「人生に玩具あり」の舞台裏
後藤夕貴
更新日:2005年3月20日
 忘れた頃にやってくる、内部事情暴露シリーズ(笑)。
 今回は、後藤夕貴担当「人生に玩具あり2式」です。

 このコーナーは、「雑文通信!」のカテゴリ内で不定期連載している「おもちゃのレビュー」のページで、筆者・後藤夕貴が個人的に気に入った玩具を購入して、それについて色々と書き立てるというスタイルになっています。
 ただ、ちょっと展開が独特なので、他のサイトさんの玩具レビューページのように頻繁には更新出来ませんし、また徹底できません。
 要するに「フットワークが悪い事を、不定期連載とか気に入ったアイテムのみ扱うとか、そういう言葉でごまかして」いるわけです。

 で、今回は、その辺の事情を少しだけご説明します。


 「人生に玩具あり」は、元々玩具コレクションをしていた筆者が「ただ集めて自己満足に浸るのも無意味だ」と思い立ち、突発的に始めたものでした。
 玩具を買って、それの写真を掲載しつつ良い部分も悪い部分も書き連ねていく事で、その玩具を心底味わいつくすとか、そんな感覚にとらわれていたのかもしれません。
 ただし、コレクターとはいえ引越しや片付けの関係で色々手放したり再購入したりと、無軌道な集め方をしている関係上、そんなに多くの種類を提示できません。
 なので、最初の頃は、皆さんが良くご存知のアイテムに絞って掲載していく事にしました。

 第一回は「仮面ライダークウガ」から、「DXポピニカ・トライゴウラム&ビートゴウラムセット」を、二回目は「装着変身クウガシリーズ」を上げました。
 その次は、玩具界に波乱を巻き起こした「百獣戦隊ガオレンジャー」の全パワーアニマルを紹介し、その後は、「仮面ライダー龍騎」の「R&Mシリーズ」に至りました。


 このコーナーは、毎回特定のシリーズの玩具を数点取り扱い、写真を交えてギミックや造形などを徹底的に語り、また並行して、発売当時の世間の反応なども拾ってまとめていました。
 そのため、他の玩具レビューサイトさんとは比べ物にならないほど膨大な文章量になっています。

 現在はこれらの諸問題を多少改善し、せめて画像だけでも多く大きく見せようとしていますが、考えてみれば、これもADSLや光、ケーブルなどによるインターネット回線の高速化が成されたため、大容量のコンテンツを遠慮なく掲示できる環境になったおかげなんですね。
 最初の連載当時は、まだまだナローバンド環境の人も多かったため、そんなに多くの画像も使えなかったので、必然的に小さく加工するしかなかったわけで。

 最初の連載時は「嗚呼、人生に玩具あり」という、水戸黄門の主題歌をパロった名前になっていました。
 これは当時、掲示板上で「水戸黄門視聴推進委員会」という話題ツリーがよく立てられていた事にちなんで、特に意味もなく引用したわけです。
 こちらは、たった全9回の連載で終了しました。

 その後、2003年10月からスタートした「気分屋な記聞」の中で、このコーナーの縮小版の連載を開始しました。
 それが「玩具ありMINI」で、以前は扱わなかったガシャポンフィギュアなども取り扱い、全部で16回連載しました。

 そして、2004年12月31日更新分から、「人生に玩具あり2式」という名称で、再び独立コンテンツとして復帰。
 画像のサイズと枚数を増加し、本文を項目・商品ごとに区分して、以前より整理して読めるように改良を行い、現在に至っています。
 ここでは、メジャー作品のキャラクター玩具を中心に、やはり筆者のお気に入りを優先して紹介しています。

 ただし、今回からは並行して「フィギュア系」のページも更新しています。
 新しい玩具ページが更新されるたびに、ある部分からのみリンク移動できる「隠しページ」の中で、次々に新しいフィギュア(これも筆者お気に入りのみ)を紹介。
 ここは、ぐだぐだと長い文は書かず、写真掲載がメイン。
 更新されたタイミングは、コンテンツのタイトル画像が変わった時です。
 これを書いている時点で、すでに3ページ目に達しています。
(隠し…とは言えないほどわかりやすい位置からリンクしてますので、是非探してみてください☆)

