遅い特徴がある。
 もっとも注目すべきは投げ技のモーションの陰惨さだろうか。
 締める、握る、切り裂く、ねじ伏せるとやりたい放題で、どのムービーも長いせいか(実効果はともかく)インパクトが凄い。
 またウルトラブレスレットやウルトラ兄弟の光線技詰め合わせセット(光線技連射)なども持っているため、追い詰められるとやばく、逆に相手を一気に追い詰めてしまうほどの高性能も発揮可能。
 特に後者の合体光線の破壊力は、恐らくゼットンの一兆度火炎に並ぶほどの高い攻撃力を誇る。
 次回作では使いまわしで是非メビウスキラーを!

19.タイラント:

タイラント
 死んでもいない怪獣や超獣の怨念をも取り込んで誕生してしまった事で有名な合体怪獣。
 本作では左腕の鉄球から発射するワイヤー攻撃を駆使する、特殊戦闘担当。
 離れた位置から相手を掴める唯一の存在で、当然これをメインに使用していく。
 主に右手・左手・頭突きに分類される通常技だが、このうち左手の攻撃が単なる打撃(△)なのかワイヤーによる拘束(×掴み)なのか判別が付け辛く、読み違えると途端にピンチに陥る(一応腕の細かな動きの差で判別は可能)。
 という事は、こちらが使う場合は相手に二択を強いる事が可能という事になる。
 その他、腹部から発射する冷気と口から吐く火炎攻撃も性能が高く、強制硬直やダウンがあるため、戦局を切り替えるのに便利。
 要するに中距離〜遠距離戦に優れた個体と考えて良い。
 残念ながら、怪獣型のためそれ以外の通常技・連続技バリエーションに乏しく、また尻尾などリーチの長い部位を活かした攻撃がないため接近戦では優勢な展開に切り替え辛く、必然的に一発一発の攻撃を順番に命中させていく感じになる。
 必殺技の振り回し攻撃は、それ単体だとあまり迫力はないが、ステージによっては周囲の建造物を次々に破壊しながら回転・叩きつけを行うため、突然インパクトが増すという変わった性質を持っている。

20.マグマ星人:

マグマ星人
 ストーカーで粘着質で凶器振り回してあげくに執念深いという、現代人の病巣を鋭く描いた存在(嘘)。
 敵として戦うとサーベルの連撃と突進攻撃に振り回されがちだが、実際自分で使ってみると、技の組み立てを工夫していかないとなかなか上手く使いこなせない事がわかる。
 主にサーベルを使用する△ボタン系攻撃を使用していく事になりがちだが、実は細かいジャブ?攻撃がオマケに付いてくる○ふっ飛ばしも牽制に有効。
 左手に鉤爪を装着して攻撃力を高める事が出来るが、すぐに解除される上にこれで打撃を行うケースはほとんどない(せいぜい←□くらい?)。
 必殺技は二種類あるが、自分で放つのはサーベルビームのみで、もう一つはレッドギラス・ブラックギラスの合体回転技というイカす内容。
 ウルトラモードでは、不利な条件下に置かれたセブンとの一騎打ちイベントもあり、腕前によっては原作の無念を払う事も可能。
 ちなみに鳴き声の類はなく、音声はすべてサーベルの金属音? で統一されている。

21.ゴモラ・レッドキング:

(左)ゴモラ尻尾なし・(右)初代レッドキング
 どちらもウルトラマンに登場した有名な怪獣…だが、本当はレッドキングは80に登場した三代目版らしい(ウルトラモード「恐れていたレッドキングの復活宣言」に絡んでいるため?)。
 どちらも怪獣型のスタンダードタイプで、連撃ではなく頭突きや尻尾打撃などを一発一発的確に当ててダメージを増加させるタイプ。
 ただしそのパワーはどちらも尋常ではなく、ゴモラの△攻撃で出る尻尾二連攻撃などの破壊力はすこぶる高く、また必殺技はどちらも相当高いダメージを与える。
 また、レッドキングの△で出せるドラムアクションは攻撃と防御を兼ねた特性があり、敵の連撃封じに便利。
 動きや技のモーションの地味さに惑わされると、どんどんライフゲージが減ってしまうわけだ。
 更に、レッドキングにはいくつかの攻撃にスーパーアーマー機能があるため、強引に押し切りながら攻撃も可能(同時に、敵になった時それが結構な驚異になるとも言える)。
 ただ、プレイヤーとして使用する場合、どうしても単調な動作の繰り返しとなってしまい、複雑な入力で劇的な展開を望む人にはあまり向かないかも。
 一方、グドンのような適当な間合いを開いて一方的に攻撃可能な敵や、ゼットンやバルタン星人のような一瞬消えるタイプ相手には惑わされやすいため、逆に攻略の楽しみが生まれてくる。