 ちなみに、どうして一度連載を中断したかと言いますと…

 最初の連載が七回目に達した頃に、筆者の身辺事情の変化や撮影用の機材の関係で、連載継続が困難になりはじめました。
 当時、筆者はまともなデジカメを持っておらず、20万画素程度のショボイカメラで撮影し、途中からは知人のデジカメを借りて対応していました。
 また、筆者の画像加工技術も全然未熟だった事もあり、時間がかかるわりにろくな絵が作れません。
 そんな都合で、「これはこのまま無理に続けても恥を晒すだけだし、どこかで絶対コケる」と判断して、連載停止を決意したのです。
 しかし、「気分屋〜」の連載時、「玩具ありMINI」が10回目を超えた時点で、「これくらいやれるようになったなら、そろそろメインコンテンツとして復活させてもいいかも」という気分にさせられました。
 これは、以前のような私的事情が解消された事や、デジカメが揃った事、また筆者の画像加工技術が(当時よりは)向上した事が大きく関係しています。
 以前は、一枚の画像を加工するために何十分も…場合によっては何時間もかけていたのですが、現在では、よほど特殊な加工をしない限りは一枚約3〜4分で加工できるようになりました。
 本文の製作スピードは、以前とあまり変わっていないため、この画像加工速度の向上は、大きな影響を与えました。


 「人生に玩具あり2式」に掲載している画像は、以下のような行程で加工しています。

この画像は、デジカメで撮ったものをただリサイズしただけの状態です。

  

  全体を明るくして、おおまかに明るさや色合いを整えています。

  

  明度を上げて、彩度を落としてます。彩度を上げると、次の行程で発色がきつくなりすぎるので。

  

  これで、商品部分の調整はほぼ完了。本当はこの後、商品ごとにさらに細かく調整を加えるわけですが。

  

  背景を白く飛ばします。

  

  消し消し、塗り塗り。

  

  背景だけが真っ白になりました。

  ミシェールの周辺に見える黒い点と線がパスライン。これを一つひとつ設定していきます。

  

  ミシェールだけ綺麗に切り取りました。この画像のみ、合成の際にフローターを使用しています。

 まず、400万画素ほどのデジカメで商品を撮影します。
 以前は、机の上に白い紙を適当に敷いて撮影していたため、照明の光が分散してしまって影が多く発生し、えらく戸惑いました。
 現在は、自作の撮影用ボックスの中に商品を置き、スタンドライトを照明にして撮影しています。
 光の当たり具合がちょっときついので、この辺の調整が今後の課題となりますが(笑)。
(撮影ボックスは、第三回「装着変身・仮面ライダーガイ/王蛇」から利用しています)

 次に、撮影したデータをパソコンに取り込みます。
 カードリーダーを経由して取り込んだデータは、商品ごとにフォルダ分けして保存・バックアップを行います。

 続けて、某画像加工ツールを起動します。
 撮影画像を読み込ませ、被写体周辺を二周りほど大きく切り抜き、さらに縮めて加工しやすいサイズにします(昔は、これをやらず原寸のままで処理していたため、膨大な時間がかかりました)。
 横長長方形の画像の場合、だいたい横幅600〜700ピクセル程度に調整し、フィギュアの立ち姿などの場合は、縦幅700〜800ピクセル程度に調整します。

 このままでは被写体が暗かったり、または妙に明るすぎたりするので、調整して良い色合いに整えます。
 筆者の場合、まず被写体のレイヤーに「色調補正」→「色相・彩度」をかけ、明度だけを高めます。
 こうすると、写真は色が全体的に薄ボケた感じになりますが、続けて「明るさ・コントラスト」でコントラストのみを高め、ボケた色をしっかりと整えます。
 本当ならこれは、「レベル補正」「トーンカーブ」で行えるのですが、自分としては一つひとつ段階を踏んで、細かく変化状況を確認しながら作業する方がしっくり来るのです。
 その後、さらに「トーンカーブ」や「レベル補正(入力チャンネル)」を使用して、微調整(レベル補正は、一番左の矢印のみ使用)、全体の色調を強調・調整します。
 もちろん、その際は現物が目の前にあると便利です。
 直接色見を確認しながら作業できますからね。
 ですが、撮影後の玩具は邪魔者以外の何物でもないので、すでに片付けています。
 なので、参考資料なし・記憶のみで調整する事が多いわけですが、そこはそれ、足りない分は勇気で補います(笑)。

 これで、商品自体の画像調整は完了しましたが、今度は背景を白く抜かなくてはなりません。

 簡単な方法は、画像レイヤーのコピーを作り、これの「明るさ」と「コントラスト」を目一杯に上げて背景を白く飛ばし、商品部分だけが浮き立つようにする方法です。
 これは、コピーしたレイヤーの背景だけが、とにかく白くなるように調整します。
 商品部分が潰れても、全然気にしません。
 どうしても白く出来なかったらブラシで白く塗りつぶし、影を残したいなら、影が消えないように明度調整を行います。
 その後、「レイヤー」→「レイヤーマスクを追加」→「すべてのレイヤーを表示」でコピーしたレイヤーにマスクを追加します。
 そしたら、後は商品部分を消しゴムで消すだけです。
 最初は大雑把に荒く消して、後からブラシで端を整えると楽です。
 本来なら、背景部分を選択して選択範囲を反転、消去して整える方が楽に思えますが、上記までの方法だと商品部分も白くなってしまうため、選択範囲がぐっちゃぐちゃになってしまいます。
 なので、結局手動で消していった方が賢明なのです。

 難しいというか、手間がかかる方法としては、「ペンツール」を使う方法があります。
 これは、商品映像の輪郭に沿ってペン先型のツールでパスを張り、ベジェ曲線で選択範囲を作っていく手法です。
 とにかく根気が要りますが、恐らくこれに勝る綺麗な切り抜き方法は存在しません。
 アンカーポイントが全部繋がっていれば、パスを選択範囲に変換した際、綺麗に型抜きが出来るわけですが、これは数をこなして慣れないと、とてもじゃないがやってられません。
 技術は難しくないんですが、とにかく集中力(笑)。
 (←左の写真に、パスツール使用切抜画像の加工例を載せてみました)

 以上の方法は、状況によって使い分けます。
 「玩具あり2式」のメインページに使用するものは前者で、「装着変身・仮面ライダーサイガ/デルタ」のページラストの「場面再現」のような、変わった加工画像やコンテンツのメインタイトルを作る場合は、後者を行います。
 実際は、後者で加工する方が、後々便利に使いまわせたりします。
 撮影画像の背景部分だけ選択・消去をやると、商品画像の周囲に汚いゴミが付着するので、絶対に行いません。

 …といいたいのですが、実はここからちょっとだけ手間をかけると、案外綺麗に抜けたりします。
 あまりにも簡単なので、ここでは紹介しませんけど。

 一通り加工が終わったら、画像を統合して適度な大きさに縮小します。
 実際に使用するサイズのままだと、加工時のアラが目立ったりしますし、ムダに容量が増えますから。
 画像毎にサイズを整え、最適化した画像ファイルに変換していきます。
 その後、完成した画像を再度チェックして、特に問題がなければ、HTMLページに組み込む事になります。

 実際は、完成した画像のサイズが微妙に合わなくて作り直したり、ピクセルを微調整したりするハメに陥るんですけどね。
 これらの行程を、ひとつのページにつき20〜30枚ほど製作します(マジキングの時は100枚近くに達しましたが)。
 しかし、実際に組み込んでみると、本文の長さの関係上画像の位置がぶつかり合う事が多々あり、毎回何枚かは没になってしまっています。

 撮影の時は、どういう画面情報が必要かを考えながら撮りますが、なるべく内容が被らない写し方を試みます。
 本文の中で、特に注目点や問題点として挙げている部分は、必ず撮影するようにして。
 悪い部分に目を瞑って紹介しても、意味なんかありませんから、この辺はシビアにいきます。
 バイナルテックなどの車モノの場合は、室内部分だけ先のレイヤーマスク手法を用いて、他の部分よりやや明るめにして重ねておきます。
 こうする事で、室内のディテールを目立たせます。
 

 ――と、ざっとこんな感じで製作していますが、個人的に時間が取れなかったり、興味を惹く対象がなかったりすると、どうしても更新処理が滞ってしまいます。
 また、他コンテンツの更新も並行して行っているため、どうしてもこちらばかりに手をかけられない状況に陥りやすいです。
 玩具レビューをやるにあたり、一番のネックになるのが「新製品レビューをどれだけ早く出すか」なのですが、うちのサイトの場合、本文が完成するまでに何回も他のスタッフの目を通してもらわなくてはならないため、どうしてもタイムラグが生じます。
 そんな事情があるため、どうしても不定期更新にせざるをえないわけです。