22.ゼットン:

ゼットン
 ウルトラマンを葬った一兆度火炎、バリア、光線跳ね返し(隠し技)を装備した、強力なキャラ。
 これも、使われた時と使った時とで印象が様変わりするキャラで、通常技入力のほとんどでいちいち姿を消してしまうため、有利不利以前にプレイヤーが困惑させられてしまう。
 これはある程度慣れれば対応可能だが、とにかく使いづらい。
 色々と有効性の高い通常攻撃は多いのだが、安定的に使えるのは□ボタンの三段コンボくらい。
 まとわりついてペチペチ叩く戦法よりも、むしろヒット&アウェイに徹した方が有効活用できるのかもしれない。
 一兆度火炎のチャージ時間がえらく長いが、その辺はゾフィーのM87光線的な期待ができる。
 つか、これを防ぎ損なったらマジで死を覚悟しなくてはならないほど。
 また、「怪獣標本」で特定条件を満たすと手に入る「ゼットンファイナルビーム(撃ち返し系)」はかなり便利。
 頭がデカく腕と脚が短い上に、静止時に身体をプルプル震わせているため、どことなく可愛らしい印象がある……気がする。

23.ダダ:

ダダA
 3分しか戦えないウルトラマンを6分戦わせた事で有名なダダは、本編とは性質の異なるコミカルな動きが特徴で、原作を知っていると色々な意味で困惑させられる。
 相手にペコペコ頭を下げながら後ずさったり、子供が駄々をこねるようなやけくそパンチ連打をかましたりと、笑える動作が沢山ある。
 戦闘にまったく意味を成さないフェイスチェンジも当然装備しており、顔を変えるたびにいちいちひょこひょこと踊る。

 そして、最大の奥義……それは、×の後○を押しっぱなしにすると発動する「ふっ飛ばし投げ」だ。
 
 入力に成功すると、なんとダダは相手の顔を自分に向けて「 ブ チ ュ ウ 」をかますのだ!
 しかも、ちゃんと「チュ、チュ〜〜〜ッ♪ ……ポンッ☆」という効果音付きで(笑)。
 更に、怯んだ相手を尻アタックでふっ飛ばす!
 勿論、相手が怪獣だろうと星人だろうと、おかまいなしに純潔を奪う!
 尻アタック直後に振り返る動作が、こまわり君のあのポーズを連想させる事もあってか、初見の人は大爆笑必至。
 筆者は知人との対戦時、3種の顔で一度ずつブチュウ投げをかましてから勝利する、という屈辱プレイを繰り返していた。

 通常攻撃はかなり弱いが、命中判定そのものはなかなか強いので、先の駄々こねパンチはあらゆる攻撃を制止させてしまえるほど有効。
 通常動作はほとんど原作度外視だが、必殺技に縮小光線を使ってくるのは、さすがと言える。
 光線を食らって縮小した相手には、専用の通常攻撃を当てる事が可能で、これによりライフゲージがゼロになった場合は必殺技でトドメを刺したのと同じ扱い(つまり勝利)になる。
 この時のダダの「こんちくしょ!」といわんがばかりの踏んづけキックは、なかなか見もの。
 勝利ポーズの「不思議な踊り」を見て、是非MPを減らしていただきたい。

24.グドン・ツインテール:

(左)グドン・(右)ツインテール
 前者は初心者向け、後者は上級者向けのキャラ。
 グドンは、強い! とにかくめちゃくちゃ強い!
 腕が鞭のためリーチがえらく長く、相手の間合いの外から平気でガンガン攻撃を与えられる。
 加えて、出かかりの技潰しも余裕で出来てしまう上に連打特性も高い。
 中距離から近距離の有効度の高さは異常で、その上必殺技のダメージも高いからえらく使い勝手が良い。
 怪獣系特有のコンボ攻撃の乏しさなど欠点もあるにはあるが、腕の鞭だけでそれを余裕で補えるという恐るべきスペックを持っている。
 勝利ポーズで地面に潜っちゃう所は、なんかラブリー。

 対して、ツインテールは恐らく本作最大クラスで使いづらいキャラで、「ジャンプやステップ移動、投げが出来ない」「移動と軸ずらしが異常に遅い」「通常攻撃のバリエーションが乏しい」「あまり得意な間合いがない」という欠点だらけ。
 特にバキシムと戦うとこれらが際立ち、一旦距離を離されてミサイル連射されてしまうと、その時点でほぼ負けが確定する(軸ずらしをしてもミサイルが当たってしまう)。
 そこで△攻撃を多用した長リーチ攻撃と、ふっ飛ばし打撃前に数回の予備打撃がある○攻撃を巧く取り混ぜ、相手と離れすぎないように間合いを調整しながら戦う必要がある。
 このような「勝つためのノウハウ」さえ持っていれば、突然凄い強さを発揮し始めるわけだが、それに気付けないと単なるサンドバッグキャラにしかならない。
 ただし、特殊攻撃「暴れる」を使いこなせるようになると、突然最凶クラスの強さを発揮するという二面性もあったりする。
 貯め可能の「暴れる」を最大まで貯めて解き放ち命中させると、なんと相手のふらふらゲージをMAXまで一気に跳ね上げるという、とんでもない破壊力を発揮できるのだ!
 もっとも、CPU戦では貯めを始めると軸ずらしされて当てられないし、対戦でも警戒される危険が高いから滅多に当てられるものではないが…。
 レジェンドとは対極に位置するような存在なので、「基本スペックが弱いキャラで勝ち進むのが好き」なマニアックプレイヤーには逆にオススメできる。
 但し、某我道流の男のような愛想の良さはないので、愛されるかどうかは微妙(笑)。

25.バキシム:

バキシム
 通常攻撃ダメ、コンボ攻撃なし、接近戦に極端に弱いという、それだけ聞いているとどうしようもないダメダメ超獣だが、実はあまりにも卑怯なスペックを備えているため、実際は怪獣系最強かもしれない凶悪な存在。
 なんと、光弾攻撃に相当する両手ミサイルと、鼻先からのミサイル攻撃の有効性が異常に高く、キャラによってはそれだけで勝ててしまうほど。
 また、それとは別に(一回きりだが)頭頂部のツノを発射して「遠距離からのふっ飛ばし攻撃」を繰り出せるという本作唯一の特性も持っているのも凄まじい。
 また、中距離以内に踏み込まれた時は両手から出す炎(エースファイヤーと同性質)でダウンさせる事も可能で、防御能力も高い。
 とにかく、デフォルトならL1、2、R1、2ボタンだけで充分戦えてしまうわけだ。
 ツインテールにとって最大の天敵は、実はグドンではなくこいつである。
 登場シーンは、ご期待通り空を割って異次元から出て来てくれる。

26.エースロボット:

エース……ロボット?!

※画像はイメージです

 弱い、トロい、必殺技が情けないと三拍子揃った素敵なネタキャラ。
 当初は誰もがその出現に驚いたという「ここまでやるか」系だが、ツインテール同様使いこなし難い分マニアックな開発が楽しめる。
 とはいえ、あまりにも基本スペックが低すぎるのは問題で、ボタン一杯に設定しても威力が低いまま変わらないロボットメタリウム光線は戦局打破の頼りにもならない。
 スーパーアーマー付きの通常攻撃が注目に値するが、その技も恐ろしいほどスローモーなため発動を見てから余裕で回避されてしまう。
 必殺技のチャージが短く、発動までにさほど多くふらふらゲージが必要にならないため、必殺技→数回打撃→ふっ飛ばし→必殺技…という連携コンボで追い詰められるのが唯一の救いか。
 ウルトラモードでエースキラー打倒を狙う場合、この戦法はほぼ唯一の有効手段になる。

27.妄想ウルトラセブン:

妄想ウルトラセブン…?!