 次に「商品の購入」ですが、筆者は基本的に「定価では物は買わない」主義です。
 適度な値引きがされているか、番組末期の叩き売りで手に入れた物などを中心に集めているコレクターなので、新製品に無条件に飛びついたりは、よほどの事がない限りしません。
 世の中には「安売りを待っていたら、買うべきタイミングを見逃して後悔するぞ」という意見もあり、安売り狙いが叩かれる風潮もあるようですが、筆者は玩具以外にも無数の“金のかかるシュミ”を持っているため、どうしてもどこかで妥協点を見出さなければなりません。
 ですから、極力安売り情報をチェックして行動します。
 といっても、ヨドバシカメラやさくホビ程度の値引きでも充分動くんですけどね。
 底値になるまでギリギリ待って、タイミングを逃すなんて真似は、もうしません(泣)。

 サイト更新のためだけに最新玩具を買い続けていたのでは、いつか生活が圧迫されます。
 金銭的にも、容量的にも、そして時間的にも。
 なので、「特捜戦隊デカレンジャー」のデカベースロボなどは、無条件でパスになります。
 また、そんなに強く興味を惹かれない物ならば、たとえ流行のものでも手を出しません(アムドライバーや、S.I.Cなど)。
 常に新品を、速攻で買い続ける人達を尊敬こそすれど、追随しようとはまったく思っていません。
 コラムの内容が、最新報告ではなく、玩具に関する記録という方向でまとめてられているのも、そういった事情が元になっているのです。

 ただし例外もあり、筆者が熱烈に思い入れているものについては、この限りではありません。
 また、限定生産的な物など、今動かないとダメだというアイテムについては、金銭に関係なく普通に動きます。
 こういうものがあった場合は、間違いなく更新ページに何かが反映されていることでしょう(笑)。

 
 最近更新を始めた「フィギュア」については、また色々と事情が変わってきます。
 あまり劇的な値引きがされる事はなく、されているとしても、それはやっぱり「売れない」物ばかりで、基本的に人気作の安売りなどは期待できません。
 中には例外もありますが、良い物や気に入ったものを買おうとすると、これまた結構なお金が飛んでしまいます。
 今、筆者が本当に欲しいあるフィギュアは、一万円近い価格帯の上に初版が瞬殺で売り切れたというものすごいもので、いつ購入できる機会が巡ってくるか、それすらもわかりません。
 元々、あまり完成品フィギュアは買わない人なのですから。
 マックスファクトリーの「宇宙のステルヴィア」藤沢やよいにしても、たまたま出向いた時に一体だけ再販があったので、衝動買いしただけだったりします。
 これも、初版はあっさりと市場から消えた、激売れアイテムでしたね。

 さらに加えて、買ってみたら大ハズレ…というものもあったりするから怖いんです。
 実は、以前「玩具あり2式」で発表しようと思って、ソリッドシアターの「アル・アジフ(斬魔大聖デモンベイン)」を買ったのですが、実物が届いて唖然呆然。
 塗りは汚いわ衣装の造りは粗いわ、顔も全然シャープじゃないわ…
 商品写真は、いったいどれだけコラージュしてあるんじゃ! と言いたくなるようなもので、とてもじゃないですが発表なんか出来ないシロモノでした。
 こういう場合が多々あるので、フィギュア関係は、たまたま何か手に入れたら気分で更新するようにしていく予定です。
 そんないい加減さなので、「隠しページ」なんていう存在になっているわけです。


 色々と難題も多く、筆者の都合ばかりで運営されている、えー加減なコンテンツで申し訳ないのですが、今度は以前よりも頑張っていきたいと思っていますので、玩具好きな方、あるいは興味をお持ちの方、是非覗きにいらしてください。

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 え、リクエストは受け付けていないのかって?
 いやいや、何かありましたら是非お寄せください。
 メールでもアンケートでも(只今再構成中ですが)、掲示板上でも結構です。
 また、新しいものばかりでなく、あえて古い物なども扱っていけるようにしたいですね。

 これからも、よろしくお願いします☆


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