※画像はイメージです

 エースロボットと共に「なぜこいつが」と驚かれた脅威の存在。
 性能はやはり劣化セブンなのだが、動きやモーションの多くはオリジナルの流用で、更に独自の必殺技(と言ってもふっ飛ばし後の入力で出るものではない)「サッカーキック」を持っている。
 これが当たると、相手はとんでもない高さまで無防備に跳ね飛ばされ、食らい判定を残したまま落下してしまうので、当然その後に△などの追撃を当てられる。
 しかも入力がRボタン系のため、コスモス・ルナモードでもさばけないというオマケ付き。
 ゾンビのように腕を前に伸ばして前進している時は常時スーパーアーマー状態で、そこから接近して掴みや連撃、サッカーキックを叩き込まれると結構脅威。
 通常攻撃が強力なためか、必殺技「フェイクエメリウム光線」の威力は異常に低く、まったく頼りにならない。
 尚、ウルトラモード「激ファイト!80VSウルトラセブン」で繰り出すサッカーキックの威力は、一見の価値あり(笑)。

■平成怪獣系

28.ゴルザ:

 怪獣系なのだが、その外観に反して人間型に近い動作をする。
 そのため、通常攻撃も連撃やコンボを使いやすく、また出も早く判定も強いので、初めて怪獣系を使う人にはかなりお勧めできる。
 当然、これは敵になった時にもそのまま当てはまる事なので、意外に素早い動きに惑わされがち。
 真正面から突っ込むのは、かなりの危険が伴うかも。
 必殺技の光線もそこそこ強力で有効性が高いうえ、なんと光線技吸収能力も持っているため防御力も高い。
 なかなかにしぶとい相手なので、ティガ初期怪獣だと言っても決して舐めてかかれない。
 って、本作のは強化タイプだっけ?

29.レイキュバス:

 怪獣で唯一モードチェンジ能力を持ち、しかも最も隙が少ないという凄い奴。
 もっとも、必殺技のムービーが違うくらいしか差がないけど(笑)。
 必殺技も強力、通常技も強いというなかなか優秀な性能を持っていて、しかも△攻撃による「チョッキン攻撃」の有効性の高さは異常。
 しかし、どの攻撃もモーションが大きすぎるせいか、ガードアタックを行っても潰されやすいという弱点もある。
 尻尾振り回し攻撃は、実は尻尾ではなく尻尾から伸びている細い脚が打撃点なので、これを見誤ると回り込みやルナのさばきが巧くいかず苦戦させられてしまう。
 なかなかに使い甲斐のある怪獣なんだけど、その代わりデカい図体とノロい動きが災いして、相手の攻撃をやたらと食らいやすいという無視できない欠点が大きい。
 しかし、テクニカルキャラというには若干大味すぎて…。

30.ガンQ:

 なんとも言えない独特の攻撃を繰り出す、まさに奇獣。
 リーチは短いが通常技の出が早く、モーションが独特すぎて打点や攻撃力発生タイミングが読みづらい上、食らうとものすごくムカつく(笑…個人差あり)ふざけた投げ技が特徴。
 なぜか援護攻撃で円盤を呼び寄せられる。
 眼球吸収能力は健在で、バリア防御不可能必殺技として装備しているが、実は与えるダメージがかなり低いため、ライフゲージを一挙に減らす事は出来ない。
 だが、必殺技炸裂後相手のふらふらゲージを一気に6〜8割ほど貯めてしまうという思わぬ特典があるので、その気になれば吹っ飛ばし→吸収→吹っ飛ばし…という流れを延々と行う事が出来てしまう。
 地上ふっ飛ばし攻撃のボヨヨン頭突きは、必見。
 尚、こいつを使うとしばらく頭から「イッテェ〜♪」という声が離れなくなるというペナルティがある(笑)。

31.グローカービショップ:

 異彩を放っているメカ怪獣で、援護攻撃の代わりにブースターダッシュを持ち、本来の投げが通用しない(専用の投げモーションに自動変化してしまう)という特性がある。
 また、攻撃を食らって転倒すると、食らい判定が復活するまでに時間がかかるため、起き上がりを狙った重ね攻撃をスカす事も可能。
 その上で打撃が強力な上、ゼットンの一兆度火炎並の破壊力を持つ必殺技があるため、侮れない。
 ところが、実際に使ってみるとかなりのテクニカルキャラである事がわかる。
 ブースターダッシュは発生までに長い間があり、その間に軸ずらしをされたら移動後は丸々隙だらけという欠点だらけ。
 また通常技もリーチが極端に短く、そこそこ強いものの三連打以上効かないのでメインで使い続けるのはきつい。
 また回避行動が取り辛く、またダッシュなしの移動性能が低い上、上空からの打撃に弱い(打点が広く図体の奥行きがデカいため)という弱点もある。
 思うようにジャンプが使えない(有効性が低い)というのも問題で、これを踏まえた上で勝ち進むのはかなりの技量が求められるかもしれない。
 ブースターダッシュは、当たるとシャレにならないほどふらふらゲージを貯められる特性があるため、相手が軸ずらしできない状態の時に重ねるように使うと、結構良い感じ。
 CPUとして出て来た時は、一気呵成に攻めると意外にあっさり倒せてしまったりする。
 尚、このキャラのみ出現条件を満たすためにもう一人のプレイヤーが必要となる。

32.イーヴィルティガ・ニセウルトラマンダイナ:

 エースロボットや妄想セブン同様、オリジナルの性能に若干個性を付け加えた、正にニセモノキャラ。
 しかしその性能はバカに出来ず、特にそれぞれのふっ飛ばし攻撃(モーションがオリジナルと違う)や投げ技、一部コンボは強力な上に有用性が高い。
 また、当然ながらしっかりバリアも持っているので、防御もOK。
 ここに加え、思わず目を見張るオリジナルのふっ飛ばし投げ(特にニセダイナ)が冴える。
 残念ながら、両者ともあまり発展性が見込めない性能のため、ある程度使いこなすとその後に飽きが来やすいようだ。
 せめて独自の研究課題みたいな部分があれば良かったのだが…そういう意味では、大きな欠点を抱えているエースロボットや妄想セブンに一歩劣っている感もある。
 だが、人によってはオリジナルより使いやすいと評価する事もありえるので、決して使い道の乏しいキャラというわけではない。
 尚、ニセダイナの勝ちポーズは思わず吹きそうになるくらい「カッコイイ」。
 筆者は、これを見てしばらくニセダイナにハマってしまったくらい(笑)。

グランドキング(※本編では出ません!)
 ←コスモミラクル光線出したなら、こいつも出して欲しかったなぁ……と思うプレイヤーは多かったのでは?!

●まとめ:

 本作の魅力を色々語ってきたが、実際には上記までに示して来たもの以外にも多数の旨味があり、本当にやりがいのあるゲームに仕上がっている。
 それだけでも充分素晴らしいのだが、本作にはもう一つ「功績」があるのではないかと、筆者は思っている。

 それは、本作のプレイを通じて、プレイヤーがまだ見た事のないウルトラマン作品への興味を抱く可能性だ。

 ウルトラマンのファンは昔からこだわりが強く、昭和ウルトラファンと平成ウルトラファンの間には、とてつもなく大きな確執がある。
 勿論、中には全部の作品が好きな人も居るが、その人がどの時代のウルトラマンで洗礼を受けたかによっては、シリーズ全体の印象やとらえ方が変わってしまうので、必ずしもすべての作品のファンと同一視点で語れるわけではない。
 また昭和ウルトラファンにしても、マン・セブンまでの第一期が好きな人と、新マン〜レオまでの第二期好きとの間の溝は凄まじく、長年論争が繰り広げられてきた。
 恐らく、その凄まじさは昭和・平成ライダーファンの対立すら凌駕しているほどで、なんと出版業界をも巻き込んでいるほどだ(世代の違うライターが書いた作品評がぶつかり合う等)。

 特に、一時大変問題視されていた「ウルトラセブン至上主義」ファンによる他ウルトラ作品の無条件バッシングは熾烈極まりなく、既に三十年以上も各媒体上で激しい議論が行われている。
 この時の論争の余りの過熱気味に呆れ、作品の良さを認めつつもセブンが嫌いになってしまった人もいるほどだ(筆者もその一人)。
 また、セブン主義者以外の昭和ウルトラファンも、平成ウルトラマンをろくに見もしないで叩く者がおり、「平成ウルトラなど、見る価値すらない駄作に違いない」などという暴言を平気で吐く輩も居る。
 実際には、セブン後期は円谷英二が呆れ果てるほど製作陣が気抜けのグダグダ状態だったとか、新マン途中から路線変更で唐突なターゲット層変更があったとか、タロウを除く各作品全てに大きな問題を含んだ変更要素が生じたりとか、かなり大きな問題が多く、昭和ウルトラも手放しで褒められるようなものではなかった筈なのに、だ。
 逆に、平成ウルトラマンの方が平均的には内容・演出・構成共に昭和を上回る完成度を誇っているのだが(これは昔と違い大きな冒険がし辛かったという意味もある)、盲目的な昭和ウルトラファンは、これを絶対に認めようとしない。

 また、平成からウルトラマンに入ったファンの一部も、昭和ウルトラマンは画質も悪く演出も拙く、各種造形も酷い上に薄い内容ばかりで、しかもCGもないからとても見るに耐えないと酷評を連発する。
 そう言って昭和ウルトラマンに価値を見出さない人が、実際に居るのだ。
 昭和ウルトラファンが、マイナス要素も含めた上で作品を愛しているという事が理解出来ていないのだろう。

 このように、ウルトラファン同士による作品バッシングや嗜好のぶつけ合い、過熱しすぎな議論の応酬は年々激しくなる傾向があり、各作品がすべての層に正しく評価されているとはとても言えない状況にある。
 これは、ウルトラマンシリーズそのものに宿ってしまった、もはや治しようのない病巣なのかもしれない…。

 そこに、本作「ファイティング・エボリューション3」である。

 昭和と平成の夢のタッグが実現する本作では、攻略のために昭和・平成問わずキャラクターを使わねばならず、その結果それぞれの面白さや魅力を把握・再認識する機会を得やすい。
 また、作品そのものは好きじゃないのに使っているうちに親しみを感じてくるウルトラマンや怪獣が出てくるかもしれない。
 そういった、ファンの間の垣根を適度に崩す可能性を、本作は持っているのではないかと筆者は考えている。
 実際自分も、怪獣保護という基本コンセプトが身もだえするくらい大嫌いなコスモスやガイアをしょっちゅう(というか恐らく全体で一、二を争うくらい)使い続けているし、最近原作をもう一度観直してみるべきかなと自戒し始めている。
 そのような、原作再評価のきっかけ作りに、本作は役立つのではないかと考えるのだ。

 勿論、これは筆者だけの感覚かもしれないが、ゲーム中で活躍するウルトラマンの動きや技が、原作本編ではどのように使われているのかという興味は自然に湧くだろうし、この怪獣はどういうエピソードでどう活躍したのかという関心も生まれるだろう。
 また、本作で再現されなかった数多くの必殺技(特に最大の技数を持つコスモスなどはオミットされたものが膨大な数に及ぶ)も、原作への牽引力になる可能性がある。
 ウルトラモードのエピソードが、実際にはどんな内容だったのかを辿れば、新たな衝撃を受けるかもしれない。
 特に、対シルバーブルーメ戦でマッキー2号を救い出す展開が、どれほど重苦しいものであったかを知れば、ショックを受けるファンも多かろう。
 
 更に、過去何度か見た作品でも、もう一度観直してみようという欲求も、自然に発生するのではないだろうか?
 本作には、それだけの力があるのではないかと、筆者は考えている。

 本作が原作準拠にこだわり、やりすぎと思わせるくらいに再現しまくった色々なものは、世代を問わずウルトラマンファンに訴えかけるものがあるのではないだろうか。

 本作には、ウルトラマンの原作すべてに対する山盛りの愛がある。
 その愛の深さに当てられてみるのも、決して悪くない。

 筆者は、そんな気がしてならないのだ。

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